経営・ビジネス

2023/11/22

アライアンスとは?M&Aとの違いや種類、締結の流れと注意点をわかりやすく解説

アライアンスとは?M&Aとの違いや種類、締結の流れと注意点をわかりやすく解説

アライアンスは、企業がお互いに協力して事業の成長と拡大を図ることで、変化の激しい昨今において有効的な経営手段です。

事業の成長や拡大を目的とする手法にはM&Aもありますが、アライアンスとは異なるので、両者の違いをしっかり把握しましょう。

本記事では、アライアンスの概要や種類、M&Aとの違いを解説し、メリットやデメリット、締結までの流れも紹介します。アライアンスについて知りたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

▷関連記事:M&Aとは?M&Aの意味・流れ・手法など基本を分かりやすく【動画付】

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アライアンスとは

アライアンスは、企業の成長や拡大に有効的な手法です。ここでは、アライアンスの言葉の意味やビジネスシーンにおける定義など、基本的な概要を紹介したうえで、M&Aやパートナーシップとの違いについて解説します。

アライアンスの定義と目的

アライアンス(alliance)は「同盟」「連携」などと訳され、ビジネスにおいては業務提携や戦略的同盟とも呼ばれる経営手法の1つです。

アライアンスを結ぶと、アライアンス関係にある複数の企業が特定の目的や利益のために協力します。アライアンスの目的は、資本の強化や技術の発展、業務の効率化など、企業の強みや抱えている課題により異なります。

各企業の強みを共有することで、競争力の向上や事業の成長・拡大を図ることができます。

アライアンスとM&Aの違い

アライアンスと混同されがちな用語に「M&A」がありますが、両者の内容は異なります。アライアンスとM&Aの違いは、次のとおりです。

・アライアンス:提携した企業がお互いに利益や成長をもたらすことを目的としており、各企業の独立性が保たれる
・M&A:事業の存続・拡大などを目的としており、一般的に株式が譲渡されるため、譲渡企業の独立性が失われる

アライアンスとM&Aは、企業の成長・拡大を目的とする点で共通していますが、M&Aでは株式譲渡が行われるため、経営権は譲受企業が持つことになります。

アライアンスとM&Aは、企業の独立性の有無が大きな違いである点を覚えておきましょう。

アライアンスとパートナーシップの違い

パートナーシップとは、「協力関係」のことであり、対等な立場の両者がお互いの強みを活かした資源を持ち寄って共通の目的を達成します。

互いに協力するという意味ではアライアンスと同じですが、アライアンスはパートナーシップより利益に重点を置いた関係です。

また、アライアンスは企業や組織の提携で見られますが、パートナーシップは企業と個人のような業務委託の関係でも成り立つ特徴があります。

アライアンスを用いたビジネス用語

アライアンスを具体的にイメージしやすいように、アライアンスがビジネス用語としてどのように使われるのかを紹介します。

アライアンスを使った用語には以下のようなものがあるため、あわせて覚えておくといいでしょう。

用語意味
アライアンス契約企業同士が提携するために行う契約
アライアンス事業提携企業同士で行う事業
アライアンス戦略提携によって達成すべき目的や課題解決を計画・実行すること
アライアンスパートナー提携した相手企業

アライアンスの種類と事例

アライアンスは、目的に応じて以下の5種類に大別されます。

・業務提携
・資本提携
・技術提携
・産学連携
・オープンイノベーション

それぞれの目的や事例を確認しましょう。

業務提携

業務提携は、特定の業務を2社以上の企業が協力して行うことであり、技術や人材、商圏といった経営資源を提供します。

業務提携では、以下のようなことが行われます。

・技術開発
・販売営業活動 など

業務提携をすることで、自社にない知識を取り入れたり視野を広げたりできる可能性があります。また、各企業で類似事業を展開している場合は、技術や顧客を共有することで、事業の効率化も見込めるでしょう。

例えば、日本郵政と楽天の業務提携では、配送システムや受け取りサービスの構築、配達網を活用したマーケティング施策の実施など、双方の強みを活かしたシナジーの最大化を図っています。

▷関連記事:業務提携とは?資本提携・M&Aとの違いとメリットやプロセス

資本提携

資本提携は、M&Aのように一方の企業が経営権を掌握するのではなく、双方の企業が独立性を保持できる範囲で、株式を持ち合うまたは取得する協力関係です。

資金的な協力だけでなく、技術や事業領域の資源も相互に提供する場合が多く、資本提携をきっかけにお互いの資本や業務の結びつきが強くなります。そのため、資本連携からM&Aに発展するケースもあります。

トヨタ自動車といすゞ自動車の資本提携では、両社が協業の円滑な構築・推進を目指すため、お互いに同額規模の株式を取得し、トヨタ自動車傘下の日野自動車を含めた3社で共同出資会社を立ち上げました。

▷関連記事:資本提携とは?業務提携との違いや契約書の書き方を解説

技術提携

技術提携は、業務提携の中でも技術分野に特化した提携です。ビジネスシーンにおいては、特許の利用を認めるライセンス契約や特定の技術・製品の協力開発を行う共同研究開発があります。

