スタートアップ企業のM&A


※国内ベンチャー企業へのM&A動向(株式会社レコフデータ調べ)

「スタートアップ」とは新しく立ち上がった企業を指します。こういった企業はイノベーションとスピード感を武器にビジネス界に新風を巻き起こしており、かつてはIPO(新規株式公開)を出口戦略(イグジット戦略)とするケースが大半でした。

しかし2000年以降、短期間で資金調達を可能にする、大企業とのM&Aへとシフトチェンジするスタートアップ企業が増えており、その傾向は加速しながら現在まで続いています。特にアメリカではその動向は顕著であり、イグジット手段としてM&Aを選択する企業が全体の約80%を占めます。

スタートアップ企業におけるM&A活用のメリット

スタートアップ企業のM&Aが急増しているのには、多くのメリットがあるという背景があります。譲渡企業と譲受企業それぞれのメリットをご紹介します。

譲渡企業のメリット

・他社事業との融合でシナジー効果が生まれ、自社経営では成し得ない事業拡大や発展ができる

・大手企業の傘下に入ることで信用度が高まり、投資家や金融機関から資金調達がしやすくなる

・M&Aを行ったことを広報することで取引先や周囲からの信頼が高まり、事業を拡大しやすくなる。

・社長や社員がそのまま継続して事業に携われる可能性が高い

譲受企業のメリット

・新規事業とのシナジー効果を狙うことで、既存事業の強化ができる

・新規開発に伴う負担やリスクを負うことなく、革新的なアイディアやイノベーションを入手できる

・これまで参入していなかった分野に進出することで、新規顧客を取り込める

・優秀な人材やノウハウを確保できる

・スピーディに経営の多角化を実現でき、グローバルマーケットに拡大することもできる

M&Aを実施する際に注意したいこと

スタートアップ企業におけるM&Aを成功させるには、いくつかのポイントがあります。以下の点に留意しながら、進めていく必要があります。

譲渡企業の注意点

・統合をきっかけに譲渡企業のコアメンバーが離職するリスクがある

・条件交渉や手続きに数ヶ月〜1年ほどの時間がかかる

・譲受企業側の希望により、キーマン条項*1を条件とされ、経営者が子会社社長として一定期間残らなければならない場合がある。

・譲受企業がM&Aの経験が浅いと過小評価を受けてしまう可能性があるため、心配であれば慎重に交渉を進めるか仲介会社に依頼するのが好ましい

*1 キーマン条項:譲渡後に事業運営がうまくいかなくなることを防止するために、譲渡企業のキーマン(主に経営者)が一定期間、譲受企業に残ることを定めた条項

譲受企業の注意点

・スタートアップ企業は、既存の市場に存在しなかった斬新なアイディアを武器に急成長する一方、経営面や環境面は発展途上であるのが実情

・譲受企業にとって魅力的に映るスタートアップ企業の新規事業は、急成長しているものの事業が安定していないケースが多く、初期的には結果が見えない場合がある

・新規事業の定着・成功には時間がかかることを念頭に入れて、M&Aを行う必要がある

・統合をきっかけに譲渡企業のコアメンバーが離職するリスクもあり、譲受企業が目的としていた技術やノウハウが入手できなくなる可能性もある

弊社にいただくスタートアップ企業のM&Aご相談の例

FUNDBOOKでは、M&Aに関するさまざまな相談を無料で承っています。ここでは、スタートアップ企業におけるご相談例の一部をご紹介します。

スタートアップ M&A

Aさん(関東・ASP事業)
 
ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)事業を運営しています。ニッチな市場を独占的に開拓したパイオニア的な存在として、実績を積んできました。
 
これまでは一つの分野に特化してサービスを提供してきましたが、市場の伸び悩みから周辺領域との提携を検討しています。その際、M&Aにより自社のサービスやノウハウとのシナジーがある会社と組むことで、さらなる事業の拡大・強化ができればと考えています。

 

スタートアップ M&A

Bさん(関東・アプリ開発事業)
 
スマートフォン向けアプリの開発会社を経営しています。数十名のエンジニアを抱え、業界でもフロントランナー的なポジションで受託開発を多数手掛けてきました。
 
しかし、アプリは端末で動作するツールから、クラウドを利用したユーザーサービスへと転換してきています。そのため、システム構築から運用、個人情報の管理などの経営基盤がある大手企業との資本提携により、事業の拡大と信頼性の確保を希望します。

 

スタートアップ M&A

Cさん(関東・CG映像制作事業)
 
CG映像の受託制作会社を経営しています。ゲームや映画・CMのCG映像などの制作実績があり、ゲームソフトのヒット作もリリースしてきています。
 
VRの映像制作案件も手掛けています。そのため、BtoCでの知見や著作権契約、コンプライアンスなどの実績を持つパートナーとのシナジー効果を期待しています。

 

スタートアップ企業におけるM&Aをお考えなら

スタートアップ企業のM&Aは、譲受企業とって最新技術と専門人材を確保できる有効な手段です。譲渡企業にとっても、独自のイノベーティブな技術をさらに発展させるために経営基盤を強化できる絶好の機会となります。

この分野のM&Aは非常に活発で、中には数十億円規模の契約が結ばれるケースも珍しくありません。一方で、独自のルールで事業を運営しているスタートアップ企業もあり、M&Aでは一筋縄でいかないことも多いため、M&Aアドバイザーなどの専門家を交えながら慎重に検討することが重要です。