経営・ビジネス

2023/09/14

株主総会とは?目的から開催方法・流れまで分かりやすく解説

株主総会とは?目的から開催方法・流れまで分かりやすく解説

株主総会については、会社法では「株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株主会社に関する一切の事項について決議することができる」と定め(会社法(以下「法」)295条1項)、株主総会においてすべての事項を決議することができるとする、株主総会万能主義が原則として定められています。

そのうえで、取締役会設置会社においては「株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる」(法295条2項)と株主総会の権能を取締役会に委任するよう定めています。

本記事では、このようにM&Aを含め会社における一切の事項を決議することができる株主総会とは、具体的にはどのような意味・目的を有し、その決議方法がどうなっているか、という点について解説していきます。

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谷 直樹
この記事を執筆した専門家
長崎国際法律事務所 谷 直樹
中小企業・個人事業主からの相談を主に取り扱う。東京で大手出版社やメーカーなどを顧問先とする企業法務の事務所で3年間弁護士として経験を積み、その後、外務省の推薦を受けて国連機関でも2年間勤務。企業の法律問題を得意としており、特に知財に関しては知的財産アナリスト(特許)の認定も有する。知財総合支援窓口、よろず支援拠点にも在籍・登録しており法律の専門家として企業から多数の相談実績あり。
https://nagasaki-international-lo.jp/
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株主総会とは?株主の権利と開催する目的

まずは、株主総会とはどのような意味を有し、その開催する目的がどのようなものであるかをみていきます。

株主が持つ2つの権利

株式会社は、流動性の高い株式を発行することによって、広く一般の投資家から資金を集めるための仕組みであり、そのため必然的に所有と経営の分離が生じることを前提にしています。投資家は、経営の専門家である取締役に経営を委ねることにより、自ら経営またはその監督をする能力がなくても投資することができるのです。

そのため、重要な業務執行の決定については、取締役に委任することになります。それにより企業価値の向上が図られているのです。それでは株主はどのような権利を有しているのでしょうか。

株主は大きく分けると2つの権利を有しています。1つは「自益権」といわれる権利、もう1つは「共益権」といわれる権利です。

自益権とは、株主としての権利行使の結果が当該株主個人の利益だけに影響する権利のことをいいます。自益権には、配当金を受け取ることのできる「利益配当請求権」や企業が解散する際の「残余財産分配請求権」などがあります。

共益権とは、株主としての権利行使の結果が株主全体の利益に影響する権利のことをいいます。共益権には、株主総会での議決権など一単元株でも保有していれば認められる単独株主権と、株主総会招集権や解散請求権など一定数の株式の保有が必要な少数株主権があります。

株主総会は株式会社における最高の意思決定機関

上記の通り、会社法は原則として株主総会万能主義を採っています。しかし、株式会社は所有と経営の分離を前提とし、重要な業務執行の決定は取締役会に委任することとしています。

そのため会社法は、取締役会設置会社の場合には限定列挙主義をとり、取締役会非設置会社の場合には、株主総会万能主義を採ることになります。

取締役会がある場合には、必然的に業務執行の決定権は取締役会に帰属するため、その分株主総会の権限は縮小されるのが原則になるからとされています。しかしこれに限られず、会社区分と規律区分の関係のわかりやすさもそのような定めの理由とされています。

取締役会設置会社においても、定款に定めれば株主総会の権限を拡大することができます(法295条2項)。

総会の権限を縮小するのは、経営の意思も能力もない株主は業務執行に介入しないのが、通常の株主の意思と考えられるからに過ぎず、株主がそれを求めるのであれば拡大を認めて差し支えないためです。

基本的には、業務執行にかかる内部的な意思決定権限をどの機関に帰属させるかは、経営の効率性の問題のため、各会社(株主)が自由に定めて良いということになります。ただし、定款で株主総会の決議事項であると定めたとしても、善意の第三者にはそれを対抗できません。

このように、取締役会設置会社においても定款によって株主総会の決議事項を拡大することが可能なため、総会の決議事項の設計は絶対的なものではありません。逆に取締役会非設置会社での総会の決議事項を定款により限定することも可能なのです。

