事例紹介

業界トップシェアを誇る企業とのM&Aで取引先拡大と事業承継の課題を解決

業界トップシェアを誇る企業とのM&Aで取引先拡大と事業承継の課題を解決
  • 譲渡企業A社
    業種
    製造業
    地域
    関東
    設立
    約30年
    事業内容
    金型製作など
  • 譲受企業B社
    業種
    製造業
    地域
    関西
    設立
    約5年
    事業内容
    電子機器メーカー

金型製作を行うA社は、取引先の業界が斜陽産業になってきたことから、新たな業界での取引先拡大が課題となっていた。加えて後継者についても決定しておらず、親族内承継とM&Aによる第三者への承継を検討していた。
譲渡候補先として紹介したのは、主要製品で世界トップクラスのシェアを誇る大手電子機器メーカーのB社。B社は主要製品で使用する金型製作の内製化を検討しており、製作ノウハウと実績を有するA社とは収益性の拡大や取引先拡充といったシナジーが見込まれ、M&Aが成立。
今後はA社の金型製作技術を活かし、両者ともに収益性をアップさせ更なる事業成長が期待される。

課題

  • 取引先の業界が斜陽産業になっており、新たな業界での取引先拡大が急務
  • 元々は親族内での事業承継を検討していたものの、親族の借入負担を考慮し、M&Aでの事業承継も検討

効果

  • 主要製品で世界トップクラスのシェアを誇る大手企業のB社の譲渡することで、取引先の拡大と大手グループ内からの受注により安定した営業基盤を確保
  • 親族の経営負担や、借入などといった財務面での負担も解消

受注基盤の確保に課題、さらに親族内承継の難しさにも直面

金型製作などを手掛けるA社は、取引先の業界が斜陽産業となってきたことから、新たな業界への取引先拡大が課題となっていた。また、社長は60歳を迎え、後継者についても元々親族内承継で検討していたものの、借入金などの負担を考慮すると親族内での承継は安易には実施できず、M&Aによる第三者への承継も同時に検討していた。

  • 譲渡企業A社
    社長

    私の親族が子会社の社長を務めているのですが、当初は彼への承継をメインに検討しており、事業承継税制を活用して、上手く株式を引き継げないかと考えていました。しかしその一方で、M&Aという選択肢も昨今注目されているようなので、情報収集はしていきたいとも考えていました。そんななか、fundbookから具体的な提携候補先の話が聞けると連絡があったため、一度話は聞いてみたいと思い、面談することにしました。

  • fundbook
    アドバイザー

    A社社長は、当初はあくまでもM&Aは選択肢の一つというお考えでした。しかし具体的にA社との資本提携を検討したいという企業がいらっしゃったため、 2度目の面談の際に譲渡候補先企業の担当者と同行し、オファーの背景と理由を説明しました。A社社長は1つ1つの提案に対して、真摯に向き合ってくださるお人柄で、「M&Aを検討する事は会社にとって良いことである」と感じて頂くとすぐに、他の株主にも代表自ら説明し、納得してもらえるように動いてくださいました。

豊富な実績とノウハウが高く評価され大手電子機器メーカーから熱烈オファー

A社は電子機器メーカーのB社とマッチング。主要製品の世界トップクラスのシェアを誇るB社には、製品で使用する金型の製造ノウハウがなく、大部分を外注していた。金型製造の内製化を検討していたB社は、金型の製作実績を有する数少ない企業の1社であるA社の譲受を熱望。両社の面談はA社の工場見学やB社の製品担当者との会話などを重ね、互いに事業の理解を深めていった。また、A社は海外にも法人を有しており、A社の海外拠点を活用した取引拡大により、両社の収益性や金型製造の技術蓄積・工場をさらに高めるシナジーも見込まれ、コロナ禍によるWeb上の条件調整という状況の中、海外法人を含めた両社が納得できる条件調整を行った。

