業界毎の事例

2023/10/02

広告業界のM&A事例12選

広告業界のM&A事例12選

株式会社電通が発表した「日本の広告費」によると、2018年のインターネット広告は1兆7,589億円(前年比116.5%)でした。一方、地上波テレビ広告は1兆7,848億円(前年比98.2%)となり、その差は259億円と、5年連続で二桁成長を続けるインターネット広告が地上波テレビ広告を数年の内に上回ると考えられます。

その背景には、スマートフォンなどの普及により、広告の媒体であるメディア自体の大きな変化があります。実際、テレビ番組やSNS、新聞、雑誌などのあらゆる情報をスマートフォンで見るようになった、という人も多いのではないでしょうか。

本記事では広告業界の現状や最新の業界動向を説明した上で、広告業界で行われたM&Aの事例について紹介していきます。

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広告業界の現状と業界動向

広告業とはテレビや新聞、屋外媒体などの各種メディアを通じて、宣伝を依頼された企業や団体の商品やサービスを広く伝える仕事を指します。

この広告業界の2018年の総広告費は6兆5,300億円(前年度比102.2%)となりました。しかし、日本の広告の中心と考えられていたマスコミ4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費は前年比96.7%の約2兆7,026億円と減少傾向にあります。

一方で、インターネットの広告は成長著しく、2018年には約1兆7,589億円(前年度比116.5%)となりました。また、目覚ましい技術の進歩によって、マスコミ4媒体のデジタル化も進んでいます。例えば、「TVer」をはじめ急速な成長をしたテレビメディアデジタルは、2018年には100億円規模まで成長しました。

そのため、広告業界においてインターネットを通じた広告が重要視されるようになり、マスメディアにおける広告に強みを持っていた広告業界は、社会の変化への対応が求められています。

今後もインターネット広告の市場規模は拡大するものと見られ、インターネット広告費がテレビ広告費を上回ることが見込まれます。実際、スマートフォンの普及とともにインターネットの広告市場は急速に拡大し、2009年には新聞広告を上回り、テレビに次ぐ第2位の広告媒体に成長しています。

広告業界の現状と業界動向

広告業界のM&A

広告業界では株式会社電通と株式会社博報堂DYホールディングスの国内大手2社によるM&Aが活発に行われています。

広告業界の大手企業同士が資本を集約し、業界における競争力をつけようとM&Aを行うことも多い一方で、インターネット広告に強みを持つ企業の譲受けも盛んになっています。

これはインターネット広告分野を得意とする企業の今後のシェア拡大が見込まれていて、インターネット広告やIT分野の強化が重要になっているためです。これらの分野のノウハウを得ることや強化する目的でのM&Aが電通、博報堂を含め積極的に活用されています。

また、2014年に日本の広告費は6年ぶりに6兆円の大台に回復し、現在も増加傾向にあります。しかし、少子高齢化などによる市場縮小や国内の市場飽和などを鑑みると、今後の高い成長に期待することは難しいといえます。そのため、成長が見込める市場を求め、海外に進出することを目的としたM&Aが積極的に行われています。

特に、近年では大手広告会社は海外にも拠点を置くことが増えています。実際、業界首位の電通は世界各国の広告会社をM&Aにより譲受け、急速に海外展開を進めています。同社は現在、世界145以上の国・地域で事業を展開し、売上総利益における海外事業比率は全体の50%以上を占めています。

インターネット広告の技術革新が進む中で、広告配信の最新技術を外部の経営リソースから取り込むことは重要な戦略となってます。そのため、今後もデジタル化とグローバル化の2つの波が広告業界におけるM&Aをさらに加速させていくことが見込まれます。

大手広告代理店のM&A事例3選

1.株式会社博報堂、株式会社大広、株式会社読売広告社の統合による株式会社博報堂DYホールディングスの発足

1.株式会社博報堂、株式会社大広、株式会社読売広告社の統合による株式会社博報堂DYホールディングスの発足
引用:https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/

株式会社博報堂DYホールディングスは2003年10月に株式会社博報堂、株式会社大広、株式会社読売広告社が経営統合し、共同持株会社として発足しました。博報堂DYのDは大広、Yは読売広告の頭文字です。

