よくわかるM&A

2023/09/29

【2022年版】M&A事例と動向

【2022年版】M&A事例と動向

日本の中小企業では、帝国データバンクの調査によると調査対象の65.1%が後継者不在と回答している様に、後継者不在が深刻な課題となっています。

その様な背景もあり、近年、M&Aによる第三者承継を選択する経営者が増加しています。2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響もあり、M&A実施件数は前年比でマイナスとなりましたが、2021年は過去最大数のM&Aが実施されました。
本記事では最新のM&A事例をご紹介するとともに、M&Aを成功に導くために押さえておきたいポイントをお伝えします。

・関連記事:【2023年版】M&A事例と動向

\資料を無料公開中/
年間3,000回の面談をこなすアドバイザーの声をもとにまとめた、譲渡を検討する前に知っておくべき5つの要件を解説。
資料
【主なコンテンツ】
・企業価値の算出方法
・M&Aの進め方や全体の流れ
・成約までに必要な期間
・M&Aに向けて事前に準備すべきこと

会社を譲渡する前に考えておきたいポイントをわかりやすくまとめました。M&Aの検討をこれから始める方は是非ご一読ください!
1分で入力完了!

日本における後継者不在

中小企業における後継者不在は日本全体の課題となっています。
帝国データバンクが発表した全国企業「後継者不在率」動向調査では、2021年の全国・全業種 約26万6000社の後継者動向は61.5%が後継者が「いない」、または「未定」としたとしています。

2011年~2021年の後継者不在率推移

また東京商工リサーチの2021年「後継者不在率」調査でも2021年の後継者不在率は58.62%(2020年 57.53%)となっており、60%前後で推移している事が分かります。

東京商工リサーチの同調査によると、代表年齢が80歳以上となる企業の22.6%が後継者が不在という結果も出ています。

この様な後継者不在率の高さなどを背景に、中小企業庁は2021年に中小M&A推進計画を策定し、M&Aを推進する方向性を打ち出しています。また中小企業がM&Aを実施する際の補助金なども拡充されている事からM&Aが増加傾向にあります。
引き続きM&Aは後継者不在の課題解決方法として、増加していくものと想定されます。

・関連記事:M&Aとは?M&Aの手法や流れ、メリットを解説【分かりやすい動画・図解付き】
・関連記事:日本企業のM&Aは飛躍的に増加!増えている要因や成功・失敗事例を紹介

2022年12月|M&A事例

▷三菱地所による日本リージャスホールディングスの子会社化

2022年12月、三菱地所はレンタルオフィスやコワーキングスペースなどの運営・管理を行っている日本リージャスホールディングスを買収すると発表しました。

日本リージャスはレンタルオフィス企業として世界的なスイスIWGの傘下で1998年に日本で事業を開始し、ティーケーピーに2019年に400億円超で子会社されていました。ティーケーピーは今回の株式売却に伴い、2023年2月期決算に49億6700万円の特別損失を計上します。

今回のM&Aにより、三菱地所はシェアオフィスの事業を強化、コロナ禍における新しい働き方の提案や競争力の強化を目指すとしています。

▷日本製鉄による日鉄物産の公開買付

2022年12月、日本製鉄は持ち分法適用関連会社でグループの中核商社である日鉄物産に公開買付(TOB)を実施し、子会社化すると発表しました。2023年2月下旬を目途としてTOBの開始を目指すとしています。

日本製鉄は日鉄物産の株式の内、35%強(間接所有を含む)を保有する筆頭株主でしたが、本TOBを通じて日鉄物産の第2位株主 三井物産の所有分20%を除く約45%の株式を買付、所有割合が80%となる見込みです。

▷CHATWORKによるミナジンの子会社化

2022年12月、クラウド型ビジネスチャットツール「Chatwork」の開発運営を行うChatmorkは、クラウド型就業管理などの人事労務領域の事業を展開するミナジンの全株式を取得、子会社化することを発表しました。

本M&Aにより、Chatworkはコミュニケーションツールと人事労務領域のサービスの連携による高付加価値サービスの提供を目指すとしています。
またChatwork・ミナジンの両社の顧客は中小企業が中心となっており、相互の顧客基盤の拡大による収益増やコスト効率化などのシナジーの創出も図るとしています。

