事例紹介

相手探しが難しい?面分業薬局が譲渡先と出会えた理由

2019年1月1日、譲渡成立
  • 譲渡企業
    個人経営の調剤薬局
    創業
    2002年

    事業内容
    処方箋調剤、在宅医療サポートなど
  • 譲渡企業
    調剤薬局グループ M&Aにより事業エリアを拡大中
    事業内容
    処方箋調剤、医療品や化粧品等の販売など

調剤薬局業界は医薬分業の進展によりこの十数年で急速に市場が拡大しました。現在は度重なる調剤報酬の改定や、個人経営の店舗における後継者不在など様々な理由からM&Aの動きが活発で、業界再編が進んでいます。

今回の譲渡企業は、およそ30年にわたって地域医療の一端を担ってきた個人経営の調剤薬局です。オーナー様は将来的なご自身の引退を視野に入れつつ、地域のために薬局を存続・発展させたいとM&Aを検討されました。一般的に特定の門前病院を持たない面分業薬局はマッチングが難しいと言われています。およそ2ヶ月というスピード成約となった背景にはどのような出来事があったのでしょうか。譲渡成立からおよそ半年、経営者として、薬剤師として大きな転機となったこの2ヶ月間を改めてオーナー様に振り返っていただきました。

立ち上げに関わった薬局 前経営者から引き継ぎ再スタート

まずは、御社のこれまでの歩みについて教えてください。

オーナー様:この薬局は私ではなく別の方が30年ほど前に創業されたものでした。私は立ち上げ当時に薬剤師として呼ばれて約10年間勤務していました。

その後、別の薬局で働いたり店舗経営の経験を積んだりしていたのですが、十数年前に前経営者から「店を手放したいと考えている」と相談を受けました。私にとっては立ち上げに関わった思い入れのある薬局ですし、ちょうど都内に自分の店を構えたいと思っていましたので、2002年に前経営者から引き継ぎ、店名も改めて新しいスタートを切りました。建物の老朽化のためこれまで2度移転しましたが、創業当時からずっと同じ地域にあります。

事業の特徴を教えてください。

オーナー様:処方箋調剤が中心です。特定の病院が近くにない「面分業薬局」として、様々な医療機関の処方箋を受け付けています。近隣にある内科、皮膚科、眼科、整形外科、歯科、耳鼻咽喉科の患者様はもちろんのこと、職場付近で受診された医療機関の処方箋をお持ちになる方もいらっしゃいます。7名のパート従業員さんと仕事をしていますが、1店舗だけですので経営者としてというよりは、薬剤師として当たり前のことを大切にやってきました。ドクターや患者様の要望をできるだけ細かく察知して対応することを心がけています。

また昨年から、患者様のお宅に訪問して薬剤治療のサポートを行う在宅医療を始めました。かかりつけの先生からご依頼を受けて、ご高齢で一人暮らしをされている患者様のお宅に月1回のペースで伺っています。

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護など社会保障の課題が大きくなる「2025年問題」を見据えて、政府は在宅医療の拡充に力を入れています。我々のような地域の薬局としても在宅医療に舵を切るべき時が来ています。もっと言えば「在宅医療をやらないと、今後さらに再編が進むこの業界で生き残れない」と感じています。

「やめないでほしい」 閉店を引き止めた患者の声

なぜM&Aを検討されたのでしょうか?

オーナー様:2017年頃からM&Aの仲介会社にお話をいただくようになって意識するようになりました。知り合いも含めて複数の会社からアプローチがありましたので。

また、私自身が60代を迎えて、自分が退いた後のことを考えるようになりました。私には後継者がいませんので、引退と同時に店を閉じるのも一つの方法ですが、今まで来てくださった地域の患者様を思うとそういうわけにもいきません。これまでも幾度となく患者様に「やめないでほしい」と言われ、その度に「心配ないですよ」とお答えしてきました。ずっと、この薬局を将来まで継続させる方法を探していたんです。

具体的にM&Aの検討を始めたのは2018年の夏です。店舗の移転による患者様離れで業績が下降気味だったこともあり、売上が安定している門前薬局でないと譲受先が見つかりにくいという話を聞いて不安になったこともありました。しかし、ちょうどそのタイミングでFUNDBOOKのアドバイザーさんにお会いし、「相手は見つかりますよ」と太鼓判を押してくださったのでお任せすることに決めました。

在宅医療を拡大したいというご希望もありますね。

オーナー様:そうですね。時代の流れもありますが、業績不振の打開策としても在宅医療のウエイトを増やす必要があると考えていました。ただ本格的に在宅医療をやっていくには、24時間体制をとらないといけません。昔の街の薬局といえば自宅の1階に店舗があることが多かったと思いますが、今は自宅と店舗が別々というのが主流です。私も電車で1時間半以上かけて通勤していますから、24時間体制というのは現実には難しい。そこに活路が開けるかもしれないというのも、M&Aの検討に踏み切った理由の一つです。

実際のM&Aはどのように進んでいったのですか?