上記3社は次世代メディアや媒体コンテンツに関する共同研究・開発、広告枠販売業務での連携を図り、競争力を高めていく見込みです。

持株会社設置による経営統合は、日本の広告業界では初の事例となりました。この経営統合によって誕生した博報堂DYグループは345の子会社および関連会社で構成され、グループ全体の売上総利益は2,723億3,500万円の国内広告業界2位、世界では12位の規模となります。

また、2003年12月には上記3社のメディア・コンテンツ関連組織を分社・統合して、総合メディア事業会社である株式会社博報堂DYメディアパートナーズが設立されました。

2.博報堂DYホールディングスによるSYPARTNERS LLCおよびRED PEAK GROUP LLCの譲受け

2.博報堂DYホールディングスによるSYPartners LLCおよびRed Peak Group LLCの譲受け
引用:https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/

2014年に博報堂DYホールディングスは戦力事業組織として「kyu」を組成しました。最先端でユニークな「専門マーケティングサービス」を数多く生み出している北米・欧州を主たる対象エリアとしてM&Aを行うことで専門性と先進性を取り込み、グループ全体の成長を見込んでいます。

kyuは2014年5月、SYPartners LLC(以下、SYPartners社)およびRed Peak Group LLC(以下、Red Peak Group社)を譲受けました。

SYPartners社はニューヨークとサンフランシスコの2都市に拠点を持つ専⾨マーケティングサービス企業です。

一方でRed Peak Group社は傘下にデザインとブランディング領域を中心とした総合コンサルティングサービスを展開する「Red Peak Branding」と、スポーツや音楽イベントのスポンサーシップ事業を展開する「RPMC」を持ちます。

また、Red Peak Group社の会長であるMichael Birkin氏は2014年7月に博報堂DYホールディングス専務執行役員、kyuの業務執行責任者(CEO)に就任しました。

博報堂DYホールディングスは上記2社のM&Aを欧米進出への足掛かりとし、現在世界21以上の国・地域で事業を展開しています。kyuによるM&Aの押し上げが寄与し、2018年度の海外売上総利益の平均成長率が4年で+37.6%となりました。

3.BAIN CAPITAL PRIVATE EQUITYによるアサツー ディ・ケイの子会社化

3.Bain Capital Private Equityによるアサツー ディ・ケイの子会社化
引用:http://www.baincapital.co.jp/

株式会社ADKホールディングスの前身となる株式会社アサツー ディ・ケイは1999年に株式会社旭通信社と第一企画株式会社の合併によって発足した国内広告業界売上第3位の企業です。
この合併直前の1998年に旭通信社は世界広告業界最大手のWPP plc(以下、WPP)と資本提携していましたが、WPPとアサツー ディ・ケイの考え方の違いからシナジーを得にくい状況となっていました。

事業面においてより中立的な立場であり、豊富なネットワークを有するBain Capital Private Equity(以下、ベインキャピタル)の支援を受けることを目的にアサツー ディ・ケイは2017年10月、TOB(株式公式買付け)を発表しました。

ベインキャピタルは発表と同月の2017年10月から12月にTOBを通じて、株式会社アサツー ディ・ケイの株式を取得し、子会社化しました。このTOBの成立によってアサツー ディ・ケイはWPPとの業務・資本提携を解消しました。

ベインキャピタルは全世界で総額750億ドルを越える運用資産を持ち、2006年に日本オフィスを開設しています。株式会社すかいらーくホールディングスを2011年に譲受し、経営を立て直した実績があることでも知られている世界最大級の投資会社です。

アサツー ディ・ケイは今後、国内外の広告市場の変化に対応すべく、デジタルやデータ、コンテンツなど、将来の成長分野に積極的に投資していく見込みです。

TOB後の2019年1月には株式会社ADKホールディングスを純粋持株会社とした持株会社体制へ移行しました。

▷関連記事:TOBのメリットとデメリットを解説。TOBを成功させるために知っておきたい基礎知識とは?