2022年11月|M&A事例

▷セブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武の全株式の譲渡

2022年11月、セブン&アイ・ホールディングスは保有するそごう・西武の全株式をアメリカの投資運用会社フォートレス・インベストメント・グループに譲渡する契約を発表しました。

セブン&アイ・ホールディングスは2006年にミレニアムホールディングス(現そごう・西武)を参加に収め、百貨店事業の発展とセブン&アイグループ各社とのシナジーを狙いましたが、コロナ禍や少子高齢化などの影響から赤字経営が続いていました。

今回、セブン&アイ・ホールディングスはそごう・西武の百貨店事業についてグループの経営資源による事業構造改革では事業価値および顧客への提供価値の最大化が困難と判断したとされています。
今後、セブン&アイ・ホールディングスはセブン-イレブンを中心としたグローバル成長戦略を進めていくとしています。

▷オリックスによる化粧品・健康食品大手ディーエイチシーの子会社化

2022年11月、オリックスは化粧品・健康食品大手のディーエイチシーの子会社化を発表しました。
ディーエイチシー創業者で大株主の吉田嘉明会長兼社長から発行済み株式の過半を取得する契約を締結するとともに、他の株主からも株式を買い取り、完全子会社化を目指す方向です。

ディーエイチシーは直営店の他、コンビニエンスストアやドラッグストア、オンラインショップなど多くの販路を持ち、積極的な広告戦略で高い知名度を誇ります。

▷第一生命ホールディングスによるアイペットホールディングスの公開買付け

2022年11月、第一生命ホールディングスはアイペットホールディングスの完全子会社化を目的とし、公開買付け(TOB)により全株式を取得すると発表しました。買付代金は39,015,852,550円、買付予定数の下限は7,326,900株とされています。

第一生命ホールディングスの子会社である第一生命保険とアイペットホールディングスの子会社であるアイペット損保の間では2019年に業務提携契約が締結されており、今回のM&Aを通じ、第一生命ホールディングスは協業関係を更に深め、両社の顧客基盤拡大を図るとのことです。

2022年10月|M&A事例

▷DENAによるSC相模原の子会社化

2022年10月、DeNAはJリーグクラブ「SC相模原」を采井するスポーツクラブ相模原の発行済み株式の74.2%の追加取得を決定したと発表しました。
この追加取得によりDeNAはスポーツクラブ相模原の株式を93.2%保有することになり、スポーツクラブ相模原はDeNAの連結子会社になる予定です。

DeNAは2021年4月1日からSC相模原への協賛を開始、スポーツクラブ相模原の株式を19.0%取得し経営参画を行っていました。
今後、SC相模原がJ2、J1と昇格しながら地域貢献を拡大するためにはDeNAの経営関与をより高めていく必要があるという考えに至り、今回の株式追加取得を決定したとしています。

▷KAIZEN PLATFORMによるハイウェルの子会社化

2022年10月、Kaizen PlatformはSESやデジタルプロモーション事業を手掛けるハイウェルの株式70%を取得、子会社化することを発表しました。
2024年10月末にはハイウェルの残りの株式30%を追加取得し、完全子会社化を計画しているとのことです。

本M&AによりKaizen Platformは、大企業向けに提供するDXソリューションの提供ラインナップの拡大、及びKaizen Platformのプラットフォームに所属するグロースハッカー人材のさらなる活躍の場を提供することを目的に、SES事業の開始を予定しているとしています。

▷日産自動車によるロシア子会社の自動車・エンジン中央科学研究所への譲渡

2022年10月、日産自動車はロシア市場からの撤退に伴い、ロシアにある子会社「ロシア日産自動車製造会社」の全株式をロシア政府系機関の「自動車・エンジン中央科学研究所」に譲渡することを発表しました。
譲渡価額は1ユーロ(約141円)となり、生産撤退に関連して約1,000億円の特別損失を計上する見込みです。
ロシアのウクライナ侵攻により、サプライチェーン(供給網)の混乱などに伴い、2022年3月に工場の操業を停止していましたが、侵攻が長期化したことで生産再開は難しいと判断したためとしています。

