IT業界 M&A 事例
昨今、IT業界ではM&Aの話題が絶えません。昨年は、個人が開発した匿名質問サービス「Peing」がサービス開始からわずか一ヶ月で譲渡され、注目を集めました。エンジニア御用達サービスの「Qiita」や「GitHub」のM&Aも記憶に新しいニュースです。
 
こうしたニュースをきっかけに、「もしかしたら、自分が開発したサービスも売却できるのでは」と、Webサービスの売却に興味を抱いた人もいるのではないでしょうか。
 
そこで、2017年から現在までにIT系業界で注目されたM&A事例を踏まえて、「各分野でのM&Aの動向」や「Webサービスを譲渡するためのコツ」について、M&Aの専門家からアドバイスをいただきました。
 
目次
個人開発サービスのM&A事例3選
同業他社サービスのM&A事例3選
動画系サービスのM&A事例4選
学習系サービスのM&A事例2選
大企業によるM&A事例4選
IT業界を震撼させたM&A事例2選
まとめ

今回話を聞いたM&Aアドバイザー


FUNDBOOK M&Aアドバイザー 田中哲

田中哲

株式会社FUNDBOOK
営業戦略本部 ヴァイスプレジデント

2008年に株式会社三井住友銀行へ入社。
投資銀行部門にて金融債権の流動化業務に携わった後、上場企業から中堅規模の法人営業に従事。
2015年に株式会社日本M&Aセンターに入社し、提携している金融機関との協業におけるスキームを主として、譲渡企業側のアドバイザーとしてさまざまなM&A事業や業務に携わる。2015年の入社メンバーでは売上1位となる。2017年11月に株式会社FUNDBOOKへ入社、現在に至る。

個人開発サービスのM&A事例

①ファウンダーがWebサイト「資金調達プロ」を事業譲渡【譲渡金額:6億2,000万円】(2018年1月)

ファウンダー M&A

引用元:https://shikin-pro.com/

ファウンダーは、前身のユービジョンにてWebサイト「資金調達プロ」を運営していました。このサイトは資金調達に関する記事を紹介しているメディアで、ファクタリングに関する情報に強みを持っており、そのアフィリエイトによる収益性の高さから、東証一部上場企業に事業譲渡しました。それまでの経緯について、同社CEOが以下の記事にて言及しています。

【サイトM&A】30歳の私が運営歴3年のアフィリエイトサイトを6億2000万円で売却した全記録

上記の記事によると、あまり手をかけずにサイト運営を3年間続けてきたそうです。それでも、億を超える譲渡金額を得られるサービスに成長させています。

参考URL:6億2000万円でWebサイトをM&Aで売却!そのノウハウを起業家&投資家マッチングサイトで公開

 

②匿名質問箱「Peing」が、ジラフに事業譲渡【譲渡金額:非公開】(2017年12月)

Peing ジラフ M&A

引用元:https://peing.net/

サウジアラビア発の匿名質問サービス「Sarahah」をヒントに、日本人の個人開発者がリリースしたのが、2017年11月リリースされた「Peing」。自分に寄せられた匿名の質問や回答を、SNSで簡単にシェアできるのが特徴です。登録が簡単かつシンプルな機能で気軽に利用でき、リリース初月でアクセス数が2億を超えるほど、Twitter上で若年層を中心に大流行しました。一方で、急激に伸びたアクセスによりサーバーへ膨大な負荷がかかってしまうなど、開発者の方は個人運用の限界に悩まされていました。

そこで、より安定したサービスを提供するために、ジラフへサービスを譲渡。なんと、サービスリリースからわずか1ヶ月での譲渡となりました。譲渡金額は明かされていないものの、開発者によると「贅沢をしなければ働かずに生きていける」ほどの金額とのことです。

参考URL:月間2億PVの匿名質問サービス「Peing – 質問箱」を買収【7年かかった】19歳から7年、1人で30個のWebサービスを作り一発当ててもう働く必要がなくなったので振り返ってみる

 

③俳句のSNSアプリ「俳句てふてふ」が毎日新聞に事業譲渡【譲渡金額:非公開】(2018年6月)

慶應義塾大学の学生が個人開発した俳句投稿アプリ「俳句てふてふ」が毎日新聞に事業譲渡されました。本アプリは全国的な知名度を持ちながらも、開発者の運用リソースが限られていました。そこで、充実した俳句コンテンツを長年提供している毎日新聞が、安定した運用と既存コンテンツとのシナジーを期待してM&Aを持ちかけたのがきっかけとのこと。

