諏訪と京都、M&Aプラットフォームがつなぐ縁

有限会社信濃設備機工

譲渡企業

有限会社信濃設備機工

所在地: 長野県諏訪市
事業内容:機械器具設置工事業、運送事業 等

株式会社塚腰運送

譲受企業

株式会社塚腰運送

所在地:京都府京都市
事業内容:トータルロジスティクスサービス 等

担当アドバイザー:阿部 泰士
2018年10月29日、譲渡成立

2018年10月29日、有限会社信濃設備機工と株式会社塚腰運送のM&A成約式が、長野県諏訪市のRAKO華乃井ホテルで開かれ、譲渡側である信濃設備機工の小井出則夫社長、恵美子専務ご夫妻、譲受側である塚腰運送の塚腰智之社長、塚腰高秀副社長が出席されました。

M&A 成約式 集合写真

創業から一貫して諏訪市の精密機械産業を支えてきた地元企業と、新たな物流サービスの創造を目指して事業拡大を続ける京都の老舗企業。遠く離れた2つの会社の縁をFUNDBOOKのM&Aプラットフォームがつなぎ、譲受側の問合せから52日というスピード成約によって経営のバトンが託されました。

今回のインタビューでは、成約式を終えた信濃設備機工の小井出社長に経営者としての歩みと、会社の譲渡に至った経緯、そして今後のことについてお話を伺いました。

皆が働ける場所を。地道な努力を重ねた30年

信濃設備機工 小井出社長

—— 本日、無事に最終契約が締結されました。今のお気持ちはいかがでしょうか?

M&Aなんて新聞で触れるくらいのもので、まさか自分が関わるとは考えてもみませんでした。FUNDBOOKからの最初の電話も、人材派遣の話だと思ったくらいですから。それからM&Aの検討を始めて、たった9ヶ月で今日という日を迎えている。本当に人の縁というのは不思議なものだと感じています。

 

—— 1985年に信濃設備機工を設立されて33年。これまでどのようなことを意識して経営されてきましたか?

お世話になっていた会社の社長が後押しをしてくださいまして、当社は機械器具設置工事業からスタートしました。1996年に精密機械等の運送事業を始めましたが、とにかくお客様に必要とされる「強み」を見出していくために、当時最先端だったエアサス車両を地域で一番に導入するなど、時代の先を見据えながら設備投資をするよう努めてきました。

会社というのは地道な努力を重ねて信用を得て、こつこつ育てていくものです。経験が有るからやる、無いからやらないではなく、とにかくチャレンジして乗り越えることで、やっと次の仕事がくるという感覚でした。

とはいえ30年以上も続けてこられたのは、従業員の皆が一生懸命仕事に取り組んでいるのを、お客様が評価してくださったからだと思います。社長である私が営業して大きくしたのではなく、働いてくれる皆が、お客様が大きくしてくれた。今ではどのような仕事であっても、しっかりと対応できる会社になっている自信があります。

 

—— なぜこのタイミングでM&Aをご検討されたのでしょうか?

2008年のリーマンショックで諏訪の機械製造業も大きな打撃を受け、私もボランティアで社長を続けてきたようなものでした。もちろん、高い報酬が欲しかったわけではなく、皆が働ける場所を作りたいという想いで経営をしてきたのですが、私ももう70歳。年齢が年齢です。

会社は、新しい設備関係の投資に踏み切らなければいけない時期に来ていました。しかし、借金をして新たに設備投資しても、これからの時代は返していけるかも分かりません。少しずつ借金を返すために、これから10年も15年も働かなければいけないというのは、体力的にも難しいと思いました。

従業員が路頭に迷うような事態は避けたかったですし、現状を打開する方法を色々と考えていましたが、なかなか良い考えも生まれず……。阿部さんからのご連絡が無ければ、どうなっていたか分かりません。

 

—— ご子息への親族内承継という選択肢もあったのでは?

会社を背負うというのは相当な覚悟が必要ですし、私と専務が経験してきた苦労を考えると、子供には同じ経験をさせたくないと思ったのです。苦労するのはもう、私たちの世代だけでいいと。

今日、息子は初めて塚腰社長に会いました。年齢も近いですし、自分の親よりもやりやすいと思ったのでないでしょうか。その点では、息子のこれからにとっても良いことなのかもしれません。

成約式 契約書調印
成約式 アドバイザー

縁が縁をつなぎ、新たな人生へ

—— M&Aを進めるにあたって、もっとも大事にされたことは何ですか?

うちの会社で働いてくれている人たちが、譲渡後も大切にされて、しっかり働いていけるような会社が良いと思っていました。彼らに対して無責任でありたくはなかった。

はじめの頃はうちの会社を見てもらうという意識だったのですが、段々とこちらが相手の会社を見て決めれば良い、判断するのはこっちで良いんだという意識に変わっていきました。お会いして、トップが現場をよく理解している会社とであれば、うまくいくだろうと思えました。

 

—— 塚腰運送様への譲渡を決められたポイントはなんでしょう?

最初の面談が、とても良いものだったのです。面談には社長だけでなく会長もいらっしゃったのですが、これが何とも言えず柔らかい印象の方で。社長も穏やかな方ですし、お2人の人柄に魅了されてしまいました。うちの会社も家族的な雰囲気でやってきたものですから、従業員もここでなら働いていけるだろうと思えました。出会いをセッティングしてくれた阿部さんには本当に感謝しています。

阿部さんには、実際に交渉を進めていただく過程においても、すべてをお任せできたのが大変ありがたかった。資料一つとっても、こちらが提供したものの内容を精査してとても質の高い資料を作ってくださいましたし、細かな部分まで当たり前のようにフォローしようとしてくれる姿は、他には無いものでしたね。

私たちも日々の仕事で忙しいなかで話を進めていかなければならなかったので、アドバイザーの存在はとても頼もしく、安心感がありました。

成約式 花束贈呈
成約式 握手

—— 最初のトップ面談から52日でのスピード成約です。従業員の皆さんにはどのようにお伝えになりましたか?

