業界毎の事例

2026年4月15日

電気工事業界のM&Aとは?メリットや事例までわかりやすく解説

電気工事業界のM&Aとは?メリットや事例までわかりやすく解説

電気工事業界では、M&Aによって会社を買収・売却することで、人手不足や後継者問題などの経営課題の解決を図る事例が見られます。

資材価格や人件費の高騰など経営環境が厳しさを増す中、事業の承継や事業継続、効率化を考えるうえで、M&Aは経営戦略上の重要な選択肢の1つとなっています。

本記事では、電気工事業界の現状や課題を解説するとともに、M&Aを実施するメリットを売り手側・買い手側の両方の視点で紹介します。実際のM&A事例も紹介するので、M&Aを検討している企業の経営者や担当者は参考にしてください。

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電気工事業界とは?最新の業界動向を紹介

電気工事業界とは、住宅やマンション、ビル、工場などの電気工事全般を請け負うことを仕事としている業界のことです。

総務省が公表している「日本標準産業分類」では、電気工事業は「建設業の設備工事業」に該当します。「建設業の設備工事業」はさらに「一般電気工事業」と「電気配線工事業」に分類されます。「一般電気工事業」とは電気設備工事などを行う事業を指し、「電気配線工事業」とは機器・設備などの配線工事を行う事業のことです。

建設工事に関わる事業者は、大きく分けると「総合工事業者(ゼネコン)」と「設備工事業者(サブコン)」の2種類あります。

ゼネコンとはGeneral Contractorの略称で、建設工事における施工全体の管理業務を行う会社です。一方で、サブコンとは建設における工程の中でも、特定の領域だけを担う専門工事業者です。空調工事や給排水工事などが該当し、電気工事もサブコンに含まれます。

市場規模

政府が公表している「建設工事受注動態統計調査」によると、電気工事業の完成工事高の推移は以下のとおりです。

年度完成工事高
2019年度8.9兆円
2020年度11.7兆円
2021年度11.4兆円
2022年度11.5兆円
2023年度13.1兆円

新型コロナウイルスの影響によって企業が設備投資を抑えた影響などにより、2021年度は対前年で減少しましたが、中長期的に見ると、電気工事業界の市場規模は拡大傾向にあります。

電気工事業界は、民間企業の設備投資や住宅建設投資、公共工事の動向などに影響されやすい業界です。近年は省エネ意識の高まりでエネルギー効率のよい照明設備への切替工事などの需要があり、企業の設備投資によって電気工事業界の市場規模は今後も堅調に推移するものと予想されます。

業界の現状と課題

電気工事業界では、人手不足や高齢化、後継者不足が課題となっています。

国土交通省が実施した「令和6年度 建設業構造実態調査」によると、人手不足やコストダウン要請の高まり、後継者問題を課題として挙げた事業者の数が多くなっています。

また、経済産業省が平成31年に発表した「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」では、電気主任技術者(2種・3種)は中長期的に想定需要に対して十分足りているものの、保安業界の第三種電気主任技術者は2045年には想定需要約1.8万人に対して4千人程度不足する見込みとなっています。

電気工事業界では、高齢化によって電気工事士が不足して人材不足が課題となり、資材価格の高騰によってコストダウンや業務効率化の必要性が高まっている状況です。

電気工事会社がM&Aを行うメリット(売り手側・買い手側)

電気工事業界でM&Aを行えば、売り手側と買い手側にはそれぞれ以下のようなメリットがあります。

【売り手側のメリット】
・事業経営や収益の安定化・拡大を期待できる
・後継者が見つかれば事業の継続・従業員の雇用維持が可能になる
・経営者が売却益を獲得できる
・経営者の個人保証や担保を解消できる

【買い手側のメリット】
・人材確保により人手不足を解消できる
・コストや手間を抑えながら新規事業や周辺事業に参入できる
・買収した企業とのシナジー効果によって収益を拡大できる

