しかし、M&Aについて公表された幹部社員からは現状維持を望む声も。お客さまと従業員、そして会社の将来を思う気持ちは同じでありながらも、そのためにM&Aに踏み切るべきか見解が分かれてしまったのです。熱心に説明を重ねるうちに、サイサンがグループ企業の独自性・自主性・地域性を重んじる姿勢であることが伝わり、2024年3月にM&Aが成約。サイサンがグローバルに展開するブランド「Gas One (ガスワン)」のグループの一員となりました。
苅田氏:サイサンさんが社員綱領に掲げる「凡事徹底」を念頭に、そして当社が創業以来の企業理念としている「真心」は変わらず軸として、とにかく地元の方々のお役に立ちたいという思いで日々勤しんでいます。また、ガスワングループの経営理念や、グループの使命である「ガスワン憲章」を体現するうえでも、私たちは「真心」を中核に取り組みながら、長期ビジョン「The Gas One Vision2045」を一緒に達成したいと考えています。
グローバルグループの一員である津山市のセキサンとして、胸を張って「We are Gas One」「We are セキサン」と言えるようになろうと、社内で呼びかけ合っています。
おひさま会が共通理念に掲げる「A New Harmonious World.」(あらゆる人が支え合いながら、自分らしく生きていく。そんな新しい調和の取れたハーモニーのある世界)は、医療に限定された考えではありません。医療から取り組んでいき、誰もが「孤独にならない」「諦めることがない」、そんな世界をオープングループさんとともに目指していきたいと思っています。
フレイムス社とリタ社は以前から、業務委託型ではなく、自社でスタイリストを採用して育成していく雇用形態をとっており、「美容師が一生安心して働ける会社を作ろう」という両社共通の思いのもと、BIQREAホールディングスとして一緒になって事業を拡大してきました。MASHUさんも「〜Life with MASHU〜 『MASHUと共に人生を』」を経営理念に掲げているように、お客様や従業員の一生に寄り添い続ける会社にしたいという増成会長の思いは、まさにBIQREAホールディングスと共通しています。それが、「一緒にやっていこう」と全員が思った一番の要因になったのだと思います。
MASHU様は、「Life with MASHU」をフィロソフィーとして掲げ、従業員様やお客様と一生をともにできる企業を目指し、女性の働きやすい会社づくりや地域住民に向けた企業主導型保育所事業にも取り組まれている社会的意義の大きな企業様です。 この度のBIQREAグループ様との協業により、創業者の増成会長の想い「Life with MASHU」がより一層に体現化され、MASHU様固有の高い技術力と高度なサービス品質に裏付けされたお客様との信頼関係をもって、多様なニーズに応えられる新たな美容室のカタチを時代と共に創造されることを陰ながら応援しております。
また、適切な農場運営の基準「JGAP(Japan Good Agricultural Practice)」を県内で最初に取得していることも強みです。当社の松村会長は新規就農者として創業したため、農業のオペレーションを自らの手で確立していかなければなりませんでした。中小規模の農業法人であっても、従業員を雇用しながら農園を運営していくうえでガバナンスは必要です。JGAP認証はオペレーションの最適化につながると考え、創業直後の2009年に取得したのだそうです。
蓮尾氏:六ツ星運送さんをここまで成長させてこられた山本社長の経営手腕が当社にとっても魅力だったことはもちろん、「一緒に飛躍しましょう」という気持ちの表れでもあります。当社は2021年10月にTOKYO PRO Marketに上場し、株価と企業価値を高めるように努めながら、ゆくゆくは一般市場への上場も目指しています。山本社長には取締役として当社の株主になっていただければ、株価が向上したときに、山本社長が頑張って育ててきた六ツ星運送さんの評価にもつながる。六ツ星運送さんらしい経営を続けていただきながらも、一緒に努力しましょうという気持ちは共にしていきたいんです。
毛利氏:2007年頃、当時走りだったアジャイル開発に魅力を感じました。要件をがっちり固めてから開発に着手する従来の手法と比べて、機能ごとに細かい開発サイクルを繰り返すためリリースまでが早く、仕様変更のご要望にも柔軟に対応できるからです。このアジャイル開発にもっとも適している言語がRubyでした。Ruby on Railsでの開発力を高めていくことで、他社との差別化になると考えたのです。
また、その翌年にはリーマン・ショックが起こりました。同業他社の倒産が相次ぎ、当社の売上も大きく落ち込んでしまった。そこで幹部陣と今後の方針を考え、Ruby on Railsに特化することで生き残りを図っていこうと決めました。そうして「Ruby on Rails 専門」と打ち出していったところ、以前にも増して多くのご依頼をいただけるようになり、現在に至ります。
後藤氏:当社は1984年に三重県津市で創業し、オリジナルソフトウェアの開発・販売を行っています。全国17都市に営業拠点を持ち、2019年で上場20周年を迎えます。建設・建築業界向けの土木工事積算システムや入札管理システムを主力製品としているのですが、近年はさらなる収益の柱となる新製品開発に注力していました。そこで核となる技術が、Ruby on Railsだったのです。ところが社内に専門家がおらず、また、需要の高さから外注するにも良い依頼先が見つからず、開発は遅れがちでした。
そんな時に、fundbookからラグザイアを紹介されたのです。当社がもう一段飛躍するための起爆剤となり得るRuby on Railsのプロフェッショナル集団。これはぜひとも前向きにM&Aを検討したいと。開発現場の組織や体制が自律的で安定しているのも魅力でしたね。
毛利氏:経営者仲間からは「リタイアするの?」などと聞かれましたが、私も佐藤もそんなつもりはありませんし、会社の体制は基本的に何も変わっていません。むしろグループ入りしたことで財務基盤が安定したので、新たな事業展開に向けて動き出せるようになりました。まずは、今年度中に技術者を5人純増させるべく、採用活動に注力しているところです。私がRuby on Railsのイベントに参加したり、登壇したりして、意欲のある技術者の方と直接コミュニケーションをとっています。これまで以上にラグザイアを成長させ、ゆくゆくは、私たちの夢である自社サービスの開発も実現させていくつもりです。
水谷氏:BTCに参画して、やはり実力のある会社だと思いました。テクノロジーとコンサルティングを両立させ、官公庁や大手企業を中心に確かな実績を有している。加えて、デジタルマーケティングやRPA(Robotic Process Automation)など時代を先取りしたビジネスも着実に成長させています。これはなかなかこの規模の会社で出来ることではありません。
担当アドバイザー コメント
岡山県津山市を代表するエネルギー商社のセキサン様と、「我が国を含め、アジア・太平洋地域において総合エネルギー・生活関連事業でリーディング企業になる」をビジョンに掲げるサイサン様のM&Aのお手伝いをさせていただきました。
地域のお客様、従業員を大切にする社風である両社の親和性が高いことに加えて、「前向きな経営戦略」として本件の検討に至ったセキサン様にとって、「エネルギー業界で一番」になることを掲げるサイサン様との提携は最良のご選択だったと考えます。
本件のご成約から1年が経とうとしていますが、取扱商品の拡大やグループ間同士の交流を通して従業員様の期待も膨らんでいるなど前向きなお話を伺っており、大変嬉しく思います。
今後とも両社様の更なる発展を心より応援しております。