インタビュー

2023年6月30日、譲渡成立

日本酒への情熱が結んだ、歴史ある酒蔵と大手通販会社のM&A

日本酒への情熱が結んだ、歴史ある酒蔵と大手通販会社のM&A
  • 譲渡企業谷櫻酒造有限会社
    設立年月日
    1848年
    事業内容
    清酒製造・販売
    URL
    https://www.tanizakura.co.jp/
  • 譲受企業株式会社ベルーナ
    設立年月日
    1977年
    事業内容
    アパレル・雑貨事業/化粧品健康食品事業/グルメ事業/ ナース関連事業/データベース活用事業/呉服関連事業/ プロパティ事業/その他の事業
    URL
    https://www.belluna.co.jp/

嘉永元年(1848年)に、現在の山梨県北杜市で小さな酒造蔵から始まった谷櫻酒造有限会社。甲斐の地酒として県内有数の知名度を誇り、県民の皆様から長く親しまれています。50年前に酒蔵を継いだ4代目蔵元の小宮山光彦氏(現会長)は、先代からの教えと伝統を守りながら、“うまい酒”で消費者に喜んでもらうことに生涯を捧げてきました。

日本酒市場の低迷やコロナ禍など、様々な苦境を乗り越えてきた小宮山氏。70代後半になって後継者不在の課題に向き合い、M&Aを本格的に検討するようになったところで、日本酒販売事業を行っている大手通販の株式会社ベルーナと出会いました。小宮山氏は当初ベルーナとの提携に前向きではなかったものの、ベルーナの熱意と将来性に心が動き、M&Aが成約。両社の成長だけでなく、日本酒業界の再発展と文化の継承に貢献したいと意気込んでいます。

小宮山氏と、ベルーナのグルメ事業責任者で谷櫻酒造の新社長に就任した浅野福太郎氏、ベルーナ経営企画室理事の片山勇樹氏に、M&A成約までの経緯や今後のビジョンを伺いました。

谷櫻酒造有限会社 本社

谷櫻酒造有限会社 本社内販売店舗

谷櫻酒造有限会社 本社内酒蔵

五味の調和がとれた、伝統的な“良い酒”を造り続ける谷櫻

谷櫻酒造様の商品の特徴や、酒造りのこだわりをお教えください。

小宮山氏:谷櫻酒造は代々、“良いものしか造らない”ことを信条としてきました。この地はシリカを多く含む八ヶ岳の湧水に恵まれており、水は良質な酒造りにとても適しています。また、原料は高品質で丁寧に自社精米した米を中心に使用し、醸造方法も職人の手による生酛(きもと)造りで行うこともあり、伝統と丁寧さを重んじています。ただ、どうしてもコストが高くなってしまうため、売値もなかなか安くはできません。山梨県は農業が盛んな土地柄、果物も買わずにもらうことが普通なくらい、あまり出費をしなくても食べるのに事欠かないものですから、当社の酒は「旨いけど、たまにしか買えない」と言われることもあります。それでも、品質に妥協しない良い酒を追求し続けています。

小宮山様が考える“良い酒”とは、どのようなものでしょうか?

小宮山氏:良い酒の原点は、「甘・酸・辛・苦・渋」の五味の調和にあります。今風の日本酒は甘口のものが多くなりましたが、私は五味のバランスが良い昔ながらの飲みごたえのある酒に憧れていましたし、それが良い酒だと考えてきました。例えばワインにしても、食べ物の後に飲めば苦味や渋みで口の中がニュートラルになって、次に食べる物がまたおいしく感じられる。なので、酒には甘み以外の要素も必要なのです。

私は50年前に婿養子として谷櫻酒造を継いだのですが、その前は10年ほどフレンチの料理人をしていました。食中酒が料理を引き立て、食事がより楽しめることはよく分かっていましたから、せっかく酒蔵を継ぐからにはフレンチにも合うような日本酒を造りたいと思ってここまでやってきました。当社の商品は食事との相性が良く、五味の調和がとれた酒として評価されてきたのではないかと思っています。

谷櫻酒造を継いでから半世紀の間、経営ではどういったことを意識してこられましたか?