上記のような柔軟な設定もできる一方で、会社法では、会社の最終的な意思決定権を株主に帰属させています。

それは余剰利益の帰属者が株主であるため、株主のその会社の意思決定を任せることがインセンティブのうえで最も効率的であることや、会社の財産は株主の出資によるものであり、その財産の所有権が変容したものであるものが株主権であるため、それを利用・処分する権限も株主に帰属されるから、という点などに理由があるとされています。

株主に会社の最終的な意思決定権を持たせるべきであると考える以上、株主総会の権限のうち、最も重要なものについては、立法論としても株主総会の権限から奪うことはできないとすることになります。例えば取締役の選任・解任権限や定款の変更権限などがこれに当たるとされています。

なお、会社法の仕組みとしては、会社法が株主総会の権限と定めた事項を、他の機関の権限とすることはできないとされています(法295条3項)。

株主総会の種類

株主総会は、招集の時期を基準として、定時株主総会、臨時株主総会に分類されます。

定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集されなければなりません(法296条1項)。

法文上、期限は具体的に定められていないものの、定款で決算期日を定時株主総会の議決権行使基準日と定めるのが通例で、基準日と権利行使日の間が3ヶ月を超えることはできないことから(法124条2項)、決算日から3ヶ月以内に定時株主総会を開催する必要があります。法人税法も確定決算主義の前提から、こうした実務を前提に規定の整備がなされているのです。

定時株主総会は、計算書類の承認・報告、事業報告の内容の報告および剰余金の配当の決定を会議の目的事項としますが、その他の事項を決議しても問題ありません。

臨時株主総会とは、定時株主総会以外の株主総会をいいます。会社法は、株主総会は必要があるときに、いつでも招集することができると定めています(法296条2項)。

種類株主総会も必要があるときに招集することができます。株主総会と同時に開催されるのが一般的です。

開催場所

定款に特段の開催場所についての定めがない限り、開催場所に制限はありません。

しかし、株主の参加に著しく支障がある場所を開催場所とすることはできません。こうした場所を開催場所とした場合は、招集手続きにおいて著しく不公正な場合として決議取消事由となり得ます。

株主総会の決議事項と決議方法

それでは取締役会設置会社における株主総会の一般的な決議事項と決議方法をみていきます。

株主総会の決議事項

株主総会の決議事項は、大きく分けて、1)会社の基本的な事項に関する事項、2)役員などに関する事項、3)株主の重要な利益に関する事項、4)計算関係事項、5)会社法以外の法律が定める決議事項があります。

1)会社の基本的な事項に関する事項としては、定款の変更(法466条)、合併・会社分割・株式交換・株式移転(法783条1項、法795条1項、法804条1項)、事業譲渡・譲受、子会社株式の譲渡(法467条1項)、資本・準備金の減少(法447条1項、法448条1項)、解散(法471条3号)、会社継続(法473条)、組織変更(法776条1項)などがあります。

2)役員などに関する事項としては、取締役、監査役、会計参与、会計監査人の選解任(法329条1項、法339条1項)、報酬などの決定(法361条、法379条、法387条、責任の免除(法425条1項)などがあります。

3)株主の重要な利益に関する事項としては、株式の併合(法180条2項)、剰余金の配当(法454条1項)、自己株式の取得(法156条)、全部取得条項付株式の取得(法171条1項)、募集株式・新株予約権の募集(法199条2項、法238条2項。
ただし、公開会社の場合は有利発行となる場合のみ。法199条3項、法201条1項、法238条3項、法240条)などです。

4)計算関係事項としては、計算書類の承認(法438条2項)、剰余金についてのその他の処分(法452条)などがあります。

5)会社法以外の法律が定める決議事項としては、解散後の株式会社による会社法制手続き開始の申立て(会社更生法19条)、保険会社の合併(保険業法165条の3)などがあります。

