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2024/09/10

300万円~500万円でM&Aは可能?買える事業や譲受の流れを紹介

300万円~500万円でM&Aは可能?買える事業や譲受の流れを紹介

M&Aと言えば高額な大規模案件のイメージが強いですが、300万円~500万円の小規模案件もあります。近年、インターネットを活用したM&Aマッチングサービスなどを低コストで受けられることから、法人だけではなく、個人事業主やサラリーマンなどの個人でもM&Aを検討する方が増えています。

300万円~500万円程度のM&Aが可能であれば、事業を探す方法やM&Aの流れが知りたいという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、300万円~500万円程度でM&Aが可能な業種やM&Aの流れ、案件を探す方法を紹介していきます。また、譲受側のメリットやデメリット、成功させるためのポイントも解説しているので参考にしてください。

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300万円~500万円程度のスモールM&Aの特徴とは?

M&Aは大規模案件が目立つため、小規模なM&Aはできないと考えている方もいますが、実際には300万円~500万円のM&A案件もあります。

300万円~500万円のM&A案件は、スモールM&A(マイクロM&A)と呼ばれています。一般的なM&Aと異なり、スモールM&Aでは主に以下の特徴を持つ案件が多いです。

・後継者未決定の個人経営の会社や事業
・赤字または利益の少ない小規模な会社や事業

300万円~500万円のM&Aでは上場していない企業が対象になるため、一般的に経営者が保有する株式を譲渡・譲受することでM&Aが成立します。


スモールM&Aのメリット

スモールM&Aを活用して、会社または事業を譲受する主なメリットは以下のようになります。

・比較的少額で会社や事業を譲受できる場合がある
・起業や新規事業への参入の手間を軽減できる
・譲渡側が培ってきたノウハウや技術、顧客などを引き継げる可能性がある

スモールM&Aは、その事業に精通した人材を探す手間やコストを削減できます。また、市場を一から開拓するのではなく、既存の会社や事業が獲得してきた資産をそのまま引き継げる可能性があります。

スモールM&Aのデメリット

スモールM&Aを活用して、会社または事業を譲受する主なデメリットは以下のようになります。

・売上や利益の少ない案件となる可能性が高い
・譲渡側の帳簿外に債務がある可能性がある(一般的なM&Aでも可能性はあり)
・後継者未決定の個人経営の会社や事業の案件が多くなるため、このような案件では経営者が従業員として残ってくれる可能性が低い

スモールM&Aのデメリットは、中小企業が譲受対象の場合が多いため、既存の会社の売上や利益が少ない可能性がある点です。さらに、これは一般的なM&Aにおける注意点と同様ですが、譲渡側の帳簿外に債務がある可能性があるので、確認には細心の注意が必要でしょう。

また、スモールM&Aは経営者の高齢化などで、後継者未決定の会社や事業の案件も多いです。その場合、ノウハウなどを知っている経営者が従業員として残ってくれる可能性が低くなります。

300万円~500万円程度のM&A案件が増えている背景

300万円~500万円程度のM&A案件が増えている背景には、主に次の理由が挙げられます。

・少子高齢化による経営者・従業員の高齢化や後継者問題
・働き方の多様化により、副業や兼業で起業するケースが増えている

株式会社東京商工リサーチの調べでは、経営者の平均年齢は年々上昇傾向にあり、2023年時点では63.76歳となっています。加えて、「後継者不在率」は61.0%と、後継者問題も深刻であると言えます(出典:株式会社東京商工リサーチ)。

経営面で考えると、業界動向の変化や市場競争での勝ち残り、資金調達の難しさなど、事業の将来性に対する不安が増している状況です。結果、事業を手放す経営者が増え、300万円~500万円程度を含むM&A案件が増加しています。

また、近年、副業や兼業を認める企業が増え、本業以外で起業を考える方が増加しています。すでに稼働している事業をM&Aで取得できれば、1から起業する場合と比べて手間やコストの削減が可能です。