オーナー様:FUNDBOOKさんにお会いしたのが2018年9月頃で、そのおよそ1ヶ月後には譲受企業の社長様と面談させていただきました。お話を伺うと色々なご経験をされていて、この方なら柔軟に対応してもらえるのではと思えました。私から「在宅医療に注力して薬局を存続させ、地域の患者様のお役に立ちたい」とお伝えし、その想いに共感していただけたようでした。

アドバイザー:譲受企業の社長様にとって、東京進出への足がかりができるという実利の面もさることながら、お二人の経営方針や地域医療への想いが通じ合ったというのが決め手になったようです。トップ面談で方向性が一致したことからその後の手続きは非常にスムーズに進み、2019年1月1日に成約となりました。約2ヶ月でのスピード成約です。

地域に在宅医療のニーズあり 薬剤師を補充して新展開へ

わずか2ヶ月でM&Aが成立したのですね。

オーナー様:先方から「M&Aの成約日は縁起の良い元日に」とご提案いただいた時は正直驚きましたし、本当に大丈夫かなと少し心配しました。私自身は2019年の春頃かなと考えていましたので。しかし、FUNDBOOKさんが非常に細やかに対応してくださり、手続きも着々と進んでいきましたので、私もだんだんと前向きな気持ちになることができました。1月1日、無事に譲渡が成立した時には、まずホッと一息ついたのを覚えています。

成約後にはどのような変化がありましたか?

オーナー様:調剤薬局グループという大きな組織の中に入ったことで、エリアマネージャーさんをはじめ相談できる存在ができ、これまでの孤独な経営から解放されました。何かあったときに一緒に解決しようとしてくれる方がいることは非常に有り難いことです。これから徐々に大きなテーマである在宅医療へ舵を切っていくことになると思います。

実は最近、近くに在宅医療専門の薬局ができました。住宅街なのでご高齢の方の比率が比較的高いのです。他の薬局でも在宅医療に進出する店が増えており「業績不振からもう店を閉めようかと思っていたが、在宅医療を始めたところ、想像以上に多くの患者様に利用してもらえるようになった」という話も耳にしています。在宅医療を充実させたいという私の考えが、地域のニーズと一致していることが分かりましたので、譲受企業様とともにぜひ進めていきたいと考えています。

アドバイザー:現在、薬剤師はオーナー様お一人という状況ですが、譲受企業様からもう一人薬剤師を派遣することで、在宅医療の拡充につなげていく方針と伺っています。

地域の患者様のために、薬局の継続を

譲渡企業オーナー様

特に個人経営の調剤薬局では、業績不振や後継者の不在などで廃業を検討されている薬局が少なくありません。実際に私の周りにも同じ悩みを抱えている経営者がいらっしゃいます。しかし、近年は患者様にとって長期的な薬の相談の窓口になる「かかりつけ薬局」への移行が国によって促されていますし、地域医療における薬局の果たす役割はますます重要になっていきます。私たちは、いかに薬局を存続させるかを考えていくべきなのではないでしょうか。

私は地域の患者様のためにM&Aという選択をしましたが、一時は相手が見つからず「廃業しかないのかもしれない」と不安になることもありました。そのような時にFUNDBOOKさんにお会いし、積極的な姿勢でサポートいただけたことで、前向きに将来を考えることができるようになりました。何より、納得できる譲受先をご紹介いただき、しっかりと結果を出してくださったことに感謝しています。

(担当アドバイザーコメント)

今回のM&Aを通じて、この仕事は関わる全ての人を幸せにできる仕事だということを再認識いたしました。

後継者問題と調剤薬局業界の先行きに不安を感じられていた譲渡企業オーナー様、事業エリアの拡大を長年目指されていた譲受企業様、そしてオーナー様とともに働く従業員の皆さんや地域の患者様など、多くの方々が幸せになるためのお手伝いができたと感じております。

今回の譲受企業様をご紹介した理由には、報酬改定等による事業環境の変化にも対応できる規模を有した企業であったこと、そしてM&Aにより事業を拡大していきたいという強いニーズを以前から伺っていたことがありました。もとより双方ともにメリットをご認識されていましたが、トップ面談で譲受企業オーナー様が、業界の動向や将来のビジョン、どのようなシナジーが発揮できるかを明確に、丁寧にご説明され、それが譲渡企業オーナー様の心を動かしてご成約の決め手になったのだと思います。

譲渡企業様には、在宅診療等これからの新たな取り組みに期待しております。オーナー様が思い描かれていた地域と患者様により貢献できる調剤薬局を、ぜひ実現していただきたいですね。

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