株主総会の決議方法

採決方法

株主総会決議における採決の方法については特段の規定はありません。議長の議事整理権にもとづき、適宜採決の方法を決めることができます。

その際、議案の成立に必要な議決権数を有する株主が決議に賛成することが明らかになれば、賛否の数を確定することは必ずしも必要ではありません。

例えば、行使期限までになされた議決権行使書による議決権行使の結果により、総会当日の会場での議決権行使にかかわらず可決に必要な議決権数が確保されている場合や、その会場での大株主の賛否を確認するだけで決議の成立・不成立を判断できる場合もあります。

それぞれの状況に応じて拍手での採決、投票用紙を用いた投票による採決などの方法を決定します。

株主総会の決議

株主総会の決議には普通決議、特別決議、特殊決議の3つがあります。

普通決議(法309条1項)

法令・定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、出席した株主の議決権の過半数の賛成により成立します。

このうち定足数は役員の選解任の決議以外、定款の定めにより自由に引き下げることができますから、定款で法定の定足数要件を外し、出席した株主の議決権の過半する出決議が成立する旨を定めている会社も多くあります。

なお、役員の選解任については、定款の定めによっても定足数を株主の議決権の3分1未満とすることはできません(法341条)。

特別決議(法309条2項)

定款変更、組織再編行為など株主の地位に重大な影響のある事項、または支配株主など一部の株主のみが利益を受けることになりがちな事項など、慎重な判断を要する事項については、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(定款でも3分の1未満とすることはできません)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(定款で引き上げが可能)以上に当たる賛成により成立します。

特殊決議(法309条3項、4項 )

特別決議よりも厳重な要件が株主総会決議の成立に要求されている事項が特殊決議です。

1つは、株式が定款変更により譲渡制限株式になり、または株主が組織再編により譲渡制限株式などを交付される場合です。

この場合、議決権を行使することができる株主の半数以上(頭数、定款で引き上げ可能)で、かつ議決権を行使することができる株主の議決権の3分の2以上(定款で引き上げ可能)以上の賛成が要求されています。譲渡制限が付され、会社のあり方が大きく変わるなど株主各人の権利に与える影響が大きいためです。

もう1つは、公開会社ではない会社において、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会の議決権の各事項について、株主ごとに異なる取り扱いを行う旨の定款変更(この定めを廃止する場合は含みません)を行う場合であって、この場合については、総株主の半数以上(頭数、定款で引き上げ可能)で、総株主の議決権の4分の3(定款で引き上げが可能)以上の賛成が要求されます。

株主総会の決議方法

議決権を行使するには

議決権の不統一行使

1株式につき1議決権とする原則のもとで、株主が複数の株式を有していても各株式は独立性を保持して存在し、その議決権も数個集積的に存在しているに過ぎません。

そのため、2個以上の議決権を有する株主は、そのうちの一部の議決権を持って議案に賛成し、残りを持って反対するというように統一しなくとも行使することができます。

会社法は、こうした不統一行為の処理のための規定を設け、また一方で不統一行使の必要性がある株主以外の株主にまで不統一行使を認めると、集計などの事務処理が煩雑になり、または不真面目な議決行使も予想されることから、一定の場合には不統一行使を拒否することができると定めています(法313条3項)。

また、株主は代理人によってその議決権を行使することができます(法310条1項)。

株主の利益を考慮してできるだけ議決権行使の機会を保証しようとして代理人による議決権行使を認めた規定であり、これに反して定款で代理行使を禁止したり、代理人資格を不当に制限することは許されないと解されています。

制限が不当であるか否かは、代理人の資格制限の態様、または程度などを考慮して個別に判断されます。

定款で代理人資格を株主に限定する会社が多くありますが、こうした制限は、株主総会が第三者によって乱されることを防止し、会社の利益を保護するための合理的理由にもとづく制限として有効と解されています。

株主総会の決議などの省略(書面決議)

株主総会の決議は書面決議によることもできます(法319条)。

取締役または株主が、株主総会の目的事項につき提案した場合に、議決権を有する全株主が書面または電磁的方法により同意した場合、当該提案を可決した旨の株主総会決議があったものと見なされます(法319条1項)。