小宮山氏:やはり、ものづくりには“和”が必要ですから、従業員を家族だと思って酒蔵を続けてきました。和を作るためには、昔から「同じ釜の飯を食う」と言いますし、良い酒を造るためには良いものを食べないといけないと思っていますから、今も昔もずっと、私や妻が作った手料理を皆で囲んでいます。

谷櫻酒造有限会社 小宮山光彦氏
谷櫻酒造有限会社 小宮山光彦氏

後継者不在の課題に直面。酒蔵には独特の経営の難しさがある

小宮山様がM&Aを検討した経緯をお聞かせください。

小宮山氏:私は80歳くらいまで社長を務めて、その後は娘に継いでもらおうと思ってのんびり構えていたのですが、娘の意向は違っていました。酒造りは1年を要するのに、いまだに米は前払いですし、社長自身がいろんな会合に出る必要があるなど、酒蔵ならではの経営の難しさがあるのです。80歳まであと3年になったとき、知人の紹介でfundbookさんとお会いしたのですが、そこからはアドバイザーさんが素早く動いてくれて、あっという間にベルーナさんとお会いすることになりました。

一方のベルーナ様は、どういった理由で酒蔵とのM&Aを検討するようになったのでしょうか?

浅野氏:当社の日本酒事業はずっと右肩上がりで伸長してきましたが、最近はやや頭打ちになっており、さらには原材料の価格高騰により仕入れコストが上がるなど、以前に比べて利益が出にくい状況となったため、何か新しい形を見いださなければいけないと考えていました。そんなときに、食品工場などの製造会社とのM&Aによって、成長を再加速させているスーパーマーケットの取り組みが目に留まったのです。小売店が単に製造会社と取り引きしているだけであれば、小売店から「これを作ってほしい」と依頼をしても、本当に売れるか不安があれば製造会社が作ってくれないこともあります。ですが、製造から小売りまでを一体化させると、作ったものを全て売っていく体制になるため、思いきって商品が作れますし、スピードも上がります。それに、製造側からしても卸先が決まっている分、営業活動が要らなくなり、コストの軽減と工場の稼働率がアップするメリットもあります。

当社の日本酒事業は販売力が強みですから、酒蔵さんと一緒になって製造から販売までを一気通貫でできれば、お互いにとってより効率的かつ発展的な取り組みができるのではないかと考えたことが、M&Aを検討するきっかけになりました。

日本酒事業としての方針にも具体的に変化があったのでしょうか?

浅野氏:今までは低価格ラインを主に展開してきましたが、それだけでは難しくなってきたので、中価格~高価格ラインもしっかり揃えていこうという方針になり、徐々に1本2万円ほどの純米大吟醸もラインアップするようになりました。ただ、低価格ラインをリピート購入してくださる既存のお客様もとても多いので、即座に高価格商品を大量に動かそうというよりは、まずは高価格商品に興味を持っていただき、購入していただけるような力を蓄えていきたいと考えています。

株式会社ベルーナ 浅野福太郎氏
株式会社ベルーナ 浅野福太郎氏

ベルーナ様は、谷櫻酒造様のどういったところに魅力や相乗効果を感じましたか?

浅野氏:まず何と言っても、お酒がおいしいことが魅力です。その背景には、酒造りに妥協をしない姿勢と味へのこだわりがあります。最近のトレンドとしては、香りが華やかでフルーティーな日本酒が多く見られますが、毎日飲むにはどうしても飽きが来やすくなってしまいます。もともとお酒をあまり飲まない人の入り口を広げるためには良いと思いますが、やはり毎日飲んでも飽きない酒が一番長続きしますし、消費量も増えるものです。水や造りが良く、毎日飲んでも飽きない親しみやすさと馴染みやすさがあって、どんな料理にも合う酒を生み出す谷櫻酒造となら、お客様に喜んでいただける取り組みができるだろうと強く思いました。

小宮山氏:「不景気になると甘い酒が売れる」と言われるくらい、甘い酒は早く飽きやすく、辛い酒は飲み飽きないのです。私は、メーカーがトレンドや時流に乗ってはいけないと考えています。メーカーにとって、商品は自分の顔です。酒は嗜好品ですから、万人に好かれようと思ったら何もなくなってしまう。ノッペラボウになることなく、自分の顔をしっかりと持たないといけないというのが、私たちの考えです。ベルーナさんが当社を選んでくれたのも、それが理由なのかなと思います。

初対面では厳しい言葉を放つも、熱意と業界への思いで意気投合

小宮山様が最初にベルーナ様とお会いしたときの印象をお聞かせいただけますか?