▷バイク王&カンパニーによるオズ・プロジェクトの子会社化

2022年10月、バイク王&カンパニーはオズ・プロジェクトの全株式を取得、子会社化することを発表しました。
オズ・プロジェクトはバイク用品や部品を販売している会社となり、バイク王&カンパニーはインターネットを通じた小売りのノウハウを取り込むことを狙いとしています。

2022年9月|M&A事例

▷SBIホールディングスによるアルヒの子会社化

2022年9月、SBIホールディングスは住宅ローン事業のアルヒに対して、子会社化を目指しTOBを実施すると発表しました。
TOB主体はSBIホールディングスの完全子会社であるSBIノンバンクホールディングスとなり、買い付け価格は1株あたり1,500円と発表されています(TOB公表前日の終値1,026円に46.2%のプレミアム)。

買い付け予定数は、SBIホールディングスの保有分 2.6%と合わせ51%、加減が33.4%に設定されています。 なおアルヒは本TOBに賛同を表明しており、またTOB成立後も東証プライム市場への上場は維持されるとのことです。

▷コクヨによるぺんてるの全保有株式の譲渡

2022年9月、コクヨはコクヨの保有するぺんてるの全株式をプラスへ譲渡することを発表しました。
コクヨはぺんてるの発行済み株式総数の45.6%(4,106,649株)の譲渡を予定しており、これによりプラスの保有するぺんてる株式は76.32%となり、連結子会社とするとされています。

プラスは今後、ぺんてるの経営の独立性を尊重、製造・開発や国内・海外事業などの各分野でぺんてると協業を加速させるとしています。

▷ダイオーズのMBOによる株式の非公開化

2022年9月、オフィスコービーサービスなどの事業を展開するダイオーズは、国内投資ファンドであるインテグラルと組み、MBOにより株式の非公開化を行うと発表しました(2022年4月より東証プライム市場に移行)。
ダイオーズの創業家の資産管理会社などが保有する株式を除く、約54%の株式取得を目指すとしています。TOB主体はインテグラル参加のボイジャーとなり、買い付け価格や1株あたり1,500円(TOB公表前日の終値1,363円に10.05%プレミアム)、買い付け予定数は735万4,394株とされています。

今回の株式非公開化はダイオーズの海外売上比率が47%と約50%を占めている事から、グローバルガバナンス体制の再構築、事業構造改革を迅速に進めるためとしています。

▷アクセンチュアによるALBERTに対するTOB

2022年9月、アクセンチュアはALBERTの全株取得を目指し、TOBを実施すると発表しました。
本TOBによりアクセンチュアはALBERTを完全子会社化する事を目的としており、買い付け予定数は4,626,203株、1株当たりの公開買い付け価格は9,180円、買い付け予定数の下限は30,842,000株(所有比率66.67%)とされています。ALBERTはAI活用コンサルティングやビッグデータ解析、AIを利用した独自プロダクトの提供などを行っている企業です。

本TOBを通してアクセンチュアはAIやデータ分析に精通するデータサイエンティスト人材を獲得し、AI領域におけるサービスを強化する狙いがあるとみられています。

2022年8月|M&A事例

▷H.I.S.による子会社ハウステンボスの全保有株式の譲渡

20222年8月、H.I.S.は連結子会社であるハウステンボスの全株式をPAG HTB Holdingsへ譲渡する事を発表しました。譲渡価額は666億6千万円となります。
またH.I.S.と同様にハウステンボスの株式を保有する九州電力、西部ガスホールディングス、九電工、JR九州、西日本鉄道の各社も株式の譲渡を決定しています。

ハウステンボスは長崎県佐世保市にあるリゾート施設となり、1992年に開業しましたが、2003年には入場者の伸び悩みから会社更生法の適用を申請し経営破綻、その後2010年にH.I.S.が買収し経営の立て直しを行っていました。
H.I.S.は今回の株式譲渡の理由を、テーマパーク事業に関する知見を有し、機動的かつ柔軟に資金供給を行うことがPAG HTB Holdingsがハウステンボスと連携をより強力にしたうえで事業を追及していくことが、ハウステンボスの更なる発展につながるとしています。