開発者はアドバイザーとして今後もサービスに関わりつつ、俳句について豊富な知見や人脈を持つ毎日新聞が、新規事業としてアプリ運用に取り組みます。

参考URL:PoliPoliが俳句のSNSアプリ「俳句てふてふ」を毎日新聞社に事業譲渡

 

<専門家からのコメント>

FUNDBOOK M&Aアドバイザー 田中哲

個人でサービスを売却する方には、最初から売却を見据えてサービスを開発された方と、売却を意識せずに世の中のニーズに併せてサービスを開発され、結果的に売却に繋がったという方の2タイプの方がいらっしゃいます。前者の方は市場環境を鑑みて、ユーザーが解決したいと感じている課題から逆算して考えることでアイデアを思いついたという話をよく聞きます。
 
しかし、これは中小企業の戦略としては定石です。そのため、競争相手が対企業となってしまう可能性が高く、ユーザーに使い続けてもらうサービスを運営するためには予想を超える努力が必要でしょう。
 
それよりも「趣味がきっかけでサービスを開発したら売却オファーが来た」というケースのほうがコストパフォーマンスが高い可能性もあり、自分の趣味嗜好に沿ったアウトプットに没頭してみるのも手かもしれません。

 

同業他社サービスのM&A事例

④メルカリが「スマオク」運営のザワットを譲受け【譲渡金額:非公開】(2017年2月)

スマオク 買収 M&A

引用元:https://www.smartauction.jp/

2018年6月に東証マザーズへ上場を果たしたメルカリ。規模拡大を目指す同社は、2017年2月にブランド品に特化したフリマアプリ「スマオク」を運営するザワットを譲り受けていました。

スマオクは中古ブランド品にフォーカスしたオークションサービスとしてリリースされましたが、現在では幅広い出品物を扱っており、リアルタイム通信を活用した「フラッシュオークション」も特徴の一つです。メルカリがCtoCビジネスの同業他社を譲り受けるメリットは、両社のノウハウを共有しCtoC事業を発展と拡大させることだと明らかにしています。

参考URL:メルカリ、『スマオク』を運営するザワット株式会社を買収

 

⑤スタートトゥデイが「IQON」を運営するVASILYを譲受け【譲渡金額:20億円】(2017年10月)

IQON 買収 M&A

引用元:https://www.iqon.jp/

ZOZOTOWNやWEARを運営するスタートトゥデイが、ファッションコーディネートアプリなどを提供するVASILYを譲り受け、完全子会社化しました。VASILYの主なサービス「IQON」では、登録されているファッションアイテムをユーザーがコーディネートして共有できます。

このケースでも、両社のミッションを達成するために、お互いのデータや資産の共有が目的だと語られています。

参考URL:スタートトゥデイ、ファッションメディア「IQON」などを手がけるVASILY社を完全子会社化

 

⑥ユーザベースがアメリカの経済情報メディア「Quartz」を譲受け【譲渡金額:120億円(推定)】(2018年7月)

「経済情報で世界を変える」をミッションとし、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」を運営するユーザベースが、アメリカのオンライン経済情報メディア「Quartz」の全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。

Quartzは2012年の設立からSNSを活用したWebメディアを運営しており、こだわりのデザインやコンテンツが魅力です。今後、Quartzは昨年末にユーザベースがリリースしたNewsPicks米国版のコンテンツ制作にかかわるだけでなく、「グローバルに進出するために必要なパートナー」としての活躍を期待されています。

参考URL:NewsPicks事業のグローバル展開に向けた、米国Quartz社の買収に関するお知らせ

 

<専門家からのコメント>

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ITに限らず、同業のM&Aは事例としてとても多いケースです。なぜなら、自社がノウハウを有しない完全なる異分野を統合するにはリスクも伴うからです。
同業の場合、譲渡企業がすでに既存顧客に近い層を抱えていれば、その顧客を取り込めるため、譲受企業もすぐにシナジーを生み出せる戦略を検討できます。
そのため、自社の知見やノウハウを活かせる同業種間のM&Aが活発であることは必然と言えます。

 

動画系サービスのM&A事例

⑦ヤフーがdelyを連結子会社化【譲渡金額:93億円】(2018年7月)

kurashiru「dely」 yahoo 買収

引用元:https://www.kurashiru.com/

2016年2月にリリースした、レシピ動画サービス「kurashiru」。ヤフーは本サービスを運営するdelyの株式を買い取り、議決権所有割合を45.6%まで引き上げる予定です。