小宮山氏:実は最初に来ていただいたとき、私はベルーナさんに対して厳しい言葉を投げかけたのです。なぜなら、当社は酒造りにコストをかけて、売値も決して安くない酒を売ろうとしているのに、ベルーナさんは一升瓶の大吟醸を5本セットで1万円という価格で販売していましたから。当社にとってはどう計算しても無理な価格なので、「日本酒の価値を下げないでくれ」と言いました。

どのようにお気持ちが変わっていったのでしょうか?

小宮山氏:最初は厳しく言ったにもかかわらず、ベルーナさんは何度も来てくださって、色々な話をするようになり、日本酒や業界に対する熱い思い、どう協業していくかといった話で、だんだん意気投合してきました。

浅野氏:当社はこれまでも、いろんな酒蔵さんから多くの意見や指摘を受けてきました。「製造量に限りがある酒蔵は、しっかりと付加価値をつけてお酒を販売しているのに、その市場を弊社の低価格ラインが脅かしている」と。それに対して私たちは、「日本酒を飲む人が減っている現状を打破するのは、低価格高品質の商品であり、まずは裾野を広げていく戦略をとることで、日本酒文化を守っていきたい」と伝えると、「なるほど、それなら一緒に取り組みましょう」と言ってくださる酒蔵さんもあれば、納得いただけないケースもありました。

当社の売れ筋ラインが、先ほども話に出た大吟醸5本で1万円のセットなのですが、その日本酒が1本約2,000円なのに対し、谷櫻酒造さんの大吟醸は一升瓶を1本7,000円台で販売されています。当然、造りからして異なるので、そこのギャップはあるものですが、お互いの良さを掛け合わせて良い形を作り上げましょうと、話を進めてきました。ベルーナとしても、私個人としても、谷櫻酒造のお酒がすごく好きで、酒蔵も本当に素敵だと思ったので、ぜひご一緒したいという気持ちはとても大きかったです。ビジネスの面で変化や進化を目指す部分と、変えてはいけない部分をじっくり話し合いながら、最善の道を模索していきたいと考えています。

浅野氏と小宮山氏

ベルーナ様にとっては今回初めて酒蔵(製造業)をグループに迎えられましたが、M&Aを進めるうえで大変だったことはありますか?

片山氏:当社は今まで小売を中心にビジネスをしてきており、製造業を手掛けたことがございませんでした。そのため、谷櫻酒造様の財務諸表を始めとする情報を開示していただいた際も、どういった背景や活動を通じてこの結果となったのかが俄かには把握できず、まずその理解を深めるまでに少し苦労しました。ご一緒させていただくからには、両社にとって良い未来につながるシナリオが描ける必要があります。そのため、M&Aを進める過程では、谷櫻酒造様やfundbookのアドバイザーさんにはかなり多くの質問も重ねさせていただきました。

一方で、酒蔵は「製造業」の一言では語れない、その土地の風土・歴史・文化を背景に持つ特別な存在でもあると思います。以前も何度か酒蔵とのM&Aを検討したことがありましたが、それぞれの酒蔵が持つ思いや背景をこちら側がしっかりと理解し、その上で当社の考えも受け止めていただく難しさは、毎回非常に大きなものでした。今回初めて酒蔵とのM&Aが成約し、その過程ではやはり大変なこともございましたが、結果としてとても良いご縁をいただけたと思っています。

「掲げた経営プランを達成する」。新社長の意気込みと覚悟

M&Aが成約した際の、小宮山様のお気持ちはいかがでしたか?

小宮山氏:直近ではコロナ禍という大きな苦境があって、そのときは資金調達ができたから製造を続けてこられたものの、来年あたりから返済時期になってくるので、先々の不安は多少なりとも抱えていました。そんなときにベルーナさんと出会って、初対面では厳しいことも言いましたが、それでも当社を選んでくれたことはありがたかったですし、将来に対する不安も払拭されていきました。酒蔵を継いで50年、このタイミングで思いきってM&Aをやって良かったと思っています。

小宮山氏

浅野様が谷櫻酒造様の代表に就任した経緯をお教えください。

浅野氏:私はグルメ事業の責任者として、製造と小売りをつなげられれば、お客様により喜んでいただけるだろうと前々から考えていました。なので、当社でM&Aを担当している経営企画室には常々、酒蔵さんと一緒に取り組みたい旨と、そういったM&Aの話があった際はぜひ私に声をかけてほしい旨を伝えていました。谷櫻酒造との話が挙がってからは、自らの足で何度も谷櫻酒造に伺い、自ら事業計画を立てて、「私に経営をさせてください!」と、経営層にも直談判してきました。そうして、グルメ事業の責任者業務をおろそかにしないことを約束したうえで、谷櫻酒造の社長に就任することとなりました。

