譲渡企業側こそ意識しよう。企業選定で欠かせないポイント「シナジー効果」とは

カテゴリ:M&Aの基礎知識

M&A シナジー

ご自身の会社がM&Aを進めていくと、「シナジー」という言葉が飛び交う場面があるかもしれません。最近はビジネスシーンでもよく用いられるシナジーですが、M&Aにおけるシナジーとはどのような意味合いでしょうか。
 
本記事ではM&Aおけるシナジーの意味と、シナジーを生むために譲渡企業と譲受企業が意識すべきことについて網羅的に解説します。

M&Aの成功を左右するシナジー

シナジー(英語:synergy)とは、日本語では相乗効果や協働作用を指します。ビジネス用語としても広く使用されており、複数の事業を掛け合わせることで総和を超える効果を発揮することを表しています。
 
M&Aでは2つ以上の企業(事業)が1つの法人格に内包されますが、その結果として得られる、総和以上のシナジーを期待してM&Aを実施する企業がほとんどです。

シナジーの由来

シナジーという用語が使われるのは、ビジネスシーンだけにとどまりません。生物学や医学、工学の分野でも多用されています。例えば、1つの木材を重ねることで1本あたりの耐荷重は単純に2倍ではなく、総和よりもはるかに重いものを支えることができるようになります。
 
 
つまり、複数の要素が交わることにより、加算方式ではなく累乗方式の効果が得られるのです。

ビジネス用語としてのシナジーとは

シナジーをビジネスの場面で用いる場合、業務提携や経営の多角化のメリットとしてあげられることが多いです。例えば多角化の一環として新規事業を0から立ち上げると、時間やコスト、リソースの確保など、会社に大きな負担がかかります。スピード感やスケールのしやすさに重点を置く場合、M&Aによってそうした負担をある程度解決することができ、2社の強みが合わさって大きな成果や成長が期待できます。
 
 
 
その意味で経営戦略において多角化や新規事業の立ち上げを考える場合、M&Aによるシナジーを考えることが現実的かつ理想的といえるのです。

【関連記事:M&Aのメリット・デメリットとは】

譲受企業により変化するシナジーの効果

M&Aのメリットの1つとしてシナジーの最大化があげられますが、やり方によってシナジー効果の生まれる場面は変化します。M&Aにおける企業の選び方には多くの組み合わせありますが、譲受企業の側に立つと大きく2つのパターンが考えられます。それは同業種間のM&Aと異業種間のM&Aです。

 
 

同業種間のM&A

同業種間のM&Aは、例えばある商品の卸売事業を営んでいる企業が、M&Aにより同商品の製造会社を統合する動きなどは同業種間M&Aに分類することができます。

 

異業種間のM&A

それに対して、譲受企業が行う事業とは異なる業種の企業との間でM&Aを行うケースもあります。異業種に展開している会社同士で行われるM&Aは一見するとシナジーが生まれづらいかもしれませんが、場合によっては同業種間のM&Aよりも大きなシナジーが生まれる可能性もあります。

 
 
例えばフィットネスジムを運営している会社が食品製造会社を譲り受ける場合は、ダイエットや栄養補給を目的とした、プロテインやドリンクなどの自社製品の開発に展開していく事ができます。
異業種の会社を譲り受けて既存事業の利益率を向上した上で新たな収益源の確保も可能です。これはシナジーを生み出す良い事例といえます。

 
 

シナジーが生まれる場面とは

では、成長戦略としてのシナジーは具体的にどのような場面で生まれるのでしょうか。具体的に言うと事業内容の成長に関する側面と財務状況や税金に関する側面があり、そのなかでも大きく3つに分けることができます。

 
 

販売シナジー

生産設備や工具、研究開発費や流通経路、販売組織、倉庫などを共有して費用を削減できることを指します。

 

生産・投資シナジー

生産設備や工具、研究開発費やノウハウなど生産を行うために有用となる情報を共同利用することで生まれる効果を指します。原材料の大量購入による単価の削減などもこちらに含まれます。

 
 

経営シナジー(マネジメントシナジー)

経営能力や問題解決法の共有により生まれる効果を指します。

同業種間でM&Aを行うことにより見込めるシナジーは、販売シナジーと生産・投資シナジーです。それに対して異なる業種間でM&Aを行うことにより見込めるシナジーは生産・投資シナジーと経営シナジーです。シナジーは、事業の成長および財務状況の改善にとても有用なのです。

事業譲渡を検討している人こそシナジーを考えるべき理由

M&Aの場面でシナジーという言葉を使用すると、譲受企業向けの言葉だと捉えられがちですが、実は譲渡企業も考慮すべきキーワードです。
 
 
というのも、譲受企業は経営の手段としてM&Aを行うため、シナジーがなるべく発揮される会社を見つけたいというニーズを常に抱えています。つまり、譲渡企業にとっても自社とシナジーが生まれやすい企業を意識して譲受企業を選定したり、自社の魅力をアピールすることで、より良い条件でM&Aの交渉を進めることができるのです。

シナジーを最大化させるためのポイント

では、M&Aによるシナジーを最大限発揮させるために、譲渡企業側が考慮すべきことには何があるでしょうか。様々なアプローチがありますが、最も大切なのは財務状況から見て、事業の非効率性をなくすことです。

 
 

自社の事業を運営するうえで最も押し出していきたい事業領域を決めた後、それ以外の部分で投資対効果が釣り合わない箇所やコスト的に無駄になっている箇所を洗い出し、改善点を探していきましょう。
財務諸表をもとにして非効率性となっている部分を少しずつ改善していくことにより、譲受企業はM&A後のシナジーを予想しやすくなります。それによってシナジーが見込まれ、結果として企業価値を高めることにつながります。

 
 

とはいえ、急に売上を立てるのは非常に難しいので、まずは支出を見直すなどの改善手段を考えてみましょう。そのためには現時点の会社の価値を把握し、財務諸表を見ながら全支出を洗い出す必要があります。

想定されたシナジーはPMIによっては発揮されないことも

M&A前に自社の経営状態を改善することがシナジー最大化の秘訣ですが、そのシナジーが存分に発揮されるかは、PMIの可否にかかってきます。
 
 
PMIはpost merger integrationの略で、M&A後の企業間の融合プロセスのことです。異なる人事制度や評価制度が乱立し、また一方の制度をもう一方に強いることによって従業員の士気の低下や業務フローの煩雑化につながり、結果としてシナジーが生まれないリスクもあります。
 
 
M&Aによってシナジーを生むためには、成約して終わりという考えではなく、その後のPMIも意識した上で交渉を進めることが重要です。

まとめ

シナジーは言葉の通り相乗効果なので、基本的に事業を継承する譲受企業ばかりが重要視しがちです。しかし、譲渡企業側も意識してM&Aの準備を行うことにより、結果として全員が幸せとなるM&Aが可能になります。

まずは自社の状況を把握し、できることから取り組んでいってはいかがでしょうか。

\ 記事をシェアする /

どんなことでも
お気軽にご相談ください

お電話でのご依頼も承っておりますので、
お急ぎの方はお電話にて
お問い合わせください。

TEL0120-261-438

受付時間:9:00-19:00

登録・相談無料。
FUNDBOOKを始めましょう!

新規登録