「kurashiru」は、現在1200万DLされ、290万人のSNSフォロワー数を有しています。ヤフーと連携することで異なるユーザー層へのリーチや、検索機能と併せた新規事業への展望を見込んでいます。

参考URL:dely株式会社への資本参加および戦略的パートナーシップの構築について

⑧グリーが広告プロデュースやクリエイティブ制作の3ミニッツを譲受け【譲渡金額:43億円】(2017年2月)

引用元:http://www.3minute-inc.com/

2017年2月、グリーは動画を活用したメディアマーケティングなどを提供している3ミニッツを子会社化しました。グリーは、かつてビジネスの主軸としていたゲーム事業が徐々に縮小しており、ライフスタイルメディアの運営など他領域への参入を続けています。

動画コンテンツの広告価値が高まっている中、グリーは動画市場の知見が豊富な3ミニッツを譲り受けることで、動画広告事業の成長を見込んでいます。

参考URL:株式会社3ミニッツの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

 

⑨Candeeがライブ収録と配信のアポロ・プロダクションを譲受け【譲渡金額:非公開】(2017年5月)

モバイル動画のメディア事業を行うCandeeは、動画配信会社のアポロ・プロダクションを子会社化しました。アポロ・プロダクションは複数の動画配信サービスにおいて月間500本以上のライブ配信を手がけている企業です。

M&Aを通して、Candeeのハイレベルな制作力とアポロ・プロダクションの安定した配信力をかけあわせ、より高品質な動画コンテンツの提供を目的としています。

参考URL:【RELEASE】月間500本以上のライブ配信実績を誇る「アポロ・プロダクション」を完全子会社化
参考URL:「制作と技術を一気通貫で」

 

⑩LINEが動画プラットフォーム運営のファイブを譲受け【譲渡金額:非公開】(2017年12月)

ファイブは、動画広告配信プラットフォームを国内で先駆けて提供した企業です。2014年の創業から急成長を遂げており、国内動画広告市場において最大規模のリーチ数を有しています。

LINEは、「LINE NEWS」や「LINEマンガ」、「LINEブログ」といった自社サービス上での広告在庫が増えており、自社の広告配信プラットフォーム「LINE Ads Platform」へ、ファイブの開発力や運用ノウハウを還元することが目的です。

参考URL:【コーポレート】ファイブ株式会社との資本業務提携による完全子会社化に関するお知らせ

 

<専門家からのコメント>

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近年、Web界隈においては動画市場が大きな盛り上がりを見せております。メディアのトレンドを見ても、主流がテキストから写真、写真から動画という変遷があり、例えばFacebookがInstagramを子会社化し、InstagramがIGTV(Instagram専用の動画サービス)を始めていることからも、この潮流の力強さが窺えます。それに関連する動画広告や動画メディア、職業としてもYoutuberとして会社員以上のお金を稼ぐ人が出るなど、市場は活性化しています。
 
このようなトレンドの中で、激しく消費されるコンテンツ及び人材の不足が叫ばれており、同業社間でのM&Aも盛んに行われています。レシピ動画サービスやライブコマースなど、動画をメインコンテンツにした新しいサービスも次々に生まれており、アイデアや技術、オリジナリティのあるサービスであれば、M&Aでの譲渡も期待できるでしょう。

 

学習系サービスのM&A事例

⑪駿台グループがオンライン家庭教師サービス「manabo」運営のマナボを譲受け【譲渡金額:非公開】(2018年6月)

駿台 manabo 買収 M&A

引用元:https://manabo.com/

オンライン家庭教師のサービス「manabo」は、「スマホアプリで気軽にチューターから指導を受けられる」と人気を集めています。駿台グループは、本アプリを運営するマナボを2018年6月に譲り受けました。

マナボは、「生徒の学習モチベーション維持には、オンライン講師よりも実際に通うリアル塾のほうが適している」と述べ、リアル塾を持つ駿台グループと協力してサービスの拡大と充実を狙いとしています。

参考URL:駿台グループのエスエイティーティーが株式会社マナボの全株式を取得

参考URL:スマホ家庭教師「manabo」が駿台グループ入り、リアル塾への国内外導入および新サービスも

 

⑫Z会がオンライン塾の「アオイゼミ」運営の葵を譲受け【譲渡金額:非公開】(2017年12月)

「アオイゼミ」は、無料のライブ授業や、低価格で講師からアドバイスを受けられるプランが人気のオンライン塾です。2017年12月、駿台グループが運営会社の葵を譲受けました。