▷KADOKAWA子会社 フロム・ソフトウェアのテンセント、ソニー・インタラクティブエンタテイメントを割当先とした第三者割当増資

2022年8月、KADOKAWAの連結子会社であるフロム・ソフトウェアは、Tencent Holdings Limitedの子会社であるSixjoy Hong Kong Limitedと、ソニーグループ株式会社の子会社である株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントを割当先とする第三者割当増資の実施を決定いたしました。 この第三者割当増資によりフロム・ソフトウェアは約364億円の資金調達を行います。
またソフト・ウェアはKADOKAWAが100%株式を保有する完全子会社でしたが、割当増資後にはKADOKAWAの持ち株比率は69.66%に下がり、Sixjoy Hong Kong Limitedが16.25%、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが14.09%となります。

フロム・ソフトウェアは「ELDEN RING」や「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」といった人気の高いゲームを制作しており、ゲームの開発力が高い企業ですが、本第三者割当増資を通じて更なるゲーム開発投資や展開、また世界市場における自社パブリッシングの範囲悪大に向けた体制構築を目指すとしています。

▷第一生命ホールディングスによるパートナーズ・グループ・ホールディングスの完全子会社化

2022年8月、第一生命ホールディングスはニュージーランドの生命保険会社、パートナーズ・グループ・ホールディングスの全株式を取得し、完全子会社化する事を発表しました。取得価額は約856億円とされています。

パートナーズ・グループ・ホールディングスはニュージーランドで第2位の生命保険グループで保障性商品を主体とし、新商品を数多く開発、販売をして企業となります。
第一生命ホールディングスはオーストラリアのTOWER Australia Group Limited(現TAL Dai-ichi Life Australia Pty Limited)の買収などを2011年に実施しており、今回の買収により域内でのシナジー公開を期待していると見られます。

▷オリンパスによる科学事業子会社 エビデントのベインキャピタルへの譲渡

2022年8月、オリンパスは科学事業子会社 エビテントを米投資ファンド、ベインキャピタルに約4,277億円で譲渡すると発表しました。

オリンパスの科学事業は大学や研究機関向けの生物顕微鏡や半導体、自動車メーカーの工業用顕微鏡などを展開していますが、オリンパスは今後、医療分野に積極的に経営資源を投入する経営方針を掲げており、この方針に基づき科学事業をベインキャピタルに売却することで、自社の企業価値向上や科学事業の科学事業の自律的・持続的な成長の実現に最適と結論付けたとしています。

2022年7月|M&A事例

▷イオンによるハローズの株式取得

2022年7月、イオンが東証プライム市場に上場するハローズの株式の8.51%を、イオンの子会社であるマックスバリュ西日本とオリックスが保有していた株式を譲り受ける形で取得したと発表しました。
これによりイオンはマックスバリュ西日本に変わり、第3位の株主となっています。

ハローズは広島や岡山を中心に展開する食品スーパーとなり、イオンは本M&Aの目的を「グループ間の株を集約し、子会社が得た資金を成長戦略に生かすため」としています。

▷メイコーによるNECエンベデッドプロダクツの子会社化

2022年7月、メイコーはNECエンベデッドプロダクツの株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。

NECエンベデッドプロダクツはNEC傘下で電子機器開発・製造受託を手掛けており、開発や設計から量産までの一貫受託に強みを持つ企業です。
メイコーは本M&Aの目的を、開発・設計の機能を有したEMSの事業体制を確立や電子回路基板から高付加価値電子製品までの提案型事業の体制を実現としています。

▷コクヨによるHNI HONG KONG LIMITEDの子会社化

2022年7月、コクヨは香港のHNI Hong Kong Limitedの全株式を取得し、子会社化することを発表しました。取得価額は94億4600万円とされています。

HNI Hong Kong Limitedは「Lamex」ブランドでオフィス家具を展開しており、中国市場を中心にシェアを獲得しています。
コクヨは本M&Aの目的を、顧客に対する販売力や生産及び調達能力を一層強化し、中国市場における一層の事業拡大を目指すためとしています。

▷ウェルシアホールディングスによるふく薬品の子会社化

2022年7月、ウェルシアホールディングスは沖縄県でドラッグストアを運営するふく薬局の株式の内、52.58%を取得し、子会社化することを発表しました。なお取得価額は非公開となります。

