M&Aで買収された譲渡企業の従業員はどうなる?

2017/11/14

M&Aの中で最も配慮しなければならないのが、譲受企業に勤めている従業員の処遇です。この記事では、M&A 後の従業員の処遇と、留意しておくべき点についてご紹介します。

従業員の流出は両社の懸念事項

前提として譲渡企業のオーナーは、売却後に従業員が解雇されてしまうことを危惧しています。その一方で、譲受企業のオーナーは買収後に優秀な従業員が辞めてしまうことを恐れています。中小企業の M&A となると、大企業よりも働き手の母数が少ない分、会社のパフォーマンスが社員一人ひとりに依存している傾向が強くなります。

M&A を行う事で、譲受企業で働いていた従業員は、従来とは異なる制度の下で勤務する形となるため、M&A 後の社員の処遇は非常に取り扱いが難しく、且つ重要な課題となっているのが現状です。給与面、福利厚生等の処遇に関しては基本的に、交渉段階で契約条件の中に譲渡企業の従業員の待遇維持・雇用維持に関する条件を盛り込むのが一般的です。それによって譲受企業に雇用を約束させる事が可能です。

譲受企業にとっては優秀な人材の流出を防ぐため、いかに従業員の士気を落とさないように会社を引継ぎ経営していくかが重要となります。従って、M&A締結後に給料を下げたり長時間残業させるようなことはしないでしょう。

しかし、経営権は買い手側企業に移っているため最終的に従業員の処遇の取り決めが守られるかは譲渡先に委ねられています。そのため、譲渡企業のオーナーは、譲受企業がどれだけ従業員を大切にしてくれるかという見極める力が必要になります。

また、社員からM&Aに対しての理解を得られていないと、両社の関係がいずれ悪化していく事も考えられるでしょう。M&A交渉時には、秘密保持条約が締結されているため、従業員への説明は成立後となってしまいます。慎重かつ丁寧な説必要です。

想定されるトラブルを事前に回避するためにも、譲渡企業と譲受企業がそれぞれの従業員にM&Aについてしっかり説明し、不安や疑問点をなくしておくことが大事です。

M&A後を見据えた交渉

M&A業界には「PMI」という言葉があります。これは「Post Merger Integration」の略語で、M&A成立後の経営統合プロセスや各種作業の事を指します。

二つの企業が統合し、お互い発展するにあたって PMI は非常に大事なステップであり、M&Aが成功するかは PMI が上手くいくかにかかっているといっても過言ではありません。このステップを見据えた上で交渉をしていくとスムーズにM&Aが進むでしょう。

給与面について

譲受企業の従業員のなかには、M&A 成立後の給料の変動を気になるケースもあることでしょう。大半のケースではM&Aを経ても変動はありません。上記した通り、譲受企業にとって最も避けたいシナリオは優秀な従業員の流出ですので、少なくともM&Aが成立してからの数年間は従業員にとってマイナスになるような処遇変更を行う事はありません。

中には、優秀な従業員に最大限パフォーマンスを発揮してもらうために、結果として給料がアップするケースもあります。しかし一方で、M&Aをする前に適正額を超えた給料をもらっている従業員がいた場合、相談の上ではありますが、適正額へ変更されるケースがありますので注意が必要です。

注意すべきことは、業務の基準値が変動するという点です。多くの場合、譲渡企業より譲受企業のほうが規模は大きいので、仕事量が変わってきます。それまでは100の量の業務をこなしていたのが、M&A後の新会社では200の仕事量をこなさなければならなくなる可能性があります。また、求められる仕事の質も変わってくるでしょう。従業員の方はその環境の変化に適応していく必要があります。

譲渡企業のオーナーの引継ぎ期間と引き際

M&Aの成立後でも譲受企業のオーナーがリタイアすることなく、取締役や顧問、相談役といった役職として会社に留まるケースが散見されます。会社を譲渡した後、大切な従業員の様子が気になるために本人が希望して残る場合もありますが、譲受企業側の要望による場合もあります。これはオーナーの人脈や得意先、技術の引継ぎを行うためです。自分の役割を全うしたと判断したら、徐々に退任していくことで円滑な引継ぎを促進していきましょう。

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