小宮山氏:ベルーナさんから浅野さんが谷櫻酒造の新社長になると聞いて、私も浅野さんのものすごい熱意を感じましたね。

浅野様ご自身の今後の抱負を、ぜひお聞かせいただきたく思います。

浅野氏:今回のM&Aは、自分の40代をかけるつもりで進めてきました。そして、谷櫻酒造の代表になった際に掲げた以下の経営プランを、必ず達成していく覚悟です。
一、谷櫻酒造が積み上げてきたもの、良さを継承し、後世に繋げる
一、ベルーナとして投資したものを5年で回収する(上場企業としての責務)
一、ローコストオペレーションを推進することで利益を上げ、会社を守り社会に貢献する
一、たくさんのお客様に飲んでいただき、喜んでいただく
一、関わる全ての人の幸せの向上に貢献する

企業の代表になるのは初めての経験ですが、今は不安よりも期待を大きく感じています。

国内外に販路を拡大。「山梨の日本酒と言えば、谷櫻」を目指して

小宮山様が今後のベルーナ様に期待することをお聞かせください。

小宮山氏:谷櫻酒造に一番欠けていたのは、営業力だと思います。かたや、ベルーナさんはそこに大きな強みを持たれています。これまでの当社の経営を見る限りでは、1500石高くらい売れれば会社は回っていきますが、それで満足していては発展し続けられません。両社の強みを活かし合いながら、うまくタッグを組んでいってほしいですね。

日本酒の業界でも、一時的に注目を集めて売り上げを伸ばす事例はよく見かけますが、私はリピート購入されて初めて「売れた」と捉えるべきだと思っています。なので、5年後、10年後に、このM&Aは成功だったという状態になっていることを期待しています。

ベルーナ様はどういった期待や楽しみを抱いていますか?

浅野氏:ベルーナの日本酒通販では、すでに谷櫻ブランドの純米大吟醸の取り扱いを始めていますが、谷櫻酒造は純米大吟醸酒や大吟醸酒といったハイクラスな日本酒以外にも、比較的手の届きやすい本醸造酒も多く造っています。谷櫻酒造の高価格ラインと、ベルーナで売れ筋の低価格ラインの間を狙いながら、お客様にアプローチする方法を模索しているところです。当社にはかなり多くの既存のお客様がいますので、新たなご案内ができることをとても楽しみに思っています。また、ゆくゆくは谷櫻酒造とともに、ベルーナのプライベートブランド商品も開発したいと考えています。

浅野氏と小宮山氏

片山氏:酒蔵さんとお取引先としてつながっているだけでは拾いきれないお客様のニーズが、まだまだあると感じています。酒蔵さんと手を組むことでその酒蔵の個性が当社にとっての武器になり、新たな可能性が見えてくるのではないかと期待を寄せています。M&Aは、成約してからがスタートです。新しい武器を手にニーズの開拓を推し進め、従来のお客様とより深い結びつきを図るとともに新しいお客様との出会いを拡げ、M&Aによる成果を着実に出していきたいと思っています。

最後に、両社様としての今後のビジョンや構想をお聞かせください。

浅野氏:谷櫻酒造の商品は一部、県外や海外に流通していますが、約9割が県内流通です。一方で、ベルーナは通販でつながったお客様が全国各地に数多くいらっしゃるので、谷櫻というお酒を全国のお客様に知っていただけるよう、プロモーションを強化していきます。その次に、日本酒や国産のワイン・ウイスキーの輸出を手掛ける部門と協力して、海外に向けた販売にも力を入れていきたいと思っています。また、当社が国内外で複数展開しているホテルも活用して、飲食業界にも谷櫻のブランドを広げていくことも考えているところです。

そうした取り組みによって、「山梨県の日本酒といえば、谷櫻」と皆様に言っていただけるような、県でナンバーワンの酒蔵を目指していきたいです。昔は県内に約50社の酒蔵があったそうですが、今は11社にまで減少しています。ただ、裏を返せば谷櫻酒造の商品力があるからこそ、時代を超えて飲まれ続けているのだと思いますから、ベルーナの販売力と掛け合わせて、売り上げと利益をしっかり伸ばしていきながら両社で発展していきたいと思います。

