経営・ビジネス

2023/11/29

事業承継時の消費税とは?課税資産や納税義務、必要な手続きをわかりやすく解説

事業承継時の消費税とは?課税資産や納税義務、必要な手続きをわかりやすく解説

事業承継では、贈与税や相続税、消費税などが発生するケースがあります。後継者への引継ぎを考えている経営者のなかには、消費税などの税務上の事柄に関して「どこに注意すれば良いのだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、事業承継時に納める税金の種類や法人・個人の納税義務者の違いなど、税に関する事柄をわかりやすく解説します。事業承継時の消費税や課税対象となる資産、手法別の消費税の取り扱いも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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事業承継時に納める税金の種類

事業承継では、状況に応じて「贈与税」「相続税」「消費税」の3種類が発生します。

各税金で納付期限は異なるので、覚えておきましょう。

税の種類納付期限課税条件
贈与税翌年の3月15日先代の経営者が後継者に自社株式や事業用資産を「贈与」するときに課税される
相続税相続の開始を知った日から10月以内自社株式や事業用資産を「相続」するときに課税される
消費税法人は課税期間終了日の翌日から2月以内個人は翌年3月31日まで事業の課税売上高に従って課税される

消費税は、法人と個人で納付期限が異なり、法人は「課税期間終了日」、すなわち事業年度の終了日の翌日から2ヶ月以内が納付期限となります。

また、それぞれの税の納税主体や納付先は、納税主体や税の種類により異なります。

主な税金と納税主体ごとの納付先は以下のとおりです。

納税主体納付先税の種類
法人・消費税・法人税
地方自治体(県・市町村)・地方消費税・事業税・法人住民税・固定資産税
個人・相続税・贈与税・消費税・所得税
地方自治体(県・市町村)・地方消費税・固定資産税・住民税

法人であれば、国に消費税や法人税を納付し、地方自治体に地方消費税や事業税などを支払います。

法人と個人事業主の納税義務者の違い

事業承継において、納税義務者は事業に関する資産を取得した人となるため、一般的には後継者が納税します。ただし、法人と個人事業主ではいくつかの点で異なります。ここでは、法人と個人事業主の納税義務者の特徴を解説します。

法人の場合

法人は、法律によって権利能力が与えられた人格を持つ団体です。したがって、経営権が先代から後継者へ移る場合でも、法人自体の納税義務は変わりません。

例えば、消費税の場合、事業承継する法人の課税売上高が1,000万円超の場合は、引き続き納税義務者として消費税を納付します。

一方、事業承継する法人の課税売上高が1,000万円以下の場合は、消費税の納税義務が免除されます。ただし、インボイス制度との関連で適格請求書発行事業者の登録を受けている間は、納税義務が免除されないため注意してください。

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、個人に納税義務があります。したがって、顧客や経営形態、取り扱う商品やサービスが同じ場合であっても、先代の経営者から後継者へ資産が承継されれば、納税義務者は後継者へ移ります。

法人と異なり、基本的に先代の経営者が事業を運営していた期間は先代の経営者が、事業承継後の期間は後継者が納税することになります。

事業承継時に発生する消費税

株式の譲渡も会社や個人が所有する資産の譲渡であることから、「消費税が発生するのでは」と思う方もいるでしょう。しかし、一般的に株式譲渡は非課税扱いなので、株式譲渡で事業承継を行う場合は消費税が課税されません。

また、合併や会社分割の場合は、組織再編行為で資産の譲渡にあたらないと判断され、不課税扱いとなります。

事業承継時で消費税を考慮する必要があるのは、事業譲渡や現物出資の場合です。事業譲渡や現物出資は、個々の資産が譲渡されたものと捉えられるため、消費税が課税されます。

▷関連記事:M&Aによる事業譲渡を行う際の消費税の取り扱い方について解説

消費税の課税資産

事業譲渡は消費税の課税対象となりますが、全ての資産が対象となるわけではありません。消費税には、課税対象となる「課税資産」と課税対象とならない「非課税資産」があります。主な課税資産は以下のとおりです。

消費税の課税資産
土地を除く有形固定資産・企業や個人事業の活動で長期的に使用するために保有している有形資産・建物や車両、設備機械や船舶 など
無形固定資産・貸借対照表に計上される無形の資産・特許権やソフトウェア、商標権や著作権、漁業権や意匠権 など
棚卸資産・販売活動や営業活動のための資産・原材料や商品在庫、仕掛品や製品 など
営業権(のれん代)・M&Aで純資産を超える取引がなされた場合に発生する非金銭的な資産・ブランド力、技術力、ノウハウ、顧客など利益を生み出す源泉となるもの

