経営・ビジネス

2024/01/10

投資・融資・出資の違いは?メリットやデメリット、資金調達時のポイントを解説

投資・融資・出資の違いは?メリットやデメリット、資金調達時のポイントを解説

事業に必要な資金を、自己資金だけでなく外部から調達する場合に、「投資」や「融資」、「出資」という言葉を目にします。それぞれの用語の意味や違いを知っておくと、資金を調達または提供したい場合に役立ちます。

本記事では、各用語の意味とそれぞれの違いを紹介します。各手法で資金を調達・提供する場合のメリットとデメリット、資金提供を受けるときのポイントも説明しているので、ぜひ参考にしてください。

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投資・融資・出資とは?

はじめに、「投資」「融資」「出資」の用語の意味を解説します。各用語はいずれも「お金を提供する」もしくは「お金を提供してもらう」点では共通していますが、それぞれ異なる特徴を有しています。違いを理解して、適切な方法で資金調達をしましょう。

投資とは

投資とは、将来的な利益を見込んで事業に資金を出すことです。もともとは企業に資本を出す意味で使われていて、例えば「株式投資」では、投資家は株式を購入することで企業に資金を提供しています。

近年では、投資は単に「資金を提供する」という広い意味で使用される場合もあります。その意味では、以下で説明する融資や出資を含む幅広い概念と言えるでしょう。

融資とは

融資とは「お金を貸す、融通する」ことです。お金を貸す側は、利息の取得を主な目的として資金を提供しており、お金を借りる側は、一般的に元本に利息を上乗せして返済します。

融資元には、銀行や信用金庫などが提供する民間融資の他、国や地方公共団体などが提供する公的融資が挙げられます。また、社債などの債券も融資の手法の1つです。

出資とは

出資とは、事業の成長や成功を見込んで資金を提供することです。資金を提供した人を出資者といい、出資者は資金と引き換えに株式などを受け取ります。

従来は、投資家やベンチャーキャピタルなどから資金提供を受けるのが、出資を受ける一般的な方法でした。しかし近年では、クラウドファンディングを利用して、事業に共感する個人を含む幅広い層から出資を募る方法も活用されています。

出資を受けた場合は、出資者に事業の進捗などを定期的に報告したり、利益を配分したりする必要があります。

融資と出資の違い

投資は、広義には融資と出資を含む用語とも捉えられますが、融資と出資は異なる特徴を有しています。ここでは、融資と出資の違いを以下の点に着目して解説します。

・資金提供者
・返済義務の有無
・リターンの種類
・財務上の取扱い

資金提供者

融資と出資の主な資金提供者は以下のとおりです。

・融資:銀行や信用金庫などの金融機関、国や地方公共団体などの公的機関
・出資:ベンチャーキャピタルや個人投資家、クラウドファンディングを利用する個人など

融資と出資では、資金提供の出所に違いがあります。

返済義務の有無

融資と出資の大きな違いは「返済義務の有無」です。

・融資:元金と利息を返済する義務がある
・出資:獲得した資金は自己資本にでき、原則として返済する必要はない

融資はそもそも「お金を貸す、借りる」行為であるので、元金と契約時に定められた利息を返済する義務が生じます。一方、出資で獲得した資金は自己資本となり、返済義務はありません。出資者には株式などが見返りとして渡されることとなります。

リターンの種類

融資と出資を行った人が受けられるリターンの種類は以下のとおりです。

・融資:利息
・出資:配当金や株主優待、出資比率に応じた議決権、株式売却益(キャピタルゲイン)など

融資した側が受けられるリターンは「利息」です。例えば、融資した資金が分割して返済される場合、融資した側は安定的に元金や利息を受け取れるメリットがあります。

一方、出資者が受け取れるリターンは「配当金」や「株主優待」などです。その他、議決権に応じて経営に参画できたり、ベンチャー企業に出資して上場後に株式売却益を得たりするケースもあります。

クラウドファンディングの場合も、出資者に対してリターンを用意する必要があります。定期的な進捗報告や配当、プロダクトの配布、結果報告など、プロジェクトや出資金額にふさわしいリターンを設定することで、資金を集めやすくなるでしょう。

財務上の取扱い

融資や出資を受けた場合、両者の財務諸表上での取り扱いは異なります。

・融資:負債
・出資:純資産

融資を受けた場合、その金額は「負債」として計上されます。そのため、融資が増加すると負債比率の悪化など財務指標に悪影響を与える場合もあります。

一方、出資で調達した金額の区分は「純資産」です。出資を受けると自己資本を増やせるため、財務体質の改善につながります。

投資のメリット

資金を投資する側、投資を受ける側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、投資のメリットを融資の場合と出資の場合に分けて解説します。

融資のメリット

「融資をする側」と「融資を受ける側」の主なメリットは以下のとおりです。

融資をする側・収益額を見積りやすい・担保や保証人をつけられる
融資を受ける側・経営に介入されるリスクが低い・比較的利用しやすい

融資をする側のメリットは「収益を見積りやすい」点です。融資をする場合、契約時に金利と融資期間を定めるため、最終的に得る収益の総額がはじめから決まっています。また、事前審査で融資先の財務状況を確認できるため、資金回収が見込めない場合は融資を断ることもできます。

さらに、担保や保証人、信用保証協会の保証制度など、融資が焦げ付いた(貸した資金などが回収できなくなった)場合の対策を打てるメリットもあります。

一方、融資を受ける側のメリットには、資金提供者からの経営介入を受けにくい点が挙げられます。民間の金融機関や公的機関などでさまざまな融資制度が提供されていて、比較的利用しやすい点も魅力です。

