経営・ビジネス

2023/09/26

キャピタルゲインとは?メリット・デメリットやインカムゲインとの違い

キャピタルゲインとは?メリット・デメリットやインカムゲインとの違い

資産運用をする上で、最も重要視したいのは利益ではないでしょうか。
投資で得られる利益は“キャピタルゲイン”と“インカムゲイン”の二つに分かれますが、これらの内容はそれぞれ異なり、どちらにするかで資産運用・投資方法も変わります。

気になる手数料や税金についても解説しますので、今後の投資生活に向けて、ぜひ本記事を役立ててください。

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは、保有している資産の価格が変動することで得られる売買差益のことを指します。株を手放すことにより得られる利益で、売却は一度きりとなるため、市場の相場変動を随時チェックしていくことが重要視されます。
売却で利益を得られる投資の種類については後述しますが、これらの売り時を、よく検討することが必要です。

キャピタルゲインの例

例えば、株価50万円で購入した株式が60万円になった時に売却した場合、その差額である10万円から、手数料や税金を引いた金額がキャピタルゲインになります。

一方で、売却時の価格が安く損失が出た場合には「キャピタルロス」と言われます。
キャピタルゲインは株式だけでなく、債権、不動産・金・プラチナなどの貴金属から絵画まで幅広く当てはまり、利益を生むために売買することが可能です。

キャピタルゲインのメリット

キャピタルゲインは、大きい利益を短期間で生み出せる点が大きな特徴です。
ここでは、キャピタルゲインのメリットを詳しく説明します。

短期間で大きな利益を得られる可能性がある

株式を例にしてみると、配当金は株価の数パーセントが一般的です。
しかし、売却した場合の株価は、購入金額よりも上回ることがあります。

また、暗号資産についても「1年で数十倍、数百倍の価値になった」というケースもみられ、多くの人たちが暗号資産を始めたきっかけにもなりました。
知名度の低い銘柄であっても、ニュースで注目を浴びると購入注文が殺到し、多くのキャピタルゲインを得られる結果に繋がることも期待されます。

利益の獲得方法がシンプルである

「安く売って高く売る(高く売って安く買い戻す)」は、商売の基本であり、利益の獲得方法として、とてもシンプルです。
また、売却による利益の獲得を目的としているため、大きい資産である必要なく、少ない元手であっても投資ができる点でも始めやすいでしょう。

キャピタルゲインのデメリット

キャピタルゲインは、短期間で大きな利益を生み出す可能性を持っている反面、「リスク」という名のデメリットがあることを十分に注意すべきです。
その中で市場動向や値動きを見る力は、キャピタルゲインを狙うにあたって、必須の知識となることを覚えておきましょう。
ここでは、キャピタルゲインのデメリットをまとめます。

損失が大きくなるリスクがある

値上がりを予想して購入した資産であっても、株式が暴落したり株式を発行している企業が破産したりすると、価値がなくなる可能性はゼロではありません。
リーマンショックやコロナショックを始めとして、経済危機になると株価は一気に下がり、資産価値が大きく目減りすることも念頭に置きましょう。
売るタイミングを慎重に考えるだけでなく、万が一の損失に備えて、生活を守れる資金を保持しておくことがリスクヘッジとなります。

多大な税金が課される可能性がある

売却した利益には、必ず税金が課せられます。
株式や投資、FXの場合には、一律で20.315%の税金の支払いが義務付けられているのです。
給与所得のように、所得に応じた所得税率の変動の対象にはならないので、注意してください。
このようなことからも、税金についてしっかりと意識をしながら、予想外の出費とならないよう投資すべきでしょう。

キャピタルゲインの計算方法

キャピタルゲインの利益は単純計算で「売却益-購入費」だと思われがちですが、マイナスにしなければいけない、他の費用も存在します。
資産運用に必ずかかってくる手数料と税金が費用として該当し、この二つの費用を差し引いた金額こそがキャピタルゲインの金額です。
正しい計算方法は、以下になります。
「売却益-購入費-手数料-税金=キャピタルゲイン」

税金については次の項目で詳しく解説をしますが、トータルで20.315%の課税がかかることに留意しましょう。
ただし、キャピタルロスが発生した場合には課税対象にならないため、さらなる損失を生むことにはなりません。

キャピタルゲインに対して発生する税金

売却した利益に20.315%の税金がかかることを前述しましたが、これらの内訳を見てみましょう。
・所得税 15%
・住民税 5%
・復興特別所得税(令和19年まで) 0.315%
これらをトータルした税金が20.315%となり、利益がマイナスの場合には発生しません。
法人の場合、所得を含めて法人税を計算しますが、個人の場合は給与所得と別に計算されます。