特別決議・特殊決議事項についても書面決議によることが可能です。報告事項においても、取締役が株主全員に対して報告事項を通知し、総会に報告しないことにつき株主の全員が書面などで同意した場合には、報告があったものと見なされます(法320条)。

なお、書面決議および報告事項の書面同意の場合にも、議事録を作成する必要があります(会社法施行規則72条4項)。

株主総会開催までの流れ

それでは、取締役会設置会社の定時株主総会が開催されるまでの手続きの流れをみてみます。

招集に必要な書類作成と招集の議決

定時株主総会は、一般に事業年度末から3ヶ月以内に開催されています。事業年度末から定時株主総会開催までのスケジュールにおける主な流れに関する内容を、以下で取り上げます。

1)基準日

株主が絶えず変動することが想定される公開会社では、株主総会で議決権を行使できる株主をあらかじめ定めるため、基準日(法124条)を定めることが必要になります。実務では、議決権を行使できる株主を定めるための基準日は、事業年度の終了日と一致させています。

これは、剰余金の配当を受ける株主を定めるための基準日を、事業年度の終了日と一致させていることから、定時株主総会の決議により剰余金の配当を行う場合を想定すると、配当を受ける株主が定時株主総会の議決権も有するべきであると考えられているためです。

基準日を定めたときは、当該基準日の2週間前までに所定の事項を公告しなければなりませんが、定款で公告すべき事項を規定している場合は、当該公告は不要です(法124条3項)。

2)計算書類、事業報告の作成、監査と取締役会の承認

定時株主総会の目的は、主として計算書類の承認(報告)、事業報告の内容の報告および剰余金の配当の決定であり、定時株主総会の招集通知に際しては、所定の監査を受けて取締役会が承認した計算書類および事業報告を提供しなければなりません(法437条)。

決算と監査に相当の時間を要することを踏まえれば、事業年度末から3ヶ月内の期限間際、つまり3月決算会社であれば6月下旬に定時株主総会が集中してしまう要因のひとつといえます。

なお、計算書類および事業報告並びにそれぞれの付属明細書は、定時株主総会の日の1週間前(取締役会設置会社の場合は2週間前)から5年間本店に、写しを3年間支店に備え置いて、株主・債権者の閲覧に供し、請求がある場合は謄本もしくは抄本を交付などしなければなりません(法442条)。

3)定時株主総会招集の取締役会

取締役会設置会社の株主総会は、取締役会の決議により所定の招集事項を決定して招集されます(法298条1項・4項)。

取締役会で決議すべき具体的な招集事項は、株主総会の日時および場所、株主総会の目的事項、書面投票制度または電子投票制度を採用する場合はその旨などです(法298条1項、施行規則63条)。

招集に必要な書類作成と招集の議決

招集通知の発送

会社は、総会日の2週間前まで(非公開会社の場合は書面または電磁的方法による議決権行使が可能とされている場合を除き1週間前まで)に各株主に対し招集通知を発しなければなりません(法299条1項)。
「2週間前までに」とは、発信日と総会日の間に中2週間あることを意味します。

例えば3月決算の会社で6月28日に総会を行おうとした場合、27日を起算日とした2週間前の日、つまり6月14日の前日である6月13日までに招集通知を発しなければなりません。

株主総会開催の準備

株主総会、特に定時株主総会は、1年に一度、会社のトップを含めた全役員と株主が一堂に会し、報告事項の報告、決議事項の決議並びに報告事項・決議事項に関する質疑応答を行う場です。

法的な瑕疵があれば決議取り消し事由や過料の対象になることから、会社にとって非常に重要な会議体であり、入念な事前準備が必要になります。

1)運営方針の決定とスケジュールの作成

株主総会の運営方針の決定に当たっては、株主総会の開催目標をどのように考えるかが重要であり、「適法な総会」に軸足を置き、簡素な運営とするのか、もしくはIR・PR型総会を思考し、来場株主の満足度を高めることに軸足を置くのか、ということがあります。