ふく薬局は沖縄県内にドラッグストアや調剤薬局を展開しています。
ウェルシアホールディングスは沖縄について、「人口の継続増加や全国一の出生率という優位性ある消費環境がある」としており、同業他社との競争激化や少子高齢化などを背景にふく薬局の子会社化に至っています。

2022年6月|M&A事例

▷ディー・エヌ・エーによるデータホライズンの公開買い付けおよび第三者割当増資

2022年6月、ディー・エヌ・エー(DeNA)はデータホライゾンの普通株式を公開買い付けにより取得すること、および第三者割当増資を引き受けることを発表しました。ディー・エヌ・エーはデータホライゾンを連結子会社化することを前提としています。
ディー・エヌ・エーとデータホライゾンは2020年に子会社のDeSCを通じてデータホライゾンと業務提携を行っていましたが、今回の公開買い付け、および第三者割当増資により、これまで以上に連携を強化、迅速な協力関係の構築により、健康寿命の延伸、プライマリーバランス・ゼロの実現の加速を見込んでいます。

なおデータホライゾンは第三者割当増資で得た34億円の資金を利用し、DeNAと住友商事の合弁会社であるDeSCの株式95%を取得し、子会社化を目指すとしています。

▷サッポロホールディングスによる米ストーンブリューイングの持分取得

2022年6月、サッポロホールディングスは米孫会社Sapporo U.S.Aを通じ、米ストーンブリューイングホールディングス傘下のクラフトビールメーカーであるストーンブリューイングの子会社化を発表しました。
ストーンブリューイングはビール類製造販売事業や酒類卸事業を保有していますが、酒類卸事業を切り離しストーンブリューイングホールディングスの新設子会社に譲渡後、Sapporo U.S.Aがストーンブリューイングの持ち分を取得する予定です。

サッポロホールディングスは、ストーンブリューイングが保有する工場の取得により「サッポロブランド」の成長の後押しやストーンブリューイングのStone IPAといった有力ブランドを獲得することで、北米における酒類事業の更なる拡大を目指すとしています。

2022年5月|M&A事例

▷ディー・エヌ・エーによるアルムの連携子会社化

2022年5月、ディー・エヌ・エー(DeNA)は医療ICT事業を営むアルムを連結子会社にすると発表しました。ディー・エヌ・エー(DeNA)は7月から段階的にアルム株式を取得し、持株比率を57.5%とすることを見込んでいます。なお株式取得価格は292億5400万円とされています。

アルムは医療・介護の現場等の様々な場面でDXを促進するソリューション・ヘルスケアサービスを提供しており、この知見を活かし、ディー・エヌ・エー(DeNA)は遠隔診療分野の事業拡大の加速を目指すとしています。

▷セコムによるセノンの子会社化

2022年5月、セコムは常駐・機械警備、空港関連、ビルメンテナンスなどを事業とするセノンの株式55.1%を取得し、子会社化すると発表しました。
取得価格は270億5900万円、取得予定日は2022年7月1日が予定されています。

セコムはこのM&Aにより、セノンのセキュリティ企業としてのノウハウや経験とセコムの技術力を掛け合わせ、より高品質なサービスの提供を目指すとしています。

▷リコーによるエリクサジェン・サイエンティフィック(米国)の子会社化

2022年5月、リコーはアメリカのエリクサジェン・サイエンティフィックの株式お過半数を取得、子会社化すると発表しました。

エリクサジェン・サイエンティフィックはmRNA医薬品のCDMO(医薬品受託製造)事業や幹細胞関連製品の研究開発・製造・販売などを手掛ける企業です。
リコーはエリクサジェン・サイエンティフィックを子会社とすることで高齢化やパンデミックなどの社会課題を解決する創薬基盤の整備や構築の加速を目指すとしています。

2022年4月|M&A事例

▷オリックスによるHEXEL WORKS(ヘクセルワークス)の連携子会社化

2022年4月、オリックスがHEXEL Worksの発行済み株式の過半数を、2022年6月を目途に取得する事を発表しました。金額は約400億円と見られています。
HEXEL Worksは集合住宅分野や米軍施設分野において、競争力の高い総合電機設備工事会社で、72年の老舗企業になります。