キャピタルゲインへの節税対策

キャピタルゲインの税金は、未確定である含み税には課税されません。
含み税を確定せずに翌年に繰り越すことで、税金をかけずに資産の運用を続けられます。
さらに、損失が出た場合には、他の口座の利益と相殺し、あえて利益を減らすことで節税できます。
これを「損益通算」といい、損益通算をするとしないとでは税金額に差があるため、キャピタルロスが出た場合でも確定申告が必要です。

口座Aで100万円のキャピタルゲインがあり、口座Bには300万円のキャピタルロスがある場合を例に挙げましょう。
上記を損益通算した場合、「トータルで200万円のキャピタルロス」と判断されるので、税金の支払いは免除となります。
ただし、NISA口座は損益通算ができないので、ご注意ください。

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

投資の種類によって、キャピタルゲインとインカムゲインの、どちらに当てはまるかは異なります。
また、必ずしも片方を選ばなければいけないわけではありません。
インカムゲインである程度の安定的な収入を得ながら、残りはキャピタルゲインとして大きな利益を狙うという、バランスの良い資産運用もできるでしょう。

売却により利益を生み出すキャピタルゲインに対して、保有により収益を得るインカムゲインの違いを詳しく解説します。

インカムゲインとは?

インカムゲインとは、「資産を保有しているだけで得られる収益」のことを指します。
株式の配当金でいくと、保有期間が長ければ長いほど累計の利益が積み重なり、株の購入に要した資金を回収することも可能です。
短期間で大きな利益を期待できるキャピタルゲインに比べ、長期間で定期的に収益があることが特徴と言えるでしょう。

インカムゲインの例

身近なインカムゲインとしては、株主優待がわかりやすいでしょう。
株式では配当金、不動産では賃貸での家賃収入、そして債権では利子がインカムゲインとされます。
その他にも、ソーシャルレンディングや太陽光発電システムなどが挙げられ、継続的な収入が期待できます。
投資信託の分配金や銀行へ預貯金を預けることによって発生する利息は、私たちの生活の中で身近なインカムゲインといえます。
ただし、仮想通貨については配当や利子がないため、インカムゲインとはいえません。

インカムゲインのメリット

相場の影響をすぐには受けにくく、短期間で大きな損害に繋がりづらい“ローリスクローリターン”であることが、インカムゲイン最大のメリットです。
相場のチェックが必要であるキャピタルゲインに対し、インカムゲインは一定期間であれば、放置をしても問題はありません。
年間の利益が予想しやすく、得たキャッシュの使い道の計画も立てやすいところから、インカムゲインは長期的にみて魅力的です。

インカムゲインのデメリット

インカムゲインは利回りが数%であるため、ハイリターンにはなりません。
そのため、ある程度の投資資金がなければ、その恩恵は感じづらいといえるでしょう。

・会社の業績悪化により、配当金や株主優待がストップしたり、減額したりする恐れがある
・家賃収入では空室リスクが伴い、続いてしまうと修繕やリフォームでさらにお金がかかる

このように、絶対的に安定したインカムゲインが獲得できるとは限りません。
インカムゲインの種類によっては、必ずしもローリスクとは言えないでしょう。

キャピタルゲインが向いている人

・短期間での大きな利益が欲しい
・市場の価格変動を随時チェックできる時間の余裕がある
・リスクが多少あっても、ハイリターンを望む

損失のリスクを背負いながらも優良な投資対象を見つけられたり、価格変動を頻繁に調べたりと、常に数字を意識できる方にはキャピタルゲインが向いています。

インカムゲインが向いている人

・まとまった資金の確保が可能
・長期的に安定した収益が欲しい
・頻繁に市場チェックができない会社員
・株主優待や利息など、日常的な投資の恩恵を受けたい

できるだけリスクは少なく、長期的な資産形成を目指す方には、インカムゲインが向いています。

まとめ

本記事では、キャピタルゲインのメリット・デメリットや、インカムゲインとの違いを解説しました。
キャピタルゲインとインカムゲインは、どちらも投資や資産運用から得られる利益のことを指します。
・キャピタルゲイン:保有している資産を売却することにより、得られる利益
・インカムゲイン:獲得した資産を保有している間に得られる利益

このように、利益が発生する仕組みが異なるため、当然メリットやデメリットも違ったものになります。
将来に向けての投資や資産運用は“人生100年時代”と言われる昨今において、基礎知識を蓄えることに損はありません。
現時点での資産状況やライフスタイルだけでなく、自身の性格や環境に合った資産運用を行うことが、投資成功への第一歩になると言えるでしょう。

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