経営・ビジネス

2023/09/29

レッドオーシャンに参入するのは危険?メリット・デメリットや勝ち抜く3つのポイントを解説

レッドオーシャンに参入するのは危険?メリット・デメリットや勝ち抜く3つのポイントを解説

新規事業展開を検討する際、市場規模の大きいレッドオーシャンに参入すべきか否か、頭を抱える経営者も多いのではないでしょうか。
参入する市場規模に合わせた経営戦略でなければ、レッドオーシャンでは事業継続が危機的状況に陥ってしまいます。

そこで本記事では、レッドオーシャンに参入するメリット・デメリットを解説します。
レッドオーシャンで勝ち抜いた事例についても触れていますので、新規事業展開を検討する方はぜひ参考にしてみてください。

レッドオーシャンの意味とは?

レッドオーシャンとは、数多くの企業が参入し、市場が激戦している業界を指します。
新規参入者も多く、競争相手が多数存在するレッドオーシャンで生き残るためには、下記のような企業努力が必要です。

・価格を安くする
・独自の機能を開発する

レッドオーシャンの「レッド」の意味は所説ありますが、真っ赤に加熱している市場や、競合が血で血を洗うような過酷な競争をする市場という意味合いを持っています。厳しい戦略を遂行しなければ戦えない市場であるため、新規参入を検討する際はネガティブなイメージを拭えません。

ブルーオーシャンとの違いは?

ブルーオーシャンは、レッドオーシャンとは反対に「まだ参入者がいない市場」で、競争相手がほぼいません。ブルーオーシャンには競争相手がいない分、独自の価格設定ができるメリットがあります。
また、広告費といったマーケティングコストを抑えられるために、多くの利益確保が見込まれます。

自社がブルーオーシャンの開拓者となれば、確実に優位なポジションに立てる魅力的な市場です。
理想的戦略で戦えるブルーオーシャンでも、他社の参入により、やがては「レッドオーシャン化」することも想定しましょう。

レッドオーシャン市場の実例

ここでは、レッドオーシャンでの成功事例を3つ挙げます。

【成功事例】
・湖池屋のポテトチップス
・モスバーガーの食パン
・コカ・コーラのレモンサワー

詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

湖池屋:健康志向のポテトチップス

競争の激しい食品業界で、ブルーオーシャンを開拓した企業が株式会社湖池屋です。

ポテトチップスを主力商品として扱う、湖池屋は、塩を使用しないポテトチップス「芋まるごと塩分不使用」というヒット商品を生み出しました。

お菓子業界では、年商売上が20億円で大ヒットといわれる中、リニューアル後4か月という短期間でこの数字を上回っています。「塩分摂取が気になる」というポテトチップスのマイナスイメージを払拭したことが、勝ち残りの決め手です。
健康志向の中高年や、素材の味をそのまま味わいたい若い世代を中心に好まれる商品となりました。

モスバーガー:完全予約制の高級食パン

高級食パン業界では、2013年に開業した「乃が美」を筆頭に、市場がレッドオーシャン化しています。
有名企業から中小企業まで多くの企業が参入し、市場規模は2020年には225億円まで成長しました。

激戦区であるレッドオーシャンに新規参入したのは、モスバーガーを展開するモスフードサービスです。首都圏や、関西、九州を中心に1000店舗で「1斤600円」の高級食パンを販売しました。

高級食パンを「完全予約制」という独自の販売スタイルが激戦区で生き残った理由です。食品ロスが減り、販売本数が少なくても売れた分だけ、効率的に利益を得られるようになりました。

コカ・コーラ:現場からヒントを得たレモン酎ハイ

10社を超える有名企業が争いを繰り広げているチューハイ・サワー市場に、後発で参入したのは日本コカ・コーラです。日本コカ・コーラ史上初めて商品化したアルコール飲料「檸檬堂」は、発売されてわずか1年足らずで一定の地位を築きました。

商品開発チームは、以下の取り組みに力を入れたようです。

・市長調査によるデータの分析
・消費者のニーズを追求

実際に居酒屋やバーに足を運ぶことで「消費者が何を楽しんでいるか」を知りました。現場からヒントを得ることで、トレンドに合った商品が完成したのです。

レッドオーシャンに参入するメリット

市場の激戦区であるため「一般的には避けるべき」とされるレッドオーシャンですが、大きなメリットもあります。

【レッドオーシャンに参入するメリット】
・実に需要が高い
・勝てば高い利益を得られる
・既存の成功例・失敗例を参考にできる

ここでは上記のメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

実に需要が高い

「競合が多い=市場のニーズがある」と考えると、レッドオーシャンは需要が高いと判断できます。
また、レッドオーシャンに参入できると、一から需要を調査する手間が省けるメリットもあるでしょう。

消費者が多ければ、一定のシェアを獲得できる可能性があるため、多少なりとも売上が見込めると予測できます。

勝てば高い利益を得られる

先述の事例からわかるように、レッドオーシャンで勝ち残れば、高い利益を獲得できます。
レッドオーシャンは市場規模が大きい分、顧客も数多く存在しているのです。
市場の中で優位に立てば、競合からシェアを奪えるので多くの利益を得られるでしょう。