インターネット広告に関連するM&A事例3選

1.GMOアドパートナーズ株式会社による株式会社シフトワンの子会社化

1.GMOアドパートナーズ株式会社による株式会社シフトワンの子会社化
引用:https://www.gmo-ap.jp/

GMOアドパートナーズ株式会社は2017年8月、株式会社シフトワンの全株式を取得し、連結子会社化しました。

GMOアドパートナーズは、メディア・アドテク事業とエージェンシー事業を専門とする4社で構成された、インターネット広告に関する幅広い事業領域でサービスを提供する総合インターネット広告代理店グループです。

シフトワンは2012年に設立された静止画像を組み合わせて動画コンテンツを制作するモーションコミック*1を提供するベンチャー企業です。

スマートフォン向け広告が成長している市場の動向を受け、GMOアドパートナーズはシフトワンの子会社化より、動画広告のクリエイティブを強化するとしています。

*1 モーションコミック:マンガに音声や動きを加えて演出するデジタルコンテンツのひとつ

2.株式会社電通によるデータアーティスト株式会社の子会社化

2.株式会社電通によるデータアーティスト株式会社の子会社化
引用:http://www.dentsu.co.jp/

株式会社電通は2018年2月、データアーティスト株式会社(以下、DA社)を子会社化しました。

電通は国内の広告市場において28.8%のシェアを誇る国内最大の総合広告代理店です。M&Aを成長戦略の柱にしており、海外事業においては2014年以降2018年末までに164件ものM&Aを行っています。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においては、マーケティング専任代理店に指名されています。

DA社は人工知能(AI)を活用したマーケティングソリューション、コンサルティングサービスを提供している会社です。2018年には数学力の高さを誇るモンゴルに拠点を設立しています。

今回の譲受けにより、電通はDA社をAIソリューションの開発部隊と位置づけ、AIも含めた最先端のテクノロジーを活用して成長戦略の加速を図ります。

3.株式会社サイバーエージェントによる株式会社MEDIA SHAKERSの全株式の譲受け

3.株式会社サイバーエージェントによる株式会社Media Shakersの全株式の譲受け
引用:https://www.cyberagent.co.jp/

株式会社サイバーエージェントは株式会社リクルートホールディングスが保有する株式会社Media Shakersの全株式を取得し、完全子会社化しました。

サイバーエージェントは「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンに掲げ、インターネットテレビ局「AmebaTV」の運営や国内トップシェアを誇るインターネット広告事業を展開しています。

Media Shakersは2004年に若手ビジネスマン層をターゲットにしたフリーマガジンとして創刊された「R25」を運営していました。首都圏を中心に駅やコンビニエンスストアなどでの無料配布が話題を呼び、発行部数は最大で週刊60万部を記録するなど高い支持を集めました。

しかし、スマートフォンの普及など、読者のライフスタイルが急速に変化する中で、フリーマガジンの休刊、Web版への移行などを経て、そのWeb版も2017年4月にサービスを終了しています。

サイバーエージェントはMedia Shakersの株式を譲受けることで、Media Shakersが培ってきたコンテンツ制作のノウハウと、サイバーエージェントが運営する「Ameba」をはじめとしたメディアの運営ノウハウ、および既存サービスとの連携にもとづくシナジー効果を図り、2017年5月1日に株式会社新R25を設立しました。

2017年9月には25歳~30代前半の若手ビジネスパーソンをターゲットに「新R25」を創刊しました。サービス終了した「R25」に代わる新たなトレンド解説メディアの「新R25」は「世の中がわかるジブンもいい」をキャッチコピーとしています。

今の自分に対して漠然としたモヤモヤを抱えるR25世代の読者にポジティブな刺激を与え、彼らを動かすきっかけを提供できるようなメディアを目指し、サービス拡充を図ります。

なお、現在「新R25」は株式会社Cyber Nowが運営しています。2018年11月にサイバーエージェントの連結子会社である株式会社CA Young Labと株式会社新R25が組織統合を行い、2018年12月より社名を株式会社Cyber Nowに変更しました。

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株式会社Cyber Now

海外企業とのM&A6選

次世代のメディアの台頭やデジタル化の進展、さらには日本国内の人口減少などにより、日本国内の広告業界の競争はより熾烈なものとなっています。そのため、M&Aで海外に拠点を構えるなど、新たな市場を求め海外へ進出する企業が増加しています。

1.株式会社電通によるAEGIS GROUP PLCの譲受け

1.株式会社電通によるAegis Group plcの譲受け
引用:http://www.dentsu.co.jp/

株式会社電通は2013年3月、Aegis Group plc(以下、イージス社)を約4,000億円で譲受け、子会社化しました。

イージス社の譲受けにより、電通はアジア太平洋地域では地域では収益ナンバーワン、フランスやドイツ、ロシア、オーストラリアなどではトップ3に躍り出る企業となりました。

