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株式会社ラグザイアは2004年の創業以来、代表取締役社長の毛利良相氏と取締役副社長の佐藤学氏が二人三脚で経営を行い、着実に成長を遂げてきた開発会社です。2010年頃からはRuby on Railsに特化したプロフェッショナル集団として、独自の存在感を発揮しています。
二人がM&Aの検討を始めたのは、「これまで熱心に取り組んできた経営がどう評価されるのだろう?」というふとした興味からでした。それが、業務用システム開発大手の株式会社ビーイングとの縁につながり、2019年5月、同社とのM&Aが成約に至ります。二つのIT企業はどのようにして出会い、どのような経緯で結ばれたのか、ラグザイア毛利氏と佐藤氏、そしてビーイングの常務取締役経理部長である後藤伸悟氏に伺いました。
毛利氏:私は新卒でシステム開発会社へ入社したのですが、SES(システムエンジニアリングサービス)の会社だったので、プロジェクトごとに客先へ派遣され、常駐で開発に携わっていました。そのため、帰属意識を感じることもなく、ある程度技術が身についた頃には、大学からの友人だった佐藤と「一緒に会社をつくろうか」と話し合うようになりました。技術者のための会社をつくって、自分たちでサービスを開発し、世に送り出していきたかったのです。
佐藤氏:私は、当時働きながら司法書士を目指していました。ただ、毛利と話し合ううちに、二人で起業する道も面白そうだと思うようになり、そうして会社を作ったのが2004年です。しばらくはお互いにそれまでの仕事を続けていましたが、私が司法書士からラグザイアの経営に完全に舵を切ったため、毛利もラグザイアに専念するようになったのです。
毛利氏:私はアバウトな性分ですが、佐藤は緻密。タイプの異なる二人でやれば、絶対にうまくいくという確信がありました。以来、私は売上に、彼はコスト管理に集中し、その体制は今も変わりません。
毛利氏:お客様との対話を通じて、私たちが本当にやりたいと思える開発案件を中心に手がけてきました。そのため、自ら仕事をつくっている手応えがありましたし、事業も順調に成長を続けてきました。また、人材採用や育成には特に力を注いできたので、個々の技術者のレベルも高いですよ。2019年現在、正社員は16名で3分の1が10年以上当社で働いてくれています。IT企業はどこも人手不足ですが、こうして愛着をもってくれる仲間がいるのは心強いです。
毛利氏:労働環境の整備ですね。技術者がストレスなく開発に専念できるよう、サクサク動作するマシンを揃え、オフィス空間もゆとりのあるものにしました。勤務時間についても、ある程度個人の裁量に任せています。それぞれが、ライフステージにあわせて柔軟に仕事ができるような環境づくりにこだわってきました。
佐藤氏:人を財産と考え、何より大切にしてきたからこそ、彼らも会社の成長にコミットして働いてくれているのだと思います。当社では、受注した案件を誰が担当するのかまで現場の従業員に任せていますし、会社全体に関わることも基本的には幹部陣と話し合ったうえで決定しています。
毛利氏:2007年頃、当時走りだったアジャイル開発に魅力を感じました。要件をがっちり固めてから開発に着手する従来の手法と比べて、機能ごとに細かい開発サイクルを繰り返すためリリースまでが早く、仕様変更のご要望にも柔軟に対応できるからです。このアジャイル開発にもっとも適している言語がRubyでした。Ruby on Railsでの開発力を高めていくことで、他社との差別化になると考えたのです。
また、その翌年にはリーマン・ショックが起こりました。同業他社の倒産が相次ぎ、当社の売上も大きく落ち込んでしまった。そこで幹部陣と今後の方針を考え、Ruby on Railsに特化することで生き残りを図っていこうと決めました。そうして「Ruby on Rails 専門」と打ち出していったところ、以前にも増して多くのご依頼をいただけるようになり、現在に至ります。
毛利氏: 同業の経営者と話していると、M&Aはよく話題にのぼります。ただ、私自身はあまり自分ごととしては捉えていませんでしたね。fundbookのアドバイザーの方とお会いしたのは、2018年の秋頃でした。実は、その期は業績が絶好調だったため、会社の”通信簿”をもらうような好奇心に近い気持ちで企業価値評価をお願いしました。
