建設業界のM&A

国土交通省が発表した「平成30年度 建設投資見通し」によると、2018年度の建設投資の見通しは、前年度比2.1%増の57兆1,700億円となっています。ピークであった1992年度の84兆円には遠く及ばないものの、2020年東京オリンピック・パラリンピックの関連需要などに押され、3年連続の増加となる見込みです。

建設業界 M&A

その一方で、建設業許可業者数は、ピーク時であった2000年には60万980業者あったところが、2018年には46万4,889業者へと22.6%も減少しています(国土交通省「建設業許可業者数調査」2018年3月末時点)。業者数が減る一方で、建設業界におけるM&Aの成約件数は、2011年の年間約45件に対して、2017年には約90件と倍近くになっています(株式会社レコフ調べ 2017年時点)。

M&Aの意味に関しては下記をご参照ください。

▷関連記事:M&Aとは?メリットや手法、流れなど成功するための全知識を解説

建設業界におけるM&A活用のメリット

建設業界においてM&Aを行うことで、譲渡企業・譲受企業がそれぞれ受けるメリットについてご紹介します。

譲渡企業のメリット

・後継者問題を解決できる

・創業者利益が得られる

・企業を存続し、従業員の雇用を守ることができる

・譲受企業から資金提供を受けることで、建築業許認可要件である財産的基礎を維持できる

譲受企業のメリット

・人材不足が深刻な中、技術者をはじめとする人材が確保できる

・地方進出の足がかりを得られる

・新たな顧客を得ることができる

・工事実績や業歴を引き継ぐことができる

・海外(特に新興国)とのM&Aの場合、海外市場への進出チャンスが生まれる

・自社にない専門技術を獲得することができる

M&Aを実施する際に注意したいこと

M&Aは、譲渡企業・譲受企業の双方にメリットが多いものですが、成功させるにはいくつかのポイントがあります。

譲渡企業の注意点

・譲受企業から見て魅力的に思われるように財務状況を整える。具体的には原価管理や借入状況の見直し、元請けの比率を上げる

・職人の雇用形態について改めて確認し、請負契約などで経験豊かな人材を揃える

・同じ建設業でも建築/土木、民間/公共など得意分野が異なるため、お互いの分野を補完するかたちでシナジー効果が生めるかどうかを確認し、譲受企業を選ぶ

譲受企業の注意点

・譲渡企業の工事実績の内容はどのようなものか、現在の民間/公共工事の割合、建築/土木工事の割合はどうなっているかを確認する

・譲渡企業に有資格者はいるか、経験豊富な従業員がいるかを確認する

・M&Aに際しては、譲渡会社と顧客とのあいだに築かれた信頼関係に十分配慮し、担当変更なども慎重に対処する必要がある

弊社にいただく建設業界のM&Aご相談の例

FUNDBOOKでは、M&Aに関するさまざまな相談を無料で承っています。ここでは、建設業界におけるご相談例の一部をご紹介します。

建設業界 M&A

Aさん(関西・工務店経営)
 
関西圏を中心として、注文住宅の設計・施工を行う工務店です。一般の住宅だけでなく、古民家再生や寺社の施工にも対応可能で、自然と調和した家づくりを行っています。建築はすべて専属の大工で行っており、創業以来30年で手掛けた新築案件は600軒以上あります。
 
お客様のご紹介により客足は途切れることなく、来期は最高収益を見込んでいます。しかし、親族や社内に後継者候補がおらず、今後も会社が続いていく方法を考え、M&Aの検討を始めました。社のモットーを理解し、尊重してくれる譲受企業を募集しています。

 

建築業界 M&A

Bさん(関東・注文住宅の設計・建築・リフォーム事業)
 
関東にて、注文住宅の設計・建築・リフォームを手掛けています。自然素材も取り入れたデザイン性の高い外観に加え、断熱性に優れた工法を取り入れ、快適な暮らしをお客様に提案しています。
 
営業活動はほとんど行っていませんが、インバウンドで幅広い顧客層からご相談をいただいております。後継者が不在のため、他社への譲渡を検討中です。

 

建設 M&A

Cさん(関西・建設事業)
 
地域に根ざし、個人の住宅からマンション、地元企業、老人ホーム、学校や体育館などの公共工事まで、官民双方の案件を幅広く受注している建設会社です。
 
建築士や宅建士などの資格を保有する社員は全体の8割に上り、下請け協力会社は数十社に上ります。後継者が不在のため、他社への譲渡を希望します。

 

今回紹介したご相談例のように、自社の希望する条件に合ったM&Aの相手を見つけたいという声も多く、建設業界ではM&Aが盛んに行われています。

以下の記事では、実際に建設業界で行われたM&Aの事例を詳しく紹介しています。

▷関連記事:【2019年最新版】建設業界のM&A事例11選!専門家による解説付き

建設業界におけるM&Aをお考えなら

建設業界でのM&Aを成功させるためには、交渉時に譲渡企業・譲受企業の両社でしっかり話し合い、起こりうる問題を非常に細かい部分まで想定して対策を立てておく必要があります。弊社には建設業界に精通したM&Aアドバイザーが多数在籍しておりますので、お気軽にご相談ください。