小宮山氏:ピーク時の谷櫻酒造は今の3倍ほど製造していたので、人員を増強できれば、設備的にはそこまでの増産が可能です。ベルーナさんとの取り組みによって販売力を上げ、原材料や製法のこだわりはそのままに、より効率よくおいしい酒を増産できる体制を作っていきたいと思っています。山梨でナンバーワンの酒蔵を、一緒に目指していきましょう。

浅野氏と小宮山氏

守るべき技術と文化が未来につながった

谷櫻酒造有限会社 会長
小宮山 光彦氏

後継者不足や経営体制の問題などで、今後もM&Aは増えていくのではないでしょうか。私自身、M&Aに対して最初はすごく抵抗がありましたが、後継者不在の状況と将来を考えたことと、ベルーナさんの日本酒事業への熱意によって、気持ちが変わっていきました。
酒造業という伝統産業において、営業展開することやモノを売ることは、本当に難しいなとつくづく実感する50年でした。アルコールの産業は飽和状態にあると思いますし、まして日本酒や酒類自体の消費数量も減少しているなかでは、どうお願いしても売れないときは売れません。ですが、販売力のあるベルーナさんとの良いご縁をいただきましたから、今はもうこれからに期待するしかありません。
谷櫻酒造が行っているような「伝統的酒造り」は、文化庁が無形文化遺産の登録を目指しているほど、守るべき技術と文化であると言えます。私たちは今まで、頑なに伝統的な手造りの製法を続けてきました。文化遺産に登録されたとき、谷櫻がその枠組みの中で胸を張っていられる未来にもつながったのかなと思っています。

小宮山氏

製造小売モデルを成功させ、業界を活性化させる

株式会社ベルーナ グルメ企画室 室長 兼 谷櫻酒造有限会社 代表取締役
浅野 福太郎氏

日本酒は日本の文化であり、世界に誇るべき深い歴史があるにもかかわらず、酒蔵の廃業は後を絶たず、どんどん数を減らしています。廃業の要因は後継者不在もありますが、業界の国内市場が下降傾向のため、経営が厳しくなっている酒蔵も少なくないと思います。様々な酒類が出回っている今は、日頃飲むお酒に日本酒を挙げる人は少ないかもしれません。ですが、日本酒がもっと身近に感じられれば、飲んでくださる人や消費量が増えるはずですし、そうして業界が活性化していけば、一つ一つの酒蔵も活気を取り戻していくと思うのです。谷櫻酒造とベルーナは、製造小売モデルを成功させて業界の活性化につなげていこうと動き始めました。
酒蔵とのM&Aは個々の企業としての発展だけでなく、業界・産業・文化を守り、発展させていくという、二つの大きな意義があります。当然ながら各酒蔵でそれぞれの考え方があると思うので、経営状況が厳しくとも、決してM&Aだけを重視すべきというわけではありませんが、将来につなぐ手段を考えている酒蔵さんには、M&Aという手段がより効果的な形で推進されるようになればと願っています。

浅野氏

担当アドバイザー 加藤 海 コメント

この度は、業歴170年超の歴史を有し、数々の受賞歴を誇る酒蔵様と、首都圏の上場企業様とのM&Aのお手伝いをさせていただきました。
提携後に、本件がWebニュースにも掲載されたことから、業界内でもインパクトの大きいM&Aだったのではないかと思います。

小宮山社長と初めてご面談をさせていただいた際に、「自分の代で当社の歴史に幕を下ろすわけにはいかない」「M&Aを通じて営業力の高い会社と一緒になることで、より多くの顧客に当社商品を知ってもらえれば」などといったM&Aに対する想いを強く感じ、なんとか谷櫻酒造様の企業存続と更なる発展の一助になれればという想いのもと、全力でご支援をさせていただきました。

結果として、日本全国に独自の販路を築かれているベルーナ様とのM&Aに至り、この提携が谷櫻酒造様のブランドの全国展開を後押しできれば、我々としてもこの上ない幸せです。

fundbookの役割は、経営陣の想いを引継ぎ実現するためのベストなパートナーをお繋ぎし、会社が一段上のステージへ進むお手伝いをすることです。その意味でも、今回は複数社とのご面談を通して、小宮山社長及び谷櫻酒造様にとって幅広い選択肢の中からベストなパートナーとのM&Aをご選択いただけたと思っております。

谷櫻酒造様がベルーナ様というパートナーとともに、更に成長される未来をとても楽しみにしております。

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