M&A 期間

M&Aを検討する際、成約までにどれぐらいの期間が必要なのか知りたい、できるだけ短期間で成立させたいという要望を持つ経営者の方は多いのではないでしょうか。M&Aのおおよその期間を把握することで、事前にスケジュールを立て、計画的に進めることができます。

市場動向の移り変わりが激しい現代では、M&Aに数年かけてしまうとトレンドに乗り遅れてしまうリスクもあります。本記事では、M&Aのおおよそのスケジュールや期間をイメージし、円滑にM&Aのメリットを得られるように解説します。

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M&Aのスケジュール。期間は概ね半年間から1年

M&Aに必要となる期間は規模にもよりますが、最低でも半年~1年以上はかかるといわれています。規模が大きいほど、期間は長くなる傾向にあります。ここでは、一般的なM&Aの手続きの流れに従って、かかる時間を説明していきます。

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譲渡企業

M&A仲介会社

譲受企業

準備フェーズ

相談/問い合わせ

M&A
仲介会社

相談/問い合わせ

秘密保持契約の締結・
アドバイザリー契約締結

買いニーズ登録

各種資料の提出

ネームクリア

企業価値評価の実施・
企業概要書の作成

 

ノンネーム登録

ノンネーム検討

交渉フェーズ

 

秘密保持契約の締結

 

企業概要書の確認

 

アドバイザリー契約締結

 

トップ面談

 
 

基本合意

 

最終契約フェーズ

 

デューデリジェンス

 
 

最終合意

 
 

最終契約の締結・
クロージング

 
 

ディスクロージャー

 

まず、譲渡企業はM&A仲介会社などに相談してM&Aの目的の洗い出しや基本方針を決め、秘密保持契約とアドバイザリー契約を結びます。契約後、決算書類などの資料の提出をし、仲介会社による企業価値評価の実施、企業概要書の作成、ノンネーム登録などを行って、マッチングとよばれる相手企業探しを始めます。

一方、譲受企業はM&A仲介会社と秘密保持契約とアドバイザリー契約を締結したうえで、仲介会社を通して譲渡候補企業の検討を行います。

譲渡企業、譲受企業とM&A仲介会社の契約締結が完了し、トップ面談、基本合意へと進みます。この秘密保持契約、アドバイザリー契約の締結、マッチング、トップ面談、基本合意まで、通常3~4ヶ月ほどかかります。また、M&Aの条件や自社の状況によって、相手企業とのマッチングに更に多くの時間を要することもあります。

そして、譲受企業が譲渡企業の財務状況などを詳細に調査するデューデリジェンス(DD)が行われます。このデューデリジェンスは、財務、税務、法務、人事など多岐にわたり、弁護士や会計士、税理士といった専門家が譲渡企業の企業価値や譲受け後のリスクなどを調査する重要なものです。

中小企業の場合、デューデリジェンスの準備をその他の手続きと並行して進めておけば、デューデリジェンスを1~2週間で終わらせられるでしょう。しかし、企業の規模が大きい場合は、デューデリジェンスの調査項目も増えるため、2ヶ月以上かかる場合もあります。

デューデリジェンスが完了したら、その調査結果をもとに譲渡価額や諸条件などの調整をし、最終合意から最終契約の締結、クロージングとなります。この期間はおおよそ2~4週間になり、M&Aの相談からクロージングまで合計すると、約半年となります。

上述のようにマッチングに時間がかかった場合では、半年にその分の期間が加算されます。そのため、M&Aの期間は半年~1年以上といわれています。

M&A 期間

M&Aを短期間で成立させるメリットと事例

このように多くの時間がかかるM&Aでは、その期間を短くするとどのようなメリットがあるのでしょうか。

M&Aの検討が長期化すると、その動きが従業員や取引先などに伝わり、情報が漏えいしてしまうリスクが高まってしまいます。M&Aの情報が漏えいした場合、従業員のモチベーションの低下、退職、取引先からの不信感などのリスクが発生することがあります。

また、従業員への情報漏えい以外にも、取引先などへの情報漏えいにも注意が必要です。M&Aに対して「身売り」や「資金難」というような捉え方をする金融機関も存在し、実際の経営状況と異なっていたとしても、資金繰りの悪化と捉えられることで、今までの取引が円滑に進まなくなる恐れもあります。M&Aの期間を短くすることで、こうしたリスクを低減できるのです。

さらに、短期間でM&Aを実施することで、市場の状況や動向が大きく変わり、想定していたM&Aの目的が達成できないという状況を避けられる可能性も高まります。特に、多くの企業が新規参入を計画している分野の場合、早期に事業を獲得することは大きなアドバンテージになります。

実際に、M&Aが円滑に進み、3ヶ月という短期間で成約した事例もあります。

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M&Aの取り組みを早める方法

M&Aの手続きは多岐にわたり、おおむねの期間として半年~1年は必要だとしましたが、その期間を短くする方法もあります。

まず、事前に自社をいつまでに譲渡したいのか仲介会社に伝え、譲渡までの期間に関して明確な条件を策定することがあります。期間を決めずにM&Aを進めると、各手続きにかかる時間が長くなる傾向にあります。

ただし、期間の条件を厳しくしすぎた場合、十分な準備ができないといったことにもなりかねないこともあるので、ある程度はフレキシブルに、M&Aアドバイザーと手続きや交渉を進めるのが適切でしょう。

また、M&Aでは決算書類や契約書などさまざまな資料が必要になります。こうしたM&Aにおいて欠かせない資料を検討段階から準備することも、期間の短縮に繋がります。資料が揃わない場合、企業価値の算出や企業概要書の作成、デューデリジェンスにおいて時間がかかってしまうため、M&Aの全体的な進行が遅れてしまう要因になります。

譲渡企業の経営者はM&Aが初めてということも多く、M&Aに関する知見があまりない場合、M&Aにはより多くの時間を要するので必要になる期間は長くなります。そのため、M&Aの検討段階からM&Aの流れなどの知識を知っておくことは、期間の短縮に有効といえます。

M&A 期間

スムーズに成功させるために重要な点

M&Aをスムーズに成功させるためには、譲渡企業の経営者の方針やM&Aの目的がブレないことが重要です。M&Aの目的が事業承継のためなのか、金銭の確保をしたいのかなど明確にしましょう。

そして、M&Aを進めるうえで情報開示を適切にすることも重要です。自社にとって不利になり得る情報を伝えていなかったために、デューデリジェンスで発覚し、譲渡価額の減額や破談になる可能性もあります。

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まとめ

事前の準備や目的の明確化、日ごろの書類整理などを行いM&Aにかかる期間を短縮することで、情報漏えいのリスクの低減などを図ることができます。また、信頼できるM&A仲介会社を見つけておくことも、有効な事前準備となります。

長期にわたるM&Aをスムーズに進めるためにも、M&Aアドバイザーなどの専門家と進めることをお勧めします。