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2025年10月6日

M&Aブティックとは?仲介会社との違いや依頼するメリット、業務内容を解説

M&Aブティックとは?仲介会社との違いや依頼するメリット、業務内容を解説

M&Aブティックとは、M&Aの専門家集団のことです。M&Aをスムーズに進め、目的を達成するために必要不可欠なサポートを提供する企業や機関を指します。

本記事では、M&Aブティックの概要と仲介会社などとの違い、主な業務内容について紹介します。

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M&Aブティックとは「M&Aの専門家集団」

M&Aブティックとは、M&A成約までの総合的なサポートを行う専門家集団のことです。M&Aアドバイザリー業務を行う企業や機関を、総じてM&Aブティックと呼びます。

少しでも有利にM&Aを進め、リスクを回避しシナジー効果を最大化するためには、豊富な知識と経験を持つ専門家のサポートが必要です。大規模案件になるほど、より高い専門性が求められます。

そのため、大規模のM&A案件ではM&Aブティックが関与するケースがほとんどです。

なお、M&Aブティックは、譲渡企業(売り手)と譲受企業(買い手)のどちらかの立場でサポートする「アドバイザリー方式」が一般的です。アドバイザリー方式は、クライアントの利益最大化を目的としてサポートをします。

▷M&AブティックとM&A仲介会社の違い

M&Aブティックは基本的に譲渡企業・譲受企業のどちらかの立場からM&Aのサポートを行います。

一方、M&A仲介会社は、譲渡企業と譲受企業の間に立って、双方の利益が公平になるようにサポートします。

ただし、日本では中小企業のM&Aの場合、仲介方式を採用するM&Aブティックもあります。そのため、M&A仲介会社もM&Aブティックに含むのが一般的です。

▷関連記事:「M&A仲介会社とは?FAとの違いや選び方、メリットや手数料の相場を徹底解説

▷M&AブティックとM&Aアドバイザーの違い

M&Aブティックが専門家の集団を指すのに対し、専門家個人を指すのが「M&Aアドバイザー」です。

M&Aコンサルタントやファイナンシャルアドバイザーとも呼ばれます。

M&Aアドバイザーは、M&Aブティックに属してアドバイザリー業務にあたる人材です。企業の財務会計や税務、法律に関する深い知識と、M&Aをスムーズに実行するための交渉力などを兼ね備えています

関連記事:▷「M&Aアドバイザーとは?業務内容・手数料やメリットを解説

M&Aブティックの主な業務内容

M&Aでは様々な知識と経験が必要です。

専門性の高い知識と豊富な経験を持つM&Aブティックは、M&Aを検討している企業に高レベルで総合的なサポートを提供しています。

M&Aブティックの主な業務内容は、次の6つです。

1. M&A戦略へのアドバイス
2. M&Aのマッチングと交渉のサポート
3. バリュエーションの実施
4. デューディリジェンスの実施
5. 各種契約書の作成サポート
6. クロージングPMIのサポート

6つの業務内容を詳しくご紹介します。

業務① M&A戦略へのアドバイス

M&Aブティックは、M&Aの戦略策定の段階から企業をサポートします。

これまでにM&Aの経験がなく、企業の売買に詳しい社員もいない場合、自社だけでM&Aの戦略を立てるのは困難です。M&Aブティックは、クライアント企業のM&Aの目的を明確化し、その達成に向けた戦略やスキームの策定、資金調達の計画やタックスプランニングにアドバイスをします。

各分野の専門知識や経験を活かしたM&A戦略へのアドバイスは、M&Aを進める中で起こり得るリスクを低減し、成功率を上げるために欠かせない業務です。

業務② M&Aのマッチングと交渉のサポート

M&Aブティックには、譲渡企業と譲受企業のマッチングと交渉のサポートを行う企業や機関があります。

M&Aのメリットの1つは、異なる企業同士が融合することでシナジー効果(相乗効果)が期待できることです。M&Aブティックに依頼することで、シナジー効果を最大化できる相手企業を選定してもらえる可能性があります。さらに、仲介形式を採用しているM&Aブティックであれば、譲渡企業と譲受企業の双方が公平な利益を得られるように交渉を行ってくれるでしょう。

一方、アドバイザリー方式による交渉のサポートは、クライアント(譲渡企業または譲受企業)の利益を最大化するためのものです。仲介形式とは交渉段階のサポート方針が異なるため、M&Aの相談先を検討する際は企業や機関の特徴を把握し、自社に適切な相談先を見つけましょう。

業務③ バリュエーションの実施

M&Aにおけるバリュエーション(企業価値評価)とは、譲渡価額を決める際の企業価値を算出するための方法です。

株式が市場で取引されていない中小企業の場合、企業価値を把握するのは容易ではありません。M&Aブティックでは、売り手企業の財務情報やブランド力、ノウハウ、独自の流通経路など「のれん代」など無形資産の価値も含め、いくつかの理論に基づいて企業価値を算出します。

バリュエーションの方法は、主に次の3種類に分けられます。

・主に資産や負債から企業価値を算出する「コストアプローチ」
・株式市場からの評価をもとにする「マーケットアプローチ」
・将来見込まれる収益やキャッシュフローからリスクを差し引いて算出する「インカムアプローチ」

