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2023/10/03

M&Aにかかる手数料はどのくらい?費用相場や種類、計算方法を解説

M&Aにかかる手数料はどのくらい?費用相場や種類、計算方法を解説

M&Aをスムーズに進め、納得できる成約へと至るためには、M&Aの経験が豊富で専門知識を持つサービスのサポートが欠かせません。

M&Aのサポートを提供するサービスにはM&A仲介会社やM&Aアドバイザリーがありますが、どのくらいの手数料が必要か気になる方も多いのはないでしょうか。

本記事では自社譲渡や他社譲受でM&Aサービスの利用を検討されている方へ向け、M&A仲介会社やM&Aアドバイザリーを利用した際に必要な手数料、費用相場、手数料の計算方法などを解説します。 

坂根 賢
この記事を執筆した専門家
坂根 賢
滋賀県出身。京都大学経済学部、京都大学法科大学院卒業。東京の外資系大手法律事務所にて、M&A、不動産取引、証券発行、危機管理等を含む国内外の幅広い企業法務案件を取り扱う。 大阪にて独立後は、企業法務案件だけではなく、一般民事訴訟、労働事件、家事事件、債務整理案件、交通事故案件、インターネット案件、刑事事件等、個人の方の相談についても幅広く取り扱っている。2019年4月より京都大学法科大学院の非常勤講師を兼任。https://sakane-law.com/
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M&Aでかかる手数料について

M&Aでかかる手数料には、相談料や着手金、中間報酬や成功報酬などがあります。依頼する会社により、手数料体系や支払うタイミングに違いがあり、会社によっては公表していないケースもあります。

そのため、各手数料がどのような内容であるか、事前に確認することが大切です。規模の大きいM&Aほど必要な手数料も高くなる傾向にあります。

なお、M&A仲介会社とM&Aアドバイザリーの主な違いは、立場の違いです。

M&A仲介会社は譲渡企業(または譲渡人、以下同じです。)と譲受企業(または譲受人、以下同じです。)の間に立ち、中立的な立場から双方のM&Aをサポートします。M&Aアドバイザリーは譲渡企業又は譲受企業のどちらかとアドバイザリー契約を結び、契約を結んだ企業の利益のためにM&Aをサポートします。

M&A仲介会社にかかる手数料

まずは、M&A仲介会社にかかる手数料を見ていきましょう。
M&A仲介会社にかかる手数料と、一般的な費用相場は下記のようになります。

M&A仲介会社にかかる手数料

M&A仲介会社は譲渡企業と譲受企業の中立的な立場になることから、譲渡企業と譲受企業の双方から報酬を得る点が特徴です。

手数料の種類

M&A仲介会社にかかる手数料は、上記の表のように相談料・着手金・月額報酬(リテイナーフィー)・中間報酬・成功報酬などの種類から構成されます。

それぞれどのような内容であるか、以下で具体的に解説します。

・相談料 / 着手金

相談料とは、M&A仲介会社と正式に依頼する前に発生する手数料のことです。

M&Aは初めて経験する方がほとんどで、知識を持たない方も多く存在します。

M&Aをしたほうがよいのか、自社の状況で譲受企業は見つかるのかなど、相談料はM&Aに関する初期的な相談に対する手数料です。

相談料の相場は、無料~1万円程度の場合が多いです。近年では無料で相談を受けるM&A仲介会社も多く、費用の負担を考慮することなく相談できる環境が整いつつあります。

一方で、着手金とは、M&A仲介会社へ正式に依頼する際(正式に契約する際)に発生する手数料のことです。

M&A仲介会社はサポートの依頼を受けると、条件やニーズに合う譲渡先・譲受先を探すなど、M&Aを進めるためのさまざまな業務を開始します。着手金は、このような業務に対する対価です。

M&Aの規模により必要となる費用は異なるため、着手金の相場は無料~数百万円と大きな幅があります。なお、M&Aが成約しなくても基本的に着手金は返還されないため、注意が必要です。

・月額報酬(リテイナーフィー)

月額報酬(リテイナーフィー)とは、M&A成立までの間、M&A仲介会社へ毎月支払う手数料のことです。

月額報酬は、M&A仲介会社の手数料の中でも、依頼する会社により設定の違いが大きい項目です。毎月定額で設定されている場合もあれば、生じた業務ごとに請求のある場合、月額報酬自体が設定されない場合もあります。

月額報酬の相場は、無料~数百万円です。毎月定額で設定されている場合は、M&Aの成立に時間がかかるほど必要な手数料も多くなります。

・中間報酬

中間報酬とは、M&Aの基本合意書が締結された際に支払う手数料のことです。

基本合意書は譲渡企業と譲受企業が交渉を行い、M&Aの取引形態や対象範囲、譲渡価額などで基本的な合意に達したタイミングで取り交わされます。M&Aの中間地点で請求されるため、「中間報酬」と呼ばれています。

中間報酬の相場は、成功報酬の10~30%であることが多いです。中間報酬は基本合意書締結までの業務に対する対価の意味合いがあるため、M&Aが最終的に成約しなかった場合も返還されません。一方で、M&Aが成約した場合には、中間報酬が成功報酬に充当されるケースも多くなっています。