一方、非課税資産に分類されるものには以下があります。

消費税の非課税資産
土地・有形固定資産ではあるものの、消費税の課税対象とはならない
有価証券・株式や債券、手形や小切手など
債権・法律上、他人に請求することができる権利のあるもの・売掛金や未収入金、貸付金など

事業譲渡などで消費税を計算する場合は、非課税資産を控除し、課税資産の部分をピックアップして税額を計算します。

事業承継の手法と消費税

事業承継は、主に「生前贈与」や「相続」、「M&A(売買)」の3つの手法に分かれます。事業承継の手法により、消費税の取扱いは異なるので注意しましょう。以下で、手法別に詳しい内容を解説します。

生前贈与の場合

生前贈与は、先代の経営者の存命中に事業承継する手法です。生前贈与の場合、先代の経営者は「事業の廃止」を、後継者は「事業の開業」を行います。

先代の経営者が課税事業者である場合、所轄の税務署へ「事業廃止届出書」を提出する必要があります。また、状況に応じて「消費税簡易課税制度選択不適用届出」や「消費税課税事業者選択不適用届出」など、消費税に関する手続きを行います。

事業承継をきっかけに後継者が開業する場合、通常2年間は免税事業者となるため、法律上の手続きは不要です。ただし、インボイス制度に関連して適格請求書発行事業者の登録を受ける場合は、免税とされる期間でも課税事業者となる必要があります。

相続の場合

相続の場合も、先代の経営者の「事業の廃止」と後継者の「事業の開業」の手続きが必要な点は同じです。

相続と生前贈与で異なるのは、対象の課税売上高が変化する点です。相続の場合は、先代の経営者の課税売上高を引き継ぎます。つまり、相続があった年は、先代の経営者の基準期間における課税売上高と、後継者が事業承継した後の課税売上高を合算した金額に、消費税が課税されます。

また、被相続人である先代の経営者が提出した「消費税課税事業者選択届出書」「消費税課税期間特例選択等届出書」「消費税簡易課税制度選択届出書」の効力は、後継者に引き継がれません。そのため、課税事業者などの適用を受ける場合は、別途書類を提出する必要があります。

M&A(売買)の場合

事業を売買で譲渡する場合、譲渡企業は譲渡価格に消費税を加算して譲受企業に請求します。支払いを受けた譲渡企業が課税事業者の場合は、後日、消費税申告の際に税務署に申告し、納税する流れです。

なお、先述のように消費税には課税資産と非課税資産があり、事業譲渡された資産には双方が混在しています。そのため、消費税を計算する際は課税資産と非課税資産を分け、課税資産にかかる消費税を計算する必要があります。

事業承継時の消費税を節税する方法

事業承継時の消費税とは?課税資産や納税義務、必要な手続きをわかりやすく解説

あくまで一般論としてですが、消費税に関しては相続で事業承継するよりも生前贈与で事業承継したほうが、節税効果はあると言われています。これは、相続で事業承継した場合、先代の経営者が事業を行った期間の課税売上高が加算されるからです。

したがって、消費税を節税したい場合は、先代経営者の存命中に事業承継を検討してみても良いでしょう。

また、非上場会社の場合は納税猶予や免除が適用できる場合があります。これは事業承継税制と呼ばれる制度で、非上場会社の承継支援のために設けられています。

事業承継税制は、贈与税や相続税の負担を軽減できる可能性のある制度です。ただし、一定の要件があり、状況に応じて適用の有無は変わります。節税対策の詳細でわからない点などがある場合は、専門家に相談しましょう。

▷関連記事:事業承継の節税対策とは?具体的な対策や活用できる制度を解説
▷関連記事:事業承継税制による相続税対策とは?具体的な税負担や税制を活用するための要件も解説
▷関連記事:事業承継税制を賢く活用するには?利用の流れ、メリット・デメリットをわかりやすく解説

まとめ

事業承継において、株式譲渡は消費税の対象となりませんが、事業譲渡で行う場合は消費税の対象となるので注意しましょう。

また、生前贈与や相続などの手法により消費税の取り扱いは異なるので、ご自身の状況に合った手法の選択が大切です。

消費税を含め、事業承継で悩みを抱えている場合は、専門家の知識や経験が力となります。fundbookには専門知識豊かなアドバイザーが在籍しているので、お気軽にご相談ください。

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