M&Aの情報を得たいときや、不明点を解消したいときには、M&Aのセミナーに参加することもひとつの方法です。さまざまな企業が多様なセミナーを開催しているため、自社にとって適切なセミナーを選ぶことが難しいということもあるでしょう。
本記事では、M&Aセミナーの種類や内容の違い、セミナーに参加するメリットなどについて解説します。
▷関連記事:M&Aとは?M&Aの目的、手法、メリットと手続きの流れ
年間3,000回の面談をこなすアドバイザーの声をもとにまとめた、譲渡を検討する前に知っておくべき5つの要件を解説。
・企業価値の算出方法
・M&Aの進め方や全体の流れ
・成約までに必要な期間
・M&Aに向けて事前に準備すべきこと
会社を譲渡する前に考えておきたいポイントをわかりやすくまとめました。M&Aの検討をこれから始める方は是非ご一読ください!
目次
M&Aセミナーとは?
M&Aセミナーは、仲介会社などが事業承継やM&Aを検討している方などに向けて、M&Aに関する知識を説明したり、相談を受ける場のことです。
M&Aが経営戦略として有効であると認知されるようになった一方で、M&Aに関して正しい知識を持っている人は多いとはいえないため、M&Aが自社に適しているのか、どのような活用方法があるのかといったことを最初に知る場としても活用されます。
M&Aセミナーに参加すべき方
M&Aを検討している方だけではなく、自社の経営戦略にどういった選択肢があるのかを考えている方もM&Aセミナーに参加することがあります。M&Aセミナーに参加することで、M&Aがどういったものであり、自社の経営戦略として活用できるのかを知ることができるためです。
また、M&Aは後継者不在であっても事業承継を実現できることから、事業の継続方法を知りたい方も参加されることをおすすめします。
M&Aセミナーの種類と探し方
M&Aセミナーは、その内容や目的はさまざまで、開催している組織も異なります。セミナーを選ぶ際には、経営者や自社の「目的」に合わせて選ぶことが大切です。
企業の規模にかかわらず、さまざまな目的のためにM&Aは活用されています。「資金調達」や「不採算事業の整理」、「後継者不在の解決」や「事業承継」など、その理由もさまざまです。
M&Aセミナーへの参加を検討するにあたっては、「なぜM&Aを行うのか」という目的をまず明確にしておきましょう。例えば、事業承継が目的であるにもかかわらず、資金調達を説明するセミナーに参加した場合、その内容からメリットを得ることは難しいでしょう。
セミナーをより価値のあるものにするためには、M&Aの「目的」についてよく検討し、目的に合った内容のセミナーを選ぶことが大切です。
「中小企業向け」や「上場企業向け」など企業規模や業種毎に異なる
M&Aセミナーには、上述のような目的別のセミナーのほかに、企業規模別のセミナーもあります。「中小企業向け」や「上場企業向け」などに加え、業種別のセミナーなどもあります。
中小規模向けのセミナーでは、事業承継や後継者問題の解決方法に関するセミナーが多くなります。自社の企業形態や企業規模によって、M&Aで解決すべき課題も変わってきます。そのため、企業規模や業種に合ったセミナーを選ぶことも大切です。
また、M&Aに関するセミナーは、M&A仲介会社が行う他にも、都市銀行や地方銀行、商工会議所などがM&Aの専門家を招いて主催していることもあります。それぞれのセミナーごとに対象や目的などが異なるため、現在の自身の目線にあった事業者が行うセミナーを選ぶようにしましょう。
法律事務所の「法務セミナー」のような、一部の課題に特化したセミナー
M&Aの実務において重要な法務など一部の内容に特化したセミナーもあります。どのような内容に特化しているかは、主催企業によって異なります。経済や戦略などに焦点をあてたものもあれば、銀行による財務や税務、M&Aに強い法律事務所の法務に重点を置いたセミナーなどが開催されています。
M&Aの目的や課題がはっきりしている場合、こうした専門的なセミナーに参加することもお勧めです。M&Aにおいて重要な法務や実務について知ることができるため、包括的にM&Aを解説するセミナーよりもより深い知識を得やすくなります。
M&A仲介会社、アドバイザリー会社の目的や戦略を整理する「無料セミナー」
M&Aに興味があるものの、まだ目的がはっきりとしてない場合、無料セミナーで目的や戦略を明確にする、という方法もあります。無料セミナーは一般的に初心者向けの内容が多いため、無料セミナーで基本的な知識を得て、目的を明確にさせてから専門的なセミナーを受講する、といった流れもお勧めです。
スムーズかつ効率的にM&Aの知識を培ったり、自分の理解が正しいか確認することができるというメリットもあります。
M&Aセミナーを探すには
M&Aセミナーに参加するメリット
M&Aセミナーに参加するメリットは、主に以下のようなことがあります。
M&Aについて不明点の解消や情報収集ができる
