プレスリリース

株式会社FUNDBOOK 2021年 年頭のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2021年の年頭にあたり、当社代表取締役CEO 畑野幸治による、社員へ向けた新年の挨拶を下記の通りお知らせします。

FUNDBOOKの社員、並びにご家族の皆さまには、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
年頭にあたり、昨年の振り返りと本年の当社の取り組みについてお話をさせていただきます。

■昨年の振り返りと当社を取り巻く経済環境について
当社は、2017年8月7日の設立から3年が経過し、昨年は社会を取り巻く厳しい経済環境とは相反して躍進の一年となりました。これも偏に、皆さんの努力の賜物にほかなりません。新型コロナウイルスが世界を不安と恐怖に陥れ、その情勢下で企業の様相は根本から変化を求められると同時に、当社が身を置くM&A業界にも激震が走りました。安定的な収益を生み出されている企業の経営者様でさえ、多くの方が突如として先行きが見えない不安に襲われたのです。譲渡企業様のなかでは、コロナ禍の業績悪化によってこの時期のM&Aを控える経営者様もいれば、親族への事業承継から方針転換して、第三者承継に向けて動き出す経営者様も現れました。また、譲受企業様側では、生き残りを案じて内部留保を確保するためにバランスシート経営へとシフトし、経済動向に順応したM&A戦略を立てる手法が主流となりました。しかし、その中でも新型コロナウイルス収束後を見据えて、このタイミングでM&Aを活発化させ事業拡大を目指す事例も多く見られています。

結果として昨年のM&A業界は、緩急のバランスが保てていたように思います。この未曾有の事態のなかで、中堅・中小企業のM&A仲介事業を営む当社を顧みて私が感じたことは、当社のビジネスモデルは経済動向やマーケットの変化にも非常に強いということです。そのような日本経済のなか、本年は『よりよい社会作りへの貢献』というテーマを掲げ、引き続き企業活動の推進に努める所存です。

ここで、当社を取り巻く経済環境について、3点お話します。
1つ目は新型コロナウイルス情勢です。
世界各国はもとより、日本国内においても新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、いまだに多くの人々が感染のリスクにさらされています。製薬企業各社のワクチン開発の進展により微かな希望が広がりつつありますが、季節要因も相まって新型コロナウイルスが社会に与える影響は今なお深刻な状況にあります。私はこの情勢が経済環境に大きく3つの変化をもたらしたと考えています。それは「消費者行動」「就労者の働き方改革」「資産の貯蓄化」です。 昨年4月の緊急事態宣言以降、ウイルスへの恐怖から人々は外出を控えるようになり、ネット通販やデリバリーなどの需要拡大にも表れているように、消費者行動は様相が一変したと言っても過言ではありません。「3密」への警戒感からリモートワークを導入する企業が増加し、企業・個人ともに非常時に備えて現金を蓄えるようになりました。私たちは今、こうした経済や市場の変化に順応した企業戦略が求められています。この情勢下で活況となるビジネスと、そうでないビジネスを明確に分類し、適切な成長戦略をご提案できなければなりません。そして、単に企業間をマッチングして数だけの実績を重ねるのではなく、両社が未来永劫に存続するため冷静で客観的な判断をしていただけるよう精緻かつ的確な情報をご提供し、正しい選択をしていただかなければなりません。今のこの事態だからこそ、私たちはお客様の成功(カスタマーサクセス)をご支援し、末永くお付き合いいただける企業を目指していく必要があるのです。

2つ目は世界情勢に伴う日本の金融市場の変化です。
日本は第二次安倍政権以降、中央銀行による大規模な金融緩和を実施してきました。コロナ禍を契機にいっそう拍車がかかり、今なおマネーサプライの過剰な増加が続いています。これは現代で解決すべき課題と乗り越えるべき苦難を未来に先送りしているとも考えられます。昨年4〜6月期の実質GDP成長率は前期比年率▲28.1%という戦後最大の落ち込みを記録した一方で、株価の上昇が顕著に目立つ昨今は、実態経済と株式市場が乖離した状態だと言えます。いわゆる「不況下の株高」の「金融相場」となっています。
第三次産業を牽引するグローバルIT企業の著しい成長により、米中を筆頭に第四次産業革命へのパラダイムシフトが行われるなかで、世界的な次世代産業の育成が世界経済を大きく動かす側面がある傍ら、国内では債券市場、為替市場、株式市場の連動性が以前と異なる様相を呈しています。 M&A業界では、譲受企業様がファイナンスを活用してM&Aを実施されている状況から見ても、本年の金融市場の動向は軽視できません。私たちは譲受企業様が金融市場の変化にどのような影響を受ける企業様であるのかを見極め、バランスシート経営が重要視されるマーケットに準拠し、カスタマーサクセスを思考の軸において慎重にM&A事業を運営していかなければなりません。