既存の成功例・失敗例を参考にできる

レッドオーシャンには、すでに多くの似たような商品が存在しているため、ゼロから商品を企画する労力が不要です。
商品開発に多くの時間を費やすことなく「どのように消費者のニーズを満たせるか」の考案に注力できます。他社の成功例・失敗例を参考にできるため、大きな失敗を回避しやすい利点があるでしょう。

レッドオーシャンに参入するデメリット

レッドオーシャンにはデメリットもありますので、参入を検討する際は両方を把握しましょう。

【レッドオーシャンに参入するデメリット】
・既存の競合に勝つのが難しい
・差別化を図るのが難しい
・薄利多売で消耗するケースがある

ここでは、上記のデメリットについて解説します。

既存の競合に勝つのが難しい

「参入後の生き残りが難しい」という点が、レッドオーシャンの大きなデメリット。その道の経験豊富な企業が多数参入しているため、新参者はライバルに押しつぶされる危険性が大いにあります。

・商品の独自性
・他社との差別化
・商品の値下げ

上記の戦略を確立しなければ、新規参入での勝ち残りは厳しいものになるでしょう。

差別化を図るのが難しい

競合が多数いる市場で優位なポジションを築くためには、他社との差別化が欠かせません。すでに多くの企業が差別化を図った商品を考案しているため、後発参入の企業が独自性を出すのは困難といえるでしょう。

差別化を図り、消費者に選ばれるためには、広告費用や戦略を練るためのコンサルティング費用など多額のコストがかかります。

薄利多売で消耗するケースがある

レッドオーシャンでは他社に勝つために、激しい値下げ競争が繰り広げられるため薄利多売になりがちです。同じ価格設定では、ネームバリューの大きい企業が優位なポジションを獲得するため、資金力の弱い企業は消耗する可能性があります。

レッドオーシャンで勝ち抜くためのポイント

生き残りが困難な市場ですが、レッドオーシャンで勝ち抜くためのポイントを解説します。

【レッドオーシャンで勝ち抜く3つのポイント】
1.念入りな調査を行う
2.ターゲットを絞り込む
3.ブランディングでの差別化を図る

1.念入りな競合調査を行う

後発参入でレッドオーシャンに参入する場合「競合の成功に加えて、失敗例の分析」が勝敗のカギを握ります。同市場での成功例・戦略だけでなく、失敗例を分析することで差別化のヒントを見つけ出せるのです。丁寧な競合分析から得たヒントを、自社の戦略に落とし込みましょう。

2.ターゲットを絞り込む

参入市場を絞り込むのと同様に、ターゲットを絞り込みましょう。

【ターゲットを絞り込む項目】
・年齢
・性別
・住んでいる地域
・家族構成    など

ターゲットの絞り込みは、自社の商品やサービスと相性のよい層の獲得につながります。
また、無駄な広告費を使わないため、コスト削減にもなるでしょう。

3.ブランディングでの差別化を図る

競合が多数存在するレッドオーシャンの中で、独自のブランディングをして成功している企業もあります。ブランディングとはマーケティング戦略のひとつです。立ち上げたブランドが「消費者によい印象を持ってもらう」ために差別化を図る戦略です。

ブランド力を高めると、他社との差別化や企業の存在価値を顧客に提示できるので、信頼感を得られます。企業のコンセプトや理念を見ただけで、顧客が企業を想像するほどのブランディング力がつけば顧客が離れにくくなるでしょう。

まとめ

今回は、レッドオーシャンに参入するメリット・デメリットと、勝ち抜くための3つのポイントを解説しました。ブルーオーシャンに参入したとしても、競合増加により短期間でレッドオーシャンに変わる可能性もあります。

一般的には避けられがちな、レッドオーシャン。レッドオーシャン参入を成功させるには、競合の成功や失敗例の両方を学ぶ必要があります。

成功すれば多大な成果を得られるものの、失敗すれば負債を抱えるリスクもある、レッドオーシャンの参入。成功への道を確実に歩むために、経営専門家の力を借りるのもよいでしょう。

    【無料ダウンロード】自社の企業価値を知りたい方へ

    企業価値100億円の条件

    企業価値100億円の条件 30の事例とロジック解説

    本資料では実際の事例や企業価値評価の手法をもとに「企業価値評価額100億円」の条件を紹介します。
    このような方におすすめです。

    自社の企業価値がいくらなのか知りたい
    ・企業価値の算出ロジックを正しく理解したい
    ・これからIPOやM&Aを検討するための参考にしたい

    は必須項目です。

    貴社名

    売上規模

    貴社サイトURLもしくは本社所在地をご入力ください

    お名前

    フリガナ

    役職

    自社の株式保有

    電話番号(ハイフンなし)

    メールアドレス

    自社を譲渡したい方まずはM&Aアドバイザーに無料相談

    相談料、着手金、企業価値算定無料、
    お気軽にお問い合わせください

    他社を譲受したい方まずはM&A案件情報を確認

    fundbookが厳選した
    優良譲渡M&A案件が検索できます

    M&A・事業承継のご相談は
    お電話でも受け付けております

    TEL 0120-880-880 受付時間 9:00~18:00(土日祝日を除く)
    M&A案件一覧を見る 譲渡に関するご相談