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2026年9月4日

M&AにおけるFAとは?役割や仲介会社との違い、選ぶ時の注意点を解説!

M&AにおけるFAとは?役割や仲介会社との違い、選ぶ時の注意点を解説!

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは、M&Aを検討している企業に対して、計画立案から成約に至るまでの過程で助言を行う業者です。

FAとM&A仲介会社では、譲受企業や譲渡企業との関わり方や役割が異なります。M&Aを検討する際は、自社に合ったサポートを受けるためにも、両者の違いを押さえることが必要です。

本記事では、M&AにおけるFAの役割やM&A仲介会社との違い、選び方について解説します。FAへの依頼を検討する際の参考にしてください。

安田 亮
この記事を監修した専門家
公認会計士・税理士・1級FP技能士
安田 亮
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
https://www.yasuda-cpa-office.com/

この記事を監修した専門家

安田 亮(やすだ りょう)

公認会計士・税理士・1級FP技能士

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

HP:https://www.yasuda-cpa-office.com/

M&AにおけるFA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは?

M&A実施時のFA(ファイナンシャルアドバイザー)の立ち位置

FAとは「ファイナンシャル・アドバイザー」の略で、M&Aを検討している企業に、計画の立案からクロージング(成約)に至るまでの一連のプロセスで助言を行う専門家を指します。

FAは、原則として譲渡企業または譲受企業のいずれか一方と契約を結び、その当事者の立場からサポートすることが特徴です。

なお、FA業務を提供する担い手としては、M&A事業者以外にも銀行や証券会社(投資銀行)、会計事務所・法律事務所などが挙げられます。

M&AにおけるFAの役割・業務内容

M&AにおけるFAの役割は、契約を結んだ譲受側もしくは譲渡側の利益最大化をサポートすることです。

その他、M&Aの専門家としての詳細な分析やデューディリジェンス(DD)の支援、戦略立案、交渉への参加の他、必要に応じて弁護士・公認会計士・税理士などの専門家と連携し、法務・財務・税務面の検討を支援することもFAの役割です。

FAに依頼する場合はFA契約、M&A仲介会社に依頼する場合は仲介契約を締結し、業務内容や範囲、そして報酬額について取り決めを交わします。基本の契約期間は、M&Aの検討開始からクロージングまでであることも少なくありません。
上場企業同士のM&AやクロスボーダーM&Aなどの大型取引においては、法的リスクの回避と自社利益最大化を目的として、M&AのプロセスをFAに委託することが一般的です。

FAを活用すれば、M&Aの手続きが適正か、譲渡条件が妥当であるかなどを厳密に検討でき、経営陣が不特定多数の株主に訴えられるリスクが低減されます。

M&AにおけるFAの担い手

先述のとおり、FAの主な担い手としては以下の4つです。

1. M&A事業者
2. 銀行
3. 証券会社(投資銀行)
4. 会計事務所・法律事務所

以下、各担い手の特徴を紹介します。

1. M&A事業者

M&A事業者は、FAに関する豊富な実績・知識を有しており、的確な助言をもらえます。

業者規模は小規模から大手まで様々あり、業者によっては本業を別に持つケースもあります。この場合、本業のネットワークを活かしてM&Aを有利に進行できる可能性もあるでしょう。

2. 銀行

銀行は、国内の中規模案件を中心にFA業務を実施しています。メガバンクは、基本的に自社がメインバンクになっている会社同士のM&Aを取り扱う機会が多いです。

また、メガバンク以外に地方銀行・信用金庫などでもFA業務を実施している場合があります。銀行は、法人顧客を多数抱え良質なネットワークが構築されているため、中小企業からのM&Aニーズを幅広く拾うことが可能です。

3. 証券会社(投資銀行)

証券会社は、主に大型案件を中心にFA業務を実施しています。国内・海外に数多くの拠点・協力企業を有し、クロスボーダー案件にも積極的に取り組んでいることが特徴です。外資系投資銀行がFA業務を実施している場合もあります。外資系投資銀行はグローバルに展開しているため、クロスボーダーのM&Aに強みを持っています。

なお、通常の銀行と異なり、投資銀行では「融資」を実施していません。また、日本において投資銀行は「証券業」に分類されます。

4. 会計事務所・法律事務所

会計事務所(公認会計士・税理士)や法律事務所(弁護士)が、会計や法律に関する専門知識を活かしてFA業務を実施している場合もあります。

なお、FA業務を単独で遂行するのではなく、M&A業者と提携して行うケースも少なくありません。

FAとM&A仲介会社の違い

FAの他に、M&Aを行う際の相談先として先述した「M&A仲介会社」があります。

M&A仲介会社とFAの大きな違いは、M&A仲介会社が譲受企業と譲渡企業の間に立って支援するのに対し、FAは原則としていずれか一方と契約し、その当事者の立場から支援する点です。

