よくわかるM&A

2026年2月9日

中小企業社長の適切な引退年齢は?経営者高齢化の現状と問題点、事業承継の方法を解説

中小企業社長の適切な引退年齢は?経営者高齢化の現状と問題点、事業承継の方法を解説

中小企業では社長の引退年齢が高い状態が続き、経営者の高齢化が課題の1つになっています。経営者が高齢になると、事業承継をしたくても後継者探しや育成が間に合わず、廃業を余儀なくされる可能性もあるため注意が必要です。

スムーズな事業承継を実現して企業として事業を継続するためには、社長がいつ後継者に経営権を託すのか、引退年齢を事前に検討して事業承継に向けた準備を早めに始めることが大切です。

本記事では、中小企業経営者の高齢化の現状や社長の平均引退年齢を紹介するとともに、社長が引退を考えるべき年齢・タイミングや引退を早めに検討すべき理由を解説します。

\資料を無料公開中/
年間3,000回の面談をこなすアドバイザーの声をもとにまとめた、譲渡を検討する前に知っておくべき5つの要件を解説。
資料
【主なコンテンツ】
・企業価値の算出方法
・M&Aの進め方や全体の流れ
・成約までに必要な期間
・M&Aに向けて事前に準備すべきこと

会社を譲渡する前に考えておきたいポイントをわかりやすくまとめました。M&Aの検討をこれから始める方は是非ご一読ください!
1分で入力完了!

中小企業経営者の高齢化の現状

帝国データバンクが実施した全国「社長年齢」分析調査(2024年)によると、社長の平均年齢は60.7歳です。社長の交代が進んでいない結果、平均年齢は年々上昇していて高齢化が進んでいます。

年代別に見ると、50歳以上が81.7%、60歳以上が51.7%で、社長の半数以上が60歳以上という状況です。経営者の高齢化が進む中、後継者が見つからず廃業を余儀なくされるケースや、経営者の突然の病気・死亡などによって企業が倒産するケースも見られます。

社長の平均引退年齢は高止まりしている

帝国データバンクの同調査によれば、社長が交代する際の年齢は平均68.6歳、社長交代後の新社長の年齢は52.7歳です。

経営者が高齢になると体力や気力が衰えて事業承継がスムーズに進まない可能性があるため、本来はより若いときに事業承継をすることが望ましいものの、現状としては社長の平均引退年齢は60代後半と高くなっています。

帝国データバンクによる調査では、社長の引退年齢の平均は、2022年の調査では68.8歳、2023年の調査では68.7歳、2024年の調査では68.6歳です。社長の引退年齢では下がる傾向は見られず、近年は高止まりしていることがわかります。

中小企業経営者が廃業を余儀なくされるケースも

近年は中小企業で経営者の高齢化が進み、後継者がおらず廃業を余儀なくされるケースが少なくありません。

日本政策金融公庫が実施した「中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2023年調査)」によると、後継者が決まっている企業の割合は僅か10.5%です。後継者が決まっておらず、廃業も含めて未定の企業割合は20.0%、廃業を予定している企業割合は57.4%で、実に半数以上の企業で廃業もやむを得ないと考えている状況です。

また、倒産件数も近年は増加傾向にあります。中小企業白書によれば2024年の倒産件数は10,006件でした。2021年以降は倒産件数が年々増加しており、後継者不足や物価高など様々な理由によって廃業せざるを得ないケースが増えています。

さらに、休廃業・解散企業の経営者について年齢層別にみると70代・80代以上が多くなっています。経営者が高齢になると後継者を探すことが難しくなり、休廃業・解散を選択せざるを得なくなるケースがあることがわかります。

▷関連記事:高齢化・先行き不安による廃業の増加

高齢化により発生する経営リスク

経営者が高齢になると、個人差はあるものの、健康状態や体力面の変化により、従来どおりのスピードで意思決定や対応を行うことが難しくなる場合があります。また、これまでの成功体験が大きいほど、新しい取り組みに慎重になるなど、意思決定の傾向が変化するケースもあります。