塚腰運送さんは顧客先でお見かけする、うちの従業員もよく知っている会社です。やっている仕事自体が極端に変わるわけではないですし、あの会社ならということで大きな抵抗感はなかったようです。給料の面でも現状維持で移行していくので、特に管理職の面々は安心したでしょう。

私自身も最初にお会いした際の印象から、塚腰運送さんならば皆に納得してもらえるという確信がありました。会社のその後の姿がしっかりとイメージできれば、検討するのに長い時間は必要ないのだと思います。

信濃設備機工 小井出社長

—— 様々な問題が解決し、新たな人生が始まります。今後のことはすでにお考えですか?

これまで毎日働いて、従業員には精一杯のお給料を出して、私自身の将来を夢見ることなんてありませんでした。専務にも資金繰りなどお金のことをすべて任せていたから、本当に苦労をかけたなと思っています。彼女としても肩の荷が降りたのではないでしょうか。正式に会社の譲渡が決まって、やっとこれからのことを考えられます。まだ何も決めていませんが、ゆっくりどこかへ旅行に行くのも良いかもしれませんね。

阿部さんと行き逢えたのも縁だし、その巡り合わせで塚腰社長に行き逢えたのもまた縁だと思います。後悔はまったくありません。あとは塚腰社長たちに任せて、見守っていきたいと考えています。

塚腰運送 塚腰社長

想いを受け継ぎ、さらなる発展を

株式会社塚腰運送
代表取締役社長 塚腰 智之 氏

1910年に創業してから108年、運送事業を軸として会社をやってまいりました。私は5代目にあたりますから、創業者である小井出社長や専務がご経験された苦労は、味わっていないかもしれません。

しかし、これまでの25年、たくさんの苦しい経験がありました。会社の事業がなかなか上手くいかず、お客様からも銀行からも、社員からも色々と言われてしまう立場にあったこともあります。この10年でなんとか黒字化を達成し、ようやく経営らしい経営ができています。

当社も新たな成長期に入り、必要となる人材、必要となる拠点が出てまいりまして、これまで3社をM&Aで譲り受けました。いずれの会社においても、最初は従業員の皆さんも戸惑われていましたが、様々な機会を通じてコミュニケーションをとり、信頼していただけるように努めました。良い人材がいて、人材と会社との厚い信頼関係があって、はじめて活性化すると私は考えています。

今回のM&Aに関しましては、取引先が茅野市での事業に注力していくという話がありまして、それにあわせて私たちもこの地域に新たな拠点を必要としていました。ちょうどそのタイミングで、FUNDBOOKのプラットフォームに理想的と思えるお相手の情報を見つけたのです。何かご縁のようなものを感じて問い合わせをさせていただき、そこから信濃設備機工様とのお話が進んでまいりました。4度目のM&Aとなりますが、問い合せから52日という短い期間での成約は私も初めての経験で、プラットフォームという新たな仕組みの力を感じております。

小井出社長と専務の想いをしっかりと受け継ぎつつ、人材やビジネスといった両社の強みを結びつけてシナジーを生み出し、会社をより強固に発展させてまいります。御二方には、安心して見守っていただけたらと思います。

FUNDBOOK アドバイザー 阿部泰士

株式会社FUNDBOOK
阿部 泰士

今回、弊社のプラットフォームで信濃設備機工様の情報をご覧になり、お問い合わせくださった企業様は実に30社以上でした。

多くの企業様に興味を持っていただいた主なポイントとして、運搬だけでなく精密機器の据付設置もできるという付加価値、付加価値の高さから直荷主との安定した取引継続が見込める将来性、新しいトラック等を随時導入していた堅調な設備投資という3点が挙げられます。

一方で、小井出社長がお悩みになっていたのは、人材不足(若い従業員が少ない、人件費高騰)外部環境の変化(燃料費高騰、コンプライアンス遵守)後継者問題(ご子息に苦労をかけたくない)といった、まさに現在の運送業界オーナーの誰もが感じているものでした。

初めて伺った際に、68歳という年齢的にも会社存続のために単独でこれ以上仕事を続けるのは難しいとお話しくださいました。まだM&Aという選択肢を現実的にはお考えになっていませんでしたので、「従業員の雇用と社名の継続」「設備投資の拡大」「荷主への信頼関係継続」「創業者利益の獲得」など、M&Aによるメリットを説明してご検討いただき、話を進めていくこととなりました。

譲受候補企業様とのご面談が始まると、当初こそお相手のメリットや、シナジーが生まれるのかなど不安なご様子もありましたが、1社、2社とお会いされるうちに、社員、会社、取引先、そして家族にとっても、M&Aがベストな選択肢であることを確信していただけました。

塚腰運送様とは、最初のご面談からM&A成立まで約1ヶ月半。ここまでスピーディに話が進んだのは、小井出社長の決断力、奥様である専務の協力と、譲受側である塚腰社長、副社長の豊富なM&A経験があったためでしょう。

10年後も20年後も後悔しない、もっとも良い相手と一緒になっていただけたこと。その選択肢をご提供できたことを、アドバイザーとして誇りに思います。

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