M&A仲介会社は双方の間に立って条件調整を行うのに対し、FAは契約した当事者の利益や意向を重視して助言を行います。実際の交渉では相手企業の事情や目的、意向も考慮しつつ、契約当事者の立場に立った助言やサポートを受けられます。

このように、FAは自社の立場や意向を重視した支援を受けやすい点が特徴です。


▷関連記事:「M&A実施時の仕事内容は?必要な知識・スキルやアドバイザーの役割を解説」

M&A仲介会社とは

M&A実施時のM&A仲介会社の立ち位置

M&A仲介会社は、譲渡企業と譲受企業の間に入ってM&Aの仲介業務を行う会社です。手法や相手企業の選定、譲渡価額の規模設定など、それぞれの要望を考慮してM&Aを希望する譲渡企業と譲受候補企業をマッチングさせます。

希望する条件の相手が見つかれば、トップ面談を行い、基本合意の締結、最終契約、クロージングへと進めていきます。

M&A仲介会社は、譲渡企業と譲受企業の双方の間に立って条件を調整するため、双方の合意形成を円滑に進めやすい点がメリットです。

M&A仲介会社との契約について、譲渡企業がM&Aの方向性や仲介会社の方針などに納得すると、仲介業務を依頼する仲介契約および秘密保持契約を締結します。

その後、ノンネーム検討や譲受企業へのネームクリア、トップ面談などを経て、譲受企業と基本合意を締結する流れが一般的です。

▷関連記事:「M&A仲介会社とは?FAとの違いや選び方、メリットや手数料の一覧・相場を紹介」

仲介会社とFAの報酬体系は基本的に同じ

M&Aで支払う報酬には、複数の種類があります。また、FAとM&A仲介会社では、相談料や着手金、成功報酬など、共通する報酬項目が設けられている場合があります。

FAまたM&A仲介会社に支払う、主な報酬や手数料の相場は以下のとおりです。

・相談料(無料~数百万円)
・着手金(無料~数百万円)
・中間金(成功報酬の10〜30%)
・月額報酬(リテイナーフィー)(無料~200万円)
・成功報酬(譲渡価額に一定の料率をかけるレーマン方式が一般的)



この他、企業価値評価費用などが設定されている会社もあります。一方で、相談料や着手金、中間報酬、月額報酬などを設けず、M&Aの成約時に成功報酬のみが発生する「完全成功報酬型」も選択肢の1つです。

なお、M&A仲介会社は譲渡企業と譲受企業の両方から報酬を得られるのに対し、FAは原則としていずれか一方の当事者と契約し、その契約先から報酬を受け取ります。


▷関連記事:「M&A仲介の手数料、成功報酬の費用相場は?計算方法や会計処理を解説!」

M&Aの相談はFAとM&A仲介会社のどちらにすべき?

M&AにおけるFAとは?役割や仲介会社との違い、選ぶ時の注意点を解説!

M&Aの相談先を選ぶ際、FAとM&A仲介会社のどちらに依頼すべきか迷う方は少なくありません。結論として、どちらが絶対的に優れているわけではなく、自社の状況や目的に応じて総合的に判断することが重要です。

FAは、原則として依頼者の立場に立って助言を行うため、自社の意向を重視しながら交渉を進めたい場合に適しています。

一方、M&A仲介会社は買い手・売り手双方の間に立って条件調整を行うため、相手先の探索やマッチングを含め、一連の手続きをまとめて支援してもらいたい場合に適しています。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社がM&Aに何を求めるのか、交渉の主導権をどこまで重視するのかといった観点を整理したうえで、自社に合った相談先を選びましょう。

FAの活用が適しているケース

FAは、上場企業が関わる案件や、取引規模が大きく複雑なM&Aなどで活用されるケースがあります。上場企業が関わるM&Aでは、株主を含むステークホルダーへの説明責任や取引の公正性などにも配慮する必要があります。

FAは原則として売り手・買い手のいずれか一方と契約し、その当事者の立場から助言を行うことが特徴です。

そのため、自社の意向を重視しながら価格や契約条件について交渉したい場合に、FAを活用する選択肢があります。

M&A仲介会社の活用が適しているケース

M&A仲介会社は、中小企業のM&Aで活用されるケースがあります。M&A仲介会社によっては独自のネットワークや候補先の情報を持っており、相手先の探索やマッチングについて支援を受けられます。

また、アドバイザーが買い手・売り手双方の間に立って条件を調整し、合意形成を支援する点も特徴です。

相手先の探索から条件調整、成約に向けた手続きまで、一連のプロセスについて支援を受けたい場合には、M&A仲介会社が選択肢となります。

M&AでFAは必要?選ぶ時の注意点

M&AにおけるFAとは?役割や仲介会社との違い、選ぶ時の注意点を解説!

