業界毎の事例

2026年4月22日

IT業界 当社成約事例
〜単独資本での成長に限界を感じ、従業員・顧客基盤の維持発展を見据えたM&A〜

IT業界 当社成約事例<br>〜単独資本での成長に限界を感じ、従業員・顧客基盤の維持発展を見据えたM&A〜

本事例は、あえて同業種ではなく「自社技術を喉から手が出るほど欲している異業種(地域インフラ企業)」をパートナーに選んだことで、オーナー様が心血を注いで築き上げたシステム資産が最大評価され、従業員に新たな成長機会を提供できた成功モデルです。戦略的なM&Aにより、「自社の強みを再定義し、第二の創業を実現」を目指した事例です。

譲渡企業譲受企業
会社名A社(EC受託開発・ECパッケージ販売)B社(有線一般放送)
本社所在地関東関東
売上規模約2億円約60億円
従業員数約20名約200名
M&A理由会社の更なる発展IT企業の買収による社内DXの推進

M&A検討の背景 ― 3つの課題

01.人員減少

コロナ禍で約2年間退職者が相次ぎ、既存顧客への提供体制への影響を懸念。

02.成長の限界

単独での人材確保・組織強化に限界。会社の成長スピード鈍化への危機感。

03.将来への不安

福利厚生・給与・将来機会で従業員に十分な選択肢を示せるかに課題意識。

初回面談からアドバイザリー契約締結

Point 1:M&Aをご検討された背景

コロナ禍で約2年間にわたり退職者が相次ぎ、A社では人員減少が既存顧客への提供体制に影響を及ぼし得るという不安が日に日に高まっていた。お客様の数が減ったわけではなかったものの、これ以上のスタッフ減少が続けば、長年築いてきた顧客との関係性や品質に影響が出かねない状況にあった。

売上拡大への意思は強く持っていたものの、単独での人材確保・組織強化には明確な限界があり、新規案件対応と既存顧客サポートの両立が次第に困難に。会社の成長スピードが鈍化することへの危機感を強く抱き、外部との何らかの連携を本気で模索する必要性を感じていた。

Point 2:アドバイザリー契約締結までの背景

オーナー単独経営の体制では、福利厚生・給与・将来機会の面で従業員に十分な選択肢を示し続けられるかに強い課題意識を持っていた。「このままオーナー経営を続けたとして、思い切ったことができるだろうか」という葛藤が、日に日に大きくなっていた。

また、オーナー自身の年齢も重なり、「何年後かには会社が自助的に成長できる力を付けておきたい」との思いも強まり、資本提携/M&Aによる人材確保・販路拡大・自走力強化を図る方針を決定。複数の選択肢を比較検討した上で、2024年からfundbookとともに本格的に相手先探しを開始した。

お相手探しから意向表明書受領まで

Point 1:買い手選定の方針

M&A後に従来と全く異なる方向性が示されることは、従業員のストレスや顧客との関係性の毀損に直結する。それを避けるため、A社オーナーは「使命感・方向性の一致」を相手先選定の最重要軸に据えた。同業の場合は「人材だけが評価され、20年かけて築いた独自ECサイト構築システム等の資産が活用されない」懸念があり、むしろ異業種であってもA社の資産を活かしてシナジーを生み出せる相手を優先的に探索対象に含めた。

Point 2:譲受企業のDX構想とのマッチング

譲受企業B社は、北関東4県を中心とした地域応援サイトを起点に地域企業支援を進める中で、「もっと地域企業の売上に貢献するためにはECの機能が不可欠だ」と認識し、開発力強化のニーズを強く感じていた。さらに、地域DXの先駆者となり、全国約500社のケーブルテレビ事業者へ仕組みを横展開する構想も描いていた。初回面談ではB社側がDX構想を資料化して非常に丁寧に説明し、A社側に「必要とされている」実感が強く伝わったことが、マッチングの大きな決め手となった。

それぞれのシナジーの明確化

譲渡企業 A社譲受企業 B社
・既存サービス継続を前提に成長機会を拡大
・B社グループの地域ネットワーク経由で営業販路拡大
・エンジニア採用を連携強化
・自助的な成長力の獲得
・EC機能・開発力・運用ノウハウの取り込み
・受注単価・継続率の改善
・ECノウハウ内製化で支援品質向上
・全国500社のCATV事業者へ横展開

▶地域DX構想の全国展開ロードマップ

①A社とB社のM&A成約

②北関東4県で地域DX展開

③全国のCATV事業者約500社へ横展開

DD・最終契約 ― 迅速な意思決定と信頼構築

Point 1:迅速な意思決定と納得感ある伴走支援

複数社との面談・検討が並行する中、返答待ちの期間が長引く場面もあり、譲渡オーナーの不安が募った。経営者仲間からの「妥協はダメ」という励ましと、fundbookアドバイザーへの率直な相談を重ねることで乗り越えた。譲受企業B社は代表自らが先導し、幹部社員への相談から役員会の結論日まで全てスケジュールを組んで推進。「迅速な対応こそ誠意」という姿勢で出会いから成約まで一気に加速した。

Point 2:既存事業継続の明示と経営陣による直接対話

譲受企業B社はM&A後も既存事業継続と待遇改善の方針を文面で明示。ホワイト企業ランキングTOP100で1位の実績もあり、待遇面の信頼性が高く受け入れはスムーズに進行。発表数日後には、B社の社長・役員自らがA社に来社し、全従業員とのマンツーマン面談を実施。働き方の要望を吸い上げるなど、早期から信頼関係構築に着手し、成約翌月から協業に向けた話し合いを開始している。

成約事例からの学び ― 異業種連携による「独自の強み」の最大評価

同業種への譲渡は、ノウハウが共通しているがゆえに「人員(技術者数)」のみの評価に留まり、長年築いたシステムや無形資産が過小評価されるリスクがあります。本件のように、譲渡企業のシステムや無形資産を戦略的に必要とする相手先を成約候補とすることで、適正なプレミアムを付した企業価値の算定、および想定以上の事業シナジー創出が可能となります。

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