バリュエーションによって最終的な譲渡価額が決まるわけではありませんが、M&Aを進めるうえで目安となる重要な業務です。

▷関連記事:「企業価値評価(バリュエーション)とは?M&Aで使用する算出方法をわかりやすく解説

業務④ デューディリジェンス(DD)の実施

デューディリジェンス(DD)とは、譲受企業側が譲渡企業を財務や税務、法務などの様々な角度から調査することです。

一般的にM&Aの最終契約フェーズ直前に行われ、最終的な譲渡価額に影響を与えます。

デューディリジェンスによって問題が見つかった場合、譲渡価額の見直しや見つかった問題に関する取り決めなどが行われます。

業務⑤ 各種契約書の作成サポート

M&Aでは、企業間の基本合意、M&Aの基本合意書や最終契約書など、複数の契約書類の作成が必要です。

このような契約書や書類は、今後にも影響する重要なものであるため、作成にあたって高度な知識を持つ専門家からのサポートを受けるのが望ましいです。

M&Aブティックを利用すると、契約書や書類に関するサポートも行ってもらえるため、スムーズにM&Aを進められるでしょう。

業務⑥ クロージングとPMIのサポート

「クロージング」とは、M&Aによる経営権移転のための最終契約書に基づく手続きを指します。M&Aブティックは、資料の開示や提出が問題なく行われるようにクライアント企業をサポートします。

また、クロージング後のPMIまでサポートしてくれるM&Aブティックもあります。PMIとは、企業の統合手続きのことです。M&Aによる業務の混乱や、従業員への負担をできるだけ軽減するには、効率的で速やかなPMIの遂行が重要です。

M&Aブティックを利用したい場合は、PMIまでサポート内容に含まれるか確認しておくとよいでしょう。

▷関連記事:「M&Aのクロージングとは?前提となる条件や流れ、手続きをわかりやすく解説
▷関連記事:「PMIとは?M&Aを成功させるための統合プロセスやポイント、期待できる効果を解説

【一覧】M&Aブティックの種類

M&Aブティックの主な種類は次の4つです。

・国内金融機関(銀行・証券会社)
・外資系金融機関(投資銀行など)
・税理士法人などの士業事務所
・コンサルティングファーム

以下では、それぞれのM&Aブティックの特徴を紹介します。

国内金融機関(銀行・証券会社)

銀行や証券会社の中には、M&A先の選定や紹介などM&Aアドバイザリー業務を行っているケースがあり、M&Aに必要な資金の相談や融資に関する相談もできる場合があります。

メガバンクをはじめとした大手金融機関であれば、これまでにM&Aを扱った経験が多数あり、豊富な経験と知識をもとにM&Aのサポートをしてもらえる点がメリットです。国内のネットワークを活かしてM&A先の選定や紹介を受けられます。

外資系金融機関

外資系金融機関の中にはM&Aの相談やサポートを行っている企業があります。国際ネットワークを活かしてM&Aの候補先を紹介してもらえる場合があるため、海外企業とのM&AであるクロスボーダーM&Aを検討する場合は外資系のM&Aブティックに相談すると良いでしょう。

海外進出や海外での事業拡大を目的として海外企業の買収を検討する際、外資系の投資会社などに相談すれば、自社に適した買収先または譲渡先となる海外企業を提案してもらえます。
▷関連記事:「クロスボーダーM&Aとは?手法・メリットや成功のポイント、事例を紹介

士業事務所

士業事務所の中には、M&Aに関する相談やサポートを行っているケースがあります。弁護士事務所や税理士事務所など士業事務所は専門知識があるため、デューディリジェンスを任せられます。

例えば、M&Aに伴う法的なリスクの洗出しをするために法務デューディリジェンスを依頼したい場合は弁護士に依頼し、財務や税務に関するデューディリジェンスを依頼する場合は公認会計士や税理士に依頼すると良いでしょう。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームの中にもM&AブティックとしてM&Aの相談やサポートを行っているケースがあります。コンサルティングファームはデューディリジェンスに強い傾向にあるため、法務や財務など専門知識が必要な分野でサポートしてもらえる点がメリットです。

これまでにM&Aを扱ってきた経験や国内外のネットワークを活かし、M&Aに向けた戦略の立案や買収先・譲渡先となる企業の選定、交渉、クロージング、PMIまで、幅広いサポートに対応しているコンサルティングファームもあります。

M&Aブティック利用のメリット・デメリット

M&Aブティックを利用するメリットは、各分野の専門家のサポートを受けながらクロージングまで進められる点です。

また、数多くの企業から自社の目的に合致した相手先候補を選んでもらえます。もしトラブルが起こった場合も、円満な解決を目指したサポートを受けられるでしょう。

豊富な知識や経験を持つM&Aブティックを利用すれば、社内に詳しい人材がいなくても効率の良いM&Aを実行できます。

その一方、M&Aブティックの利用には高額な費用がかかるのも事実です。また、M&Aの成功確率は高まるものの、必ずしも成功するとは限りません。費用を支払っただけで成果がなかった、という可能性があるのはデメリットです。

ただし、多くのM&Aブティックでは、取引金額が高くなるほど報酬率が逓減する「レーマン方式」によって成功報酬を計算しています。大規模なM&Aであるほど支払う成功報酬の割合は下がるため、コスト面の負担が軽減できるでしょう。

まとめ

M&Aブティックは、M&Aの相談から成約までを総合的にサポートする企業や機関などの総称です。

業務内容はM&A戦略へのアドバイス、マッチングと交渉のサポート、バリュエーション・デューディリジェンスの実施、各種契約書作成・クロージングとPMIのサポートと多岐にわたります。どの業務もM&Aでは重要です。

M&Aの実施は様々な専門知識や経験が必要になるため、スムーズに進めて成功させるにはM&Aブティックのサポートを受けるのが良いでしょう。

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