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2023/09/14

時価総額の計算方法は?概要やその他の指標との違いを解説

時価総額の計算方法は?概要やその他の指標との違いを解説

時価総額は企業の規模などの把握に役立つ指標です。時価総額について知っておくと、企業の価値や将来性などを伺い知ることができます。株式投資を検討している方、ビジネスの基礎を学びたい方、さらにはM&Aで他社の譲受を考えている方にとって役立つ指標といえます。

本記事では、時価総額の言葉の意味やPER・企業価値との違い、計算方法や時価総額が高いことが意味することなどを解説します。時価総額の調べ方なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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時価総額とは

時価総額とは、企業の規模や価値、将来性などを示す重要な指標です。その時点での市場株価に発行済株式数をかけて求めることができます。

市場株価は一般的に「株を買いたい人」と「株を売りたい人」のバランスによって決まっています。時価総額が高い企業は市場株価や発行済株式数がそれだけ高いことを示しており、時価総額が高い会社ほど、市場から「価値のある企業」と評価されているといっても良いでしょう。

時価総額はM&Aがなされるときの買収総額の目安にも利用されています。また、株式市場全体の規模を示す指標としても用いられる金額でもあります。

PERとの違い

PER(ピーイーアール、またはパー)とは、「Price Earnings Ratio」の頭文字をとった用語で、「株価収益率」のことです。PERは基本的に時価総額を純利益で割って計算されることから、時価総額と関連して用いられることの多い用語です。

時価総額もPERも、企業の価値を判断する指標という点では共通しています。主な違いは、時価総額が企業の規模や価値などを示すのに対し、PERは利益に対する株価の割高感、割安感を示す指標となっている点です。一般的に、PERが日本取引所グループ(JPX)の公表する規模別・業種別平均より高ければ株価は割高、規模別・業種別平均より低ければ割安と評価されます。

企業価値との違い

企業価値と時価総額は、どちらも企業の規模や価値を測る場合に用いられる指標です。企業価値はその企業の事業の価値やキャッシュフロー、株式や資産などを総合して評価されます。

一方、時価総額は株価に発行済み株式総数をかけて算出されるため、金額の中に企業の有利子負債額などは含まれていません。時価総額は株式などの自己資本価値にあたることから、「株式価値」とも呼ばれています。企業価値と時価総額(株式価値)は、企業の負債価値まで含んでいるか否かなどの違いがあります。

時価総額の計算方法

時価総額の計算式は下記のとおりです。

時価総額(円) = 株価 × 発行済株式数

株価は時価総額を計算する時点での市場における株価、発行済株式数は企業が定款で定めている株式数(授権株式数)のうち、すでに発行された株式数を指しています。

例えば、1株10,000円の株式を1,000株発行している企業(A社)の時価総額は下記のとおりです。

1株10,000円 × 1,000株 = 時価総額1,000万円

また、1株3,000円の株式を10,000株発行している企業(B社)では、時価総額は下記のようになります。

1株3,000円 × 10,000株 = 時価総額3,000万円

A社とB社を株価で比較すると、A社はB社の3倍以上の株価となっています。しかし、時価総額で比較すると、B社はA社の3倍です。上記のように、1株あたりの株価は低くても、発行済株式数が多ければ時価総額は高くなります。

時価総額が増減する要因

時価総額は「株価 × 発行済株式数」で計算されるので、株価の変動や発行済株式数の変化で増減します。ただし、発行済株式数の変化は企業の増資のタイミングなど限られているため、基本的には株価の変動に着目することになります。

株価の変動要因にはさまざまなものがありますが、主な要素は企業の業績や将来性、市場を取り巻く景気の動向、金利の水準や社会情勢などです。また、エアコンのように猛暑で売れ行きが好調となる商品を扱う企業では、天候の要因により株価が変動し、結果として時価総額が増減する場合があります。

時価総額が高いとどうなる?

それでは、時価総額が高くなると企業にどのような影響を与えるのでしょうか。以下では、時価総額が高い場合のメリットをご紹介します。

企業の価値が高まり、信頼されやすくなる

時価総額が高い企業は、それだけ企業としての規模も大きく、市場における価値も高まります。将来性のある企業と受け止められやすく、信頼度も高まりやすいメリットがあります。

例えば、2023年4月12日時点での日本市場における時価総額ランキングは下記のとおりです。

順位企業名業種時価総額
1トヨタ自動車輸送用機器29兆7,503億8,000万円
2ソニーグループ電気機器15兆1,266億7,600万円
3キーエンス電気機器14兆6,532億6,300万円
4日本電信電話(NTT)情報・通信業14兆4,192億3,200万円
5三菱UFJフィナンシャル・グループ銀行業10兆8,467億2,400万円
6ファーストリテイリング小売業9兆4,304億7,800万円
7KDDI情報・通信業9兆2,845億3,600万円
8第一三共医薬品8兆9,952億9,700万円
9オリエンタルランドサービス業8兆8,303億9,700万円
10信越化学工業化学8兆2,260億3,600万円

