調剤薬局のM&Aのメリットとデメリット

2017/11/13

M&Aのイメージ

みなさんはM&Aと聞いて一体どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
「買収」「ハゲタカ」「のっとり」というネガティブなイメージがある一方、「事業拡大」「ハッピーリタイア」「雇用継続」といったポジティブなイメージを思い浮かべる方もいるかと思います。

一般的にM&Aと聞いて思い浮かべるのは、中小企業同士のM&Aというよりも大手事業会社同士により行われる、何十億円単位の大規模なM&Aの事例でしょう。しかし、M&Aの実施に至る企業は中小企業の方が割合としては多いようです。

M&Aを一言で表すと「企業、事業の売買」ですが、細かい部分をみると双方に様々なメリット、デメリットがあります。そしてその先には「企業の存続、発展のための手段」という共通のゴールがあります。そこで今回はM&Aのメリット、デメリットについてご紹介します。

薬局をM&Aで売却する際のメリット

では調剤薬局(以下、薬局といいます)がM&Aを実施することによりどのようなメリットが生じるのでしょうか。いくつか簡単にご紹介しましょう。

メリット1:事業承継問題の解決

やはり最大のメリットは事業承継問題を解決できる点です。事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことを言いますが、今日の薬局業界において、後継者の不足は業界全体で非常に大きな問題となっています。1980年代、医薬分業(医薬の処方と調剤を分業し、それぞれ医師と薬剤師という専門家に取り扱わせるようになった動き)が進んでから黎明期となり、全国各地で薬局が開業してから今年で40年近くが過ぎようとしています。

薬局開業黎明期に開業されたオーナーの方も60代へ突入し、経営者の平均引退年齢である67歳ももう間近です。引退に向けて後継者を探す時期を迎えていますが、後継者には一般的に ①ご子息に継いでもらう ②自社従業員に継いでもらう という2つの方法があります。

いざご子息に継いでもらおうと考えていても、ご子息には自分の好きな道に進んでほしいと考えて躊躇してる方や、今後予想される経営難に直面させるのは気がひける方、自分の子に継いでほしくても経営者としての素質がないから任せられないと考えておられる方も少なくありません。自社従業員に会社を継いでもらおうとする方もいらっしゃいますが、資金面での問題で難航することが殆どです。中小企業の経営者はオーナーであることが殆どであるため、自社の株式を自ら保有しています。自社従業員に経営権を譲るには株式を買い取ってもらう必要があり、それに伴い莫大な資金が必要なのです。

いざご子息に継いでもらおうと考えていても、ご子息には自分の好きな道に進んでほしいと考えて躊躇してる方や、今後予想される経営難に直面させるのは気がひける方、自分の子に継いでほしくても経営者としての素質がないから任せられないと考えておられる方も少なくありません。

自社従業員に会社を継いでもらおうとする方もいらっしゃいますが、資金面での問題で難航することが殆どです。中小企業の経営者はオーナーであることが殆どであるため、自社の株式を自ら保有しています。自社従業員に経営権を譲るには株式を買い取ってもらう必要があり、それに伴い莫大な資金が必要なのです。

メリット2:創業者利潤の確保手段

創業者利潤を最大限確保できる点もM&Aのメリットです。
創業者利潤とは総利益から税金と人件費などの諸経費の総額を差し引いた物です。
取得方法としては株式公開、清算(廃業)、M&Aの3つがあります。

株式公開は厳しい審査をいくつもクリアしなければならず、年間数十社しか行うことができません。したがって株式公開により創業者利潤を得ることは非常に困難です。

清算とは会社が行っている業務を全て中止し、会社の法人格を消滅させる手続きです。これに関しては、残っている会社財産を整理し、負債等を全て支払って残ったお金を創業者利潤として得ることができます。

しかし、換金処分によって生じた金額に法人税等(実行税率約36%)と、個人の残余財産にかかる配当課税(総合課税で最大50%~55%)、株式譲渡損益に関わる課税(申告分課税約20%)がかかってしまうため、資金が大きく削られてしまいます。

「後継者がいないから清算してみたところ、資産がマイナスになってしまい借金を背負う羽目になった」というケースもあります。

しかしM&Aをすると、資産評価で有利に働く上、分離課税で税率も抑えることができます。また、株式譲渡という形が主流なため、売却部分に20%を減額した部分が手元に残ります。
清算は自社を廃業する事であるのに対し、M&Aは自社の売却なので、得られる資金という観点でみれば圧倒的にM&Aのほうがお勧めです。

さらに、M&Aによって得た資金で新事業立ち上げの資金にしたり、今後の生活資金に充てることができます。

メリット3:資金調達力の向上

買い手側企業の世間的信用度が高い場合、M&Aで買い手企業の子会社となることにより、自社に対しての信用度が上がります。その結果、様々な金融機関からの資金調達が容易となります。
もちろん買い手企業からも融資を受けられるので、それによって事業拡大のチャンスも広がります。

薬局をM&Aで売却する際のデメリット

ここまで、薬局がM&Aを行った際のメリットについてご紹介してきましたが、反対にデメリットはあるのでしょうか。そこで、次からM&Aによって起こりうるデメリットについてご紹介していきます。

デメリット1:風土の変更による従業員の困惑

M&A成立後に行われるプロセスで最も重要なのはPMI(Post Merger Integrationの略で、M&A成立後の統合プロセスのこと)です。
譲渡側企業の従業員にとっては不安は大きいので、いかに譲受企業が譲渡企業の文化を理解し、従業員の不安を解消できるかがM&A成功の分かれ目となります。
しかし、ここを疎かにすると従業員のモチベーションが低下し、業務にも影響が出ます。

デメリット2:医師の理解を得られない可能性がある

地域に根ざして経営している薬局の場合、同じく地元にて開業している医師の繋がりはとても重要です。M&A成立後に、地域文化の繋がりや特徴をしっかり重んじないと、医師からの理解を得られないこともあるので注意が必要です。

デメリット3:相手探しの失敗

なんといってもM&Aを行うための第一歩は、理想の譲受企業探しです。先述のようにM&Aによるメリットは沢山ありますが、だからといって取引先企業探しをおろそかにしてしまうと、必ず交渉中、もしくは交渉後にトラブルが起きます。M&A成約後に、買主によって従業員の雇用や労働条件が変更されることになるという事態が発生する可能性すらあります。それほど企業探しは大事なのです。

後継者問題においてM&Aは有効な解決手段になるのか

M&Aのメリットとデメリットもありますが、総合的に考えた場合、はたしてM&Aは経営判断として有効なのでしょうか。結論から申し上げますと、後継者問題・資金繰り問題に悩まれている方には有効な解決手段になりえます。しかし、進め方には十分な注意が必要です。

薬局のM&Aの場合は、処方元医院の医師との関係が最も大きな懸念点となります。長年二人三脚で地域貢献してきたため関係はとても密接で、医師の理解なしにはM&Aは成功しません。M&Aについて考えはじめた段階で、オーナーご自身や薬局経営の環境について意見交換をしておくことが重要です。

やり方次第で将来も変わらず地域の皆に愛される薬局でいられますし、反対に医師や従業員から見放される始末となってしまう可能性もあります。
相手企業探し、企業評価においても適切なタイミングがありますので、もし何か疑問がある場合は手遅れにならないうちに解消しておくのが大事です。
早い段階でM&Aの専門家に相談してみるのも有用な手段としてお勧めです。

■参考ページ

なぜ清算(廃業)するのではなくM&Aを選ぶのかについてはこちらをご覧下さい。

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