よくわかるM&A

2023/10/02

M&Aによる投資方法と投資ファンド

M&Aによる投資方法と投資ファンド

M&Aで投資をするにはどうしたらいいのでしょう?
投資ファンドの役割は何なのでしょうか?この記事では、現役のM&AアドバイザーがM&Aの投資について説明していきます。
投資としてM&Aを行うメリット・デメリット、M&Aを成功させるポイントが分かります。
「投資としてM&Aを考えている」「M&Aにどんな手法があるのか分からない」という方はぜひご覧ください。

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M&Aと株式投資の違い

最初にM&Aと株式投資の違いを解説していきます。
・M&Aとは
・投資とは
・M&Aと株式投資の違い 
それぞれ解説していきます。

M&Aとは

M&Aとは、事業買収のことです。
一般的には、経営が悪化している企業が、他の企業によってM&Aされるイメージがあります。
しかし、買収企業としては事業拡大を狙う手段として有効とされています。
売却企業としては、企業の存続はもちろん、事業承継の手段として行うケースも多くあります。
M&Aを事業戦略として捉えている方はいても、「投資」と考える方は、まだ少ないかもしれません。

投資とは

投資とは、資金を出してリターンを得る活動のことです。必ず得するものではなく、
損する可能性も充分あり得ます。
時には、資金が失われ「元本割れ」になることも。
投資といえば、不動産投資や株式投資のイメージが根強くあります。
しかし、将来を見込んで自分や他人に対して、資金を出すこともまた投資。この意味においては、M&Aも投資と捉えやすいのではないでしょうか。

M&Aと株式投資の違い

M&Aと株式投資は一見すると全く違うと感じるかもしれません。
事業の経営権を持つのがM&Aで、株式投資は株式を持つ投資です。
株式投資でも、株主総会で意見を述べられる点で、
事業の経営権を持つと言えますが資金を提供しているに過ぎず、有する権限は非常にわずかなもの。
持っている株式がよほど多くなければ、経営に意見を反映させることは難しいでしょう。
一方、M&Aは直接経営に関与します。M&Aによって得た経営権を駆使して、
利益を拡大させていくのが多くのパターン。
株式投資との違いは、自分の経営手腕によって、業績が大きく左右される点です。
株式投資は投資家の側面が強いですが、M&Aは経営者の視点が必要になってきます。

M&Aによる投資のやり方

M&Aによる投資のやり方は、以下の手法があります。
・買収
・合併
・分割
・資本提携 
以上4つの手法から、それぞれさらに細かい手法が存在します。

買収、合併、分割、資本提携

買収、合併、分割によって、M&Aによる投資を行います。
買収には大きく以下の2つの手法があり、中でも株式買収はさらに3つの方法に分けられます。
・事業譲渡
・株式取得 (株式譲渡、第三者割当増資、株式交換)

合併には、以下2つの方法があります。
・新設合併 
・吸収合併 

分割には以下の2つの方法があります。
・新設合併
・吸収合併 

株式取得(株式譲渡、第三者割当増資、株式交換)

株式を取得する手法として、株式譲渡、第三者割当増資、株式交換があります。
株式譲渡とは、売り手側の会社の株主が、買い手側の会社に株式を譲渡し、経営権が移ること。M&Aでよく使われる方法で、手続きも簡単です。社名・債権や債務・取引先との関係は変わらず、そのまま買収側に引き継がれます。外見上は、会社にさほど変化はありません。
第三者割当増資では、まず売り手側の会社が新しく株式を発行します。そして、特定の第三者に有償で株式を引き受けてもらい、増資を図ります。既に株主がいるため、株式譲渡と違って完全に買収することはできません。
株式交換とは、売り手側会社の全株式を、買い手側会社の一部株式と交換することを指します。。売り手と買い手が、親会社と子会社の関係を作る際に使われます。買い手側は、現金がなくても買収ができます。
M&Aにおける企業買収の手法と種類については、以下の記事を参考にしてください。

▷関連記事:M&Aの仕組みとは?企業買収の手法とその種類について

投資としてのM&Aのメリット・デメリット

投資としてのM&Aのメリットとデメリットを解説していきます。

メリットは主に以下が挙げられます。
・資金回収が早い
・シナジー効果が期待できる
・経済的・時間的コストが削減できる

デメリットは、以下が挙げられます。
・まとまったお金が必要
・投資した金額を上回る利益を出せない
・従業員が離れてしまうことも

投資としてのM&Aのメリット

投資として行うM&Aの、最大のメリットは資金回収が早いことです。
また、事業を成長させれば早く資金を回収することができます。
買収された企業が持つ事業によって、自社がこれまで参入していなかった事業へと参入することが可能。
もちろん、M&Aによって規模が拡大することになる分、売り上げの増加も期待できます。
軌道に乗れば、さらに早い資金回収が望めるでしょう。
シナジー効果が期待できるのも、メリットの一つです。
シナジー効果とは、技術や事業が掛け合わさることによる相乗効果。
足し算ではなく、掛け算のイメージとよく言われます。M&Aによる事業提携で、シナジー効果を期待している投資家や経営者もいます。
また、一から市場調査・商品やサービス開発・人材の育成が不要なこともメリットです。
M&Aによって、自社にはなかった技術を獲得できれば、新たなノウハウを獲得したことになります。
時間的なコストを削減できる点でも、早期の資金回収が見込めます。
他にも、税率が低い海外の企業とM&Aする場合、節税が狙えることもメリットとして挙げられます。
しかし、近年は規制が厳しくなっています。