・成功報酬

成功報酬とは、M&Aが成約した際に支払う手数料のことです。

成功報酬はM&Aの最終契約書が締結された後に支払われるのが一般的です。M&Aの成立時、例えば株式譲渡の場合は株式の所有権の移転日を起点とする場合もあります。

成功報酬は基本的にレーマン方式で算出され、取引金額に1~5%などの料率を乗ずる形で計算されます。レーマン方式の詳細は後述しているので、そちらもご参照ください。

・その他の費用

その他の費用には、デューディリジェンス(DD)の費用があります。

デューディリジェンスとは、基本合意書締結後に譲渡対象企業に対して実施される財務・税務・法務などの調査のことです。デューディリジェンスは調査を実施する対象、規模、依頼する専門家の数などにより、必要な費用が変動します。

そのため、相場も数十万~数千万円と幅が広くなる項目です。

なお、デューディリジェンスは譲受企業が譲渡対象企業に対して実施するため、費用は譲受企業にのみ発生します。ここまでご紹介してきたように、M&A仲介会社の手数料には複数の項目があり、設定は会社により異なります。

fundbookでは着手金無料、基本合意まで無料の成功報酬制を採用しています。興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

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M&Aアドバイザリーにかかる手数料

次に、M&Aアドバイザリーにかかる手数料を解説します。

M&AアドバイザリーとM&A仲介会社はM&Aにおける立場に違いはありますが、どちらも依頼する際にはアドバイザリー契約を結ぶため、手数料を構成する要素や大まかな費用相場の傾向は基本的には同様の形となっています。

M&Aアドバイザリーにかかる手数料

ただし、M&Aアドバイザリーは依頼を受けた譲渡企業・譲受企業のどちらか一方から手数料を受け取るのに対し、M&A仲介会社は双方から手数料を受け取ります。この形態の違いから、M&A仲介会社を利用すると手数料の負担を軽減しやすい傾向があります。

また、M&Aアドバイザリーのサービスを提供する会社の中には、企業価値評価(企業調査)を有料としている場合もあります。

手数料の種類

相談料・着手金、月額報酬、中間報酬、成功報酬などについては、上述した「M&A仲介会社にかかる手数料」をご参照ください。

以下では、企業価値評価の手数料について解説します。

企業価値評価費用

企業価値評価費用とは、M&Aで企業価値を調査する際に発生する費用のことです。

企業にどれくらいの価値があるのかは、特に非上場企業のように株式が市場で流通していない場合、簡単に知ることはできません。企業価値評価の実施により、譲渡企業では自社にどれくらいの価値が付与されるのか、譲受企業では候補先企業にどれくらいの価値があるのかが分かり、譲渡価額のおおよその判断基準が得られます。

企業評価費用の相場はM&Aの規模や必要な工数により異なりますが、数十万円程度かかるのが一般的です。fundbookのように、企業価値評価費用が設定されない成功報酬制の会社もあります。

▷関連記事:企業価値評価とは?M&Aで使用される企業価値の算出方法

手数料の計算方法

なぜエスクローはM&Aで利用されるのか?仕組みやメリット・デメリットを解説
teamwork business concept.

M&Aでは、手数料の多くの割合を成功報酬が占めており、成功報酬の計算はレーマン方式による算出が一般的です。

レーマン方式の計算方法

レーマン方式では取引金額に料率を乗じて手数料を計算します。乗じられる料率は取引金額のレンジにより変化します。下記は、一般的なケースの料率です(レーマン方式)。

レーマン方式の計算方法

例えば取引金額が10億円の場合、5億円までの金額に5%、5~10億円までの金額に4%の料率が乗じられ、成功報酬は4,500万円(2,500万円+2,000万円)程度となります。

なお、取引金額の起算基準は依頼した会社により異なるため、事前に確認しておきましょう。会社によっては、最低報酬金額を設定しているケースもあります。

M&Aの手数料における注意点

最後に、M&Aの手数料における注意点を解説します。M&Aのサポートを依頼する際の参考にしてください。

手数料の設定を確認する

M&Aに関する手数料の設定は会社によりさまざまです。

成功報酬はどの会社でも設定されていますが、相談料や着手金、月額報酬などについては会社により違いがあります。契約書作成やその他の業務などについて、別途、料金が設定されているケースもあります。

したがって、M&Aのサポートを依頼する場合には、事前に手数料の設定はどのようになっているのか、どのタイミングで支払う必要があるのかなどを確認しておきましょう。

成功報酬制の会社を利用することで、M&Aにかかる費用を抑えられる可能性があります。

業務範囲を確認する

手数料の設定と同様に、手数料に含まれる業務内容にも会社ごとに違いがあります。

そのため、どのような業務が手数料の範囲として含まれるのか、事前の確認が重要です。しっかりと業務範囲の確認を行うことで、M&Aを進める途中で予想外の費用が発生することを防げるかもしれません。なお、企業評価価値の費用が成功報酬に含まれている場合、M&Aにかかるコストを抑えられる可能性もあります。

まとめ

M&Aは複雑なプロセスが必要で、高度に専門的な知識を要するため、専門家のサポートはM&Aを進める上で心強い存在です。

M&Aの手数料には、相談料や着手金、中間報酬や成功報酬などの種類があります。手数料の設定は各M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーで違いがあるため、業務範囲を含め事前に確認しておきましょう。

なお、fundbookは着手金無料の成功報酬制です。M&Aの初期相談や企業価値の算定、M&A方針の策定や譲渡企業と譲受企業のマッチングなど、基本合意に至るまでは手数料が発生しない顧客第一主義の報酬体系となっています。

また、M&Aに豊富な実績を持つアドバイザーがM&Aの実現までサポートします。M&Aの複雑な実務や相手先との交渉も、安心してお任せいただける体制です。

M&Aにより自社譲渡・他社譲受をお考えの方は、ぜひfundbookまでご相談ください。

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