オリックスとHEXEL Worksは本M&Aを通じて密接に連携し、業容の拡大を図るとしています。

▷ニトリホールディングスとエディオンの資本業務提携

2022年4月、ニトリホールディングスが同年5月付でエディオンに資本参加する事を発表、資本業務提携を行いました。
ニトリホールディングスはエディオンの株主であるLIXILから発行済み株式の8.6%を102.7億円で取得し、その後市場から1.4%を取得することでエディオン株式を10%と保有します。

本M&Aの狙いは、家具・インテリアのニトリホールディングスと、家電のエディオンの経営資源やノウハウを相互で活用し、両グループの事業拡大を図ることとしています。

▷アウトソーシングによるサンキョウ・ロジ・アソシエートの子会社化

2022年4月、アウトソーシングはサンキョウ・ロジ・アソシエートの発行済み株式を全て取得し、子会社化することを発表しました。
アウトソーシングは総合アウトソーシング事業や人材サービス、シェアドサービスを展開している企業で、サンキョウ・ロジ・アソシエートは商品の仕分けや梱包、発送、管理業務の請負、倉庫内作業に係る人材派遣業を行っている企業です。

アウトソーシングは本M&Aの目的を、アウトソーシングの持つ営業力や採用力といった経営資源の活用や管理面の底上げによる成長加速としています。

▷東洋テック株式会社による五大テック株式会社の子会社化

2022年4月、東洋テック株式会社は5月30日付で五大テック株式会社の全株式を取得、完全子会社化を行うことについて決議したと発表しました。

東洋テックは警備事業やビル管理事業を展開している企業ですが、本M&Aでは五大テックの施設警備業務のノウハウやリソースを取得・活用し、東洋テックグループの警備・ビル管理事業との一体運営や人的資源の相互活用を目指すとしています。

2022年3月|M&A事例

▷横浜ゴムによるTRELLEBORG(スウェーデン)のWHEEL SYSTEMS事業の買収

2022年3月、横浜ゴムはスウェーデンのTrelleborg ABとTrelleborg Wheel Systems Holding ABの全株式を取得することに合意し、株式売買契約の締結を行ったと発表しました。金額は約2,672億円と見られます。
Trelleborg Wheel Systems Holding ABは農業機械用タイヤや産業車両用タイヤなどを生産販売している企業となります。

本M&Aを通じて、横浜ゴムは主力のタイヤ事業において、商品ブランド体系の完成やサービス体制、DXなどの強化を図るとしています。

▷麻生による大豊建設の買収

2022年3月、福岡県で医療関連事業やセメント事業を手掛ける麻生は大豊建設の買収を発表しました。
麻生を引受先とする第三者割当増資で850万株の新株を発行、7月19日付で約403億円の調達を行う見込みです。これにより麻生の大豊建設の持株比率は50.74%になります。また大豊建設は1株4,730円で885万株の自己株取得を実行します。
大豊の筆頭株主であるシティindexイレブンスは40%余りの全保有株について買い付けに応じる予定となります。

2022年2月|M&A事例

▷オムロンとJMDCの資本業務提携

2022年2月、オムロンはJMDCと資本業務提携を行うと発表、JMDCの大株西であるノーリツ鋼機の保有する株式1,864万株を1,118億円で取得すると発表しました。
株式1,864万株は発行済み株式の33.0%に当たります。

JMDCは医療統計のデータサービスを提供している企業となり、今後はオムロンとヘルスケアデータのプラットフォーム構築や両社の持つデバイスやデータを活用した病気予防支援サービスを開発、オムロンが持つ海外拠点を活用しJMDCの製品やサービスの海外展開を進める予定となります。

▷双日による日本ハム子会社 マリンフーズの子会社化

2022年2月、双日は日本ハムの子会社で水産食品加工食品の製造や水産原料の輸入販売を行うマリンフーズの全株式を取得すると発表しました。譲渡価額は約265億円となります。
マリンフーズは1964年に東京・築地で海外の水産原料の開発輸入会社として設立後、1981年に日本ハムグループに加わりました。

双日の保有するグローバルネットワークやリソース、新規事業開発能力と、マリンフーズの強みである顧客基盤や商品開発、加工機能を組み合わせることで海外展開の強化・拡大を図るとともに、コンシューマー向け新商品の開発やEC事業強化による新たな顧客基盤の構築を推進などを行い、両社んお持続的な成長を実現するとしています。