上記のような働き方の多様化による事業に対するニーズの増加も、300万円~500万円程度のM&Aが増加している要因の1つです。

300万円~500万円程度で譲受可能な事業の種類

300万円~500万円程度で譲受できる業種は様々あります。主な業種は以下のとおりです。

・飲食店
・エステ
・個人塾
・歯科、内科の医院
・デイサービス、訪問介護
・製造業
・印刷業
・EC、アフィリエイトサイト

売上は、譲渡側の業種やビジネスモデルによっても異なるので、売上がゼロの会社もあれば、数億円というケースもあります。

譲渡価額は、「(資産-負債)+ 営業権(年間利益×3年~5年)」で計算される場合が多いです。例えば、300万円~500万円のM&Aでは、資産2000万円、負債2000万円、年間利益が100万円~150万円というような案件が該当します。

例①飲食店

飲食店は居抜き物件で開業するケースも多く、事業数自体も多いです。また、他業種と比較して開業率、廃業率が高く、入れ替わりが激しい業界となるため、案件数も多い傾向があり、300万円~500万円のM&Aでは多い業種となります。

売上はゼロの案件もありますが、常連のお客様など、固定の顧客が付いている場合もあります。

例②歯科・内科の医院

歯科・内科の医院は、一般的に親族事業承継が検討されるケースが多いです。しかし、医療経営の引き継ぎは原則として医師である必要があるため、親族に医師がいない場合はM&Aによる事業承継を検討する経営者(院長)もいます。

300万円~500万円の案件では、経営者(院長)がそのまま残ってくれるケースは少ないため、このような案件では、譲受側も資格を保持している必要があります。なお、同じようなタイプの業種としては、整骨院や調剤薬局などが挙げられます。

300万円~500万円程度のスモールM&Aを成功させるポイント

300万円~500万円程度の小規模案件では、赤字または利益の少ない会社や事業が多くなります。そのため、重要なのはいかに譲渡された事業を成長させるかということです。

M&Aの成立はゴールではなくスタートであるため、M&A成立後に自分が熱意を持って取り組める業種であることが重要です。

また、「事前に市場や譲渡側の分析を行う」「譲渡側の従業員にも配慮する」など、その後の経営まで考えておく必要もあるでしょう。
ここでは、300万円~500万円程度のスモールM&Aを成功させるポイントを解説します。

事前に市場や譲渡側の分析を行う

300万円~500万円のM&A案件では、小規模な会社が多くなるため、市場の影響を大きく受けてしまう可能性が高いです。取引先が1つでもなくなるだけで、想定していた利益を得られず、債務を負ってしまうという可能性もあります。

また、企業・事業者同士で、直接交渉ができるマッチングサイトなどを利用したM&Aは、当事者間で専門的なM&Aの流れを漏れなく遂行できない場合があり、アドバイザーの支援を受けるM&Aに比べて簿外債務を引き継いでしまう可能性も高くなります。

M&Aを行う際には、事前に市場の状況や動向、譲渡側の取引先や仕入れ先、経営状況などの確認と分析を行い、300万円~500万円で譲受できる案件を探すのではなく、300万円~500万円の価値がある案件を探すのが重要になります。

債務や債権を確認する

譲渡側の分析を行う際は、特に対象の会社が持つ債務や債権を入念に確認しましょう。

300万円~500万円程度のM&A案件の場合、対象となる案件は小規模企業や個人事業主などが多くなります。財務諸表や経営計画書などで財務状況を確認しやすい大企業と異なり、情報が不足しやすい点に注意が必要です。

前述のように簿外債務や偶発債務を引き継ぐリスクがあるため、場合によっては専門家にデューデリジェンスを依頼するなどの対策を講じましょう。

一定の資金を準備する

会社をM&Aで譲受する場合は、買収金額以外にも様々な費用が発生します。具体的には、マッチングサイトや仲介業者に支払う手数料、デューデリジェンスに関する費用、税金などです。

また、店舗のリニューアルをする場合は設備投資の費用がかかり、会社を譲受後の運転資金も必要となります。M&Aを行う際は、トータルでかかる費用を計算し、必要な資金を準備しましょう。

譲渡側の従業員にも配慮する

一般的に小規模な会社では、従業員の数がそれほど多くなく、それゆえに会社に対する思い入れが強いケースも珍しくありません。そのため、M&A後に従業員が辞めてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

M&A成立後に従業員が1人でも辞めてしまうと、会社の運営に大きな影響を与える可能性があるため、譲渡側の従業員のケアが大切となります。そのため、譲受側は譲渡側の経営者と協力し、うまく引き継ぎを行うことが重要です。

