M&Aの一般的手法、株式譲渡とは?徹底解説

カテゴリ:M&Aの手法

2017/11/24

株式譲渡
M&Aは20年前に比べると格段に日本国内に浸透しており、「買収」「のっとり」という好ましくない印象のあった昔と比べると、今では経営手段の一つとして注目されてきています。

一言にM&Aといっても色々な手法があり、譲渡企業のニーズによって使い分けられますが、事業承継を目的とした中小企業のM&Aにおいてはその手続の手軽さゆえ、株式譲渡によるM&Aが9割前後です。本記事では株式譲渡の解説とメリット・デメリットをご紹介します。

会社丸ごと譲り渡す株式譲渡

会社にはいくつかの形態があります。株式会社である場合、上場している・していないに関わらず株式を一定数発行しており、株式を付与することの対価としてファンドや投資家等の出資者から資金を調達しています。株式会社は資金調達が比較的容易という点で広く知れ渡っている形態です。

また、株式の保有率によって出資者が持つ権利が変わります。一株でも持つと株主総会の際、書面での事前質問権や株主代表訴訟提起権等を得られます。三分の一を超えると株主総会において拒否権を発動でき、株式保有率が半数を超えると当該企業の経営権を得る事ができます。これを踏まえると、M&A業界でいう株式譲渡とは、譲渡企業のオーナーが持つ株式を全株式の過半数を譲受企業に売却することにより、会社の経営権を移転させる手法です。

リタイア後も株主総会で最低限の権利を確保しておくことを考慮すると、3分の2程度を売ることが一般的です。

株式譲渡の際に留意すべき点

株式を使用してM&Aを行う場合、譲渡企業がしっかりと株主名簿を管理しておく必要があります。管理体制が整備されていない状態だと、いざM&Aが合意にいたって実際に株式を譲渡する際に障害となる危険があるためです。オーナーが記憶しているだけで株券と株主の情報が記録されていないと経営が移ったときに株式の実態が分からなくなり、オーナーの記憶違いの恐れもあります。

従って、M&Aの前には事前に株主名簿の整理を行い、自社の株式の実態をデータとして残しておく事が重要です。

経営者が知っておくべき株式譲渡と株式交換の違い

M&Aには株式譲渡と株式交換という二つの手法があります言葉は似ているので混同してしまいがちですが、この二つはM&A後の動きがまったく違うのでしっかりと区別しておく必要があります。株式交換は、譲渡企業の全株式を所有し完全に親子関係の会社を作る際によく用いられる方法です。株式譲渡の場合、譲受企業側は株式取得のための資金調達が必須ですが、株式交換の場合は現金の代わりに譲受企業の発行する新株で支払います。

この手法は主に上場企業とベンチャー企業間のM&Aで用いられます。上場を目指すベンチャー企業が既に上場している企業と株式交換を行うことで上場企業の完全子会社となり、安定した事業拡大の可能性を高めます。しかしながら株式交換だと現金が手に入らず、株式を売るにしても全株まとめて株式市場で売却するという事が困難な場合もあります。

換金のハードルが高いという点では株式交換による企業譲渡は人を選ぶでしょう。

株式譲渡により迅速に進むM&A

他の手法と比べて手続きが簡素で、迅速な実行が可能です。負債や簿外債務等を譲受企業に引き継いでもらう事もできます。また、会社を丸ごと他社に承継するため、従業員や取引先もそのまま引き継ぐ事ができます。法律上は同一組織ではないので別組織として運営できるのも利点です。

最大の利点としては、譲渡額に対する税率が低いため、譲渡企業オーナーは多額の創業者利潤を得る事ができる点です。もっとも、簡単な手続とはいえ経営権の移行を伴うので、株主は勿論のこと経営陣や従業員、金融機関等の利害関係者に大きな影響を与えます。そのため、株式譲渡にいたるまでは慎重に進める必要があります。

株式譲渡の際に留意すべき点

株式譲渡後、実務の引継ぎ期間がある程度必要です。その為取引自体はすぐ完了しても顧問職や代表、会長という役職で残り、円滑な引継ぎのサポートをする流れになります。こちらに関しては譲受企業側との面談によって合意の上決めていくものですが、一般的に、M&A後しばらくは会社に残り続けるケースが多いと考えられます。

まとめ

今回はM&Aの一手法としての株式譲渡とそのメリットについてご紹介しましたが、M&A後にどういう状態でありたいかによって最適な手法は変わります。会社の売却はとても大きな決断なので、しっかりと未来図を描いて、後悔しないM&Aを目指しましょう。

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