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2023/09/29

スモールM&Aとは?メリットやデメリット、押さえておきたい2つのポイント

スモールM&Aとは?メリットやデメリット、押さえておきたい2つのポイント

昨今、「M&A」はよくニュースなどでも耳にしますが、「スモールM&A(マイクロM&A)」という言葉は初めて聞いたという方が多いかもしれません。一般的にスモールM&Aとは、「譲渡対価が1,000万円以下」のM&Aを意味します。個人経営の店舗などの事業承継には、このスモールM&Aは有効な手段の1つです。

ここではスモールM&Aの目的、事前準備、M&Aアドバイザー選びなどについて、詳しく解説します。

※金額規模が比較的小さいスモールM&Aでは、企業ではなく個人が譲渡・譲受けする場合もあります

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・M&Aに向けて事前に準備すべきこと

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スモールM&A(マイクロM&A)とは

スモールM&Aとは、1,000万円以下の金額で会社や事業、店舗などの資産を譲渡、譲受けすることです。

一般的なM&Aと異なる点として、スモールM&Aで主に扱われるのは以下の2つです。

・後継者がいない個人経営の会社や事業
・赤字状態の小規模な会社や事業

前者は、相当の年月に渡り事業を継続的に経営し、利益が出ている会社だと考えられます。M&A後もこれまでのやり方を踏襲すれば、安定的に収益を得られるでしょう。

一方、後者は赤字となっている理由や問題点をしっかりと突き止め、改善策を講じなければ事業として成立しない可能性があります。しかしそれさえ解決できれば、赤字を脱し経営を波に乗せられることも期待できます。譲受企業は事業をゼロからスタートさせるより容易に、新規事業に参入できるというメリットがあります。

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スモールM&Aが注目されている背景

これまでスモールM&Aがあまり注目されていなかったのは、案件規模が小さいことなどを背景に既存のM&Aの仲介会社が取り扱わなかったことが一因です。しかし、零細企業や中小企業の後継者問題が叫ばれる昨今、小規模なM&Aに関しても取り扱う仲介会社が出てきています。スモールM&Aを扱う仲介会社は、M&Aを専門で行う仲介会社(独立系)がほとんどで、他には会計事務所、税理士事務所などがあります。

またインターネットの普及を反映し、M&Aの相手先企業とオンラインでマッチングできるプラットフォームサービスも確立しました。そういったことも、スモールM&Aが注目される一因となっています。

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スモールM&Aのメリット・デメリット

それでは、スモールM&Aを実施したい譲渡企業の視点で、そのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリットについて

メリットについて

まずスモールM&Aを行うメリットについて1つずつ、説明します。

1.事業継承や引継ぎ問題の解決

オーナー自身で事業を継続していくことが困難になった、継承してくれる親族がいないなど譲渡を検討する会社にはさまざまな理由があります。
しかし、M&Aにより会社や事業を譲渡すれば、これらの問題の解決が見込めます

2.個人保証や担保からの解放

小規模事業者は個人保証や担保を背負っているケースも多々あります。M&Aを行うことで、譲受企業に個人保証や担保などを引き継ぐことも可能です。
さらに、M&Aにより事業(株式)を売却すれば、創業者利益を得られる可能性もあります。

3.会社基盤の強化による従業員の満足度の向上

オーナー自身以外へのメリットとしては、従業員がM&Aによる恩恵が得られることです。M&Aによって会社や事業が承継され、更なる発展が見込まれる場合、従業員やその家族の生活は経済面で安定することが期待できます。場合によっては大手企業が譲り受けることで社会的な信用力が向上したり、賃金などの待遇が改善されたりすることもあります。

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デメリットについて

一方、デメリットについてもきちんと把握しておくことが大切です。

1.経営の意思決定を単独で行えない

M&Aにより会社や事業を譲渡すると、これまでと同じように独断で会社の意思決定をすることができません。M&Aによって株式の過半数を譲渡した場合には、経営権が譲渡企業から譲受企業に移動するためです。