300万円~500万円程度のスモールM&Aの流れ

300万円~500万円のM&Aであっても、基本的な流れは一般的なM&Aと同じです。M&Aの基本的な流れを確認しておきましょう。

①M&Aの相談先を決める

まずはM&Aの相談先を決めます。近年は、個人事業主やサラリーマンもM&Aを検討することが増えているため、個人向けの小規模M&Aのサポートを行う会社も増えています。

M&Aの主な相談先には以下の会社や機関があるので、M&Aを検討する際の参考にしてください。

・M&A仲介会社
・公的機関
・金融機関
・マッチングサイト

M&Aを検討しているなら、「何を始めたら良いか」「M&Aが目的に合っているか」など、専門家の意見を参考に、最適な相手を見つけられるように進めましょう。

②秘密保持契約やアドバイザリー契約などを締結

M&Aでは様々な機密情報を取り扱うため、M&Aの相手先および依頼先と秘密保持契約(NDA)を結ぶ必要があります。秘密保持契約とは、企業間で取引が行われる際、秘密情報を第三者に開示または漏洩しないことを約束する契約のことです。

また、M&Aの仲介業務を依頼する場合は、M&A成立のための助言や提案を受けるためのアドバイザリー契約の締結も必要になります。

③譲渡側・譲受側のトップ面談

トップ面談は、譲渡側と譲受側の双方がビジネスや経営などについて、お互いの理解を深めたり、疑問点を解消したりするために行われる話し合いです。お互いに感じている興味や魅力、M&A成立後の経営戦略はどうするかなどを確認する場になります。

また、業績や売上などの表面上の数字では見えない部分の確認も含まれ、必要に応じて事業拠点の視察が行われる場合もある重要な場になります。

④基本合意契約書を締結

トップ面談後は、譲受側が譲渡側に対して、会社や事業を譲り受ける意向を示すために意向表明書を提出します。その後、問題なく双方が同意すれば、譲渡価額や譲渡日、スケジュール、デューディリジェンスに関する規定など、必要事項が記載された基本合意書が作成され、契約の締結となります。

⑤デューディリジェンスを実施

デューディリジェンスは、譲受側が譲渡側に対して行う企業調査のことです。譲渡候補企業の経営面や財務、税務、法務などの多角的な視点で調査を行い、企業の資産価値を測ります。

M&A成約後に、簿外債務などの潜在的なリスクが発見されることを回避するためにも、デューディリジェンスを入念に行う必要があります。特に300万円~500万円のM&Aでは、個人が譲受側となるケースもあるため、リスクを回避するためにもデューディリジェンスは重要になります。

⑥最終契約の締結とクロージング

デューディリジェンスや譲渡企業に関する分析の結果、譲受側の意思が確定し条件の合意がされた後は最終契約を締結します。締結された契約は法的な効力を持ちます。

したがって、作成される株式譲渡契約書や合併契約書などは、トラブルや取引決裂の元となる内容がないか、締結する前に全ての条項の確認を徹底しましょう。

このようにM&Aでは、様々な合意や契約を締結する必要があります。特に、デューディリジェンスでは、法務や税務などの専門性の高い知識も必要となるため、必要に応じて専門家にサポートを依頼するようにしましょう。

fundbookでは、M&Aに関する幅広い知識と豊富な経験を持ったM&Aアドバイザーが在籍しています。M&Aを考えている方はfundbookへ相談・依頼をご検討ください。

まとめ

300万円~500万円のM&Aは、経営者の高齢化や後継者問題、事業の将来性の不安などの理由により、増加傾向にあります。M&Aのサポートを行う会社も増えているので、以前よりM&Aを行いやすい環境になっていると言えるでしょう。

起業や事業の拡大を検討しているなら、少ない資金で会社や事業を譲受できる、手間を抑えられるといったメリットもあります。

しかし、300万円~500万円のM&Aを成功させるためには、参入市場の入念な事前調査・分析、譲渡側の従業員に対するケアなど、気をつけることも多くあります。

さらに、M&Aには専門性が高く、法律など幅広い知識が必要となるので、M&Aを行う際は専門家に相談するのがおすすめです。

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