毛利氏:あまりなかったですね。ただ、この業界でありがちな、不足する人材を補うためのM&Aではなく、組織としての技術力・開発力を活かして共に成長していけるような候補先があるならば、ぜひ話を聞いてみたいとfundbookには伝えました。
後藤氏:当社は1984年に三重県津市で創業し、オリジナルソフトウェアの開発・販売を行っています。全国17都市に営業拠点を持ち、2019年で上場20周年を迎えます。建設・建築業界向けの土木工事積算システムや入札管理システムを主力製品としているのですが、近年はさらなる収益の柱となる新製品開発に注力していました。そこで核となる技術が、Ruby on Railsだったのです。ところが社内に専門家がおらず、また、需要の高さから外注するにも良い依頼先が見つからず、開発は遅れがちでした。
そんな時に、fundbookからラグザイアを紹介されたのです。当社がもう一段飛躍するための起爆剤となり得るRuby on Railsのプロフェッショナル集団。これはぜひとも前向きにM&Aを検討したいと。開発現場の組織や体制が自律的で安定しているのも魅力でしたね。
後藤氏:こちらはキーマンとなる現会長・現社長と私の3名で面談にのぞませていただきました。即戦力となる技術力の高さが魅力だったのに加えて、ラグザイアの今後の成長にも大いに期待できましたし、グループの発展に寄与してもらえるのではと見込んだのです。実際にお二人にお会いしてその期待は確信に変わり、この方たちとぜひ一緒にやっていきたいと、会長以下全員が感じました。
毛利氏:私は、会長がご自身の創業の思いを語られたときに、京都で事業を興して家族を養ってくれた父の姿が重なって見え、勝手ながら親しみに近い思いを持たせていただきました。社長が私と同い年だったのも嬉しかったですね。幸先が良いと感じられました。
佐藤氏:直接お話しさせていただいて、将来像がしっかりとイメージできました。M&Aというのは、一方的に買い叩かれるものではないのだと安心しました。
毛利氏:目の前の仕事があるので、正直M&Aのことを考える余裕がありませんでした。一緒になれたらお互いに成長できるという確かな感覚があり、当社がM&Aをするのであれば、お相手はビーイングしかあり得ないとは思っていたのですが。重要なことですから腰を据えてじっくり考えたいと思いつつ、日々の業務に忙殺されてしまい、なかなか難しかったですね。
佐藤氏:必要な資料や書類を整えるのはどうしてもプラスアルファの作業になりますから、後回しにしてしまいがちでした。M&Aについても正しい選択をしなければと感じながら、毛利と一緒に揺れていましたね。そのような時に、fundbookのアドバイザーの方が頻繁に連絡をくださったので、気持ちを維持することができたのだと思います。
毛利氏:4月の末頃、ビーイングのグループ会社である株式会社プラスバイプラスの室田社長にお会いしたときですね。グループの一員となった今でも、自立して事業を運営されていて、私が望む当社の将来像を見た感覚でした。
後藤氏:プラスバイプラスは、2008年12月にM&Aで譲り受けた会社です。M&A直後は社長と経理担当者を当社から出向させましたが、2~3年で体制が整ったため、プロパー社員だった室田さんに代表取締役社長に就任していただきました。M&A後も自立性を持って経営されている好例だと思います。fundbookからの提案で、当社の姿勢が伝わればと場を設けましたが、確かにこの出会いがきっかけでM&Aの話も前進しはじめましたね。
毛利氏:経営者仲間からは「リタイアするの?」などと聞かれましたが、私も佐藤もそんなつもりはありませんし、会社の体制は基本的に何も変わっていません。むしろグループ入りしたことで財務基盤が安定したので、新たな事業展開に向けて動き出せるようになりました。まずは、今年度中に技術者を5人純増させるべく、採用活動に注力しているところです。私がRuby on Railsのイベントに参加したり、登壇したりして、意欲のある技術者の方と直接コミュニケーションをとっています。これまで以上にラグザイアを成長させ、ゆくゆくは、私たちの夢である自社サービスの開発も実現させていくつもりです。
