情報通信サービスやIT事業を展開する中で、「自社のサービスや技術力には自信があるのに、これ以上の事業拡大(スケール)が難しい」と頭を抱えていませんか?
近年、情報通信・IT業界において、自社の成長スピードを加速させる手段として、豊富な資金力や顧客基盤を持つ「異業種(大手事業会社など)」と資本提携を結ぶケースが急増しています。
本記事では、情報通信サービスなど「BtoBの無形商材サービス業」が陥りがちな共通の成長の壁と、それを異業種の経営資源によって克服した劇的な成功事例を解説します。
目次
BtoBサービス業が必ず直面する「2つの成長の壁」

IT・情報通信サービスや事業者向けサービスなど、目に見えない価値を提供する「BtoBサービス業」の多くは、ある程度の規模まで拡大すると、単独の経営資源だけでは突破が困難な共通の課題に直面します。
▷ ① 拡大(スケール)の壁:資本力・営業力の限界
「優れたサービスやノウハウがあるものの、自社単独の資金力や営業体制の限界により、大規模案件の獲得や全国展開のチャンスを断らざるを得ない」というジレンマです。
▷ ② 人材(ヒト)の壁:採用競争と次世代への承継
事業をさらに拡大したくても、中核を担う優秀な人材が採用できない、あるいは社内の高齢化が進んでいるものの後継者や若手層への技術承継が追いつかないという「人材不足」の壁です。
異業種とのM&Aが、成長の壁を打破する有効な選択肢になる理由
この「資金」と「人材」の課題を解決するために、同業同士による規模の拡大(頭数の確保)ではなく、あえて「大手異業種」のグループに参画する手法が現在のトレンドになっています。
情報通信企業をはじめとするBtoBサービス企業が、強力なリソースを持つ異業種企業と手を組むことで、例えば以下のような相乗効果(シナジー)が期待できます。
| 譲渡側(BtoBサービス業)のメリット(一例) | 譲受側(異業種)のメリット(一例) |
| ・大手企業の信用力により豊富な資金やリソースを獲得できる ・グループからの人材連携で若手人材や専門人材を確保できる ・同業種ではないため、独自の経営手法や組織カルチャーが尊重されやすい | ・非IT企業が必要としている「ITエンジニアチーム」を獲得できる ・ゼロからの採用・開発をスキップし、数年分の時間を短縮してDX推進や新規事業を立ち上げることができる ・譲受側の既存ビジネス(現場データや顧客基盤)とIT技術を掛け合わせ、新たな高収益サービス(SaaSなど)を生み出せる |
同業種への譲渡では「システムや経営方針の統合・変更」を細かく求められる傾向がありますが、異業種であれば譲受側がIT・情報通信事業の現場オペレーションに精通していないことが多いため、「現場の経営はこれまで通りプロフェッショナルにお任せする」という独立性を保った体制が比較的築きやすくなります。
また、親会社が持つ全国ネットワークや既存の顧客基盤へ、自社のサービスを一気に横展開できるのも異業種M&Aならではの強みです。
「人材と資金」の限界を克服!BtoBサービス企業の異業種M&A事例
「BtoBの無形サービス業」として成長の限界に直面し、異業種の上場企業から経営資源(人材と資金)を獲得して見事なスケールアップを果たした成功事例をご紹介します。
▷ 大手総合人材サービス(異業種)× 企業向け金融サービス(BtoBサービス業)のM&A事例
譲渡企業: A社(事業者向け金融サービス/創業20数年)
譲受企業: B社(総合人材サービス/東証グロース上場)
抱えていた「人材と資金」の限界とこれまでの歩み
長年「誠実」な経営を貫き、広告なしの口コミだけで全国から顧客が集まる県内トップクラスのBtoBサービス企業へと成長。しかし、過去にはリーマンショックによる急激な環境変化から厳しい資金繰りを迫られ、残された少数精鋭のメンバーで苦境を乗り越えてきた歴史もありました。
その後、事業は安定したものの、オーナー社長個人の資金調達力が上限に達し、「優良なお客様からの需要があるにもかかわらず、原資不足を理由にサービスを提供できない」という致命的な拡大の壁に直面します。「これ以上従業員やお客様の期待を裏切りたくない」という思いと後継者不在から、従業員の定年に合わせた「円満な廃業」を視野に入れ、10年以上若手の採用もストップしていました。
異業種との出会いと提携の決め手
そのような状況下で、自社の専門性を高く評価してくれた大手総合人材サービス企業(B社)と出会います。
経営陣から発せられた「A社に足りない『人材(若手層)』と『資金(上場企業の調達力)』は我々がしっかりとバックアップする。現場の経営やノウハウはこれまで通りプロフェッショナルである現在の経営陣に委ねたい」という言葉が決め手となり、未来へ会社を繋ぐためのM&Aを決意されました。
契約直前の買収監査(DD)の週、社長が不慮の事故により大怪我を負うアクシデントに見舞われるも、「お相手に心配をかけられない」と翌日も定時出社し、誠意を持って2週間のタイトな審査を乗り切るという強い信頼関係を経て成約に至りました。
M&A後の前向きな変化
異業種である親会社のバックアップにより資金面の課題は完全に解消。従業員は資金繰りを気にせず、目の前のお客様への価値提供に専念できるようになり、社内はかつてないほど活気に溢れています。
さらに、提携時の約束通りグループから20代の若い人材が次々と合流。固定化されていた組織に新しい風が吹き、風通しが劇的に向上しました。廃業を検討していた会社が、現在は「業界ナンバーワン」を目指して新たな成長軌道を描いています。
▼ 経営者様が語る「信頼関係で乗り越えたDDの裏側」や「経営者の出口戦略としてのM&Aの有効性」など、リアルなインタビュー記事はこちら
「誠実な経営」を続けた事業者向け貸金企業。異業種M&Aで業界トップへ
あなたの「技術・サービス」を求めている異業種は無数にある
先ほどの事例のように、自社に不足している「人材・資金・顧客基盤」を異業種から獲得し、事業を一気に成長させるのが現代の有効な経営戦略です。
あらゆる業界の大手企業が、DX推進や新規事業創出のために、優れた技術やノウハウを持つ「情報通信・ITサービス企業」をパートナーとして求めています。
「自社のサービスを横展開できる異業種を知りたい」「成長の壁を突破するM&Aの可能性を探りたい」という経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。