電通は新しいグローバル体制でさらなる成長を目指すためにロンドンに本拠地を置くイージス社を改称し、新たに海外本社となる「Dentsu Aegis Network Ltd.(以下、電通イージスネットワーク社)」を発足させました。

電通イージスネットワーク社は145ヵ国・地域以上で展開する電通グループの海外事業運営全般を統括しています。電通グループは国内外のネットワークを駆使し、事業拡大を図ります。

2.株式会社電通によるRE:PRODUCTION LIMITEDの完全子会社化

2.株式会社電通によるRe:Production Limitedの完全子会社化
引用:http://www.dentsu.co.jp/

株式会社電通は2019年6月、海外本社である電通イージス・ネットワーク社を通じて、英国の広告制作会社Re:Production Limited(以下、リ・プロダクション社)の全株式を取得し、完全子会社化しました。

2010年に設立されたリ・プロダクション社は、英国北部においてテレビCM、ウェブ動画、アニメ、ラジオ広告などを手がける制作会社です。一流の制作ディレクターを持ち、数々の広告主・エージェンシーに対して高品質な制作サービスを提供しています。

電通は2018年から英国のクリエイティブ・エージェンシー2社を譲受けています。これら2社に優れた動画コンテンツ制作能力を持つリ・プロダクション社が加わることにより、英国におけるクリエイティブ関連サービスを大幅に強化するとのことです。今後、電通はリ・プロダクションの完全子会社化により、英国における事業規模の拡大を図り、成長戦略の加速を見込んでいます。

3.デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社によるデータセクション株式会社、DATASECTION VIETNAM CO.,LTDの連結子会社化

3.デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社によるデータセクション株式会社、DATASECTION VIETNAM CO.,LTDの連結子会社化
引用:https://www.dac.co.jp/

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下、DAC)は2018年9月、データセクション株式会社とデータセクションの在ベトナムのグループ会社、DATASECTION VIETNAM CO.,LTD(以下、DSV)を連結子会社化しました。

DACはD.A.コンソーシアムホールディングス株式会社(以下、DACHD)の連結子会社です。DACは1996年に設立後、デジタルマーケティングにおける広告を起点にさまざまなサービスを提供しています。

データセクションはAIによるソリューション・事業開発並びにソーシャルメディア分析を行っています。DSVはハノイを拠点に2013年より主にベトナム国内向けのマーケティングリサーチ事業やそのプロダクト開発事業、AI研究を展開しています。

DACはこれまでもダナンにオフショア開発拠点を置いていましたが、今後さらに開発のオフショアソフトやエンジニアの計画的育成を推進するために、国家戦略としてITを推進するベトナムの首都ハノイに第2の開発拠点を置くことを検討していました。

DACHDグループはDSVの社名を「DACデータ・サイエンス・ベトナム(DAC Data Science Vietnam)」へと変更し、ベトナムにおいてすでにダナンにあるDAC Tech Vietnamに次ぐ第2のオフショア開発拠点として活用する見込みです。AIやビックデータを活用した東南アジア向けの広告商品の独自開発を目指します。

また、2018年9月には博報堂DYホールディングスはDACの子会社であるDACHDを1,140億円を投じてTOB(株式公開買付け)を行い、完全子会社化しました。

2019年2月、博報堂DYホールディングスはインターネット広告子会社の博報堂デジタルとDACを統合しました。今後も続くネット広告市場の拡大を見込んで、ネット広告の制作から配信まで一貫して手掛けられる体制を整えます。

4.株式会社大広によるFROM HERE ON COMMUNICATIONS PVT. LTD. の子会社化

4.株式会社大広によるFrom Here On Communications Pvt. Ltd. の子会社化
引用:https://www.daiko.co.jp/

株式会社大広は2018年6月、インド・デリーのクリエイティブ・エージェンシーであるFrom Here On Communications Pvt. Ltd.(以下、FHO)の株式を取得しました。

大広は1944年に広告代理店14社が統合し、近畿広告株式会社として設立された後、1960年に現社名に改名しました。現在は国内に4ヶ所の拠点を持つ広告業界売上第6位の総合広告会社です。また、中国・台湾・ベトナム・インド・シンガポール・インドネシアに現地法人を有し、中期経営計画の重要エリアと位置付け、事業拡大を進めています。

