美容室 M&A

美容室・理容室業界のM&A

総務省の発表によると、美容・理容業の年間売上高は、2013年には約2兆1,407億円でしたが、2016年には約2兆722億円と緩やかな減少傾向にあります。

美容室 M&A

一方で、厚生労働省の発表によると、美容・理容の事業所数は、2012年度では36万1,344件だったのが2017年度には36万8,543件へと微増しており、近年の美容室・理容室業界は、売上の減少と事業所数の増加が、業界の競争激化につながっている状態です。

このような状況の中で、投資ファンドや出店拡大のために東京への進出を狙う地方企業、異業種からの参入を狙う大手企業などを譲受企業としたM&Aの動きが活性化しています。

▷関連記事:国内M&Aの市場規模と現状。2018年のM&Aは過去最多の3,850件

M&Aの意味に関しては下記をご参照ください。

▷関連記事:M&Aとは?メリットや手法、流れなど成功するための全知識を解説

美容室・理容室業界におけるM&A活用のメリット

美容室・理容室業界において、M&Aを行うことで譲渡企業・譲受企業がそれぞれ受けるメリットについてご紹介します。

譲渡企業のメリット

・後継者問題が解決できる

・有力な大手グループの傘下となることで経営の負担から解放される

・大手グループのブランド力を利用することで、集客力が強化される

・会社の経営を気にせずに、美容・理容業だけに集中できる

・従業員の雇用を維持できる

・創業者利潤を獲得できる

譲受企業のメリット

・スキルや経験を積み、固定客もついた能力のある美容師を確保できる

・新規エリア進出の足掛かりになる

・新店舗を設立する場合に比べ、内装費や顧客の開拓などにかかるコストを軽減できる

・低いハードルで新規事業を始めることができる

・事業の拡大によるスケールメリットが享受できる

・他社の技術やノウハウを受け継ぐことができる

・新規参入するにあたって、管理美容師などの有資格者やノウハウを獲得できる

M&Aを実施する際に注意したいこと

美容室 M&A

美容室・理容室業界のM&Aは、譲渡企業・譲受企業の双方にメリットが多いものですが、成功させるにはいくつか注意すべきポイントがあります。

譲渡企業の注意点

・競争が激しい業界のため、譲渡企業は「駅から近くて立地が良い」「独自の技術を持っている」など、競合する他店との違いを示すことができなければ、譲渡時の価格が落ち込む可能性がある

譲受企業の注意点

・美容・理容業は1店舗の商圏が狭く、美容師個人に固定客がつきやすいなど、地域との結び付きが強い業態のため、美容師が入れ替われば、客数や客単価に大きな変化が出る場合がある

美容室・理容室業界におけるM&A動向

M&Aは、業界の特徴や社会情勢によって交渉の仕方も変わってきます。ここでは、美容室・理容室業界におけるM&Aの動向についてご紹介します。

増加の一途をたどる美容市場

まず、「美容」(美容所)と「理容」(理容所)の違いについて理解しておきましょう。実際のところ提供するサービスにあまり違いはありませんが、それぞれ美容師法や理容師法という法律に従う必要があります。要約すると、美容はパーマネントウェーブや結髪・化粧等によって容姿を美しくすること、理容は頭髪の刈込や顔剃りなどによって容姿を整えることを指します。

そのため、「美容は女性」(美容室)で、「理容は男性」(床屋)というイメージが定着したようです。以前は、美容師は男性に対してパーマなどを行わず、カットのみの行為は禁止とされていました。また、理容師に関しても、女性に対してパーマを行うことが禁止とされていました。

しかし規制が緩和され、美容師は男性のカットのみも行えるようになり、また理容師も女性のパーマを行えるようになりました。そのため現在では、性別に関係なく美容所・理容所を利用する人が増加し、これまでにない多様なサービスが生まれています。

市場規模に関しては、美容室の数が理容室の約2倍あり、M&Aが盛んに行われているのは美容室といえるでしょう。実際に理容と美容を比較してみても、理容室・理容師は減少傾向にある反面、美容室・美容師は増加の一途をたどっています(厚生労働省「衛生行政報告例の概要」)。

競争が激化する美容業界

市場規模が減少傾向にある美容業界ですが、一方では美容師や店舗の数が増え、競争が激化しています。加えて、美容室の平均営業時間は1施設当たり9.4時間となっています。そのため、美容師は立ち仕事の時間が多く、また賃金もそれほど高くないため、離職率は高くなっており、人材不足が深刻化しています。

そのような状況の中で、事業から撤退したり、逆に新規参入したりといった入れ替わりも激しく、M&Aの案件も増えてきています。

また、オーナー経営者の高齢化によって事業承継によるM&Aを検討する美容室もあります。立地の良さ・高品質なサービス・充実した内装など、地域で名の売れた人気店であれば、多くの固定客を抱えています。地域で高いブランド力を持って複数店舗を展開している場合もあり、譲渡側・譲受側の双方のニーズが合えば、友好的にM&Aを進めることができるでしょう。

美容室・理容室業界におけるM&Aをお考えなら

美容室 M&A

美容室・理容室業界のM&Aでは、事業拡大を目指す大手企業による譲り受けだけでなく、中小企業が譲受企業となるケースもよくあります。いずれにせよ、譲渡企業としては、店舗の立地や抱える人材、経営状態など自社の魅力をしっかり伝えることが、M&A成功のカギとなります。

M&Aアドバイザーなどの専門家の力を借りながらしっかり準備を行い、慎重に契約を締結することが重要です。