売り手側の視点で見た場合、自社を売却して大手企業などの傘下に入ることができれば、事業経営や収益の安定化・拡大を期待できます。また、社内に後継者候補がいない企業の場合は、M&Aによって事業承継を行えば事業の継続が可能になる点もメリットです。廃業を回避できれば従業員の雇用や取引先との契約を維持できます。

経営者が会社の株式を保有しているケースでは、譲受企業に株式を売却することで売却益を得ることができます。借入に際して個人保証が設定されている場合、株式売却によって個人保証を解除できる点もM&Aのメリットです。

買い手側の視点で見た場合、M&Aによって他社を買収すれば人材を確保でき、電気工事士など資格保有者の人数を増やすことができれば人員が補強できます。

また、新規事業を始める際、最初から会社を立ち上げると手間も時間もかかりますが、既存企業を買収すれば、コストや手間を抑えながらスピーディーな新規参入が可能です。

電気工事業界のM&A事例

続いて近年行われた電気工事会社のM&A事例をご紹介します。

株式会社きんでんによる株式会社北弘電社の子会社化

2025年3月3日、三菱電機株式会社(以下「三菱電機」)と株式会社きんでん(以下「きんでん」)は、三菱電機が保有する株式会社北弘電社(以下「北弘電社」)の全株式をきんでんに公開買付け(TOB)への応募を通じて譲渡することに合意しました。この公開買付けおよびその後の手続きによって、北弘電社は三菱電機の子会社からきんでんの完全子会社に変わりました。

北弘電社は、屋内配線工事事業や電力関連工事事業、産業設備機器の仕入・販売などを手掛ける企業であり、きんでんは、電気設備や計装設備、情報通信設備、空調・衛生設備などを手掛ける企業です。

北海道エリアで多数の施工実績や顧客基盤、豊富な技術人員、強固な施工体制を有している北弘電社をきんでんがM&Aによってグループに迎えることで、北海道エリアにおける事業基盤を強化して受注拡大を図ることを目指しています。

富士電機株式会社による富士古河E&C株式会社の子会社化

2024年10月31日、富士電機株式会社(以下「富士電機」)と富士古河E&C株式会社(以下「富士古河E&C」)は、富士電機を株式交換完全親会社、富士古河E&Cを株式交換完全子会社とする株式交換を実施することを決定しました。

富士電機は、発電設備・産業電源設備などの社会インフラ・産業インフラやエネルギー、半導体、食品流通などを手掛ける企業であり、富士古河E&Cは、電気設備工事や電気計装工事、空調・給排水衛生設備工事などを手掛ける企業です。

両社に共通する成長事業・注力業種である電気設備工事・空調設備工事の両事業領域において、双方の商流や顧客網への営業活動協業による両社物量の拡大を図るなど、M&Aによってシナジー効果が生まれることが期待されます。

北陸電気工事株式会社による株式会社日建の子会社化

2023年11月、北陸電気工事株式会社(以下「北陸電気工事」)は、株式会社日建(以下「日建」)の株式を取得して子会社化すると発表しました。

北陸電気工事は、電気工事や管工事、配電設備などの電力供給設備に関わる電気工事の請負施工など、設備工事業を主たる事業として手掛ける企業であり、北陸を地盤とする企業です。一方で日建は、空調・給排水管などの管工事を主体に、神奈川県をはじめとする首都圏有数の設備工事業者として電気工事など幅広く事業展開をしている企業です。

関東方面での商圏拡大を見込んで北陸電気工事が日建を子会社化することになりました。

まとめ

今回は、電気工事業界におけるM&Aのメリットや事例を紹介しました。電気工事業界の市場規模は近年順調に拡大を続けている一方で、業界では人手不足や高齢化などが課題となっています。

電気工事会社がM&Aを行えば、有資格者をはじめとした人材を確保できて人手不足を解消できる場合や、後継者不足の問題を解決できる場合があります。M&Aによって売却・買収すれば事業規模を拡大でき、シナジー効果によって収益を拡大できる可能性がある点もメリットです。

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