  • 譲渡企業A社
    社長

    B社さんとお会いし面談する中で、B社さんには圧倒的な規模感と安定した財務基盤があると感じ、A社をお任せするには安心できると感じた一方、社風が合致するのかという不安もありました。最後にM&Aを決断できた要因は、候補先のM&A担当役員の方の真摯な姿勢と人柄でしたね。B社とのM&Aを活用することで解決したい課題がクリアになったと思います。一方で、コロナ禍でコミュニケーションが円滑に取れない状況での海外法人株主との調整が長期化し、成立しない可能性もあるのではと心配もしましたが、アドバイザーのサポートもあり、皆が納得できる条件の調整ができ、安心しました。

  • 譲受企業B社
    社長

    当社が製造する自動車部品の金型製造に関して、技術力を保有している会社は少ないです。なおかつ、ライバル企業が発注している金型製造企業には、情報漏洩の観点から依頼できない状況でした。そのうえでA社は、当社のライバル企業から受注を受けており、A社と資本提携を結ぶことで金型製造技術を内製化し当社だけの金型製造部門となることが可能でした。また、どれだけ業績が傾いたとしても、会社を存続させていることは経営者にとって素晴らしいことです。日本国内企業だけでなく海外現地法人をもマネジメントする経営能力は、グループとして必要不可欠だと感じました。

  • fundbook
    アドバイザー

    当初A社にオファーを出した企業とは、双方にとって期待する相乗効果の実現が難しいと良縁には至りませんでした。しかしM&Aによっての課題解決は会社にとって重要なことであるというA社社長のお考えは揺るがなかったため、当社も継続的にサポートさせて頂きました。世界シェアトップクラスの超優良企業の根幹を支える製造技術力の向上をお手伝いできたことは大変光栄に思います。さらに、金型製造部門だけでなく、A社の海外現地工場を活用したB社の今後の取引拡大にも発展できるマッチングを見出せたことに、素晴らしい仕事ができたと実感しています。

世界トップクラスの企業への承継でさらなる収益拡大へ

条件調整後、手続きは滞りなく進み、A社とB社は無事に成約した。A社の技術は世界トップクラスのシェアを誇るB社へ承継され、A社社長は大手企業への事業承継を通じて世の中に貢献できたと感じていた。今後、両社の協業により、海外拠点を活用した主要製品の生産技術向上や収益安定化による更なる事業成長が期待される。

  • 譲渡企業A社
    社長

    今後A社には、大手グループとして、安定して会社も社員も成長してもらいたいですね。これまでA社で築いてきた軌跡を大切にしながら、新しい風を吹かせてもらいたいと思っています。私は約30年にわたって経営者人生を走り続けてきたので、しっかりと責任ある引き継ぎを終えた後には、家族の為に時間を使いたいと考えています。

  • 譲受企業B社
    社長

    今回の提携を通じて、金型製造における技術力、コストパフォーマンスの向上を目指し、両社の技術者同士レベルで議論を重ねていきながら、製品力の向上に努めたいと考えています。A社には、創業からこれまで培ってこられたノウハウをグループの日本企業だけでなく、当社の海外現地法人とも連携し、研究に励んでいただきたいです。当社では、製造部門の内製化がこれまでのM&A方針でありましたが、今後は当社にない技術力・製品ラインナップをもった企業と未来への投資を行いたいと考えています。

  • fundbook
    アドバイザー

    本件は、A社社長の、M&Aに対する確固としたお考えと、譲受企業目線に立った思考、そしてB社のサプライチェーン強靭化を実現する強い信念がなければ成約しなかったM&Aです。また、現在は自動車EV化により、自動車産業全体が変革を求められている時代で、世界シェアトップの企業でさえ未来への投資を欠かさない体制に、「このM&Aを必ず成功させる」という思いでお手伝いさせていただきました。製造業のM&Aは他の業種と異なり、曖昧なシナジーではなく、実現可能なシナジーを追求することが可能です。今後もグローバル競争が加速する中、製造業のM&Aは益々活性化していくと見込んでいます。

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