出資のメリット

「出資をする側」と「出資を受ける側」の主なメリットは以下のとおりです。

出資をする側・企業経営に対する影響力を持てる・リターンが期待できる
出資を受ける側・返済義務がない・資金の用途に制限がない

出資をする側のメリットは、出資先企業の経営に少なからず影響力を持つことができる点です。また、今後成長が見込める分野や支援したい企業に投資すると、その後の配当金や株式の売却益など、リターンが期待できる点も大きなメリットです。例えば、出資した企業がその分野でインパクトのある業績を残せば、株式の上昇により大きなリターンを得られます。

出資を受ける側のメリットは「返済義務がない」点です。特に、ベンチャー企業などでキャッシュに余裕がない場合、返済義務のない資金は重宝します。その他、融資とは違い用途に制限がかからない、投資家から経営に関する助言が得られるなどの利点も挙げられます。

投資のデメリット

投資に関する資金調達には、それぞれメリットとデメリットがあります。以下では、投資のデメリットを融資と出資の2つの側面から紹介します。

融資のデメリット

「融資をする側」と「融資を受ける側」のデメリットには、以下が挙げられます。

融資をする側・返済が滞る可能性がある・返済が焦げ付いた場合の手続きが煩雑になる
融資を受ける側・期日どおりに返済しなければいけない・利息の支払いがある

融資をする側の注意点は「返済が滞る可能性」です。最終的に返済不能となった場合、保証人への弁済請求や担保の競売など、手続きが煩雑となる場合があります。

一方、融資を受ける側は、元本や利息を期日どおりに返済しなければなりません。資金繰りが悪化した場合の対処が難しくなる他、返済が滞れば自社の信用力に影響します。また、審査結果によっては、金融機関から担保や保証人の提供を求められる点もデメリットでしょう。

出資のデメリット

「出資をする側」と「出資を受ける側」の主なデメリットは以下のとおりです。

出資をする側・想定したリターンを得られない可能性がある・株価の値下がりリスクがある
出資を受ける側・経営に関与される場合がある・配当金で利益の一部を還元する必要がある

出資する側のリターンは、出資先の業績に大きく左右されます。事業に失敗すれば想定したリターンを得られない可能性があるうえ、株式を購入した場合には、株価の値下がりで資産が目減りするリスクにも注意が必要です。

出資を受ける側のデメリットは、「出資者の経営への関与」でしょう。出資者は議決権に応じて経営に関与できます。友好的な関係を保てていれば問題は少なくなりますが、極端な場合、議決権の過半数以上を行使されると経営権を奪われるリスクも想定されます。その他、配当金の還元も必要です。

投資を受ける方法

投資・融資・出資の違いは?メリットやデメリット、資金調達時のポイントを解説

投資を受ける場合には、はじめに資金提供先を探さなければなりません。以下では、融資の場合と出資の場合に分けて資金提供を受ける手段を紹介します。

融資を受ける手段

融資を受けられる場所には、主に以下の7つがあります。

・日本政策金融公庫
・都市銀行
・地方銀行
・第二地方銀行
・信用金庫
・国の制度融資
・地方公共団体の制度融資

金融機関により違いはありますが、各支店の窓口で相談し、会社案内や決算書、事業計画書などを提出後、審査を受けて融資を受ける方法が一般的です。信用保証協会の保証を受けることで、融資が受けやすくなる場合もあります。

その他、要件を満たせば国や地方公共団体の制度融資も利用可能です。国の制度融資は日本政策金融公庫が行い、地方公共団体の制度融資は地方公共団体と金融機関、信用保証協会が連携して実施しています。

出資を受ける手段

出資を受ける主な手段は以下のとおりです。

・ベンチャーキャピタル(VC)
・投資ファンド
・個人投資家
・エンジェル投資家
・クラウドファンディング
・現物出資

出資を募る方法は手段により違いがあります。例えば、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためには、まず自社の事業計画書や決算書などの資料を準備します。その後、ベンチャーキャピタルとコンタクトをとり、ラウンド組成交渉などを行って出資を得ます。

投資を受けるポイント

最後に、投資を受けるポイントを融資と出資の場合に分けて紹介します。前述したメリットやデメリットを把握したうえで、以下のポイントを意識しましょう。

融資を受けるポイント

金融機関は、融資の際に融資先が確実に返済できるかを審査します。根拠のある事業計画書や将来的な収益を示せる過去の決算書などを提出し、返済能力を示すことが大切です。

特に、民間の金融機関を利用する場合は、自己資金の金額も融資金額に大きな影響を与えます。融資を受けるまでに時間があるなら、ある程度の自己資金を準備しておきましょう。

その他、金融機関と信頼関係を築くことも重要です。融資を受けたい金融機関で口座を開設する、担当者と日頃からコミュニケーションをとっておくなどもおすすめの方法です。

▷関連記事:知らないと損!?スタートアップやベンチャー企業でも融資が受けられる方法

出資を受けるポイント

出資を受けるポイントの1つは、企業としての成長性や魅力を示すことです。投資家は、将来的なリターンが得られるかどうかで出資の可否を判断します。成長性や収益性を望めるアイデアを磨く、実効性を伴う事業計画を練るなど、投資家にアピールするための準備が大切です。

また、出資を受けるためには、資金を提供する出資者が必要です。エンジェル投資家やベンチャーキャピタルとコンタクトをとり、多くの人に自社の魅力を知ってもらう努力を行いましょう。

まとめ

投資や融資、出資は、外部から資金を調達する手段の1つですが、特に融資と出資には異なる特徴があります。資金を調達する場合には、それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社の状況に合った方法を選択しましょう。

資金調達や出資の方法にはいくつかの種類があります。経営戦略によっては、M&Aで事業を譲渡して資金を調達したり、他社に出資してシナジー効果を狙ったりするケースもあるでしょう。

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