その結果、社会や市場環境の変化への対応が遅れたり、既存の経営手法の見直しが進みにくくなったりして、新しいアイデアや技術の導入が後手に回る可能性があります。こうした状況が続くと、競争環境の変化に対応しきれず、業績や組織の活力に影響が及ぶおそれがあります。

また、経営の方針や仕事の進め方をめぐって、世代間で価値観の違いが生じることもあります。コミュニケーションや納得感の醸成が十分でない場合、若手・中堅層が将来像を描きにくくなり、結果として離職につながる可能性も否定できません。こうした人材流出リスクを抑えるためにも、方針の共有や対話の機会を意識的に設けることが重要です。

さらに、社長が高齢になってから事業承継に着手すると、後継者の選定・育成や引継ぎの準備が間に合わず、事業承継が円滑に進まない場合があります。引退や事業承継については、社長の年齢が比較的若い段階から計画的に検討を進めることが重要です。

社長が引退を考えるべきタイミング

社長が引退年齢を決める際のポイントは主に次の2つです。

・社長の健康状況
・後継者の育成状況

まず、病気や体調不良などをきっかけに急いで事業承継を検討する場合、後継者探しや育成が間に合わず、結果として廃業を選択せざるを得なくなる可能性があります。事業承継には数年単位の時間を要することも多いため、十分な準備期間を確保できるかどうかが重要になります。

そのため、実際に引退する時期とは別に、社長が比較的元気で判断力に余裕のある段階から、将来の引退や事業承継について「選択肢の1つとして」考え始めておくことが望ましいといえるでしょう。引退を前提にするというよりも、「引退の可能性も視野に入れつつ事業をどう継続・発展させていくか」を考える姿勢が重要です。

また、後継者候補がいるかどうかによっても、引退を検討するタイミングは変わります。すでに後継者としての素養を持つ人材がいる場合は、比較的スムーズに事業承継を進められる可能性があります。一方で、後継者の育成に時間がかかる場合や、候補者が定まっていない場合には、より長期的な視点で準備を進める必要があります。

後継者探しや育成、事業承継に向けた準備には想像以上に時間がかかることも多いため、社長の年齢や健康状態に余裕がある段階から、将来を見据えた検討を始めておくことが、結果として事業承継の選択肢を広げることにつながります。

引退を見据えた準備を早めに意識しておく理由

社長が実際に引退するかどうかにかかわらず、将来の引退や事業承継を見据えた準備を早めに意識しておくことには、いくつかの重要な理由があります。

・後継者探しに時間がかかる場合がある
・後継者の育成や事業承継に伴う実務対応に時間がかかる場合がある
・事業承継に必要な資金調達や株式の整理に時間がかかる場合がある
・経営者の体力や判断力の変化によって、想定どおりに準備を進められなくなる可能性がある

事業承継では、後継者を誰にするのかを検討する段階から、親族・社員・第三者承継(M&A)といった選択肢を比較し、方向性を定めるまでに一定の時間が必要になります。たとえM&Aを活用する場合であっても、条件に合う譲受先がすぐに見つかるとは限りません。

また、現経営者から株式を引き継ぐ場合には、後継者側で多額の資金準備が必要になるケースもあり、金融機関との調整や資金計画の策定に時間を要することもあります。

このように、事業承継に向けた準備や手続きには複数の工程があり、想定以上に時間がかかる可能性があります。そのため、「すぐに引退するかどうか」を決めるというよりも、将来的な引退や事業承継の可能性を視野に入れつつ、選択肢を整理しておくことが重要といえるでしょう。

早い段階から備えを進めておくことで、引退する場合も、現役を続ける場合も、より柔軟な判断ができるようになります。

後継者不在問題と事業承継・M&Aの必要性

近年日本でも、欧米で重要な経営戦略の1つとして行われているM&Aが、廃業に代わる経営手段として増加しています。廃業に比べてM&Aには様々なメリットがあるからです。

例えば、廃業に比べてM&Aではより多くの金額が手元に残ります。株式譲渡の場合は会社の時価純資産に加え、営業権が加味されます。一方、廃業の場合は在庫商品や土地が大幅に減価されること、退職金の支払い、配当支払い時に高い税率がかかること等により、経営者に残る現金が少なく手元に債務が残ることさえあります。