事例として、建設業で競合関係にある株式会社竹中工務店と鹿島建設株式会社は、建設業界の生産性や魅力の向上を目的に、2019年12月に技術提携をしました。翌年には清水建設株式会社も参画し、ロボット施工やIoT分野に関する新技術の共同研究開発、既存技術の機能向上、改良など、技術の相互利用に取り組んでいます。

産学連携

産学連携は、企業が大学などの教育・研究機関と協力して新規事業または研究開発を行うことです。教育・研究機関が持つ専門的な知見や技術を活用できるため、開発にかかるコスト削減や期間短縮が見込めます。

産学連携はさまざまな業界で活用されており、成功事例も多く存在します。ノーベル賞受賞で話題となった青色発光ダイオードの実用化も、産学連携の成功事例の1つです。

オープンイノベーション

オープンイノベーションは、2003年に米国の研究者が提唱した概念で、自社以外の技術や知見を積極的に活用する考え方です。

従来は、競争に勝つための研究開発は自社で行うのが一般的でした。しかし、昨今は技術レベルの向上により、自社だけでは対応が難しくなっています。その結果、他企業や教育・研究機関と連携し、自社にはない技術の探索や外部から提供される技術を活用する取り組みが増えています。

アライアンスのメリット・デメリット

アライアンスとは?M&Aとの違いや種類、締結の流れと注意点をわかりやすく解説

企業が成長・拡大するための手法には、アライアンスの他にM&Aなどもあるため、自社に合った手法を検討することが大切です。

ここでは、アライアンスのメリットとデメリットを紹介するので、成長戦略を練るうえで参考にしてください。

アライアンスのメリット

アライアンスの主なメリットは以下のとおりです。

・弱みを補い合えるため競争力が上がる
・M&Aよりも手続きが簡単で低コスト
・M&Aよりも失敗した場合のリスクが低い

アライアンスでは、自社にないリソースを外部から取り入れるため、自社の弱みを補うことで企業競争力の向上が見込めます。

また、M&Aより手続がシンプルで時間やコストも抑えられるので、万が一失敗した場合のリスクが軽減される可能性は高いです。

アライアンスのデメリット

アライアンスの主なデメリットは以下のとおりです。

・成果がでない可能性がある
・顧客の個人情報流出リスクがある
・技術やノウハウが流出する恐れがある

アライアンスを結んだからといって、必ず成果がでるわけではありません。

協力する企業同士のビジョンや目的が一致していない場合は、摩擦や対立によりアライアンス関係が途中で解消される場合もあります。

また、アライアンス関係では、通常の取引よりも、顧客情報や技術など機密性の高い情報の開示が必要な可能性が高いです。そのため、アライアンスを結ぶ際には、必ず秘密保持契約などの情報漏洩対策を講じる必要があります。

一度情報が漏洩すると回収できないため、アライアンスを結ぶ企業の情報管理状況は事前に確認してください。

アライアンスを結ぶ企業の情報管理体制が不十分な場合は、情報漏洩リスクが高まるため、取引の見送りも検討します。自社の情報管理体制が不十分な場合は、管理体制を見直しましょう。

アライアンス締結の流れ

アライアンス締結までの流れは以下のとおりです。

1. 目的の明確化
2. 提携先候補の選定
3. 企業の調査
4. 提携先の決定
5. 条件の設定と契約締結
6. 業務開始

アライアンスを成功させるためにも、まずは業務の目的を明確にしなくてはいけません。目的が明確でないと、提携先の選定や契約書の作成が難しくなります。

目的が定まったら、自社の強みと弱みを分析し、最適な提携先を選定・打診しましょう。

打診する際は、アライアンスの目的や自社の強み・弱みを説明し、双方にとってアライアンスのメリットがある点を理解してもらう必要があります。そのため、分析と同時に期待できるシナジーなどを想定しておくと、合意を得やすくなるでしょう。

双方がアライアンスに前向きであれば、条件の擦り合わせを行い、合意内容をもとに契約書を作成して契約を締結させます。契約期間をもとに業務が開始されれば、手続きは完了です。

なお、アライアンス契約では法的な拘束力を持つ内容も記載するため、契約書の作成時は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

まとめ

アライアンスはM&Aと異なり、各企業が経営権を保持したまま外部の技術やノウハウを取り入れ、事業の成長・拡大を図る手法です。

M&Aより手続が煩雑ではないため時間やコストを抑えられますが、外部との協力関係なので、顧客情報や技術の情報漏洩に注意しなくてはいけません。

また、アライアンスでは契約に法的拘束があり、業務提携や資本提携からM&Aに発展するケースも考えられるため、信頼できる相談先を見つけておくことがおすすめです。

fundbookには、業界に精通した専門チームや士業専門家が在籍しています。アライアンスやM&Aを検討している方は、ぜひ一度fundbookへご相談ください。

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