M&Aを行う際、基本的な交渉や手続きは自社で行い、複雑な手続きのみ専門家に依頼すれば、少ない費用でM&Aを進められるのでは、と考える方もいるかもしれません。

しかし、適切な相手先候補の選出、機密情報の漏洩対策を徹底しながらの手続きや交渉、丁寧なデューディリジェンスなどの作業は、専門的かつ広域な知識が必要になるため、自分たちだけでは実行困難です。

また、専門家が不在の状態では、専門知識に基づく交渉において不利であり、自社にとって条件が悪い契約を締結してしまう可能性もあります。
M&Aをスムーズに進めるためには、各フェーズにおいて専門知識やノウハウを持つ、FAを含めた専門家への依頼を必ず検討しましょう。FAを選ぶ際は、以下の5つのポイントを意識することが重要です。

・検討段階から支援を受ける
・過去の実績・得意分野をチェックする
・自社との相性を把握する
・業務の範囲や料金体系を確認する
・複数の業者を比較する

上記の観点から慎重に選定しましょう。

▷関連記事:「M&Aアドバイザリーとは?業務内容や必要な資格、利用する際の手数料を解説」

1. 検討段階から支援を受ける

後継者不在の解決策として事業承継を考えている中小企業では、M&Aや事業承継に関する専門知識を持つ人材が社内にいない場合もあるため、専門家への相談が有効です。

FAは、契約した企業の状況や課題を把握し、M&Aの方針策定や相手先の検討、条件交渉などを支援します。検討段階からFAやM&Aアドバイザーによる助言を受けることで、納得のいくM&Aを実現できる可能性が高まるでしょう。

▷関連記事:中小企業のM&A 企業の合併・買収をアシストする仲介会社の役割とは

2. 過去の実績・得意分野をチェックする

FAを選ぶ際は、過去の実績や得意分野を確認しておきましょう。実績を確認することで、どのような案件や交渉に対応してきたFAなのかを判断する材料になります。

また、自社と同じ業種や規模の案件に対応した実績があるFAであれば、業界特有の事情を踏まえた支援を期待できます。

具体的には、会社全体の累計成約件数に加え、担当者個人の実績や経験年数も確認すると良いでしょう。あわせて、自社と同業種・同規模での成約実績があるかどうかもチェックすることをおすすめします。

自社業界のビジネスモデルや商慣習、特有のリスクに精通しているFAであれば、企業価値評価や条件交渉の場面でも業界特性を踏まえた助言を受けやすくなります。

3. 自社との相性を把握する

自社の事業や強み・弱みを理解してくれるFAかどうかは、支援を受けるうえで重要なポイントです。

M&Aでは、財務・法務・事業などに関する多くの情報をFAや相手方に開示する場面があります。コミュニケーションを円滑に取れるかどうかも含めて、自社との相性を把握しておきましょう。

具体的には、初回面談時に「専門用語を多用せず分かりやすく説明してくれるか」「問い合わせに適切かつ迅速に対応してくれるか」などを確認すると良いでしょう。

M&Aは経営者にとって重要な経営判断であるため、売却条件だけでなく、創業からの想いや従業員への配慮を理解してくれるかどうかも判断材料になります。

さらに、メリットだけでなく、想定されるリスクやデメリット、手数料体系についても十分に説明してくれる担当者かどうかを確認することが大切です。

4. 業務の範囲や料金体系を確認する

業務範囲や費用項目、支払い時期など、料金体系について事前に確認することも重要です。

買い手側のFAでは、成功報酬が取引金額に連動する場合、報酬体系によっては買い手との間でインセンティブが一致しない可能性があります。

買い手は買収価格を抑えたい一方、成功報酬が取引金額に連動する場合は、取引金額が大きいほどFAの報酬も増える仕組みとなることがあります。

契約前には、成功報酬の算定基準や最低報酬額などを確認し、複数のFAの料金体系を比較すると良いでしょう。

5. 複数の業者を比較する

FAを選ぶ際は、複数社を比較することで、企業価値評価(バリュエーション)や手数料の妥当性を客観的に判断できます。

1社のみに相談した場合、他社との比較ができないため、提示された評価額や手数料、契約条件の妥当性を判断しにくいことがあります。

各社の提案内容やM&Aスキーム、料金体系、担当者の対応姿勢などを比較し、自社の目的や希望に合ったFAを検討してください。

無料相談を実施しているFAもあるため、利用できる場合は、業務内容や料金体系などの不明点を契約前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

本記事では、M&AにおけるFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の役割や報酬体系、主な担い手、M&A仲介会社との違い、FAを選ぶ際のポイントについて解説しました。

FAは、契約した当事者の立場から専門的な助言を行い、自社の目的に沿ってM&Aを進めるための支援を提供します。

一方、M&Aの規模や目的によっては、M&A仲介会社の活用が適している場合もあります。両者の特徴を理解したうえで、自社のニーズに合った相談先を選ぶことが重要です。fundbookは、豊富な実績と専門知識を持つアドバイザーが、譲渡・譲受のどちらの立場からも最適なM&Aの実現をサポートしています。M&Aに関するご相談は、ぜひfundbookにお問い合わせください。

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