荷主による下請け選別が始まる可能性
| 物流の2024年問題(before) | 物流の2026年問題(after) | |
| 主な内容 | 働き方改革関連法に基づき、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されたことで、輸送能力の不足が懸念される問題です。 | 改正物流効率化法により、特定荷主などの事業者に対して、荷待ち・荷役時間の短縮や積載効率の向上など、物流効率化の取組と計画・報告が義務付けられる問題です。 |
| 主な対象 | トラック運送事業者とそのドライバーが中心であり、労働時間規制への対応が焦点となります。 | 一定規模以上の荷主・倉庫業者・運送事業者などが対象となり、サプライチェーン全体での物流効率化とガバナンス強化が求められます。 |
| 荷主への影響 | 荷待ちや過大な要求が是正されない場合、運賃上昇や輸送断りなどの形で影響が顕在化するリスクがあります。 | 取組が不十分な場合には、勧告・社名公表・命令、さらに罰則の対象となりうるため、経営レベルでの対応方針策定とモニタリング体制の構築が必要になります。 |
2024年問題が「運送会社の労働規制」であったのに対し、2026年問題は「荷主(発注側)への義務化」へと責任の所在が拡大。運送会社だけではなく、物流に関わる多くの企業が対応する必要があります。
荷主(特に特定荷主)は、自社が行政処分を受けるリスクを避けるため、今後は「安さ」だけでなく「コンプライアンス遵守」と「データ提供能力」で運送会社を選ぶようになります。
運送会社への影響は?
| データ提出能力 | 物流統括管理者との対話力 | IT・DX化への対応 | |
| 求められる能力 | 運送会社側から「この1年で荷待ち時間をこれだけ削減しました」という正確なデータを出せないと、荷主は報告書が書けず、困り果ててしまいます。 | 現場担当者レベルの交渉ではなく、相手の経営層や管理責任者に対して、論理的に効率化案(モーダルシフトや共同配送など)を提案できる会社が選ばれます。 | 高度なシステム投資ができているかどうかが、荷主が求める「物流効率化」に追いつけるか提携継続の判断基準になります。 |
特定荷主に指定された企業は、国に「中長期計画」を出し、「定期報告」をする義務があります 。上記のような対応が求められることから荷主も業者選びを行うことが想定されます。高度なシステム投資(DX)や管理コストに耐えられない運送会社は真っ先に切り捨てられるリスクがあり、そういった企業にとって、M&Aで大手の傘下に入ることは会社の生き残りをかけた選択肢の一つと言えます。
◇第一種特定荷主・第二種特定荷主の定義
特定荷主とは、自らの事業のために貨物の輸送を物流事業者に依頼する事業者(荷主)のうち、法律や政省令などで定められた一定規模以上の貨物輸送量がある事業者のことを指します。
特定荷主は主に以下2つの法律、または関連する政省令などで定められています。

取組事例について
◇株式会社バローホールディングスの取り組み
食料品や日用品等の発注リードタイムを1日から2日に延長することで、物流全体の負荷を軽減。
リードタイムを2日間に設定し、時間的余裕が生まれたことで出荷データを元にした、精度の高い計画が立てられるようになったことから、庫内作業の精度の向上が得られ、配送においても積載効率を意識した車両の手配を実現。
◇日本ロジテム株式会社・株式会社ハコベルの取り組み
出荷伝票を全て紙に印刷し、ベテラン職員が手作業で配車計画を作成していた日本ロジテムは、「ハコベル配車計画」を導入することで配車計画業務のシステム化に成功。システムの導入により最適な配車計画を自動で算出し積載効率が上昇。さらに、計画策定時間が半分以下になり、ペーパーレス化も実現、属人化していた業務の標準化も達成。
運送会社が行っていくべき対応とは
①データの見える化・共有
荷主ごとの「荷待ち時間」や「積載率」を正確に記録し、荷主に提供する。これは荷主が提出する「定期報告」の重要なエビデンス(証拠)になります。
②効率化の共同提案
中長期計画の策定をサポートする形で、パレット化の推進や、荷受け時間の予約制導入を提案する。荷主側のペナルティ回避と、自社ドライバーの負担軽減を両立させます。
③M&A・アライアンスの検討
荷主が高度な物流システム投資(DX)を求める中、単独対応が難しい場合は、リソースのある大手の傘下に入る、あるいは協力関係を築くことで、安定した荷量を確保します。
M&Aアドバイザーからのコメント
自社単独でDX投資や管理体制の構築が困難な中小企業にとって、リソースの整った大手の傘下に入るM&Aは、もはや「身売り」ではなく、優良荷主に選ばれ続けるための「攻めの経営戦略」です。
対応が遅れれば、リスクを嫌う荷主から見放され、事業継続は極めて困難になるでしょう。
「生き残るために、どこと組めば解決できるのか?」
「今の自社には、一体どれくらいの価値が付くのか?」
手遅れになる前に、まずは一度ご相談ください。貴社の現状を分析し、最適なパートナー選びと企業価値の最大化をサポートいたします。