Z会が培ってきた豊富な教材ラインナップと葵のオンライン学習サービスをかけ合わせて、充実したサービスの提供と新しい価値の創出を目指しています。

参考URL:Z会グループによるアオイゼミ(株式会社葵)の 株式取得による完全子会社化に関するお知らせ

 

<専門家からのコメント>

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アナログな事業形態の会社がデジタルな部分を強化するためにM&Aを積極的に行っている印象があります。例えば商社がネット通販に強い会社を買収したり、印刷業を営む会社がWebデザインの会社を買収したりするなど、成約事例も数多くあります。塾や予備校などもその一例で、デジタルコンテンツを運営する企業のM&Aは近年活発に行われています。
 
「自社で新規事業としてサービスを作れば良いのではないか?」というと、それも簡単なことではありません。アナログ企業がデジタル化を目指して新規事業を立ち上げたものの、ノウハウ不足から資金や労力をかけてきた上で撤退したという事例も多く聞きます。そのため、デジタル化を推進する手段としてのM&Aは、理にかなった経営判断だと考えます。

 

大企業によるM&A事例

⑬KDDIが通信プラットフォーム「SORACOM」運営のソラコムを譲受け【譲渡金額:200億円(推定)】(2017年8月)

大手通信業者のKDDIは、通信プラットフォーム「SORACOM」を運営するソラコムを2017年8月に譲り受けました。ソラコムはIoTやM2M(Machine to Machine)技術に長けており、サービスを世界各国に展開している企業です。譲渡金額は非公開ながらも200億円を超える金額とも噂され、大きな話題となりました。

両社はM&Aによってこれまでの導入実績やノウハウなどを共有し、「新たなIoTビジネスの創出」「IoTプラットフォームの構築」「グローバル展開」「次世代ネットワークの開発」などのシナジーを期待しています。

参考URL:株式会社ソラコムの子会社化について

参考URL:KDDIがソラコムを約200億円で買収―日経新聞が報道

 

⑭DMM.comがアイテムを現金化できる「CASH」運営のバンクを譲受け【譲渡金額:70億円】(2017年11月)

cash M&A DMM

引用元:https://cash.jp/

自分のアイテムを撮影するだけで買取してくれるサービス「CASH」。リリース初日から注目を集め、サービスがわずか16時間で休止に追い込まれるほど話題になりました。このサービスを譲渡したのはバンクの創業から約8ヶ月、アプリリリースからわずか4ヶ月後の出来事です。

消費者が自由に物を販売できるフリーマーケット形式のサービスの人気が高まっているなか、「所持品をすぐに現金化できる」という新しい価値を生み出しました。70億という譲渡金額は、プロダクトや市場の将来性だけではなく、「事業者やチームとしての価値を加味した上での金額」とのことです。

参考URL:DMM、目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わるアプリ「CASH」運営のバンクを買収

参考URL:DMMがCASHを70億円で買収ーー亀山氏「おい、なんか買えるっぽいぞ!」からの舞台裏、光本氏と片桐氏が切り開く”即時買取の新市場”

 

⑮AOLの日本法人が「Oath」に統合(2017年8月)

AOLはアメリカを中心にインターネットサービスを提供する会社です。2017年夏にyahooアメリカ法人をM&Aし、新会社Oathを設立しています。

Oath日本法人は、デジタル広告プラットフォームを提供するOath Japanと、「TechCrunch Japan」や「Engadget Japan」などを運営しているAOLオンラインに分かれていましたが、2017年8月に事業統合。広告とWebメディアの相乗効果を最大化や「人々に愛されるブランド作り」に注力するのが大きな目的です。

参考URL:Oath Japan、オンラインメディア運営のAOLオンライン・ジャパンと事業統合

 

⑯Amazonがオンライン薬局を運営するPillPackを譲受け【譲渡金額:1,000億円以下(推定)】(2018年6月)

amazon オンライン薬局 M&A

Amazonは、オンラインで処方箋を購入できるPillPackのM&Aを公表。PillPackとはオンライン薬局を幅広く手がける2013年創業の企業です。

服用する処方薬をあらかじめ小分けにして届けてくれるサービスです。同社は、「Techstars」をはじめとした、スタートアップの事業支援を行う数社のアクセラレータから130億円以上の資金を調達しています。

アメリカで広く事業ライセンスを持っており、Amazonの広い流通網を活用した事業拡大が大きな目的です。

参考URL:Amazon、オンライン薬局のPillPackを10億ドル以下で買収

 