投資としてのM&Aのデメリット

一方で、まとまったお金が必要というデメリットもあります。

投資である以上、損する可能性はつきものです。
ただ、一般的な投資と違って、投資対象が企業である分、動かすお金も莫大な金額に。
損失額もまた大きくなってしまいます。
場合によっては、投資した金額以上の損失となって返ってくることもあり得ます。
投資家かつ経営者の実力にも、大きく左右されます。
買収が高額になって、投資した金額を上回る利益を出せないこともあります。
企業のブランド力・技術力などの目に見えない資産は「のれん代」として、買収金額に計上されます。

M&Aの際には、純資産に加えて「のれん代」がかかると考えます。
「M&Aした額-純資産額=のれん代」とも言えるのです。
日本では時間の経過とともに、のれん代が目減りすると考え、一定の期間が経ったら減価償却することになります。
のれんの償却によって、損が生じることもあります。

また、多額の投資にもかかわらず、従業員が離れてしまうこともあります。
M&Aによって売り手側の企業には、評価の仕方・労働環境・人員配置など、様々な面で変化が生じます。
売り手側の従業員が不満を持ち、意欲が低下したり従業員同士で衝突したりと、トラブルが発生しかねません。
場合によっては従業員が退職し、人材の流出に繋がる恐れもあります。

人材の流出は、M&Aでせっかく得た技術力やノウハウが失われることを意味します。
M&Aの後は、従業員からヒアリングを行い、できるだけ働きやすい環境を整えることが重要です。
適切な金額での買収か、買収先の企業は適切か、買収後の経営や従業員の状況はどうなっているのか、見極めが鍵になります。
M&Aアドバイザーとも話し合って、慎重な判断が求められるうえ、次に解説する株価への影響にも関わってきます。

M&Aによる株価への影響

M&Aは株価へも影響してきます。

有名企業が買収した場合は、株価が上がる可能性があります。
投資家たちが「M&Aによって業績が好転する」と予想すれば、株価は上がります。
逆に「M&Aに期待が持てない」と判断されてしまった場合、株価は下がることになります。
例として、適切な金額での買収ではなかったり、買収先の企業の選択が適切でなかったりする場合が挙げられます。

投資ファンドとM&A

投資ファンドという言葉をよく聞くと思いますが、どんなものなのでしょうか。
投資ファンドとは何か、投資ファンドの種類について解説していきます。

投資ファンドとは

投資ファンドとはお金を出し合って、投資をする団体のことです。どの程度出資を行ったかによって、各投資家への利益の配分が決まります。

投資ファンドの種類

投資ファンドには、主に以下の種類があります。
・PEファンド
・バイアウトファンド
・再生ファンド
・ベンチャーキャピタル
・MBOファンド
それぞれどのような投資ファンドなのか、解説します。

PEファンド
PEとはプライベートエクイティ(未公開株式)の略称。
将来性はありますが、まだそれほど軌道に乗っていない企業の株式に投資します。
企業の規模が拡大してから、上場やM&Aし、キャピタルゲインを獲得することが目的です。
キャピタルゲインとは、買った時と売った時の差額で得られる利益です。

バイアウトファンド
PEファンドと言えば、バイアウトファンドを指すことがほとんどです。
投資対象は、ある程度成長した企業。
まず、企業の株式を買収することで、経営権を取得します。
その後、企業価値が上がったところで売却し、利益の回収を目指します。

再生ファンド
経営が危機に陥っている企業が投資対象です。
経営を回復させ、企業価値が上がったタイミングで売却し、利益を狙います。
うまく経営状況を回復できれば、多大な利益が期待できます。
逆に、そのまま経営が傾いて倒産する恐れも。
出資したにも関わらず、大きな損失だけが残ることもあり得ます。

ベンチャーキャピタル
今後、成長が見込めるベンチャー企業が投資対象。
そのまま経営者に経営してもらい、投資家は経営を行いません。
上場して事業が大きくなり、株価が上昇したタイミングで売却します。
うまくいけば、大きな利益が見込めますが、ベンチャー企業が上場するのは困難を極めます。
倒産する可能性もあるため、再生ファンドと同じくハイリスク・ハイリターンな投資と言えるでしょう。

MBOファンド
マネジメント・バイアウトの略。投資対象は、既存の企業から独立を図る役員や従業員です。
創業者や親会社等から、現在の経営陣が株式を買い取って、経営権を得ることも言います。
事業の存続のために行うことが多く、好意的な買収であるケースも多数。
M&Aは企業風土が異なる第三者が買収しますが、MBOは企業風土を同じくした経営陣による買収です。
M&Aのデメリットで挙げた、人材の流出が起こりにくい傾向があります。

M&Aによる投資で成功するポイント

M&Aによる投資で成功するポイントは、なんと言っても専門家の知恵を借りることです。
M&Aを実施するにあたっての手続きは非常に複雑で、案件ごとに前提条件も異なってきます。
ご紹介してきたように、一口にM&Aと言っても様々な方法があります。
豊富な知見がないと、状況に応じた適切な判断を下すことは難しいでしょう。専門家であるM&Aアドバイザーの協力は欠かせません。
まずはM&Aの仲介会社に、買収ニーズを伝えましょう。買収したい企業を見つけたときに、早めの行動ができるかが鍵になってきます。

まとめ

もう一度お伝えしますが前による投資には以下のメリットとデメリットがあります。

メリット
・資金回収が早い
・シナジー効果が期待できる
・事業拡大に際して、経済的・時間的コストが抑えられる

デメリット
・まとまったお金が必要
・投資した金額を上回る利益を出せない
・従業員が離れてしまうことも

デメリットはありますが、M&Aの投資家メリットの方が大きいとも言えます。
通常の投資と違い、経営手腕によって利益を獲得できる確率が高くなるのもメリットと言えます。
成功させるためには専門家の知恵を借りることがポイントです。
しかし、M&Aの専門家もなかなか見つからないという人もいるでしょう。

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