調剤薬局 M&A

調剤薬局のM&A

厚生労働省の発表によると、2017年末は全国の薬局数は59,138軒でした。これは2000年末の46,763軒よりも大幅に増加しています。また、調剤医療費は2005年度の4兆5,927億円から、2017年度は7兆7,129億円へと伸びており、業界規模は大きな成長を続けているといえます。

調剤薬局 M&A

その背景には、1980年代から進んだ医薬分業の普及があります。医薬分業とは、医師が患者の診察と薬の処方を行い、薬剤師が薬局で調剤などを行う分業制度で、海外では既に主流となっていたものです。医薬分業率(処方箋受取率)は、1986年度には9.7%でしたが、2017年度には72.8%となり、現在では医薬分業が一般化しているといえます(日本薬剤師会「医薬分業進捗状況」)。

調剤薬局業界は、大手調剤薬局専業チェーンのシェアが上位10社で15%にも満たないという、中堅中小・個人薬局が多い業界です。しかし、近年では医療費削減政策によって薬価の引き下げが進み、調剤薬局の収益率が低減し、業界の再編が進んでいます。そのため、中堅中小・個人薬局を譲渡企業、大手薬局会社を譲受企業としたM&Aが活発化しています。

調剤薬局におけるM&A活用のメリット

調剤薬局業界においてM&Aを行うことで、譲渡企業・譲受企業がそれぞれ受けるメリットについてご紹介します。

譲渡企業のメリット

・後継者問題を解決できる

・創業者利益を確保できる

・薬局の店舗が存続することで、地域の医療を守ることができる

・業務の機械化や効率化により人件費の削減を図れる

・医薬品を一括で仕入れることが可能となり、その結果コストを抑えることができる

譲受企業のメリット

・効率的に新規マーケットが開拓できる

・薬剤師の確保が難しい中、業務経験のある人材を確保できる

・系列店一括での在庫管理や人材の異動によって、全体の配送コストや人件費が削減できる

・スケールメリットを得られる

・(異業種の場合)調剤薬局業界に新規参入するにあたり、ノウハウを獲得できる

・薬剤師の確保や販路の拡大を図れる

M&Aを実施する際に注意したいこと

調剤薬局 M&A

調剤薬局業界のM&Aの特徴は、後継者の不在や薬剤師など人材確保の困難から、廃業を考える個人薬局を譲渡企業に、大手チェーン薬局を譲受企業とするケースが多いことです。M&Aは譲渡企業・譲受企業の双方にメリットが多いですが、成功させるにはいくつかのポイントがあります。

譲渡企業の注意点

・全国6万軒弱の調剤薬局の多くが個人薬局であることから、将来的には譲渡企業の供給過多になる可能性がある

・上述の理由から譲受企業の選択肢が増え、譲渡の際の対価は徐々に下がることが予想される

・地域に密着した個人薬局の場合、地域の特徴を重んじて譲受企業を選択しなければ、地域の患者の理解を得られない可能性がある

譲受企業の注意点

・地域に密着した個人薬局が譲渡企業の場合、おもな処方元医院である地元クリニックの医師の理解が得られないと、M&A実施後に客数の激減が考えられるため、事前の相互理解が欠かせない

・譲渡企業となる個人調剤薬局は慢性的な薬剤師不足が続いていることが多いため、就業している薬剤師の状況次第では、薬剤師の増員の必要がある

弊社にいただく調剤薬局業界のM&Aご相談の例

FUNDBOOKでは、M&Aに関するさまざまな相談を無料で承っています。ここでは、調剤薬局業界におけるご相談例の一部をご紹介します。

調剤薬局 M&A 相談

Aさん(北海道・老舗薬局)
 
政令指定都市内に店舗を構えており、開局以来地元で20年以上営業している調剤薬局です。おもな処方元は心療内科で平均単価は高く、集中率は50%程度です。
 
年間1,000万円ほどの利益を安定して上げていますが、身近に後継者の候補が不在であり、今後も地域の患者様への継続的な治療の提供を行うために譲渡できるお相手を探しています。

 

調剤薬局 M&A 相談

Bさん(中部・総合病院を処方元医療機関とする調剤薬局)
 
調剤薬局を2店舗経営しています。処方元の医療機関はおもに総合病院で、店舗間は車で数十分ほどの距離なので、楽に移動できます。そのうちの1店舗は、近隣に新しい処方元医療機関ができるため、今後は処方箋枚数が2~3倍になることが予想されます。
 
しかし、そのような状況の中で慢性的に薬剤師不足が自社の課題となっており、今後の経営を安定化するために譲り受けていただけるお相手を探しています。

 

調剤薬局 M&A 相談

Cさん(関東・住宅街に店舗を構える調剤薬局)
 
東京都内の住宅地に立地する調剤薬局です。私自身は薬剤師の資格を保有しておらず、薬剤師の正社員が管理薬剤師として在籍しています。1ヶ月の平均処方箋枚数は約1,500枚と、たくさんの地域の患者様からご利用いただいている一方、薬剤師不足が経営課題となっており、薬剤師の派遣により足りない手を何とかカバーしている状況です。
 
そのため、薬剤師の獲得や派遣をしていただけるお相手が見つかれば、さらなる発展が期待できます。

 

調剤薬局におけるM&Aをお考えなら

調剤薬局 M&A

調剤薬局のM&Aは、譲受企業にとって効率的に新規マーケットを開拓できることや、店舗の増加によるスケールメリットを得られることが魅力です。譲渡企業に関しては薬剤師の確保や、引退後も事業を承継することで地域の医療を守ることができます。ただし、譲受企業が薬剤師を確保できるかどうかや、店舗の立地によっても、M&A実施後の見通しは変わってきます。

譲渡側も譲受側も、アドバイザーなどの専門家を交えながら、慎重に契約を締結することが重要です。弊社には、調剤薬局のM&Aに精通したアドバイザーが多数在籍しております。ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。