表のように、時価総額ランキングの上位には、日本でも名の知れた大手企業が名を連ねていることがわかります。

経営が安定しやすくなる

時価総額が高い企業は、一概には言えない部分もありますが、総じて利益や純資産などが多く、財務状況も良いケースが多くなります。

また、時価総額が少ないと企業買収の対象となりやすくなりますが、時価総額が高い企業を買収するには相応の資金が必要となります。例えば、さきほどの表で上位にいたトヨタ自動車の時価総額は約36兆円で、経営権を確保するために株式の過半数を取得すると単純計算で約18兆円の資金が必要です。よって、時価総額が低い企業よりは買収されにくくなるといえるでしょう。このようなことから、時価総額が高いと経営も安定しやすい傾向にあります。

資金調達をしやすくなる

企業の信頼性が高まり、経営が安定していると、資金調達の面にも好影響を与えます。例えば、銀行などの金融機関から融資を受ける際にも、信頼性や経営の安定性があると金融機関から判断されれば融資を受けやすくなる場合もあるでしょう。

その他、資金調達には株主割当増資や公募増資などで出資を受ける方法があります。出資をする投資家は、企業の将来性や成長力を見込んで出資するので、時価総額の高さは出資をする1つの基準となります。

時価総額の調べ方

時価総額の調べ方は、上場企業の場合と非上場企業の場合で異なります。以下、それぞれの場合に分けて説明します。

上場企業の場合

上場企業の場合は株価と発行済株式数が公表されているので、時価総額の調べ方は比較的簡単です。時価総額を調べたい企業の株価と発行済株式数を調査し、各数値をかけ合わせることで、時価総額を計算できます。

その他、株式関連サイトやGoogleなどの検索エンジンでは、「会社名+時価総額」といったキーワードで検索することで時価総額を直接調べられる場合もあります。

非上場企業の場合

非上場企業の場合は株式が公開されていないため、株価から時価総額を求めることができません。そのため、「コストアプローチ」や「マーケットアプローチ」、「インカムアプローチ」などの手法により、企業価値を算出し、時価総額を求めます。

企業価値評価についてはこちらで詳しくまとめているため、ぜひ参考にしてください。

▷関連記事:企業価値評価とは?M&Aで使用される企業価値の算出方法

時価総額で見る業界や証券取引所の動き

時価総額は、業界内比較や市場の状況などを判断することに役立ちます。以下、時価総額を指標に把握できることをご紹介します。

時価総額では同種の比較ができる

時価総額は比較的簡単に計算できるので、同業種の企業価値や規模を比べる際にもわかりやすい指標です。例として、2023年4月12日時点での総合商社の時価総額ランキングは下記のようになっています。

順位企業名時価総額
1三菱商事7兆2,346億3,800万円
2伊藤忠商事6兆8,514億7,700万円
3三井物産6兆4,180億6,500万円
4丸紅3兆2,337億4,500万円
5住友商事3兆588億4,200万
※strainer 情報・通信業 – 時価総額 ランキング(3/19時点)

時価総額はあくまで企業の一側面を示すものでしかありませんが、直観的に比較したい場合には有用な指標です。

TOPIXで見る市場の変化

市場や経済の動向をより詳細に把握したい場合は、その他の指標もあわせてチェックしてみましょう。例えば、指標の1つにTOPIX(東証株価指数)があります。TOPIXは1968年1月4日の時価総額を100としてその後の時価総額を指数化したものです。TOPIXの推移を見ると、日本の景気動向や経済動向、株式市場の動向などを把握することができます。

プライム市場やスタンダード市場の規模も時価総額でわかる

時価総額は、市場全体の規模を測る際にも用いられています。2023年3月31日時点の東証プライム市場の時価総額は約713兆3,953億円、東証スタンダード市場の時価総額は約22兆8,828億円です。このように、時価総額によってその市場の規模がわかり、市場間の規模の比較にも活用できます。

まとめ

時価総額は企業の規模や価値、将来性などを測る指標で、「株価 × 発行済株式数」で計算されます。市場の株価や発行済株式数により変動することから、時価総額の高い企業は株式市場から高い評価を受けており、金融機関や投資家から信頼度も高い傾向にあります。

時価総額は計算がしやすく、調べ方も比較的簡単なため、企業の価値判断や比較などに用いられやすい指標です。ただし、非上場企業の場合は株価を公表していないので、別の手法で調べることになります。

時価総額はM&Aの買収金額の目安となる金額です。時価総額を用いたM&Aの方法や非上場企業の時価総額の調べ方を知りたい場合には、M&Aの専門の会社が役立ちます。fundbookでは経験豊かで専門知識を持つアドバイザーがM&Aのサポートを行っています。興味のある方はぜひ弊社までご相談ください。

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