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2023/10/03

事業承継ネットワークとは?目的や事業内容、利用するメリットを解説

事業承継ネットワークとは?目的や事業内容、利用するメリットを解説

経営陣の高齢化が進み「自社を誰に託すべきか」「託す方法の検討がつかない」という悩みを抱える経営者も多いのではないでしょうか。
事業承継ネットワークを活用することで、自社が抱える承継の課題点が抽出できるだけでなく、解決方法も検討できます。
そこで本記事では、事業承継ネットワークの目的や事業内容・利用するメリットを解説します。事業承継ネットワークを活用した成功事例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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事業承継ネットワークとは?

あらゆる機関が連携して、事業承継に悩む中小企業の経営者をサポートする取り組みが「事業承継ネットワーク」です。それまでも、事業承継に悩み廃業する中小企業が多数存在しましたが、国のサポート体制が整っておらず、方法がわからない経営者が多数存在しており、事業承継がなかなか進みませんでした。

この問題点から、2017年に中小企業庁が各都道府県の商工会や金融機関などの身近な機関に、事業承継サポートを託したのが「事業承継ネットワーク」の発端です。これまで19県の地域事務局と4県の独自事業で取り組みが実施され、セミナーや広告を利用して事業承継サポートの情報発信を行いました。情報発信により、相談に訪れる経営者が増えたことで、承継問題の解決が進んだだけでなく、各機関も事業承継の課題となるデータの収集も可能になりました。

現在では、後継者不在の事業承継も検討可能な「事業引継ぎ支援センター」や経営上の相談ができる「よろず支援拠点」とも連携しています。どちらも47都道府県毎に設けられ、商工会からの紹介あるいは直接の相談が可能です。

あらゆる方向から事業承継のサポートを実施して、経営者の悩みを円滑に解決する体制が事業承継ネットワークと言えるでしょう。

事業承継ネットワークの概要

事業継承ネットワークの各機関が、経営者のために行う取り組みは以下のとおりです。

【取り組みの概要】
・情報の発信
・支援実施方法の検討
・支援体制の構築
・経営改善のための環境整備

事業承継ネットワークは、経営者への認知度を上げて相談に来てもらうために、ポータルサイトやSNSで随時情報を発信しています。さらに、経営者が相談に訪れた際は「事業承継診断」を通して、それぞれに見合う支援の実施方法を検討します。

また、各企業に合う支援実施のため、「ミラサポ」と呼ばれる専門家を派遣するサイトと連動して、さらなる支援体制の強化を図っています。プレ承継支援となりますが、経営状況が思わしくない企業に対し、環境整備を行うサポートにも取り組んでいます。

事業承継ネットワークの目的・役割

ここでは、事業承継ネットワークの目的と役割を解説します。

【目的】
・事業承継に備えてもらうため
・従業員の雇用を守るため
・国の経済難を救うため

中小企業庁のデータによると、2016年の国内企業全体に対する中小企業の割合は99.7%と判明しました。そのうち、雇用されている従業員の割合は、約70%を占めています。

これらの数値から、中小企業は国の経済基盤を支えていることがわかります。つまり、中小企業が衰退すると経済悪化を招く恐れがあります。事業承継ネットワークは、国の経済だけでなく企業の存続や従業員の生活を守るために、承継支援に力を入れています。

【役割】
・課題の抽出
・各専門機関へつなぐ
・支援の検討・実施

各地方自治体の商工会や金融機関に事業承継の相談をすると、承継を遂行するための課題点を抽出してくれます。課題点解決のために事業引継ぎ支援センターや専門家と連携し、今後の事業承継方法を検討できるという流れです。このように、中小企業の事業承継をあらゆる方向から支援することで、スムーズな事業承継へと導く役割を果たします。

事業承継ネットワークを構成する機関や団体

各都道府県によって構成機関は異なりますが、ここでは中小企業庁が提示した主な構成をご紹介します。

【構成する機関や団体】
・事務局:県振興センター
・支援策の立案・取りまとめ:都道府県・市区町村
・事業承継診断:金融機関・商工会・中央会・士業等専門家
・支援機関への研修:中小機構地域本部
・M&A案件のフォロー:事業引継ぎ支援センター
・専門知識を要する案件への対応:ミラサポのような士業専門家
・施策情報の提供:経済産業局・財務局
・金融支援:信用保証協会
・再生支援:よろず支援拠点・再生支援協議会など

事業承継ネットワークの事業内容

ここでは、事業継承ネットワークの事業内容を3つに分けてご紹介します。

事業承継診断

事業承継ネットワークでは、課題点を探るため「事業承継診断」を実施しています。
診断を執り行う機関は「金融機関・商工会・商工会議所・中央会・士業等専門家」など。

質問内容にばらつきを出さないために、質問シートのフォーマットは各県や自治体で統一されています。経営者がシートにて回答を行い、結果から課題点を抽出し、今後の事業承継に必要となる対策を考えて実行するという流れです。