後藤氏:成約から1週間ほど経って、ラグザイアの従業員の皆さんにご挨拶させていただきました。毛利社長、佐藤副社長のお気持ちがきちんと伝わり、皆さんがこのM&Aを前向きに受け止めてくださっていたのを見て、安心しました。現在、私はラグザイアの監査役を務めていますが、特に口出しすることなく、今まで通りお二人に経営をお任せしています。半年が経ち、これからビーイングの新製品開発にも本格的に関わっていただくことになります。さらなる成長の原動力となるような製品ができることを楽しみにしています。
株式会社ラグザイア
代表取締役 毛利良相 氏
私たちは、M&Aをまったく検討していないところからのスタートでした。そこからfundbookにビーイングという魅力的な会社をご紹介いただき、お話しを重ねるうちに、私も佐藤も、M&Aが最善の選択肢だと考えるようになっていました。特に、プラスバイプラスの室田社長にお会いしたことが、M&Aに対する気持ちを前向きにさせてくれました。実際にM&Aを経験された方のお話というのは、大きかった。その機会をつくってくれたfundbookには感謝しています。
ラグザイアを設立して15年。経営者として色々なものを背負ってきただけに、決断するまでには時間がかかりました。しかし、こうしてM&Aが成約してみると、これまで抱えていた悩みやプレッシャー、いつしか心にこびりついていた贅肉やノイズのようなものから解き放たれたような気がします。こんなにもスッキリした気分で、また仕事に向かえるとは思ってもみませんでした。これは、体験しないと分からない感覚じゃないでしょうか。
ビーイングと一緒になれたことで、創業のときから目指している自社サービスの開発に大きく近づくことができました。佐藤をはじめ、ラグザイアの仲間と変わらず仕事に励み、「技術者のための会社」をつくっていきたいと思います。
株式会社ビーイング
常務取締役経理部長 後藤伸悟 氏
IT業界、特に私たちのようなシステム開発の世界において、M&Aはまったく珍しいものではありません。ただ、慢性的に人材が足りていない業界ですから、単に人材確保を目的とするものも多く、譲り受ける会社とのパートナーシップをいかに構築していくかが、一つの課題になっている気がします。
当社がM&Aによって会社を譲り受ける場合、必要なサポートこそさせていただきますが、基本的には独立性を維持しつつ、それぞれ成長へのドライブをかけてもらおうというスタンスです。あまり会社の体制を変えはしませんし、従業員の方にも今まで通りに働いていただけるよう心がけています。それは、多くのグループ各社がゆるやかに連携し、助け合いながら共にステージを登っていくのが理想だと考えているからです。
今は当社を含めて6つの会社でグループを構成していますが、経営陣は「将来的には100人の社長を作りたい」と明言しています。そのようなビジョンを実現するためのパートナーとして、毛利社長にも佐藤副社長にも、心から期待しています。
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長年会社を共に育ててくれた従業員の幸せを願って
(担当アドバイザーのコメント)
毛利社長、佐藤副社長と初めてお会いしたとき、お二人は42歳という若さでありながら、直近の業績も好調、継続取引しているお客様も多数おられると伺いました。一方で、創業時から目指している「自社サービスの開発」になかなか着手できない状況が続いていることもお話しくださいました。単独での成長も十分に見込まれる状況で、なぜM&Aを検討されているのか。当初こそ私も不思議に思っていましたが、そのような歯がゆさが、M&Aを検討される一つのきっかけになったのかもしれません。
また、これまでの経営のお話や今後のビジョンを深くお聞きするなかで、お二人の言葉の端々に、長年共に働いてきた従業員の皆さんに対する感謝の思いがにじみ、従業員の幸せを第一に考えていらっしゃるのだと感じました。「自社サービスの開発」と「従業員の幸せ」。この二つを叶える理想的なお相手として、数ある候補の中から提案させていただいたのが、ビーイング様です。
ビーイング様は東証JASDAQ上場、主に建設・建築業界向けのソフトウェアの開発・販売事業を手がけ、ニッチ市場を先導するベンダー企業。業界での知名度も高く、財務体質も盤石です。そのような企業様とラグザイア様との良縁を結ぶお手伝いができたこと、心から嬉しく思います。今まさに取り組まれている新サービスの開発において、ラグザイア様がその技術力や開発力を存分に生かし、両社がさらなる成長を果たされること。そして、毛利様、佐藤様が創業時からの夢を実現されることを、楽しみにしています。