電気工事 M&A

電気工事業界のM&A

国土交通省の発表によると、2017年度の電気工事の受注額は約1兆5,514億円。東日本大震災の復興工事や2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連の需要により、ここ5年ほどは、低迷していた2009~2012年度と比較して3,000億円前後の売上増となっています。

電気工事 M&A

※電気工事大手(20社)の受注高(国土交通省「設備工事業に係る受注高調査結果」)

一方で、慢性的な人手不足に加えて、将来的な人材確保にもさらなる困難が予想されることや、オリンピック効果の反動、人口減少の影響への懸念から、電気工事業界では業界再編の機運が高まっています。このような状況の中で、隣接する業種との提携を中心とする、M&Aの動きが活発化しています。

M&Aの意味に関しては下記をご参照ください。

▷関連記事:M&Aとは?メリットや手法、流れなど成功するための全知識を解説

電気工事業界におけるM&A活用のメリット

電気工事業界において、M&Aを行うことで譲渡企業・譲受企業がそれぞれ受けるメリットについてご紹介します。

譲渡企業のメリット

・後継者問題が解決できる

・空調工事や給排水工事、ビルのメンテナンスなど、隣接する他業種と同じグループの企業になることによって、顧客に対してワンストップでサービスを提供できるようになる

・大手資本のグループ会社となることで、自社単独の場合に比べて人材の確保ができる

・従業員の雇用を維持できる

・創業者利潤が得られる

譲受企業のメリット

・隣接する業種へ進出することが容易になる

・新規エリア進出の足掛かりになる

・自社グループ内で電気工事が可能になり、顧客に対してワンストップでサービスを提供できるようになる

・電気工事士や電気主任技術者といった資格を有している人材を獲得できる

・新規顧客の獲得につながる

M&Aを実施する際に注意したいこと

電気工事 M&A

電気工事業界のM&Aは、譲渡企業・譲受企業の双方にメリットが多いものですが、成功させるにはいくつかのポイントがあります。

譲渡企業の注意点

・現在はM&Aによる業界再編が活発に行われているが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後は風向きが変わる可能性があるため、早い段階でM&Aを検討した方が譲り受けニーズが高い状態で進められる

譲受企業の注意点

・電気工事業界は、社会の状況によって設備工事や修繕工事などの需要が変動する可能性がある

・譲受企業は譲渡企業の経営状態に加え、未成工事支出金の扱いや直請・下請比率、工事の発注元などにも注意を払う必要がある

電気工事業界におけるM&A動向

M&Aは、業界の特徴や社会情勢によって交渉の仕方も変わってきます。ここでは、電気工事業界におけるM&Aの動向についてご紹介します。

地方の大手設備工事会社が首都圏の会社を譲受

首都圏でビル・工場などの空調管工事や防災設備工事などを手掛ける小規模な総合設備会社は多くあります。そうした企業を、地方で電気から空調、情報通信、配線、発送変電工事まで、さまざまな設備を手掛ける総合設備エンジニアリング企業が譲り受けるケースがあります。

譲渡企業は、大手設備会社のグループ企業となることで、ほかの工事についても一貫したサービス提供が可能となります。譲受企業は、首都圏での空調管工事や防災設備工事の受注拡大、専門技術を持った人材の獲得ができます。また、電力の供給面での連携の強化や企業グループとしての連携の強化を図ることもできるため、両社にとっての利害が一致してM&Aを成立させる例もあります。

インフラ事業会社による電気・通信設備工事会社の譲受

反対に、全国で電気やガス、水道といったインフラネットワークの構築を手掛ける大手企業が、地方で通信・電気・土木などの幅広い工事を請け負う設備会社を譲り受けるケースもあります。通信や電気の分野で連携することで、互いに対応エリアや提供できるサービス分野の拡大を図ることができます。

また、M&Aを行うことにより、グループ一体で連携するシナジー効果の発揮や、さらなる成長戦略を推進することもできます。

M&Aは業界によってスキームや得られるメリットは様々です。以下の記事では、実際に電気工事業界で行われたM&Aの事例を詳しく紹介しています。

▷関連記事:【2019年最新版】電気工事業界のM&A事例9選!専門家による解説付き

電気工事業界におけるM&Aをお考えなら

電気工事 M&A

電気工事業界は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの需要や、その他の工事業界の動向が大きく影響します。特にここ数年は、業界再編の動きが活発化し、状況が変化しています。

それだけに、電気工事業界ではM&Aを行うタイミングが重要になってきますので、アドバイザーなどの専門家を交えながら慎重にM&Aを進めることが重要です。