このサイクルを繰り返して課題点を減らし、事業承継をスムーズに行うための入念な準備をします。また、回答結果を公表することで、各機関が課題点を共有でき、企業に合う機関の選出に役立てるのです。

各都道府県の事業承継体制を整備

事業承継に悩みを抱える経営者に、適切なサポートをするためには体制を整備しなければなりません。都道府県ごとに各機関が事業承継における課題点を共通理解し、施策を練るために今後のあり方を繰り返し検討します。

また、経営者に対し事業承継サポートを身近に感じてもらうためにも、ポータルサイトやSNSを活用して情報発信も行っています。事業承継の成功事例集を作成することで、経営者が前向きに検討できる取り組みも行っています。
事業承継支援の連携体制を構築
効率よく事業承継を成功へ導くために、各機関の連携体制構築に力を入れています。

事業承継について共通理解のために、各機関は研修を実施して知識を深めています。
さらなる連携強化のために、各地域の事業承継専門家を発掘してリスト化し、情報共有も行っています。

各機関が連携できると、経営者がどの機関から相談しても的確な機関へつなげるので、スムーズな対応がとれるのです。

事業承継ネットワークを利用するメリット

事業承継ネットワークを利用できると「悩みに沿った解決策が見つかる」というメリットがあります。承継の悩みは取り巻く環境によりさまざまですが、ここでは悩み別の解決策を2つ挙げましょう。

①負債がある場合

経営者保証付きの融資を受けている場合、そのまま事業承継を行うと後継者が負債を抱えるリスクがあります。しかし、一定の条件を満たせば「事業承継特別保証制度」を利用して、経営者保証の解除が可能です。
事業承継特別保証制度の適用判断は、専門家の知識を有しますので、商工会や金融機関から専門家を紹介する流れとなります。

②後継者不在の場合

後継者不在の場合は「事業引継ぎ支援センター」を利用してM&Aのサポートを受けることも可能。センターが事業承継の手段にM&Aが的確だと判断した場合、仲介事業者への取次ぎも行います。

事業承継への悩みは企業により異なりますが「会社を存続させたい」と願う人は、まず相談から始めましょう。事業承継ネットワークの利用は、相談だけでなく課題点を見つけ出し対策も練れますので、利用価値は十分にあります。

事業承継ネットワークの事例

ここでは、事業承継ネットワークを活用した成功事例を2つ挙げます。

商工会を利用

金属製品製造業の社長であるYさんは、取引先から高齢である点を指摘され、事業承継の詳細を問われました。Yさんは、商工会が主催するセミナーへの参加をきっかけに、専門家派遣制度の活用を決意します。

中小企業診断士・社会保険労務士・税理士と面談を繰り返し、自社の強みや課題点を洗い出しながら「事業承継計書」を作成。専門家の知識を得ながら作り込んだ計画書は、取引先から「完成度が高い」との評価を受けました。

その後、企業は息子に引き継がれ、公的支援策を活用しながら新しい取り組みに挑戦することで、前期よりも売り上げ増額を達成しています。

事業引継ぎ支援センターを利用

精肉店を営むHさんは、高齢のため第三者への事業承継を検討していました。円滑な事業承継のために、決算書を詳細に作成したり自社の株式評価を算定したりと入念な準備を行います。

しかし、後継者は容易に見つからず思い悩んでいたところ、ラジオで事業支援引継ぎセンターの存在を知りました。センターに相談したところ、経営者希望のTさんの紹介を得られることに。Tさんに「屋号を残す・味を守る・従業員の雇用を守る」ということを条件に、事業承継が完了しました。引継ぎ後もHさんがサポートに入ったことで、会社運営がスムーズになり、今では法人化を果たしています。

事業承継ネットワークの今後

事業継承の準備には、5〜10年かかると言われています。
引退を目前にして後継者問題に直面するよりは、事前に準備を進めた方が経営者にとっても負担が少ないでしょう。

事業継承ネットワークも47都道府県に対応可能な機関が増え、親族内承継だけでなく、第三者への承継も検討可能になりました。このように、事業承継ネットワークの拡大が見て取れるので、今後も経営者サポートの充実が予測できるでしょう。

まとめ

今回は、事業承継ネットワークの概要や利用するメリットをご紹介しました。
「何から始めれば良いか検討がつかない」と悩む方は、各機関へ相談をすると円滑な事業承継への第一歩を踏み出せるでしょう。
サポート体制がいくら充実しても、利用しなければ何も始まりません。
親族内承継だけでなく、M&Aのような第三者承継の検討も可能ですので、事業承継に悩む方は一度、活用を視野に入れるのをおすすめします。

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