FHOは日本企業での就業経験があり、業界での知名度が高く、日本企業への対応経験が豊富なRajesh Aggarwal(ラジェッシュ・アガーワル)氏と Sabyasachi Sen(サベヤサ チ・セン)氏により 2011 年に設立されたエージェンシーです。TVCMを中心としたクリエイティブに強みを持っているFHOは、近年はデジタルへ注力しており、制作機能とメディア機能を拡充しています。

大広はFHOの子会社化により、FHOの高いクリエイティブ、デジタルサービスを活用し、インドに進出している多くの日系企業のビジネス拡大をサポートしていくことを目指します。また、インドでの基盤を強化し、アジアでの事業拡大を図ります。

5.株式会社セプテーニ・ホールディングスによるLION DIGITAL GLOBAL LTDの子会社化

5.株式会社セプテーニ・ホールディングスによるLion Digital Global LTDの子会社化
引用:https://www.septeni-holdings.co.jp

株式会社セプテーニ・ホールディングスは2016年10月、同社の在シンガポール子会社であるSepteni Asia Pacific Pte. Ltd.を通じて、東南アジア地域でインターネット広告代理業を手掛けるLion Digital Global LTD(以下、Lion)を子会社化しました。

セプテーニ・ホールディングスは、インターネット広告をはじめとした包括的なマーケティング支援サービスを国内外の企業向けに提供するネットマーケティング事業に加え、マンガ家の育成・輩出、マンガ配信サービス「GANMA!」の運営を手掛けるなど、メディアコンテンツ事業および新規事業を展開しています。

2018年10月に株式会社電通と資本業務提携契約を締結し、現在、8ヶ国11拠点で事業を展開しています。
Lionはマレーシア、インドネシア、シンガポール、香港の4地域に拠点を構え、約160人の従業員で構成されるグループにてインターネット広告代理事業を展開しています。

東南アジア領域のデジタル・エージェンシーとしてはトップクラスのシェアを誇り、 東南アジアの広告代理店を表彰するイベント「SEA Agency of the Year」においては、2年連続で複数部門に入賞するなど、高い競争力とプレゼンスを持っています。

セプテーニホールディングスはLionとの連携を図ることで、さらなる市場の成長が見込まれる東南アジア地域における事業強化を見込んでいます。現在、Lionはクアラルンプール、シンガポール、香港、ジャカルタ、台北、ホーチミンに拠点を構えており、グローバル分野における業容拡大を目指しています。

6.株式会社博報堂DYホールディングスによるDIGITAL KITCHENの完全子会社化

6.株式会社博報堂DYホールディングスによるDigital Kitchenの完全子会社化
引用:https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/

株式会社博報堂DYホールディングスの戦略事業組織「kyu」は2015年6月、米国のシアトルのデジタル・クリエイティブ・エージェンシーのDigital Kitchen(以下、Digital Kitchen社)の株式を100%取得し、完全子会社化しました。

Digital Kitchen社はデジタルコンテンツ制作及びブランド体験創出に特化したデジタル・クリエイティブ・エージェンシーとして、1995年に設立されました。世界最大級の規模を誇る広告賞「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」にて2011年にデザイン部門にてグランプリを受賞するなど、多数のクリエイティブアワードの受賞歴を有しています。

博報堂は、Digital Kitchen社のノウハウを活かして、デジタル化やグローバル化の進展に伴う新たなマーケティングやソリューション活動への対応を図ります。また、マーケティング力の強化やアジアを中心とした新興国での体制強化、専門性と先進性での継続的な取り組みを進めていく見込みです。

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まとめ

近年、デジタル化やデバイスの多様化に伴い、メディア環境が大きく変化しました。スマートフォンの普及によりインターネット広告市場が急成長を遂げ、インターネット広告費がテレビ広告費を上回ることが見込まれています。

こうした社会の変化を受けて、インターネット広告への対応は喫緊の課題といえます。そのため、インターネット広告に強みを持つ企業を譲受けるM&Aが活発になっています。また、今後の国内市場の縮小が見込まれるため、海外の市場を求め、日本企業の海外進出がますます加速しています。
今後さらに広告業界の競争が熾烈化し、新たなビジネスモデルを探る挑戦が求められる中、M&Aは有効な武器となり得るのではないでしょうか。

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