<専門家からのコメント>

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新規事業のためにM&Aを活用するメリットは、サービスを効率的にスタートできることがあげられます。大企業は安定した収益力のある事業を抱えた上で新規事業に乗り出すケースが多いですが、すべてが成功するわけではなく、失敗もたくさんあります。自社で挑戦してみたもののサービスが上手く軌道に乗らず、テコ入れとしてM&Aを活用し、ノウハウや仕組み、専門的な人材を取り込むといったケースもあります。
 
また、M&Aは会社員としても夢のある話です。Webサービスを譲渡するだけでなく大企業の代表に就任できる可能性もあり、実際に現在ヤフーの代表取締役CEOを務める川邊健太郎氏が、在学時に起業した会社がヤフーとの合併に伴い同社にジョイン、そこから社長に就任したというケースもあります。

 

IT業界を震撼させたM&A事例

⑰エイチームが「Qiita」運営のicrementsを譲受け【譲渡金額:14億円】(2017年12月)

qiita M&A

引用元:https://qiita.com/

2017年末、エンジニア向けの情報共有サービス「Qiita」を運営している株式会社Incrementsが譲渡されたニュースが話題となりました。「Qiita」はプログラマーがソースコードを共有したり、仕事術についてのブログ記事を投稿したりするなど、月間400万人を超えるユーザーに使用されています。

一方で、近年は赤字を計上しており、業績はふるいませんでした。そこで、スマホゲームアプリを主なビジネスとしているエイチームが、中長期的な企業価値向上を目的にQiitaを譲り受けました。increments代表は、「両社の思想やユーザーの親和性からお互いに良い影響を与えられるのでは」と話しています。

参考URL:Increments 株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

参考URL:Qiitaを運営するIncrementsのエイチームグループ入りについて

 

⑱マイクロソフトがGitHubを譲受け【譲渡金額:8,200億円】(2018年6月)

Github Microsoft 買収

引用元:https://github.co.jp/

2018年6月、マイクロソフトがソースコード共有プラットフォームのGitHubを子会社化しました。世界各国のエンジニアが愛用しているサービスです。「Qiita」と「GitHub」というエンジニア御用達のサービスが続けて子会社化されたので、多くのビジネスマンの間で話題となりました。

巨大企業の子会社となったことで、GitHubが築いてきたこれまでのオープン性が損なわれる懸念がされましたが、マイクロソフトはGitHubの独立企業としての運用を守ると公言しました。それぞれ磨いてきた技術力でお互いをサポートしながら、サービスをさらに充実させていくそうです。

参考URL:マイクロソフト、GitHub を 75 億ドルで買収へ

 

<専門家からのコメント>

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インフラになり得るサービスを作るには、膨大な時間とコストがかかります。内製化したいがノウハウがないという状況を打開してくれる上、M&Aを行うことで仕組みと人材、スキルを手に入れる事ができるので、戦略として非常に有効であると考えられます。

 

まとめ

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今後、M&Aは経営戦略の一手段として、より一般化していくでしょう。
 
譲受企業にとって新規事業への参入の足がかりになったり、既存事業の効率的なスケールにつなげることができるなど、メリットが非常に大きい経営手段です。実際に、RIZAPやSoftbankといった大手企業は積極的にM&Aを行い、桁外れな成長スピードを維持しながら常にサービスの向上を図っています。
匿名質問箱の「Peing」や「俳句てふてふ」のように、「影響力のあるサービスであれば、開発元が法人かどうかは重視しない」という事例も増えているため、個人が開発したサービスであってもM&Aのオファーが来る可能性は十分にあります。
もともと収益化できており、かつ一過性ではなく将来性が見込めるサービスであれば、一生働く必要がないほどの資金を手に入れられる可能性もあります。
 
M&Aは大きなお金が絡むため、お互いの信頼関係の構築や慎重な取引が重要になります。また、法務や税務など専門的な知識も必要です。個人として譲渡するのか、法人として譲渡するのかによっても違いがありますので、M&Aを行う上で不安がある場合は、まずは専門家に協力を仰いでみてください。

 
 

M&Aは誰でも利用できる経営手段としてますます定着してきています。サービスを成長させて譲渡し、その資金を基に何度も新しい事業を立ち上げる「シリアルアントレプレナー」と呼ばれる人たちもいるほどです。
 
連日のようにM&Aのニュースが取り上げられ、今後も目が離せないIT業界のM&A事情。次にニュースで取り上げられるのは、あなたが開発したサービスかもしれません。

 

今回解説していただいた田中さんの成約事例はこちら

3ヵ月のスピード成約――会社発展のためのM&Aという選択