特に譲渡企業では、M&Aについて詳しい経営者はあまりいないといえます。インターネットなどによる情報収集もひとつの方法ですが、自社の規模や状況にそぐわない情報も多く、知識が増えることで疑問点が増える場合もあるでしょう。
インターネットなどの情報だけでは理解できなかった体系的な話を専門家から聞けたり、セミナー会場で直接相談できたりするメリットは大きいものです。
セミナー参加が課題を解決する人脈を創出することも
M&Aセミナーでは、自社と同じようにM&Aを検討していたり、企業課題を抱えていたりする他の企業と出会える場合があります。こうした他の企業との出会いの中から、相互に協力して、課題解決の糸口が見つかるケースもあるのです。例えば、すでにM&Aの経験している企業と出会い、お勧めのM&A仲介会社などを紹介してもらうことなどが考えられます。
セミナー参加には、主とする目的以外にも、こうした副次的なメリットも期待できます。他社のM&A担当者や経営者と情報交換することで、自社の課題がより明確になるケースもあるでしょう。
信頼できるM&Aの相談先かを見極める機会になる
M&Aでは法律や会計、税務といった専門的な知識が欠かせません。そのため、M&Aを実施する際は、知識や経験が豊富な専門家に協力を依頼することが一般的です。
また、M&Aは相談から成約までにかかる期間は長いうえ、自社にとって大きな影響があるものです。そのため、信頼できる相談先を見つけることがとても重要となります。
マッチング優先で譲渡企業に寄り添わないM&A仲介会社ではないかなど、インターネットの評価だけではなく、実際の人柄や雰囲気などを知ることができるセミナーは、M&Aのサポートを依頼する先を探す場としても適しているといえるでしょう。
M&Aセミナーへ参加する際の注意点
セミナーに参加する際には、いくつかの注意すべきことがあります。まず第一に、明確な目的をもって参加するべきです。目的もなく参加して話を聞いても、的確な情報が得られなかったり、逆にやみくもに沢山参加してしまうと、どの情報が大事なのか判断がつかなくなってしまったりする場合があります。
また、事前にセミナーの内容がどのようなものか把握しておく必要があります。特に、そこまでの検討段階ではないにも関わらず専門的なテーマのセミナーに参加した場合、その段階では理解が難しい内容の可能性もあり、有益な情報を得られないこともあります。
そうした事態をさけるためにも、セミナーに参加する際はしっかりと内容を確認したうえで、目的をもって参加するようにしましょう。
M&Aセミナーでは、さまざまな経営者が参加することも多く、参加者同士で名刺交換をすることもあります。そのため、名刺を多めに持っていくようにしましょう。また、セミナー後に講師など専門家に相談ができることがあるため、M&Aを具体的に検討している場合、自社の会社概要などを持っていくことで具体的な相談ができるでしょう。
M&Aセミナーの開催事例
実際に弊社で開催したM&Aセミナーを、事例としてご紹介します。
1 M&Aの未来セミナー2019
他社の譲受けを検討されている企業向けに、株式会社セールスフォース・ドットコムと共同セミナーを開催しました。
セールスフォース・ドットコムの伊藤 靖氏による、M&A成功のためのCRM活用方法の解説や、弊社代表の畑野 幸治より従来型のM&A仲介ビジネスの課題と、コンサルティングサービスとプラットフォームサービスを掛け合わせた「ハイブリッド型ビジネスモデル」の可能性をご紹介。
また、実際に成長戦略にM&Aを活用している企業の代表を交え、セミナータイトルでもある「M&Aの未来」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
▷M&Aの未来セミナー2019
2 イグジットM&Aの最前線
株式会社SPLENDIDの塩谷 航平氏、株式会社ユナイテッドネオの竹内 一雄氏をお招きし、「イグジットM&Aの最前線」をテーマにパネルディスカッションを行いました。イグジットの手法が多様化する中で、経営者はどのタイミングで何を選択するべきか、新時代のイグジット戦略とその成功要因を解説しました。
▷イグジットM&Aの最前線
fundbookでは、このようにM&Aに関するさまざまなテーマについてのイベントを定期的に開催しています。M&Aを検討している方はもちろん、情報収集やM&Aを一から学びたい方はぜひ一度ご参加ください。
▷M&Aのセミナー・イベントのお知らせ
まとめ
M&Aセミナーにはさまざまな種類があり、初心者向けの無料セミナーから専門性の高いものまで、その内容は多様です。
自社のM&Aの目的にあっているか、基礎的な知識は身についているか、企業規模や業種などによっても、参加するべきセミナーは異なってきます。セミナーを有意義なものにするためにも、自社の状況に適したセミナーを選ぶことが大切です。
「インターネットでM&Aについて調べても疑問が解消しない」「自社のM&Aを具体的にイメージできていない」といった場合は、一度無料で参加できるセミナーに参加してみるとよいでしょう。
▷関連記事:M&Aの目的とは?買い手・売り手から見るそれぞれの目的について