3つ目は経営者のイグジット戦略に関する思考の変化です。
昨年11月に当社が発表した『コロナ禍における経営者のイグジット戦略に関する実態調査』で明らかになったとおり、マーケットボラティリティに連動して企業の経営者の意識に変化が訪れています。特に20〜30代の若手経営者では一段と際立つ変化が起きており、31.6%がコロナ禍を機に新たにM&Aを検討するなどイグジット戦略に変化があったと回答されました。また、保有株式のマジョリティをM&Aにより売却し、マイノリティを保有してファンドや事業会社と共にIPOを目指すという、当社が推進する『二段階イグジット』に関心があると回答された20〜30代の経営者は、半数を超える57.9%となりました。
経営者はいつか必ず、親族内承継、第三者承継、IPO、廃業という4つの選択を迫られますが、従来は廃業と親族内承継のいずれかの選択が一般的でした。加えて、近年は高齢化に伴い第三者承継が選ばれる傾向となりましたが、ここにきて若手経営者の中では、第三者承継とそれを併用したIPOというイグジット戦略が主流となりつつあります。当社の持続的な成長を実現するためには、経営者の思考の変化に順応して経営戦略を策定することが必要不可欠です。私たちは、幅広い年代のあらゆる事業を運営されている経営者様を、M&Aを通じて成功に導くことができるチームにならなくてはなりません。

■本年の取り組みは 『SUCCESS FOR ALL』の研磨
私たちが本年取り組むべきことは、当社がビジョンに掲げる『SUCCESS FOR ALL』の研磨です。この『All』には『Customers(お客様)』 と『Employees(従業員)』の2つを込めており、二者は両輪であると捉えています。すなわち、『SUCCESS FOR ALL』の研磨とは、お客様と全社員の成功のために事業を研磨するということです。私は、お客様の成功があって私たちの成功があり、私たちの成功はお客様によってもたらされるものと考えています。お客様の成功を創出するために、最良のパートナーを探し出す力を磨き上げることはもちろん、M&Aにおける法務・財務・税務、スキーム等の実務上の失態は決して許されることではありません。そして、誤った言葉の使い方や過剰な期待感を煽ることもあってはなりません。M&A仲介事業は、経営者様の人生を委ねていただく仕事です。だからこそ機械のような正確さと、家族のような温かい心を持って取り組まなくてはなりません。

当社が展開する特化型分業モデルやM&Aプラットフォームは、すべて『SUCCESS FOR ALL』のビジョンのもとに設計されています。各部門の専門性を磨き、労働効率を上げることでお客様により丁寧で親密なご対応ができるようになり、そこにテクノロジーの活用をあわせることで、M&Aアドバイザーの思考を超えたマッチングの量と質を提供するビジネスモデルを構築しています。本年の私たちがすべき取り組みは、従来の部門の最適化と多機能化の実現です。私たちはお客様の成功と全社員の成功のために、自らが主体的に思考し、どこまでも柔軟な組織である必要があります。組織のあり方に顧客や社員をはめ込む従来型の日本企業ではなく、今すぐにでもルールやカルチャーを切り替えられるほど変化に柔軟なチームでなくてはなりません。上述したように、経済や市場が目まぐるしく変化する中にいるわけですから、『SUCCESS FOR ALL』を実現し続けるためには、凝り固まった形があってはならないのです。

■よりイノベーターマインドを持て
当社はM&A業界のイノベーターです。創業からわずか3年ですが、私たちが想像していた以上の急成長を実現しました。当社は従来のモデルを参考にするだけではなく、M&A事業の原則や構造を分解し、一からビジネスを組み上げて独自のモデルに創り変えてきました。組織は“チーム”と位置付け、セクショナリズムも権力争いもない、バリアフリーでニュートラルな会社として確立しています。FUNDBOOKに属する社員の皆さんは、そういう“チーム”に属しているという誇り高いイノベーターマインド(革新者の精神)を持ち、率先垂範してチームの発展に寄与する一年にしてほしいと思います。コアバリューに掲げる『Team(チームを大切にする)』『Change(変化を続ける)』『Contribution(社会に貢献する)』を胸に刻み、自ら行動する主体性と積極性を持って企業活動に邁進しましょう。

昨年はまさに激動の一年でありましたが、皆さん本当にお疲れ様でした。社員を支えてくださるご家族の皆さまにも、この場をお借りして深く感謝申し上げます。私たちは『よりよい社会作りへの貢献』を念頭に置き、子供たちに胸を張れる仕事に邁進していると自負しています。 最後になりましたが、本年が社員の皆さんとご家族の皆さまにとって、充実した幸多き一年となりますことを心より祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

株式会社FUNDBOOK
代表取締役CEO 畑野 幸治