経営・ビジネス

2023/10/02

事業戦略策定に効果的な7つのフレームワーク

事業戦略策定に効果的な7つのフレームワーク

ビジネスを成功に導くためには、市場や競合・自社のリソースなどを的確に把握し、分析することが重要です。

当たり前の話ですが、「顧客にどのような価値を提供するか」「競合他社との差別化」など、自社に適した事業戦略を立てる必要が出てくるでしょう。

そこで役立つのが、「フレームワーク」です。

その言葉自体は聞いたことがあっても、いざ事業戦略を策定しようとすると、どのようなフレームワークが効果的なのか判断がつかない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、事業戦略策定に効果的な7つのフレームワークをわかりやすく解説していきます。

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事業戦略策定に活用できるフレームワークとは?

企業全体の目標達成や競合他社に打ち勝つために、各事業部で「事業戦略」を策定していくことがあります。
その際「サービス内容や商品の販売方法」といった、企業にプラスとなる戦略を具体的に洗い出す必要があり、事業戦略の策定を無駄なく進めるためには、フレームワークの活用が欠かせません。
フレームワークとは、意思決定や分析・課題や問題を特定の型に落とし込み、思考を整理するための枠組みのことです。

事業戦略の策定にフレームワークを活用すると、以下の項目を分析できます。

【フレームワークの活用で分析できる項目】
・自社事業の課題
・今後の方向性
・経営環境
・競合に打ち勝つための戦略

フレームワークを取り入れた事業戦略の策定は、客観的でより論理的な方針を定められるのでぜひ活用しましょう。

事業戦略策定にフレームワークを活用すべき理由

競合他社よりも飛びぬけ、なおかつ企業目標を達成するたねには、客観的な状況分析が不可欠です。

いざ「事業戦略を立てよう」と思っても、何から戦略を立てればよいか判断がつかないという悩みも少なくありません。特に事業部の多い企業ほど,、戦略をまとめるのに労力を要するのではないでしょうか。

フレームワークを活用できれば、事業部ごとの課題や方向性を効率よく分析できます。

各事業部の分析結果を比較すれば、優先する課題や資金の配分も的確に判断できるでしょう。

企業目標達成に向けた事業戦略策定には、客観的・論理的な思考が必要です。「効果的な戦略であるか」「成果を果たせているか」などを冷静に分析・検討するためにも、フレームワークの活用が重要となります。

事業戦略策定に役立つ7つのフレームワーク

事業戦略策定は、企業全体の目標達成のために重要な行程となります。データ収集や分析を見誤ると、その後の戦略が思わぬ方向へ進む可能性もあるのです。適切な分析をするためにも、フレームワークを正しく活用しましょう。

フレームワークに当てはめると、データ収集も漏れることなく、客観的かつ論理的に分析できます。

この項目では、事業戦略策定に役立つ7つのフレームワークを紹介します。

3C分析

「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」それぞれの頭文字である3つのCを分析するフレームワークが3C分析です。

3Cを分析すると、以下の項目を抽出できます。

  • ・Customer(顧客):市場(顧客)のニーズなど
  • ・Competitor(競合):競合他社のサービスやプロダクト、動向など
  • ・Company(自社):上記2つを踏まえた自社の市場における強み・ポジション

この分析で自社の状況を客観的に把握することで、事業戦略の問題点を取り除き、明確な目標設定が可能となります。

3C分析は、新規の事業戦略よりも、既存の事業戦略をブラッシュアップするときに多く用いられる手法です。

SWOT分析

SWOT分析は、内部環境・外部環境における強みと弱みの原因を把握するためのフレームワークです。

以下4つの項目を分析します。

  • ・Strength(強み):目標達成にプラスとなる自社の特質
  • ・Weakness(弱み):目標達成にマイナスとなる自社の特質
  • ・Opportunity(機会):目標達成にプラスとなる外部の特質
  • ・Threat(脅威):目標達成にマイナスとなる外部の特質

「強み」と「弱み」は企業の内部環境です。自社の強みと弱みを客観的に分析すると、問題や課題・新たなアプローチ方法を導き出せます。

一方、「機会」「脅威」は企業の外部環境です。機会は、市場の拡大や社会情勢の変化といった、いわゆるビジネスチャンスと言われるものを指します。

「機会=チャンス」の中から、「脅威=リスク」の大きさを考慮しつつ、自社の「強み」「弱み」を把握したうえで事業を進めましょう。

SWOT分析は、事業戦略の大きな枠組みの決定や、進行中の事業状況を把握したいときに用いられます。

STP分析

STP分析は以下の頭文字から名付けられたフレームワークで、「S→T→P」の順番に分析します。

  • ・Segmentation(セグメンテーション)
  • ・Targeting(ターゲティング)
  • ・Positioning(ポジショニング)