▷博報堂DYホールディングスによるソウルドアウトの子会社化

2022年2月、博報堂DYホールディングスはデジタルホールディングス傘下のソウルドアウトに株式公開買い付け(TOB)を実施、完全子会社化する事を発表しました。買付代金は最大195億3085万円となる見込みです。
ソウルドアウトはインターネットビジネス支援事業を手掛けており、2009年にオプト(現デジタルホールディングス)の100%子会社として設立、2017年にマザーズに上場、2019年に東証1部に移りました。

ソウルドアウトは地方企業や中小企業を多く顧客として抱えており、博報堂DYホールディングスはこれらの地方企業や中小企業の体制強化を目指すとしています。

▷ソニー・インタラクティブエンタテインメントによるバンジー(アメリカ)の買収

2022年2月、ソニーの子会社 ソニー・インタラクティブエンタテインメントはバンジー買収を発表しました。買収価額は約4100億円となります。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2021年だけでゲーム開発会社を5社買収し、PS向けソフト開発を強化していますが、バンジーはその中でも最大規模の買収となります。

本M&Aによりバンジーのゲーム開発や人材採用を強化するほか、ゲームで培った知的財産を様々なエンタメに展開するとしています。

2022年1月|M&A事例

▷ワールドによるナルミヤ・インターナショナルの買収

2022年1月、ワールドはナルミヤ・インターナショナルを買収すると発表しました。ワールドはナルミヤ・インターナショナルの25%の株式を保有する筆頭株主ではあるが、株式公開買い付け(TOB)を行い51.58%に高めます。買収額は33億円となります。

ナルミヤ・インターナショナルは子供服事業を展開しており、本M&Aによりワールドは子供服を強化し、仕入れや物流、店舗運営などで既存事業との相乗効果を見込むとしています。

▷ミライト・ホールディングスによる西武建設の買収

2022年1月、ミライト・ホールディングスは西武ホールディングス傘下の西武建設の株式の内、95%を取得、子会社化すると発表しました。取得価格は約620億円になります。
西武建設は1941年に設立し、鉄道関連工事や鉄道沿線・リゾートなどのエリア開発を伴う建築・土木工事を手掛けてきました。

ミライト・ホールディングスは本M&Aの狙いとして、街づくり関連やグリーン発電といった成長領域での事業展開を加速させることとしています。

▷エムスリーによる3Hホールディングス他3社の完全子会社化

2022年1月、エムスリーは3Hホールディングス・3Hメディソリューション・3Hクリニカルトライアル、およびその完全子会社である3HCTSの4社を完全子会社化すると発表しました。
エムスリーは医療関連サービス事業や医療従事者専門サイト「m3.com」を運営しています。3Hグループは医薬・医療分野において被験者募集や情報提供、アプリ・システム開発などをワンストップで提供しています。

本M&Aを通じて、創薬・育薬支援や最新テクノロジーによるDXの実現を図り医療現場の課題解決に貢献するとしています。

【動画で学ぶM&A】M&Aにおける「買収」を徹底解説

    【無料ダウンロード】自社の企業価値を知りたい方へ

    企業価値100億円の条件

    企業価値100億円の条件 30の事例とロジック解説

    本資料では実際の事例や企業価値評価の手法をもとに「企業価値評価額100億円」の条件を紹介します。
    このような方におすすめです。

    自社の企業価値がいくらなのか知りたい
    ・企業価値の算出ロジックを正しく理解したい
    ・これからIPOやM&Aを検討するための参考にしたい

    は必須項目です。

    貴社名

    売上規模

    貴社サイトURLもしくは本社所在地をご入力ください

    お名前

    フリガナ

    役職

    自社の株式保有

    電話番号(ハイフンなし)

    メールアドレス

    自社を譲渡したい方まずはM&Aアドバイザーに無料相談

    相談料、着手金、企業価値算定無料、
    お気軽にお問い合わせください

    他社を譲受したい方まずはM&A案件情報を確認

    fundbookが厳選した
    優良譲渡M&A案件が検索できます

    M&A・事業承継のご相談は
    お電話でも受け付けております

    TEL 0120-880-880 受付時間 9:00~18:00(土日祝日を除く)
    M&A案件一覧を見る 譲渡に関するご相談