2.すべての希望を満たしてくれる譲受企業を見つけるのは難しい

スモールM&Aは通常のM&Aと比べて金額面から成約へのハードルは低いですが、譲受企業との一定の交渉が必要になります。譲渡価格、会社譲渡後の経営者の処遇、従業員の雇用など、何を最優先しどこまで甘受するか、事前にしっかり優先順位をつけてM&Aを進めることが大切です。

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スモールM&Aの検討をはじめる前にやるべきこと

実際にM&Aを検討する場合、事前に何をすべきなのでしょうか。まずは具体的に何を譲渡したいのか、どういった理由で譲渡したいのか、この2点を明確にしておく必要があります。また、いつまでに成立させたいか、スケジュール感もしっかり念頭に置いておくことも重要です。

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しかし、これらを明確にしたからといって経営者自身でM&Aを行うのは難しいでしょう。実際のところ、M&AはM&Aアドバイザーと進めることが一般的です。この項ではM&Aアドバイザー選定と、譲受企業の選び方のポイントを紹介します。

M&Aアドバイザーを選ぶポイント

M&Aアドバイザーの選定は、M&Aを成約させるために重要になります。

第一のポイントは、個人経営などの小規模M&Aの案件の実績が豊富か、充分な経験を積んでいるかといった点です。なぜなら大規模なM&Aの取引や、それよりやや小規模の取引がターゲットのスモールM&Aを得意としているM&Aアドバイザーもいるためです。規模の違いによって、M&Aの進行の調整なども異なってきます。

次に、M&Aアドバイザーが譲受候補企業をいかに多く紹介してくれるかです。1~2社の提示件数では十分に比較検討することが難しいです。そのため多くの譲受候補企業から検討できるように、企業のマッチングを行うプラットフォームを有するM&A仲介会社に依頼することも有効な手段です。

最後に、法律や会計税務、経営などの専門知識に秀でているかどうかも、選ぶポイントの1つです。M&Aアドバイザーの経験や実績を確認するようにしましょう。

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譲受企業を選ぶポイント

ここからは譲受企業の選定基準について解説します。

譲受企業が信頼できるかどうか慎重に判断する

一般的に規模の大きなM&Aの場合であれば、相手先がどんな会社で現況がどうなのか、慎重を期して事前の判断にしっかり時間をかけます。

一方、スモールM&Aでは譲渡額が少額となるため、M&Aがスピーディーに進むこともあります。しかし、相手がどういった事業を展開しているのか、実績などを誠実に伝えてくれて信頼に足る会社かどうか、といった点を事前にしっかりと確認してから決断しましょう。

譲受企業のM&Aの目的や譲受後の経営方針を確認する

M&A後に譲渡した会社や事業がどうなるかは気になるものでしょう。これらの疑問解決のためにも、譲受企業にM&Aの目的やM&A後の経営ビジョンを聞き、当面の課題などに真摯に向き合ってくれる譲受企業を選ぶべきです。

例えば、譲受企業は大規模な日本酒の醸造メーカー、譲渡企業はあるブランド日本酒で有名な地方の小さな酒蔵としましょう。また譲受企業は海外にECサイトを通じて日本酒を販売していますが、どうしても譲渡企業のブランド日本酒をラインアップとして加えたい、という戦略があるとします。この場合、譲受企業はラインアップの拡充、譲渡企業は自社ブランドの拡大という大きなシナジー効果が期待できます。

▷関連記事:譲渡企業側こそ意識しよう。企業選定で欠かせないポイント「シナジー効果」とは

譲受企業の選定を焦りすぎない

M&Aにおいて譲受企業選びを焦ってはいけません。果たして、譲受企業が本当に譲渡企業にとって理想的なのか、M&Aアドバイザーが提示してくれる候補先を一件一件、メリット・デメリットを比較検討しながら決めることが大切です。

まとめ

スモールM&Aは、譲渡対価が1,000万円以下の小規模事業者が対象のM&Aです。成立すれば、後継者問題を解決できるだけでなく、創業者利益を得られる可能性もあり、経営者にとってはメリットも大きい選択肢です。ただし、相手先が誠実で信頼に足る会社であるかを見極めるなど課題もあります。不安や疑問に思うことがあったら、M&Aに詳しいM&Aアドバイザーに依頼することをおすすめします。

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