Segmentation(セグメンテーション):市場を細分化

セグメンテーションでは、市場を要素(性別や年齢、居住地など)に分類し、消費者をいくつかのセグメントにわけます。

Targeting(ターゲティング):目標とする市場を決定

セグメンテーションの分析結果に基づき、狙うべき消費者層(セグメント)を設定するのがターゲティングです。

Positioning(ポジショニング):市場での位置関係を把握

市場規模や競合他社の有無をチェックし、自社がどの位置を狙えるのかを見つけ、市場における自社の立ち位置を明確にしていくことがポジショニングです。

STP分析によって、自社に有利なポジションがあると判断された場合、他社との差別化を図り、効率的に業務を進行できます。

このように、効果的に市場開拓を行うためのマーケティング手法がSTP分析です。

PEST分析

自社を取り巻く4つの外部環境を分析し、現在、もしくは将来的に及ぼす影響を把握するフレームワークです。

PEST分析では、以下の項目について分析します。

  • ・Politics(政治):法律、税制など
  • ・Economy(経済):経済状況、為替、株価など
  • ・Society(社会):世論、少子高齢化、流行など
  • ・Technology(技術):イノベーション、特許、インフラなど

外部環境である以上、自社でのコントロールができないため、上記の分析結果からどのような影響を受けるのかを考慮しましょう。

PEST分析は、中長期的で大規模な変化に対して行う手法となります。現状ではなく「長い目で見た市場の変化」に対する事業戦略を検討したいときに用いられるフレームワークです。

ファイブフォース分析

市場の動きを知り、自社を取り巻く5つのForce(脅威)について競争要因を把握できるフレームワークです。

ファイブフォース分析では、以下の5つに分けて分析を行います。

  • ・新規参入の脅威
  • ・競合他社の脅威
  • ・代替品の脅威
  • ・売り手の交渉力の脅威
  • ・買い手の交渉力の脅威

既存の競合同士の脅威といった状況に加え、今後参入するであろう将来的な脅威についての分析も可能です。その状況下において、自社が参入した際に収益をあげるための必要な対処法や戦略が見えます。

また、売り手(サプライヤー)や買い手(顧客)について分析をすることで、需要と供給の関係性も把握できるのです。

VRIO分析

VRIO分析は、3C分析のCompany(自社)の項目に特化したフレームワークです。自社が持つ「強み」と「弱み」を分析できるので、内部環境の分析にも役立ちます。

VRIO分析では、自社が持つ特性を以下の4つに分類し「YES」か「NO」で分析可能です。

  • ・Value(価値):市場に提供できる価値があるか
  • ・Rarity(希少性):希少性の高いものはあるか
  • ・Imitability(模倣可能性):競合に模倣されにくいものはあるか
  • ・Organization(組織):価値を活かせる組織体制があるか

すべての項目に「YES」であれば自社の強みとなり、逆に「NO」が多ければ弱みといえるので改善が必要でしょう。

4項目の分析で「自社が持つ価値とは何か」「市場での競走優位性」を把握して、維持・強化するための戦略を策定できます。

4P分析

分析した事業戦略の内容をより具体化するためのフレームワークが、4P分析です。

4P分析は自社商品の販売戦略を考える際に用いられることが多く、下記の4つを分析対象とします。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通) 
  • Promotion(販促)

商品やサービスの提供を考えるとき、成否を大きく左右するのが上記4つの「P」です。「どの製品を、どの価格で、どこでどのように販売するか」を考える際に活用するフレームワークです。

まとめ

今回は、事業戦略の策定に効果的な7つのフレームワークを解説しました。
事業戦略策定の際は「市場や顧客に提供できる自社の価値は何か」「競合といかに差別化を図るか」を重要視しましょう。
適切な判断のためにも、フレームワークの活用をおすすめします。しかし、フレームワークはあくまでも手段であり「分析や整理のためのツール」でしかありません。

自社のビジネス成功につなげるには、フレームワーク分析を活かした企業運営が大きなカギとなるでしょう。
さらなる企業成長を図るためには、打ち出した事業戦略の定期的な振り返りも必要です。
ぜひ、今回解説したフレームワークを活用して、自社の事業戦略策定にお役立てください。

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