また、M&Aであれば経営者は交代するものの会社自体はこれまでどおり存続することができ、従業員の雇用を維持できます。大手の傘下に入るケースやパートナーシップを結ぶケースでは、より安定した会社運営が可能です。

M&Aの場合は、従業員では購入が難しい高額な株式を売却することができ、個人保証や担保等も譲受企業が引き継ぐため、引退後の生活に困らずに済みます。

このようなメリットがあることから中小企業経営者の高齢化対策としてのM&Aは年々増加しており、今後もM&Aを活用した事業承継が増えていくことが予想されているのです。

▷関連記事:「M&Aとは?意味・流れ・手法・費用などゼロからわかる完全ガイド【2026年最新】

社長交代の際に必要な対応や意識すべきポイント

社長が引退・事業承継に向けて準備を始める際には、対応が必要になる事項を事前に洗い出し、何をいつまでにやる必要があるのかを明確にすることが重要です。検討が必要になる事項としては以下のようなものが挙げられます。

・引退時期の決定
・後継者の決定
・後継者の育成
・事業承継方法の検討
・事業承継資金の調達 など

事業承継では、事前の準備や検討から実際の事業承継の手続きまで、様々な対応が必要になり、専門的な知識も必要になります。

経営者や企業担当者が自分たちだけで事業承継を行うことは難しいので、事業承継についてご検討中の方はfundbookにご相談ください。経験豊富なM&Aアドバイザーが多数在籍し、事業承継に関する相談から必要な手続きまで総合的にサポートを行っています。

まとめ

経営者が高齢になってから事業承継について検討を始めると、後継者選びや育成が間に合わず、事業の継続を諦めて廃業を選択せざるを得なくなる可能性があります。企業として事業を確実に継続するためには、社長の引退時期の検討や事業承継に向けた準備を早めに始めることが重要です。

中小企業では社長の平均引退年齢が60代後半と高くなっていますが、50代前半など社長が比較的若いうちから事業承継に向けた検討を始めましょう。事業承継には5年以上かかることもあるなど、思っている以上に時間がかかる可能性があります。

M&Aや事業承継では専門的な知識が必要になるため、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めることが一般的です。事業承継についてお悩みの方はfundbookにご相談ください。

fundbookでは、M&Aアドバイザーの専門的な知見やテクノロジー、AIなどを活かし、豊富なネットワークを活用しながら最適な相手を見つけて譲渡企業・譲受企業のマッチングを行っています。各業界に精通した業界専門チームが在籍するため、業界特有の環境や課題を踏まえたサポートが可能です。

fundbookのサービスはこちら(自社の譲渡を希望する方向け)

fundbookのサービスはこちら(他社の譲受を希望する方向け)

    【無料ダウンロード】自社の企業価値を知りたい方へ

    企業価値100億円の条件

    企業価値100億円の条件 30の事例とロジック解説

    本資料では実際の事例や企業価値評価の手法をもとに「企業価値評価額100億円」の条件を紹介します。
    このような方におすすめです。

    自社の企業価値がいくらなのか知りたい
    ・企業価値の算出ロジックを正しく理解したい
    ・これからIPOやM&Aを検討するための参考にしたい

    は必須項目です。

    貴社名

    売上規模

    貴社サイトURLもしくは本社所在地をご入力ください

    お名前

    フリガナ

    役職

    自社の株式保有

    電話番号(ハイフンなし)

    メールアドレス

    自社を譲渡したい方まずはM&Aアドバイザーに無料相談

    相談料、着手金、企業価値算定無料、
    お気軽にお問い合わせください

    他社を譲受したい方まずはM&A案件情報を確認

    fundbookが厳選した
    優良譲渡M&A案件が検索できます

    M&A・事業承継のご相談は
    お電話でも受け付けております

    TEL 0120-880-880 受付時間 9:00~18:00(土日祝日を除く)
    M&A案件一覧を見る 譲渡に関するご相談