2)決算期日(事業年度末日)までの事前準備

前年の定時総会での課題整理

本年の定時総会の検討課題を整理するには、まず前年の定時総会での課題を整理することが重要です。

総会関係書類の作成から、想定問答・シナリオの作成、リハーサルの実施、議決権行使集計、総会場の設営、総会当日の運営、総会終了後の手続きといった一連の作業について改善すべき点がなかったかどうかを確認し、活かすことが重要です。

総会準備に影響を及ぼす法令・制度改正の有無の確認

総会関係書類作成などに直接的もしくは間接的に影響を及ぼす法令・制度改正の有無を確認し、影響があれば影響の整理とその対応方針を決定します。

付議予定議案とその票読み

定時総会で付議が予定される議案に対し、前年までの各株主の投票行動を踏まえ、票読みを行います。

総会場の予約と関係者スケジュールの調整

総会場が借会場である場合、その予約をすることが必要です。

また、総会日程の作成に関係しますが、総会リハーサルや役員レクチャーは、役員のみならず社外関係者のスケジュールを早めに調整・確保することが重要であり、計算関係書類の作成・監査日程についても早めに調整をする必要があります。

議決権を行使できる株主の確定

基準日制度により議決権を行使できる株主を確定します。

議題の選別

定時株主総会では、報告事項として「事業報告、計算書類の内容報告と連結計算書類に関する監査結果の報告」が必要となるが、これ以外にも必要に応じ、株主総会で決議すべき議案を付議することができます。

各社において、定時株主総会で付議が必要な議案、付議の可能性がある議案を確認し、付議漏れがないようにするなど事前に確認・準備する必要があります。

計算書類など、連結計算書類の確定手続き

株式会社では、定時株主総会の招集の通知に際して計算書類など(計算書類、事業報告、連結計算書類)を株主に提供することが義務づけられています(法437条、法444条)。そのため、各書類については招集通知の作成に間に合うよう、必要な手続きを経て内容を確定することが必要です。

想定問答の準備

株主総会では説明義務を尽くした回答ができるよう、あらかじめ想定問答を用意するのが通例です。

株主総会当日

1)受付

株主総会に出席し、議決権を行使することができる株主は、基準日現在で議決権を有する株主として株主名簿に登録された者のみです。

株主総会への出席権のない者の入場を認めたり、逆に出席権のある株主の入場を拒否してしまうと、株主総会の招集手続きに瑕疵があるとされ、決議取消事由となる場合があります。そのため、来場者の出席資格の有無並びに出席者の氏名・議決権数を確認・集計することが必要になります。

2)議事

株主総会は、報告事項を報告し、決議事項を決議します。

株主総会の議事の役割は、株主総会の目的事項について審議することであり、報告事項についてはそれを理解し、決議事項についてはそれを通じて各人が賛否の意思を決定し、採決をして総会としての意思を決定します。そのための意見の表明や質問と説明を行うが質疑です。

その議事の進行を円滑に行うために、シナリオを作成し、議長の議事整理権と秩序維持権を確認・理解したうえで、進めることが重要です。

3)採決

決議事項については、採決を行い、総会としての意思決定を行います。

議事録の作成と保存

株主総会の議事については、法務省令で定めるところに従って、議事録を作成することが必要です(法318条1項)。
作成された議事録は、株主総会の日から10年間本店に、その写しを5年間支店に備え置くことが義務づけられています(法318条2項、3項)。
株主および会社債権者は、営業時間内いつでも、閲覧または謄写を請求でき(法318条4項)、親会社社員も権利行使に必要あるときに裁判所の許可を得て、閲覧または謄写をすることができます(法318条5項)。

まとめ

以上、株主総会の大まかな意義・目的や決議方法と流れをみてきました。

株主総会は会社における重大な意思決定の場であり、その手続きの瑕疵は決議取消事由となりえます。そのため、株主総会に臨む場合には、十分な準備や手続きへの理解が重要です。

不安なことがある場合には、弁護士など専門家に早めに相談することが必要でしょう。

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